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転生石好き令嬢の生存戦略<後編の後編の後編の後編の後編の後編の中編>
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穏やかな風が数多の花の香りを運んでくる爽やかな午前の空気の中、
グレナディアを挟むように、リュシオルとルベルティオが左右を固めて歩いていた。
繰り返す。
両サイドに赤と白金のキラキラしたタイプの違う美少年二人……。
まさに両手に花状態だ。
そして、グレナディアを除く二人の手には3人分の昼食が入ったバスケットなどちょっとした荷物が下げられている。
今日は、ベル以外にも荷物持ちが居て助かる。
あ、荷物持ちじゃなくて婚約者だった。
まあ、細かい事はいいとして、南を向いた本邸の正面玄関から見て西の方角の、
母の趣味の薔薇園の小さな花を山ほど付けた蔓薔薇のアーチをくぐって少し行った所に、目的地はある。
次々と、視界に入る物に興味を示すリュシオル様にベルと一緒になって
適当な説明をしながら歩いて来たので退屈する間もなく、
倉庫というよりは、むしろ、別荘という風情の地上二階建ての屋敷の前に、三人はたどり着いた。
ちなみに、説明が適当になるのは、リュシオル様が博識すぎるせいだ。
まるで辞書を読みあげているかの様に、花の名前と情報を言った後で質問してくるのだ。
元々あまり、花に興味無いベルはもちろん、私だって答えられる事など限られている。
まあ、質問自体が食べた事あるかとか、雑談レベルだと言う事もある。
「ボルケニィウス鉱物資源第三倉庫?」
目の前の木製の看板を読み上げたリュシオル様は少し不思議そうだ。
だが、謎は謎のままにしておいた方が楽しいわよね!
「この建物は、姉上が、5才の時に考案した、小さな子供でも安心して馬車に乗れる椅子が沢山売れたご褒美に
父上がプレゼントしたんだ。」
ええ、当時の貴族は、こぞって5才の王子の未来の側近や嫁に子供を送り込もうと思ったのか、
沢山子供が産まれていましたから、チャイルドシートをはじめとした子供向け商品を色々な所に卸してかなり稼がせて頂きました。
って、なんでばらすの?
でも、そんなに得意げに言われたら姉さん怒る事出来ないわ。
「第三倉庫?」
あ、そこ、食いついちゃう?
謎は謎のままに……。
「叡智溢れる姉上が、第一倉庫にしたら三行スパイに狙われるかもしれないと言う理由で第三倉庫にしたんだ!」
えーっと、姉さんその恥ずか死にそうな若気の至り(当事5歳)的エピソードは、バラされたくなかったかな?
後、三行スパイじゃなくて、産業スパイね。
でも、リュシオル様が、『すごい!!』みたいな顔でベル見てるんだけど……、何?真ヒロインは、ベルなの?
まあ、そんな黒歴史エピソードは、このハイテクノロジーなドア見て忘れてもらえると助かるのだけれど……。
「そしてこのドア、すごいでしょう?姉上のアイディアを具現化したんだ。」
アンティークな木製のドアには、縁に立体的な金属製の蔓バラが絡みついており、
中央の犬の顔のドアノッカーの口の中に鍵穴がある。
「ハンドルが無いのか?」
この個性的なドアの一番の特徴にすぐに気がついたリュシオル様はすごいと思う。
以前面接に来た研究者は、犬と薔薇の関係に頭を悩ませていたが、そんなものには意味はない。
ただの行き当たりばったりで、私にセンスがないだけだ。
勝手に謎解きだと思い、採用試験だと勘違いした研究者は、残念な事に優秀で、
やむを得ず採用してしまったので今でも顔を合わせる度、お互い気まずい。
首に下げていた見た目はアンティークな鍵を犬の口に突っ込み捻る。
周りの蔓バラが動いて向かって右側にハンドルができると同時に、
犬の口から青い光の大きな蝶が一匹、緑の小さな蝶が3匹飛び立つ。
青い蝶は、安全を意味する。
この蝶が赤い時は、中に危険がある状態、黄色い時は誰かが無理に扉をこじ開けようとして失敗した時だ。
そして緑の小さな蝶は、入れる場所が制限してある掃除用のキーの使用回数だけ飛ぶ。
今度売り出し予定だ。
センスに関しては、母上に意見をうかがおう。
そしてベルとリュシオル様にエスコートされ、漸く中に入った。
********************
ゆっくり更新にも拘らずご相手頂けて嬉しいです!
そして、ブックマーク増えてるのも嬉しいです!
