424 / 818
ロンド王国王家14
しおりを挟む
「何もしなかったのか?誰かが助けてくれると思っていたのか?王太子が?」
「そ、それは…」
「ヒューラン様は、頑張ってらっしゃいました」
リリスが口籠るヒューランに代わって、答えた。
「それは、当たり前だろう?王太子ともなれば、頑張らないとやっていけない。そなたは、そうではないと思っているのか?」
「い、いえ」
皆、ソアリスを救世主のように思い、自分たちに好意的だと思い込んでいたが、ソアリスは誰一人として、評価していなかった。
「私の息子の王太子も頑張っている、王太子妃も、陛下も私も、王子も王女も毎日頑張っている。当然だろう?違うか?」
「はい…」
王族なのだから当たり前だと、王族以上にソアリスは思っている。
だからこそ、勉強も公務も好きではない、遊ぶこととサボるのが大好きなのに、公爵令嬢だから、王妃だからという立場の元やって来た。
それをわざわざ、頑張っているなどと口にして、庇う神経が理解が出来ない。
「そもそもがおかしいんだよ、困っているならどうして諫めない?止めない?目を逸らしていれば、いつか誰かが解決してくれるとでも思っていたのか?」
「それは…」
「本当に困っているのなら、どうにでも出来るだろう?肥え太っているだけで、弱そうな国王じゃねえか」
ソアリスはデオリスなら足を引っ掛けて、そのまま地面に頭を叩き付ければ、いけるなと思っていたくらいである。
「話しても駄目なら物理的に止めるしかないだろう?」
「ですが」
「白馬に乗った王子様を待っている、乙女か?来ねーんだよ、そんなもの」
「ですが、王妃陛下が来てくださいました」
ヒューランは、助けてくれる人はいるのだという気持ちであった。
「おめでたいことだな、私は進退をかけて来ているんだよ」
「…えっ」
言葉使いには驚いたものの、正しいことしか言っていないソアリスに、皆、感動すらしていたのである。
だが、他国のことで進退をかけ、原因がロンド王国では、それこそ責任の取りようがないのではないかと思った。
「これだけ偉そうに振舞ったんだ、私もしかるべき罰を受けるつもりだ」
「ですが、王妃陛下は何も悪くありません」
「そうです!」
ヒューランもリリスも酷く焦り、サーラは絶句していた。サーラはソアリスこそが、クロンデール王国の柱だと両親から聞かされていた。
「そんなことはなりません!」
サーラは大きな声を上げた。
「両親に、兄に、頼みます。そんなことはなりません」
「そんなことはしなくていい。私は王妃に向いてないのだから、困ることはない」
「…そんなはずありません。王妃陛下は必要な方です」
「それはない」
ソアリスにとって、王妃は特別な存在だとは分かっているが、自分が王妃であることとは結び付かない。
「それよりもお前たちはどうする気だ?お前らも性病と同じで、責任がないのか?これからも、そこにいるだけか?」
「いえ、父のようにはなりません。しっかりと向き合います」
ヒューランは、ソアリスの目を見て、真剣に答えた。
「お前らには宰相も、他の貴族たちもいるじゃないか。頼ればいい、情けないと思われても、力を借りて国が良くなるのであれば、その方がいい。私はそう思っている」
「それは…強い王妃陛下だから言えるのではありませんか」
ソアリス王妃陛下なら上手く利用するのだろうと思うが、ヒューランがそんなことをすれば、それでなくとも父が良く思われていない状況に、頼れば操り人形になってしまうのではないかと感じた。
「お前らは弱くても生きて来れたのだろう?羨ましい限りだよ」
「え…」
「守って貰って、自分を守って、歯向かわないようにして、傷付かないようにして、それでも王族として生きれた。幸運じゃないか。違うか?」
「そ、それは…」
「ヒューラン様は、頑張ってらっしゃいました」
リリスが口籠るヒューランに代わって、答えた。
「それは、当たり前だろう?王太子ともなれば、頑張らないとやっていけない。そなたは、そうではないと思っているのか?」
「い、いえ」
皆、ソアリスを救世主のように思い、自分たちに好意的だと思い込んでいたが、ソアリスは誰一人として、評価していなかった。
「私の息子の王太子も頑張っている、王太子妃も、陛下も私も、王子も王女も毎日頑張っている。当然だろう?違うか?」
「はい…」
王族なのだから当たり前だと、王族以上にソアリスは思っている。
だからこそ、勉強も公務も好きではない、遊ぶこととサボるのが大好きなのに、公爵令嬢だから、王妃だからという立場の元やって来た。
それをわざわざ、頑張っているなどと口にして、庇う神経が理解が出来ない。
「そもそもがおかしいんだよ、困っているならどうして諫めない?止めない?目を逸らしていれば、いつか誰かが解決してくれるとでも思っていたのか?」
「それは…」
「本当に困っているのなら、どうにでも出来るだろう?肥え太っているだけで、弱そうな国王じゃねえか」
ソアリスはデオリスなら足を引っ掛けて、そのまま地面に頭を叩き付ければ、いけるなと思っていたくらいである。
「話しても駄目なら物理的に止めるしかないだろう?」
「ですが」
「白馬に乗った王子様を待っている、乙女か?来ねーんだよ、そんなもの」
「ですが、王妃陛下が来てくださいました」
ヒューランは、助けてくれる人はいるのだという気持ちであった。
「おめでたいことだな、私は進退をかけて来ているんだよ」
「…えっ」
言葉使いには驚いたものの、正しいことしか言っていないソアリスに、皆、感動すらしていたのである。
だが、他国のことで進退をかけ、原因がロンド王国では、それこそ責任の取りようがないのではないかと思った。
「これだけ偉そうに振舞ったんだ、私もしかるべき罰を受けるつもりだ」
「ですが、王妃陛下は何も悪くありません」
「そうです!」
ヒューランもリリスも酷く焦り、サーラは絶句していた。サーラはソアリスこそが、クロンデール王国の柱だと両親から聞かされていた。
「そんなことはなりません!」
サーラは大きな声を上げた。
「両親に、兄に、頼みます。そんなことはなりません」
「そんなことはしなくていい。私は王妃に向いてないのだから、困ることはない」
「…そんなはずありません。王妃陛下は必要な方です」
「それはない」
ソアリスにとって、王妃は特別な存在だとは分かっているが、自分が王妃であることとは結び付かない。
「それよりもお前たちはどうする気だ?お前らも性病と同じで、責任がないのか?これからも、そこにいるだけか?」
「いえ、父のようにはなりません。しっかりと向き合います」
ヒューランは、ソアリスの目を見て、真剣に答えた。
「お前らには宰相も、他の貴族たちもいるじゃないか。頼ればいい、情けないと思われても、力を借りて国が良くなるのであれば、その方がいい。私はそう思っている」
「それは…強い王妃陛下だから言えるのではありませんか」
ソアリス王妃陛下なら上手く利用するのだろうと思うが、ヒューランがそんなことをすれば、それでなくとも父が良く思われていない状況に、頼れば操り人形になってしまうのではないかと感じた。
