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転生石好き令嬢の生存戦略<後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の前編>
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「あ、お弁当のバスケット忘れてきた!」
うっかりです。
何と言う事でしょうか、うっかりにも程があります。
第三倉庫の青の間に、折角用意して貰ったランチのバスケット置きっぱなしですよ。
「じゃあ、僕が取ってくるから、その間にシオンと準備しててよ。」
そう言いながら、地下に向かう、フットワークの軽い、頼りになる弟に感謝です。
私は、遠慮なくシオンと正面玄関ホールに向かいました。
そして大きな扉の前に立ち、中央にある不死鳥のレリーフの口の中に鍵を突っ込みます。
火山だから火の鳥、安易ですが、それゆえに、解りやすいとも言えます。
最近管理する鍵が増えてきて大変なんです。
フェニックスのレリーフの上下左右にある解錠時に光る小さな石は、庭の四隅の結界石の状態を確認するのに使います。
おや、上部……正面側の光が弱いですね。
危険な魔獣なんて滅多に来ないでしょうけど、結界が決壊寸前。
……なんちゃって。
冗談は抜きにしても、メンテナンスはしっかりとしておかなくては、魔獣除けの結界が守れません。
くさっても、魔物の出る山の中腹です。
庭の四隅の結界石の状態をもう一度確認してから外に出ます。
「シオン、私は庭に出たら、結界石の状態を確認しないといけません。ここでベルをまちますか?」
お客様で、侯爵家の坊っちゃんで、半分身内みたいな存在のシオンの扱いに戸惑い思い切って本人に聞いてみる。
「いや、一緒に行こう。」
シオンは、腰に下げている騎士様っぽい洋剣の装飾された柄をぽんぽんと叩く。
あら、護ってくれるの?素敵!
思わずほっこりした気分で、微笑みかけます。
返って来た微笑みにほのかに色気を感じて敗北感を覚えましたが、何とか顔に出さずにすみました。
ベルで慣れてて良かった。
私はまず、正面のそう広くない広場を突っ切り、真っ直ぐに結界石を目指します。
結界石は、地下の転送装置の卵型の魔石を何倍にも大きくした私でギリギリ持ちあげられる位の石ですが、ちょっとずれてます。
なんでだろうと思って近くに行くと、木の根っこが魔石の下を通って石を持ち上げてました。
こういった自然の力は想定外でした。
「私じゃ無理ね。ベルが戻ってきたら可哀そうだけど、木の根っこ切って貰ってきちんと置きなおしましょう。」
シオンに頼むのも有りかしら?
でも、侯爵家の坊っちゃんに、庭作業、もしくは土木工事を頼むのは気がひけます。
……何を見てるのかしら?
思わず目で追った先で、シオンは森の中を見ていました。
「シオン、どうしたの?」
今、結界が完ぺきではないので、念のため、あまり端の方には寄らない方が良いのです。
例えて言うなら、魔物視点で、普段壁で通れなくなっている所が、
臭くて近寄りたくないけど通れない事はないレベルにまで安全性が落ちています。
シオンは振り返らずに近くのツタの絡まった木を見て言いました。
その姿に妙に不安を覚えたのは何か予兆の様なものを感じていたからでしょうか?
「アミスターリス……木の実を食べる、ボルケニゥスにしか居ない。
昨日の夕食後、窓の外にも居たんだ。ただこのリスみたいに緑では無かったが……。」
緑……。
その瞬間、条件反射で身体が動きました。
シオンに飛びつき、驚いた顔が見え、横から強い衝撃を受けたのまで、私の中では一瞬の出来事でした。
まとめてあった髪が広がります。
サフィール様に頂いた髪飾り、気にいってたのですが、砕けてしまったようです。
ああ、私、サフィール様に護って頂いたのですね。
心臓がバクバクします。
危険はまだ近くにあるのに、頭がお仕事をしてくれません。
アミスターリスが緑に染まるのは、フィエブオオムカデの毒に染まっているのです。
フィエブオオムカデは、アミスターリスと共生していて、アミスターリスを狙ってくる獲物に長い身体を叩きつけ捕食するのです。
この火山の地域の子供なら誰でも知っています。
夜、外に出ると、ムカデに食べられるぞみたいな子供をしつける為の脅し文句とかもある位です。
なまはげみたいですね。
「姉上、無事ですか?」
見上げると、ベルが刀を鞘に納める所でした。
「……サフィール様に頂いた髪飾り、壊れてしまったわ。」
ベルは眉をひそめます。
本当に、私、何を言っているのかしら?
「結界が緩んでるんですね、直しておきます。」
ベルは出来る子です。
それに引き換え私は……。
下を見ると、シオンを押し倒したままでした。
「ご、ごめんなさい……。」
どこかふわふわしたまま、謝ってシオンの上から退きます。
なんだか一気に色々起きてしまい、受け止められる許容量を超え、夢を見ているみたいでした。
***************
おはようございます。
予告破り王選手権があったら王様になれそうな気がします。
夏には勝てませんでした。
今月も宜しくお願いします。
ちょっと後でかきなおすかも?