これからも宜しくお願いします。
********************
2016/05/18/21:00ぐらい
ベルの姉さん呼びを、本来の姉上呼びに、一か所修正しました。
********************
2016年10月12日 誤字修正しました
グレナディアを挟むように、リュシオルとルベルティオが左右を固めて歩いていた。
繰り返す。
両サイドに赤と白金のキラキラしたタイプの違う美少年二人……。
まさに両手に花状態だ。
そして、グレナディアを除く二人の手には3人分の昼食が入ったバスケットなどちょっとした荷物が下げられている。
今日は、ベル以外にも荷物持ちが居て助かる。
あ、荷物持ちじゃなくて婚約者だった。
まあ、細かい事はいいとして、南を向いた本邸の正面玄関から見て西の方角の、
母の趣味の薔薇園の小さな花を山ほど付けた蔓薔薇のアーチをくぐって少し行った所に、目的地はある。
次々と、視界に入る物に興味を示すリュシオル様にベルと一緒になって
適当な説明をしながら歩いて来たので退屈する間もなく、
倉庫というよりは、むしろ、別荘という風情の地上二階建ての屋敷の前に、三人はたどり着いた。
ちなみに、説明が適当になるのは、リュシオル様が博識すぎるせいだ。
まるで辞書を読みあげているかの様に、花の名前と情報を言った後で質問してくるのだ。
元々あまり、花に興味無いベルはもちろん、私だって答えられる事など限られている。
まあ、質問自体が食べた事あるかとか、雑談レベルだと言う事もある。
「ボルケニィウス鉱物資源第三倉庫?」
目の前の木製の看板を読み上げたリュシオル様は少し不思議そうだ。
だが、謎は謎のままにしておいた方が楽しいわよね!
「この建物は、姉上が、5才の時に考案した、小さな子供でも安心して馬車に乗れる椅子が沢山売れたご褒美に
父上がプレゼントしたんだ。」
ええ、当時の貴族は、こぞって5才の王子の未来の側近や嫁に子供を送り込もうと思ったのか、
沢山子供が産まれていましたから、チャイルドシートをはじめとした子供向け商品を色々な所に卸してかなり稼がせて頂きました。
って、なんでばらすの?
でも、そんなに得意げに言われたら姉さん怒る事出来ないわ。
「第三倉庫?」
あ、そこ、食いついちゃう?
謎は謎のままに……。
「叡智溢れる姉上が、第一倉庫にしたら三行スパイに狙われるかもしれないと言う理由で第三倉庫にしたんだ!」
えーっと、姉さんその恥ずか死にそうな若気の至り(当事5歳)的エピソードは、バラされたくなかったかな?
後、三行スパイじゃなくて、産業スパイね。
でも、リュシオル様が、『すごい!!』みたいな顔でベル見てるんだけど……、何?真ヒロインは、ベルなの?
まあ、そんな黒歴史エピソードは、このハイテクノロジーなドア見て忘れてもらえると助かるのだけれど……。
「そしてこのドア、すごいでしょう?姉上のアイディアを具現化したんだ。」
アンティークな木製のドアには、縁に立体的な金属製の蔓バラが絡みついており、
中央の犬の顔のドアノッカーの口の中に鍵穴がある。
「ハンドルが無いのか?」
この個性的なドアの一番の特徴にすぐに気がついたリュシオル様はすごいと思う。
以前面接に来た研究者は、犬と薔薇の関係に頭を悩ませていたが、そんなものには意味はない。
ただの行き当たりばったりで、私にセンスがないだけだ。
勝手に謎解きだと思い、採用試験だと勘違いした研究者は、残念な事に優秀で、
やむを得ず採用してしまったので今でも顔を合わせる度、お互い気まずい。
首に下げていた見た目はアンティークな鍵を犬の口に突っ込み捻る。
周りの蔓バラが動いて向かって右側にハンドルができると同時に、
犬の口から青い光の大きな蝶が一匹、緑の小さな蝶が3匹飛び立つ。
青い蝶は、安全を意味する。
この蝶が赤い時は、中に危険がある状態、黄色い時は誰かが無理に扉をこじ開けようとして失敗した時だ。
そして緑の小さな蝶は、入れる場所が制限してある掃除用のキーの使用回数だけ飛ぶ。
今度売り出し予定だ。
センスに関しては、母上に意見をうかがおう。
そしてベルとリュシオル様にエスコートされ、漸く中に入った。
********************
ゆっくり更新にも拘らずご相手頂けて嬉しいです!
そして、ブックマーク増えてるのも嬉しいです!
これからも宜しくお願いします。
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2016/05/18/21:00ぐらい
ベルの姉さん呼びを、本来の姉上呼びに、一か所修正しました。
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2016年10月12日 誤字修正しました
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