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マッドリー侯爵家2
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「虐待もなくならないということが、不愉快で堪らん!」
「ええ、おじ様の目が光っていると分かれば、抑止力にもなると思うのです」
「ああ、私の目で良ければ、いくらでも光らそう!」
「あなたの出番ですわね!」
サエラはリッシュに向かって、まるで出陣するかのように強く頷いた。
「ああ!ユアト伯爵と、ロアンスラー公爵には許可を得ているのだな?」
「はい、あとユアト伯爵夫人や娘さんは犬のカットも出来るそうですの。手入れをされていない動物もいるかもしれませんから、お手伝いをお願いしてあります」
「それは器用なことだな」
「私たちもシャンプーなら出来るよ」
ライックがそう言うと、サエラとスーラにも頷いている。
「頼もしいですわ!よろしくお願いいたします」
「任せて置きなさい」
「私は不器用ですから、酷いことになりそうで…皆に止められますの」
「ハハハハハ!私もだ」
「ソアちゃんも、父上も…」
ソアリスもだが、リッシュも細かい作業は手先が馬鹿になっており、シャンプーも出来るには出来るが雑である。
「それに愛犬家、愛猫家仲間がいらっしゃるようで、そちらも動いていただけるかと思います」
「それは心強い」
「マッドリー侯爵家は、元祖愛犬家だそうですわよ?」
「おお!それは光栄だな。だが、愛猫家は新参者だぞ?」
サエラ、ライック、スーラも頷いている。
「そうでしたわね。ロアンスラー公爵家は、がっぽり寄付させますので」
「そうか」
「はい、任せてください!」
リッシュもサエラも、ライックも、ソアリスの立派な姿に、安堵と素晴らしい王妃になってと誇らしい気持ちで一杯であった。
リッシュは、ソアリスの身を案じていた一人であった―――。
なぜか走っている当時6歳のソアリスに、声を掛けたのは愛犬を散歩中だったリッシュだった。
「お嬢さん、私はリッシュ・マッドリーと言うのだが、何をしているのかな?」
「まっどりーこうしゃくですか?」
「ああ、知っているかい?」
「はい。わたしは、そありす・ろあんすらーともうします」
服装は乗馬服の様な軽装だったが、明らかに貴族の子という顔立ちで、頭を下げて、きちんと挨拶を行ったために、やはりと思った。
「ロアンスラー公爵家のお嬢さんかな?」
「はい」
「何をしているのかな?」
「うんどうです」
「ひとりでかい?」
「はい」
「ご両親はご存知なのかい?」
「しらないとおもいますけど、おべんきょうはおわらせたので、だいじょうぶだとおもいます」
リッシュは一人では危ないという意味だったが、ソアリスは勉強が終われば、自由時間だという感覚しかなかった。
「じゃあ、一緒に散歩をしないかい?」
「いぬの?」
「いぬはきらいかい?」
「すきです」
「じゃあ、散歩しようじゃないか」
それからもソアリスは走っていることが多く、貴族街の昼間であり、警備もされてはいたが、運動なら我が家まで来て、犬たちと遊んではどうかと提案した。
リッシュがいない時は、妻や息子や娘が相手をしていた。
虐待を受けているようには見えなかったが、蔑ろにされているのではないかというのが、妻・サエラと出した答えであった。
他家のことを聞くことは憚られ、それとなく両親や邸のことを聞いてみたが、ソアリスの答えはいつも同じであった。
「みんなおねえさまにいそがしいのです」
「ララシャ嬢かい?」
「はい、おうたいしさまのこんやくしゃですから」
確かにララシャは王太子殿下の婚約者で、両親が優先してしまうのは、多少は無理もないかとも考え、ロアンスラー公爵家に何か言うような事はしなかった。
それからも交流は続き、学園に入学しても、ソアリスは時折、犬たちに会いに、マッドリー侯爵家に来ていた。
