私のバラ色ではない人生

野村にれ

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ロンド王国王家14

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「何もしなかったのか?誰かが助けてくれると思っていたのか?王太子が?」
「そ、それは…」
「ヒューラン様は、頑張ってらっしゃいました」

 リリスが口籠るヒューランに代わって、答えた。

「それは、当たり前だろう?王太子ともなれば、頑張らないとやっていけない。そなたは、そうではないと思っているのか?」
「い、いえ」

 皆、ソアリスを救世主のように思い、自分たちに好意的だと思い込んでいたが、ソアリスは誰一人として、評価していなかった。

「私の息子の王太子も頑張っている、王太子妃も、陛下も私も、王子も王女も毎日頑張っている。当然だろう?違うか?」
「はい…」

 王族なのだから当たり前だと、王族以上にソアリスは思っている。

 だからこそ、勉強も公務も好きではない、遊ぶこととサボるのが大好きなのに、公爵令嬢だから、王妃だからという立場の元やって来た。

 それをわざわざ、頑張っているなどと口にして、庇う神経が理解が出来ない。

「そもそもがおかしいんだよ、困っているならどうして諫めない?止めない?目を逸らしていれば、いつか誰かが解決してくれるとでも思っていたのか?」
「それは…」
「本当に困っているのなら、どうにでも出来るだろう?肥え太っているだけで、弱そうな国王じゃねえか」

 ソアリスはデオリスなら足を引っ掛けて、そのまま地面に頭を叩き付ければ、いけるなと思っていたくらいである。

「話しても駄目なら物理的に止めるしかないだろう?」
「ですが」
「白馬に乗った王子様を待っている、乙女か?来ねーんだよ、そんなもの」
「ですが、王妃陛下が来てくださいました」

 ヒューランは、助けてくれる人はいるのだという気持ちであった。

「おめでたいことだな、私は進退をかけて来ているんだよ」
「…えっ」

 言葉使いには驚いたものの、正しいことしか言っていないソアリスに、皆、感動すらしていたのである。

 だが、他国のことで進退をかけ、原因がロンド王国では、それこそ責任の取りようがないのではないかと思った。

「これだけ偉そうに振舞ったんだ、私もしかるべき罰を受けるつもりだ」
「ですが、王妃陛下は何も悪くありません」
「そうです!」

 ヒューランもリリスも酷く焦り、サーラは絶句していた。サーラはソアリスこそが、クロンデール王国の柱だと両親から聞かされていた。

「そんなことはなりません!」

 サーラは大きな声を上げた。

「両親に、兄に、頼みます。そんなことはなりません」
「そんなことはしなくていい。私は王妃に向いてないのだから、困ることはない」
「…そんなはずありません。王妃陛下は必要な方です」
「それはない」

 ソアリスにとって、王妃は特別な存在だとは分かっているが、自分が王妃であることとは結び付かない。

「それよりもお前たちはどうする気だ?お前らも性病と同じで、責任がないのか?これからも、そこにいるだけか?」
「いえ、父のようにはなりません。しっかりと向き合います」

 ヒューランは、ソアリスの目を見て、真剣に答えた。

「お前らには宰相も、他の貴族たちもいるじゃないか。頼ればいい、情けないと思われても、力を借りて国が良くなるのであれば、その方がいい。私はそう思っている」
「それは…強い王妃陛下だから言えるのではありませんか」

 ソアリス王妃陛下なら上手く利用するのだろうと思うが、ヒューランがそんなことをすれば、それでなくとも父が良く思われていない状況に、頼れば操り人形になってしまうのではないかと感じた。

「お前らは弱くても生きて来れたのだろう?羨ましい限りだよ」
「え…」
「守って貰って、自分を守って、歯向かわないようにして、傷付かないようにして、それでも王族として生きれた。幸運じゃないか。違うか?」
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