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美しい言葉なんていらない。小洒落た服装、その袖の下で、綺麗な花が咲かなくたって、誰も困りはしないんだ。私はただ、綺麗な声で、私が知っている歌を歌いたいわけじゃない。それが知らない歌だっていい。自分の耳にくらいは、聞こえる程度の音量で、胸を張って歌いたい。届くかな?届かないかな?そんなことを言っている暇があったら、さっさと支度をして、全開に開いた玄関の正面から、勢い良く飛び出していきたい。私にだってできるはずだ。そんなことくらいは、できるはずなんだ。だからせめてもう一度だけ、私は私について考えたい。間違いがあったって、いい。次に目が覚めた時は、私は私の墓場を掘るのではなく、花を添えてあげたい。恥ずかしがることなんて、何もないはずなんだから。
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