だが、まさかソアリスが王太子殿下の婚約者になるとは思わなかった。
「ええ、おじ様の目が光っていると分かれば、抑止力にもなると思うのです」
「ああ、私の目で良ければ、いくらでも光らそう!」
「あなたの出番ですわね!」
サエラはリッシュに向かって、まるで出陣するかのように強く頷いた。
「ああ!ユアト伯爵と、ロアンスラー公爵には許可を得ているのだな?」
「はい、あとユアト伯爵夫人や娘さんは犬のカットも出来るそうですの。手入れをされていない動物もいるかもしれませんから、お手伝いをお願いしてあります」
「それは器用なことだな」
「私たちもシャンプーなら出来るよ」
ライックがそう言うと、サエラとスーラにも頷いている。
「頼もしいですわ!よろしくお願いいたします」
「任せて置きなさい」
「私は不器用ですから、酷いことになりそうで…皆に止められますの」
「ハハハハハ!私もだ」
「ソアちゃんも、父上も…」
ソアリスもだが、リッシュも細かい作業は手先が馬鹿になっており、シャンプーも出来るには出来るが雑である。
「それに愛犬家、愛猫家仲間がいらっしゃるようで、そちらも動いていただけるかと思います」
「それは心強い」
「マッドリー侯爵家は、元祖愛犬家だそうですわよ?」
「おお!それは光栄だな。だが、愛猫家は新参者だぞ?」
サエラ、ライック、スーラも頷いている。
「そうでしたわね。ロアンスラー公爵家は、がっぽり寄付させますので」
「そうか」
「はい、任せてください!」
リッシュもサエラも、ライックも、ソアリスの立派な姿に、安堵と素晴らしい王妃になってと誇らしい気持ちで一杯であった。
リッシュは、ソアリスの身を案じていた一人であった―――。
なぜか走っている当時6歳のソアリスに、声を掛けたのは愛犬を散歩中だったリッシュだった。
「お嬢さん、私はリッシュ・マッドリーと言うのだが、何をしているのかな?」
「まっどりーこうしゃくですか?」
「ああ、知っているかい?」
「はい。わたしは、そありす・ろあんすらーともうします」
服装は乗馬服の様な軽装だったが、明らかに貴族の子という顔立ちで、頭を下げて、きちんと挨拶を行ったために、やはりと思った。
「ロアンスラー公爵家のお嬢さんかな?」
「はい」
「何をしているのかな?」
「うんどうです」
「ひとりでかい?」
「はい」
「ご両親はご存知なのかい?」
「しらないとおもいますけど、おべんきょうはおわらせたので、だいじょうぶだとおもいます」
リッシュは一人では危ないという意味だったが、ソアリスは勉強が終われば、自由時間だという感覚しかなかった。
「じゃあ、一緒に散歩をしないかい?」
「いぬの?」
「いぬはきらいかい?」
「すきです」
「じゃあ、散歩しようじゃないか」
それからもソアリスは走っていることが多く、貴族街の昼間であり、警備もされてはいたが、運動なら我が家まで来て、犬たちと遊んではどうかと提案した。
リッシュがいない時は、妻や息子や娘が相手をしていた。
虐待を受けているようには見えなかったが、蔑ろにされているのではないかというのが、妻・サエラと出した答えであった。
他家のことを聞くことは憚られ、それとなく両親や邸のことを聞いてみたが、ソアリスの答えはいつも同じであった。
「みんなおねえさまにいそがしいのです」
「ララシャ嬢かい?」
「はい、おうたいしさまのこんやくしゃですから」
確かにララシャは王太子殿下の婚約者で、両親が優先してしまうのは、多少は無理もないかとも考え、ロアンスラー公爵家に何か言うような事はしなかった。
それからも交流は続き、学園に入学しても、ソアリスは時折、犬たちに会いに、マッドリー侯爵家に来ていた。
だが、まさかソアリスが王太子殿下の婚約者になるとは思わなかった。
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