「お前らは弱くても生きて来れたのだろう?羨ましい限りだよ」
「え…」
「守って貰って、自分を守って、歯向かわないようにして、傷付かないようにして、それでも王族として生きれた。幸運じゃないか。違うか?」
4,356
あなたにおすすめの小説
「10歳の頃の想いなど熱病と同じ」と婚約者は言いました──さようなら【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子フリードリヒの婚約者として、幼い頃から王妃教育を受けてきたアメリア・エレファウント公爵令嬢。
誰もが羨む未来を約束された彼女の世界は、ある日突然1人の少女の登場によって揺らぎ始める。
無邪気な笑顔で距離を(意図的に)間違える編入生ベルティーユは、男爵の庶子で平民出身。
ベルティーユに出会ってから、悪い方へ変わっていくフリードリヒ。
「ベルが可哀想だろ」「たかがダンスくらい」と話が通じない。
アメリアの積み上げてきた7年の努力と誇りが崩れていく。
そしてフリードリヒを見限り、婚約解消を口にするが話は進まず、学園の卒業パーティーで断罪されてしまう……?!
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています
揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃
ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。
王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。
だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。
――それでも彼女は、声を荒らげない。
問いただすのはただ一つ。
「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」
制度、資格、責任。
恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。
やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。
衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。
そして彼の隣には、常に彼女が立つ。
派手な革命も、劇的な勝利もない。
あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。
遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、
声なき拍手を聞き取る。
これは――
嵐を起こさなかった王と、
その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。
婚約破棄ですか? うーん、普通こうなりますよね?
ぼん@ぼおやっじ
恋愛
とある王国の暫定王太子、アングは自身の通う王立アカデミー高等科の殺業記念式典で高らかに吠えた。
「クラウディア・グランナよ、そなたとの婚約を破棄する。
そなたは王国の王妃としてふさわしくない!
私はアイリス・アンタン男爵令嬢と真実の愛に目覚めたのだ」
証拠を突き付け、クラウデイァを断罪しようとするアングだったが、どうも微妙にうまく事が運ばない。
果たして彼は、無事目的を達成することができるだろうか!
というお話です。
あまり深く考えてないふわっとした作品なので、そういうものと思ってお楽しみください。
この手の話はほんと気楽に書けるから楽しい。
当店では真実の愛は取り扱っておりません
鍛高譚
恋愛
「平民だから、言うことを聞くと思った?」
「……ふざけるのも大概にしてください。平民なめんな。」
公爵家令嬢ココア・ブレンディは、突然の婚約破棄を告げられる。
理由は“真実の愛”に目覚めたから──?
しかもそのお相手は、有力商会の娘、クレオ・パステル。
……って、えっ? 聞いてませんけど!? 会ったことすらないんですが!?
資産目当ての“真実の愛”を押しつけられた商人令嬢クレオは、
見事な啖呵で公爵家の目論見を一刀両断!
「商人の本気、見せてあげます。取引先ごと、手を引いていただきますね」
そして、婚約を一方的に破棄されたココアは、クレオとまさかのタッグを組む!
「ココア様、まずはお友達からよろしくなのです」
「ええ。ではまず、資本提携から始めましょうか」
名門貴族と平民商人――立場を超えて最強の令嬢コンビが誕生!
没落寸前のブラック公爵家を、“商売と優雅さ”でじわじわ追い詰める痛快ざまぁ劇!
――平民を侮る者には、優雅で冷酷な報いを。
“真実の愛”では買えない未来が、ここにある。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい〜long version
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
*こちらは元の小説の途中に、エピソードを追加したものです。
文字数が倍になっています。
玉の輿を狙う妹から「邪魔しないで!」と言われているので学業に没頭していたら、王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
王立学園四年生のリーリャには、一学年下の妹アーシャがいる。
昔から王子様との結婚を夢見ていたアーシャは自分磨きに余念がない可愛いらしい娘で、六年生である第一王子リュカリウスを狙っているらしい。
入学当時から、「私が王子と結婚するんだからね!お姉ちゃんは邪魔しないで!」と言われていたリーリャは学業に専念していた。
その甲斐あってか学年首位となったある日。
「君のことが好きだから」…まさかの告白!
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした
綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。
伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。
ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。
ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。
……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。
妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。
他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる