私のバラ色ではない人生

野村にれ

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母娘の再会2

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「どうしてママって呼ばないの?お母様だなんて、ソアリスに言われたの?そうなのね?ソアリスの言うことは聞かなくていいのよ」

 ララシャはソアリスに指摘されたことを思い出して、ソアリスに言われたのだと思い込んだ。

「そうではないわ、お父様に言われたの。元々、言われてもいたのよ」
「リベルが?どうして!どうして、そんなことを…離縁したショックで、変わってしまったのかしら」

 ララシャはまるで、まだ自分の夫であるかのように、悩まし顔で頬に手を当ててていたが、可愛らしさの欠片すらなかった。

「ママでいいのよ?ママの方が若くて可愛いじゃない」
「16歳にもなって、ママなんて呼ぶ王女なんてどこにもいないわ。私は恥を晒し続けていたようなものなのよ、もう早くしてよ!そのまま外に出るの?」
「いえ、着替えて来るわ。お父様、メイドを貸して」

 ララシャは当たり前のようにキリスに言い、確かにここに住む際に、着る機会などない、管理が出来るのかと聞いたが、どうしてもドレスも持って行くと言って、一部だけ持って行っていた。

 だが、勿論着る機会もなければ、自分一人では着れず、管理もしていないので、劣化している可能性すらある。

 しかも、少し瘦せたことで、おそらくサイズも合わないことにも気付いていない。

「外出着でいい」
「ちゃんと、ドレスもあるのよ!だから、メイドを貸してって言っているの」
「メイドは来ていない」

 従者と侍女と護衛は来ていたが、邸にいるべきメイドを連れて来るはずがない。

「どうしてよ!」
「もういい加減にしてくれ、そのままの服でいいんだな?」
「分かったわよ」

 渋々、外出着に着替えたが、エミアンローズも大人しい装いではあるが、品質は比べるまでもなく、ララシャは酷くみじめに思えた。ララシャは隣には座らずに、エミアンローズの目の前に座った。

「もう!着飾って、エミアンとお茶をしたかったのに!どうしてメイドを連れて来ないのよ、お父様は気が利かないんだから!でも、持ってくれば邸で着れるわね、ちょっと戻って頂戴」
「戻らない、そのままでいいと言っているだろう!着替える必要はない」
「その服のままでいいです」

 エミアンローズも面倒なララシャに、服などどうでも良かった。

「でもいつものママじゃないみたいでしょう?こんな、飾りもない服なんて…」
「そんなことはありません」
「そんなはずないわ、お化粧だって、していないし…もう恥ずかしいわ」

 まるで少女のように振舞う姿に、エミアンローズはこのような姿を何度も見たなと思っていた。冷静になって見ると、こうなってはならない手本ではないか。

 見に来て良かった、私はこのような道は歩みたくない。

 努力をするのが好きな人もいるのかもしれないが、努力したくないと思いながらも、努力する人だっている。そして、ソアリス王妃陛下は、後者なのではないかとふと考えていた。

「エミアン?」
「何ですか?」
「どうしていたのかと思って、辛いことはない?ママが側にいないから、寂しかったでしょう?」
「お母様がいても、留学していたのですから」
「そうよね!留学に行かされていたのよね、辛かったわね。もう終わったの?」

 エミアンローズも留学は辛いと思っていた、でもララシャから言われるのは、酷く不愉快であった。

「とても勉強になりました。本来ならもっと勉強すべきだったと思っています」

 ソアリスに言われる前のエミアンローズだったら、絶対に使わない言葉ではあったが、ララシャに言ってやりたい気持ちが沸いていた。

「そう…そうなのね」

 ララシャは辛かった、ママがいなくてずっと寂しかったと、エミアンローズの泣き言を聞きたかったので、成長を喜ぶこともなく、答えに不満を持った。
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