異世界に来た私のチートは、秩序ある混沌でした。

ぬるちぃるちる

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17.声

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「ちょっと口あけて。」
 中を覗く。
虫歯はない。
白くて綺麗な歯だ。
後で磨こう。
5歳位に見えるんだけど、生え換わり前かな?
子育てとかした事ないから全然解んない。

イチゴ味の、のど飴を舌に乗せて閉じさせる。
これで、喉治るかな?
口に入れるとびっくりして、耳をピコピコさせていたけど、すぐに大人しくなる。
美味しいよね、その飴。

服と言う設定らしい、もしくは、元々は服だったのかもしれない
擦り切れた異臭を放つぼろ布をはぎ取ると違和感を感じた。
「あれ?もしかして、男の子?」
 まあいいや、こんなちっちゃい子に、男の子も女の子もない。

頭の先からつま先まであわあわにして、丁寧にざぶざぶ洗う。
時々耳がプルプルしてるけど、臭いと言われたのがショックだったのか、
元々大人しいからか、完全に、言いなりである。

耳の周りも、目の周りも、大人しく言うとおりに磨かれていたこの子が暴れる姿が想像できない。
サディストに一方的に痛めつけられたに決まっている。
もし会う事があったら、絶対にぎゃふんと言わせたい。

泡だてたシャンプーで、髪を洗い、ボディーソープを付けたスポンジで
全身磨き上げてお湯をかけるとどす黒いお湯が流れていき、世にも可愛い美少年が現れた。

3回は洗わないと駄目かな?
それまで、この子の体力持つかなと思ってたけど、
召喚した、肌に優しいけど雑菌には厳しいボディソープ(グリーンアップルの香り)有能。

すごい変化だ。
正に衝撃のビフォーアフター!
え?じゃあ私、天使を生み出す匠?
ちょっと調子に乗っても良いかな?

しかし、それにしても、石が割れて猿が生まれる位の驚愕。
でも、私は可愛いこの子に、お師匠様と呼ばせる気はない。

かわいいなあ。
ぷにぷにの白いたまご肌に、銀色の耳に白い髪のふにゃっとしたくせっ毛に金色のおっきな目。
ちょっとガリガリだけど、犬の耳も含め、こんな天使、見た事ないぞ?
もう飴は無くなったかな?

「はい、もう一回お口あけてー。」
 飴がもらえると思ったのかさっきより大きなお口が開いた。
大変素直でよろしい。

だがしかし、歯磨きするでござるよ!
「磨き終ったら、うがいだよー。」
 ナルシストリの小さめのプラスチックのコップでうがいさせる。
コップのキャラクターには全然関心ないようだ。

この位の年の子って、キャラもの好きだと思ってたのだけど、異世界ではそうでもないのかな?

「声出る?どこか痛い所があったら教えて?」
 異世界から呼び出したのど飴だ。
きっと、効果があるはず……あってくれ!

祈るような気持ちで見ていると、向こうもこっちを見ていた。
いつも真っ直ぐに見てるけど、どんな事を考えてるのだろう?

そのまま、見つめ合い、沈黙が続く。
……えっと、もしかして、声の出し方、忘れた?

特許許可局トッキョキョカキョクっていえる?」
 言葉を指定してみる。

「……トッ?」
 お、一瞬だったけど、声聞えたぞ?
治ってるじゃねーか、可愛い声だなおい。
でも、本人気付いてなさそう。

新春シンシュンシャンソンショーって言ってみて?」
 次のお題を出す。

「しんしゅん……?」
 ……覚えられなかったか。
クエスチョンマークとびまくりの顔が可愛い。

生麦生米生卵ナマムギナマゴメナマタマゴ。」
 もちろん悲劇的な事情により早口言葉が得意な私は噛まずに言える。

「なまぐ……」
 明らかに噛んだ子供にニヤリとすると、涙ぐんだ。
……ああ、色々可愛かったからやりすぎたごめーん。
飴ちゃんあげるから機嫌直してー。

それにしても、こんなに可愛い声なのに喉壊そうとするなんて絶許ぜったいゆるさない案件だわ。
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