私のバラ色ではない人生

野村にれ

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宰相

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『原因は心労?』
『そう言われていますが、証拠はありませんが、何か良くないものを盛られた可能性もあると思っています』
『もしそうだとして、何が目的?』
『子どもが生まれれば、父が退位させられると思っているのではないでしょうか』
『なるほど…』
『あとは単なる嫌がらせかと…』

 サーラはフローラとビビリーに言われたことを思い出し、一言も発さずに、下を向いてしまった。

『煩わしいわね、お二人だけ?』
『父もですが、二人ほどではありません』
『で、お二人は何かしたのですか?』
『注意をしましたが、父上に伝えると言われて、面倒なことになるとも考えてしまい…今では私もサーラも後悔しております』

 力のない側妃と王女ならば、どうにでもなるだろうと思ったが、厄介なのはデオリス国王なのだと理解はしたが、何か出来ることはあっただろうと思えてならない。

 だが、後悔している者を追い詰めても仕方ないかと追及するのは止めた。

『側妃をと言われているの?』
『…はい、特に兄上は』

 二人しか王子がおらず、子どももいないとなれば、事情はどうであれ、起こりえることだろう。

『これは答えるかは自由だけど、子どもは敢えて作っていないのかしら?』

 マディオはサーラを見つめ、サーラは小さく頷いた。

『その通りです』
『王太子妃よりも先に産むことになったらとも、考えて?』
『はい…』
『そう。出て行くなり、離れるという選択をしないのは、王太子夫妻のため?』
『はい、兄たちは離れらませんから』

 仲の兄弟というのは、嘘ではなかったようだ。

『サブリナ王妃陛下は、何をしているの?』
『母は…頼りにはなりません。王妃陛下もお会いになられたのですよね?』
『ええ』
『一緒に悲しんではくれますが、何もしてはくれません』

 お前らも一緒だろうがと思い、こうなると動けるものが必要だと感じた。

『宰相を呼んで貰うことは出来る?』

 クロンデール王国は宰相を置いていないが、決議機関である元老院がある。ロンド王国は元老院はないが、宰相がいる。

『宰相ですか?』
『ええ、私はロンド王国に動いてくれる人がいないのよ』

 案にお前たちは使えないと言っているのだが、マディオとサーラはそれが当たり前であるために気付かない。

『呼ぶことは出来ますが、動いてくれるかはどうか』
『呼んでいただける?』

 マディオは従者に宰相を呼んで貰うように頼み、しばらくすると長身で眼鏡を掛けた宰相である、ディスター・マグフレ公爵がやって来た。

 ソアリスは優雅に立ち上がり、挨拶をした。

『初めまして、ソアリス・グレンバレンでございます』
「王妃陛下…が、なぜ…」

 マグフレ公爵は、なぜマディオ殿下に呼ばれるのだろうかと思いながら、やって来たが、いるはずのない人物に驚いた。

『サーラ殿下に呼んでいただきましたの』
「そうでしたか、失礼いたしました。お呼びなのは、王妃陛下ということですか?」

 マディオとサーラはこちらを見てはいるが、マグフレ公爵に話し掛ける様子もないために、そういうことだろうと判断した。

『ええ、ちょっと力になっていただけないかと思いまして』
『ど、どのようなことでしょう?』

 共通語に切り替えたところで、ソアリスは愚か者ではないだろうと判断した。

『お時間、欲しくないかしら?』
「え?」

 どういう意味だろうかと、マグフレ公爵は頭を働かせたが、ソアリスはそれ以上は言わず、じっと見据えているだけであった。

 もしかしたら、知っている…?そんなことは、あり得るのか?

 マグフレ公爵が焦っている間、ソアリスはクーデターの中に、マグフレ公爵の名前がないことは確認済みであった。だが、宰相という立場から、話を持って行っている可能性は高いと考えていた。

 マグフレ公爵はクーデターに関しては、中立を貫くつもりであった。


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本日もお読みいただきありがとうございます。

本日は17時にもう1話、投稿いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。
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