いつもありがとうございます。
うっかりです。
何と言う事でしょうか、うっかりにも程があります。
第三倉庫の青の間に、折角用意して貰ったランチのバスケット置きっぱなしですよ。
「じゃあ、僕が取ってくるから、その間にシオンと準備しててよ。」
そう言いながら、地下に向かう、フットワークの軽い、頼りになる弟に感謝です。
私は、遠慮なくシオンと正面玄関ホールに向かいました。
そして大きな扉の前に立ち、中央にある不死鳥のレリーフの口の中に鍵を突っ込みます。
火山だから火の鳥、安易ですが、それゆえに、解りやすいとも言えます。
最近管理する鍵が増えてきて大変なんです。
フェニックスのレリーフの上下左右にある解錠時に光る小さな石は、庭の四隅の結界石の状態を確認するのに使います。
おや、上部……正面側の光が弱いですね。
危険な魔獣なんて滅多に来ないでしょうけど、結界が決壊寸前。
……なんちゃって。
冗談は抜きにしても、メンテナンスはしっかりとしておかなくては、魔獣除けの結界が守れません。
くさっても、魔物の出る山の中腹です。
庭の四隅の結界石の状態をもう一度確認してから外に出ます。
「シオン、私は庭に出たら、結界石の状態を確認しないといけません。ここでベルをまちますか?」
お客様で、侯爵家の坊っちゃんで、半分身内みたいな存在のシオンの扱いに戸惑い思い切って本人に聞いてみる。
「いや、一緒に行こう。」
シオンは、腰に下げている騎士様っぽい洋剣の装飾された柄をぽんぽんと叩く。
あら、護ってくれるの?素敵!
思わずほっこりした気分で、微笑みかけます。
返って来た微笑みにほのかに色気を感じて敗北感を覚えましたが、何とか顔に出さずにすみました。
ベルで慣れてて良かった。
私はまず、正面のそう広くない広場を突っ切り、真っ直ぐに結界石を目指します。
結界石は、地下の転送装置の卵型の魔石を何倍にも大きくした私でギリギリ持ちあげられる位の石ですが、ちょっとずれてます。
なんでだろうと思って近くに行くと、木の根っこが魔石の下を通って石を持ち上げてました。
こういった自然の力は想定外でした。
「私じゃ無理ね。ベルが戻ってきたら可哀そうだけど、木の根っこ切って貰ってきちんと置きなおしましょう。」
シオンに頼むのも有りかしら?
でも、侯爵家の坊っちゃんに、庭作業、もしくは土木工事を頼むのは気がひけます。
……何を見てるのかしら?
思わず目で追った先で、シオンは森の中を見ていました。
「シオン、どうしたの?」
今、結界が完ぺきではないので、念のため、あまり端の方には寄らない方が良いのです。
例えて言うなら、魔物視点で、普段壁で通れなくなっている所が、
臭くて近寄りたくないけど通れない事はないレベルにまで安全性が落ちています。
シオンは振り返らずに近くのツタの絡まった木を見て言いました。
その姿に妙に不安を覚えたのは何か予兆の様なものを感じていたからでしょうか?
「アミスターリス……木の実を食べる、ボルケニゥスにしか居ない。
昨日の夕食後、窓の外にも居たんだ。ただこのリスみたいに緑では無かったが……。」
緑……。
その瞬間、条件反射で身体が動きました。
シオンに飛びつき、驚いた顔が見え、横から強い衝撃を受けたのまで、私の中では一瞬の出来事でした。
まとめてあった髪が広がります。
サフィール様に頂いた髪飾り、気にいってたのですが、砕けてしまったようです。
ああ、私、サフィール様に護って頂いたのですね。
心臓がバクバクします。
危険はまだ近くにあるのに、頭がお仕事をしてくれません。
アミスターリスが緑に染まるのは、フィエブオオムカデの毒に染まっているのです。
フィエブオオムカデは、アミスターリスと共生していて、アミスターリスを狙ってくる獲物に長い身体を叩きつけ捕食するのです。
この火山の地域の子供なら誰でも知っています。
夜、外に出ると、ムカデに食べられるぞみたいな子供をしつける為の脅し文句とかもある位です。
なまはげみたいですね。
「姉上、無事ですか?」
見上げると、ベルが刀を鞘に納める所でした。
「……サフィール様に頂いた髪飾り、壊れてしまったわ。」
ベルは眉をひそめます。
本当に、私、何を言っているのかしら?
「結界が緩んでるんですね、直しておきます。」
ベルは出来る子です。
それに引き換え私は……。
下を見ると、シオンを押し倒したままでした。
「ご、ごめんなさい……。」
どこかふわふわしたまま、謝ってシオンの上から退きます。
なんだか一気に色々起きてしまい、受け止められる許容量を超え、夢を見ているみたいでした。
***************
おはようございます。
予告破り王選手権があったら王様になれそうな気がします。
夏には勝てませんでした。
今月も宜しくお願いします。
ちょっと後でかきなおすかも?
いつもありがとうございます。
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