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転生石好き令嬢の生存戦略<中編>
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あれから数ヶ月。
サフィール様と、この国の王太子の婚約が発表され、国内は空前の婚約ブームだ。
質の良い婿候補が売り切れる前に私にも……と、父上も色々忙しそうにしている。
一応希望を聞いてくれたが、贅沢を言える立場になく、最悪無理して結婚しなくても……と言いかけた所で、
却って父の中の何かに火をつけてしまったようだ。
もっと他にする事が……、いえ、何でもないです。
とは言え、領地を継ぐのは弟と決まっている上に、跡取りでも無い私に婿を取ろうとしているのだ。
そう簡単に相手が決まるはず無い。
なぜ、嫁に出さないかと言うと、先日企画段階だった温泉地の開発が始動して、父は私を手離すのが惜しくなったのだ。
……多分。
未来の王妃であるサフィール様と個人的に交流がある事も理由の一つかもしれない。
初めてストールを受け取ってから後も、私の衣装部屋にはサフィール様より贈られた品が着実に増えていった。
王室御用達のデザイナーのセンスも加わっているのか、おしゃれに興味のない私にも素晴らしく良い趣味なのだと言う事が解る。
何より衣裳係の侍女の嬉々とした様子を見れば一目瞭然だ。
そのすべてがゾウに踏まれても大丈夫な、対物理衝撃に特化したアイテムだと、見た目だけでは誰も気がつかないだろう。
私も、お礼になるのか不安なりに、モニターとしての感想、製品化に向けた考察や、ドライフラワー用の石灰を送ったり、
まだ確立してなかった温泉卵の調理法を送ったりしてみているが、見合っているとは思えない。
恐縮する私に、15になって学園で会える事を楽しみにしていると言う事だけを繰り返し手紙で伝えられるので
少し照れくさいけれども、サフィール様は、一度もお会いした事がないにも拘らず、大切な人になっていた。
程良く仕上がった温泉卵をパンに載せて食べる。
そう。
この世界には、醤油もマヨネーズもあるのだ。
そのうえ大好きな石もある。
衣食住+趣味を満たした世界。
結婚ぐらいできなくてもなんだと言うのだ。
今日は、昨日視察した地熱を利用した温室のレポートに少し追記をしたら、
人工大理石の研究と、生石灰の発熱を利用した商品の開発をしている研究室の視察だ。
9歳にして領内では知らぬもののない程、私はこの地に貢献しているらしい。
あちらこちらからと日々お呼びがかかり、忙しく過ごさせて頂いている。
好きな事をしているだけ、子供らしく石ころで遊んでいるだけなのに解せませぬ。
「お前の婚約相手が決まった。」
は?
玄関先で入れ違いになりそうだった父上も慌てていたのか、いきなりそんな事をおっしゃる。
父は、娘の、珍しく年相応のきょとんとした顔をしっかりとみながら言葉をついだ。
「格上のライトブリンガー侯爵家から申し込まれたんだ。今はまだお見合いの申し込みだが、余程のことが無い限り断れない。実質婚約確定だ。」
ライトブリンガーってまさか……。
DDに出てくる、婚約者を事故で失った、王子の幼馴染の騎士候補、リュシオル・ライトブリンガーなんじゃ?
『リュシオル様の婚約者の事故死って、リュシオル様の目の前で婚約者が馬車にはねられて死んだんだって。』
かつての友の言葉を、こんなタイミングで思い出さなくても良いのに……。
悪い予感ほど当たると言う事をこの直後に父の言葉で思い知らされることとなる。
サフィール様と、この国の王太子の婚約が発表され、国内は空前の婚約ブームだ。
質の良い婿候補が売り切れる前に私にも……と、父上も色々忙しそうにしている。
一応希望を聞いてくれたが、贅沢を言える立場になく、最悪無理して結婚しなくても……と言いかけた所で、
却って父の中の何かに火をつけてしまったようだ。
もっと他にする事が……、いえ、何でもないです。
とは言え、領地を継ぐのは弟と決まっている上に、跡取りでも無い私に婿を取ろうとしているのだ。
そう簡単に相手が決まるはず無い。
なぜ、嫁に出さないかと言うと、先日企画段階だった温泉地の開発が始動して、父は私を手離すのが惜しくなったのだ。
……多分。
未来の王妃であるサフィール様と個人的に交流がある事も理由の一つかもしれない。
初めてストールを受け取ってから後も、私の衣装部屋にはサフィール様より贈られた品が着実に増えていった。
王室御用達のデザイナーのセンスも加わっているのか、おしゃれに興味のない私にも素晴らしく良い趣味なのだと言う事が解る。
何より衣裳係の侍女の嬉々とした様子を見れば一目瞭然だ。
そのすべてがゾウに踏まれても大丈夫な、対物理衝撃に特化したアイテムだと、見た目だけでは誰も気がつかないだろう。
私も、お礼になるのか不安なりに、モニターとしての感想、製品化に向けた考察や、ドライフラワー用の石灰を送ったり、
まだ確立してなかった温泉卵の調理法を送ったりしてみているが、見合っているとは思えない。
恐縮する私に、15になって学園で会える事を楽しみにしていると言う事だけを繰り返し手紙で伝えられるので
少し照れくさいけれども、サフィール様は、一度もお会いした事がないにも拘らず、大切な人になっていた。
程良く仕上がった温泉卵をパンに載せて食べる。
そう。
この世界には、醤油もマヨネーズもあるのだ。
そのうえ大好きな石もある。
衣食住+趣味を満たした世界。
結婚ぐらいできなくてもなんだと言うのだ。
今日は、昨日視察した地熱を利用した温室のレポートに少し追記をしたら、
人工大理石の研究と、生石灰の発熱を利用した商品の開発をしている研究室の視察だ。
9歳にして領内では知らぬもののない程、私はこの地に貢献しているらしい。
あちらこちらからと日々お呼びがかかり、忙しく過ごさせて頂いている。
好きな事をしているだけ、子供らしく石ころで遊んでいるだけなのに解せませぬ。
「お前の婚約相手が決まった。」
は?
玄関先で入れ違いになりそうだった父上も慌てていたのか、いきなりそんな事をおっしゃる。
父は、娘の、珍しく年相応のきょとんとした顔をしっかりとみながら言葉をついだ。
「格上のライトブリンガー侯爵家から申し込まれたんだ。今はまだお見合いの申し込みだが、余程のことが無い限り断れない。実質婚約確定だ。」
ライトブリンガーってまさか……。
DDに出てくる、婚約者を事故で失った、王子の幼馴染の騎士候補、リュシオル・ライトブリンガーなんじゃ?
『リュシオル様の婚約者の事故死って、リュシオル様の目の前で婚約者が馬車にはねられて死んだんだって。』
かつての友の言葉を、こんなタイミングで思い出さなくても良いのに……。
悪い予感ほど当たると言う事をこの直後に父の言葉で思い知らされることとなる。
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