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幕間(ライトブリンガー侯爵夫人)
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初顔合わせ後の、ライトブリンガー侯爵家のゲストルームは穏やかな空気に包まれていた。
「リュシオルはご機嫌ね。」
ボルケニィウス姉弟のどちらの事を考えているのかは解らないが、小さな白い石を指先で弄ぶ口元が緩みっぱなしである。
ライトブリンガー侯爵夫人とグレナディア達の母、ボルケニィウス辺境伯夫人は年も近かった為、元々親交があった。
お互い嫁いでからも、何かある毎に、連絡を取り合っていたから、長女のグレナディア嬢の婿取りに関しても早い時期から知っていた。
しかし、三番目の息子が転移術でどこかに行っていたかと思えば急に、接点の無さそうなボルケニィウス辺境伯令嬢に逢いたいと言い出した時には耳を疑った。
サフィの文通相手でサフィに負けず劣らずの才女らしい。
夫人から聞いていた、弟と訳のわからない遊びばかりして淑女らしからぬ失敗を繰り返す話とは別人のようだ。
サフィも複数種類の武器を操り、大人と同じ本を読み理解すると聞くし、護られているだけが正しい淑女のあり方であった私たちの世代とは少し変わってきているのかもしれない。
鑑定眼と転移術と言う希有な才を持って生まれたにも関わらず、驕る事も無く、おっとりした性格で、マイペースな息子に話を聞けば、
転移術で、王子の部屋に遊びに行った際に、最近、王子の婚約者の公爵令嬢の部屋に面白いものが色々増えた話になり、二人で押しかけたとのこと。
その、面白いものを作ったのがボルケニィウス辺境伯令嬢だと言う。
子供とはいえ、アポなし突撃は、叱った方が良いのかもしれないけれど、顔パスの王子のオプションとして歓迎されていると言う話が本当なら、放っておいて良いのかしらとも思う。
もちろん、公爵家には、お手紙させて頂くけれどもそこは、親戚の気やすさもある。
最後の、王子が眠ったので置いてきたというのは、ぎょっとしたけれど、え?いつも通り?。
……、まだ8才だものね。
はしゃぎすぎたら眠くなるわよね。
無理やり納得する事にした。
その流れでボルケニィウス辺境伯令嬢が、婚約者を探している話をしたら、
「なる。」
と、二つ返事で返された。
そして今日の初顔合わせに至る。
「グレナディア、可愛かったね。」
我ながらどうかと思うが、息子の女の子に対する初めての感想に目を見開いて驚いた。
「どうしたの?貴方、サフィには、一度も可愛いなんて言ったこと無いじゃない。」
動揺隠せず、熱を測るため首筋に触れ、目を覗き込む。
我が姪ながら、サフィことサフィールは、身内の欲目を除いても類い稀な美少女である。
もちろんグレナディア嬢も可愛らしくあったが、一体何が違うと言うのか……。
急に出てきた従妹の名前に目をそらす。
「サフィは……ちがう……かな?」
すごく困ってる時の顔だわ。
「サフィはとっても剣筋が良い。後……」
黙り込んでしまった。
大体どういう目で見てるのか大方解ったからもういいわ。
「剣というと、あの子の剣、見せて欲しいな。」
あの子……というと、ご子息の……、覚醒させたと言って居たわね。
武器の覚醒には、媒体と努力と運が必要と言われているが詳しい事が解っていない。
文献で見た事があるが、脳筋の言い分を文官がまとめるとああ言う悲劇が起こるのねと言う文章に対する感想しか持てなかった。
何にせよ、こんなに楽しそうなリュシオルを見れるなら、ボルケニィウス辺境伯夫妻にお願いして暫く預かって貰おうかしら?
連れて来たメイドに着替えに呼ばれた。
今日の晩餐が楽しみだ。
いろんな意味で。
*************
先月書き終えるつもりの話が、今月も終わりそうにないだと……!?
「リュシオルはご機嫌ね。」
ボルケニィウス姉弟のどちらの事を考えているのかは解らないが、小さな白い石を指先で弄ぶ口元が緩みっぱなしである。
ライトブリンガー侯爵夫人とグレナディア達の母、ボルケニィウス辺境伯夫人は年も近かった為、元々親交があった。
お互い嫁いでからも、何かある毎に、連絡を取り合っていたから、長女のグレナディア嬢の婿取りに関しても早い時期から知っていた。
しかし、三番目の息子が転移術でどこかに行っていたかと思えば急に、接点の無さそうなボルケニィウス辺境伯令嬢に逢いたいと言い出した時には耳を疑った。
サフィの文通相手でサフィに負けず劣らずの才女らしい。
夫人から聞いていた、弟と訳のわからない遊びばかりして淑女らしからぬ失敗を繰り返す話とは別人のようだ。
サフィも複数種類の武器を操り、大人と同じ本を読み理解すると聞くし、護られているだけが正しい淑女のあり方であった私たちの世代とは少し変わってきているのかもしれない。
鑑定眼と転移術と言う希有な才を持って生まれたにも関わらず、驕る事も無く、おっとりした性格で、マイペースな息子に話を聞けば、
転移術で、王子の部屋に遊びに行った際に、最近、王子の婚約者の公爵令嬢の部屋に面白いものが色々増えた話になり、二人で押しかけたとのこと。
その、面白いものを作ったのがボルケニィウス辺境伯令嬢だと言う。
子供とはいえ、アポなし突撃は、叱った方が良いのかもしれないけれど、顔パスの王子のオプションとして歓迎されていると言う話が本当なら、放っておいて良いのかしらとも思う。
もちろん、公爵家には、お手紙させて頂くけれどもそこは、親戚の気やすさもある。
最後の、王子が眠ったので置いてきたというのは、ぎょっとしたけれど、え?いつも通り?。
……、まだ8才だものね。
はしゃぎすぎたら眠くなるわよね。
無理やり納得する事にした。
その流れでボルケニィウス辺境伯令嬢が、婚約者を探している話をしたら、
「なる。」
と、二つ返事で返された。
そして今日の初顔合わせに至る。
「グレナディア、可愛かったね。」
我ながらどうかと思うが、息子の女の子に対する初めての感想に目を見開いて驚いた。
「どうしたの?貴方、サフィには、一度も可愛いなんて言ったこと無いじゃない。」
動揺隠せず、熱を測るため首筋に触れ、目を覗き込む。
我が姪ながら、サフィことサフィールは、身内の欲目を除いても類い稀な美少女である。
もちろんグレナディア嬢も可愛らしくあったが、一体何が違うと言うのか……。
急に出てきた従妹の名前に目をそらす。
「サフィは……ちがう……かな?」
すごく困ってる時の顔だわ。
「サフィはとっても剣筋が良い。後……」
黙り込んでしまった。
大体どういう目で見てるのか大方解ったからもういいわ。
「剣というと、あの子の剣、見せて欲しいな。」
あの子……というと、ご子息の……、覚醒させたと言って居たわね。
武器の覚醒には、媒体と努力と運が必要と言われているが詳しい事が解っていない。
文献で見た事があるが、脳筋の言い分を文官がまとめるとああ言う悲劇が起こるのねと言う文章に対する感想しか持てなかった。
何にせよ、こんなに楽しそうなリュシオルを見れるなら、ボルケニィウス辺境伯夫妻にお願いして暫く預かって貰おうかしら?
連れて来たメイドに着替えに呼ばれた。
今日の晩餐が楽しみだ。
いろんな意味で。
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先月書き終えるつもりの話が、今月も終わりそうにないだと……!?
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