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マゴテリアへ
第25話
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「くそ!弱い奴らが徒党を組んだって僕に勝てるはずがないって分からないのかな!」
バライカが苛立たしげに顔を歪ませ、ラシードたちに攻撃を仕掛ける。それをファニアとロヴェルが巧みに防いでいた。
「くそ!まだ生まれたばかりのクソガキのくせして!」
バライカがロヴェルを見て舌打ちをする。一方でロヴェルは余裕の笑みを浮かべていた。
「ふふふ。なんたって俺は次期妖精王候補ですからね。元妖精王とはいえご老人に負けるはずがないですよ。なんたって俺は現役ですから!」
「…殺されたいみたいだね。」
「おわっお!!!」
バライカの瞳が赤く光り、その手のひらから業火がロヴェルへと放たれる。それを間一髪で避けたロヴェルだったが、前髪が燃えてしまったようで「俺の自慢の前髪がー!」と悲鳴をあげながら走り回っている。
「…あんな奴がお前の後継者でいいのか、ファニア?」
ラシードが呆れ顔で尋ねると、ファニアは頭に手を当てて大きなため息をついた。
「性格はあれなんだけど、妖精としての力は本当にピカイチなの。下手したら私の力を上回るぐらい。まぁ、加護を与えたものの耐久力によって引き出される力も変わるから、一概に妖精力だけが全てっていうわけじゃないんどけどね。」
ファニアがパチンと指を鳴らすと、ロヴェルの頭上から大量の水が落ちてくる。びしょ濡れになったロヴェルはファニアに非難がましい視線を向けるが、ファニアは「おかげで前髪は無事だったでしょう?」とどこ吹く風だった。
「ちっ!おい、リィル!さっさとそいつらを殺せ!ファニアとアリアネスは殺殺さず捕えろ!」
「…綺麗なままでアリアネスたちを捕えるのは難しいかと。」
「命があるなら多少傷が付いてもいい。」
「御意。」
バライカの言葉にリィルがニヤリと笑って剣を抜く。
「お前は最初から気に入らないんだよ、アリアネス。女ってのはなぁ、男にかしずいておけばいいんだ。特にお前みたいな美人な女はな。じゃじゃ馬のように剣を振り回して騎士の真似事か?オルドネアではお姫様扱いで騎士になれたのかもしれないが、我がマゴテリアではそうはいかないぞ?分かったらさっさと剣を置いてその体で俺を籠絡してみろ。」
「…あぁ、なんということを。」
セレーナが天を仰ぐ。
「…大丈夫か、あいつは?」
兵士を殴り倒していたキウラが顔をしかめてリィルを見る。
「ひぃー!またあの惨劇が!」
ロヴェルは真っ青になって震えている。
「なんの話だ?」
アルフォンソはキウラに斬りかかろうとしていた兵士を蹴り倒してくびをかしげる。
「やっちまえよ、子猫ちゃん。」
ラシードがニヤリと笑う。
「おっーほっほっほっ!雑魚が何かほざいておりますわね!いいでしょう!私が直々に教育して差し上げますわ!」
腰に手を当てて胸を張ったアリアネスが高らかに宣言したのだった。
バライカが苛立たしげに顔を歪ませ、ラシードたちに攻撃を仕掛ける。それをファニアとロヴェルが巧みに防いでいた。
「くそ!まだ生まれたばかりのクソガキのくせして!」
バライカがロヴェルを見て舌打ちをする。一方でロヴェルは余裕の笑みを浮かべていた。
「ふふふ。なんたって俺は次期妖精王候補ですからね。元妖精王とはいえご老人に負けるはずがないですよ。なんたって俺は現役ですから!」
「…殺されたいみたいだね。」
「おわっお!!!」
バライカの瞳が赤く光り、その手のひらから業火がロヴェルへと放たれる。それを間一髪で避けたロヴェルだったが、前髪が燃えてしまったようで「俺の自慢の前髪がー!」と悲鳴をあげながら走り回っている。
「…あんな奴がお前の後継者でいいのか、ファニア?」
ラシードが呆れ顔で尋ねると、ファニアは頭に手を当てて大きなため息をついた。
「性格はあれなんだけど、妖精としての力は本当にピカイチなの。下手したら私の力を上回るぐらい。まぁ、加護を与えたものの耐久力によって引き出される力も変わるから、一概に妖精力だけが全てっていうわけじゃないんどけどね。」
ファニアがパチンと指を鳴らすと、ロヴェルの頭上から大量の水が落ちてくる。びしょ濡れになったロヴェルはファニアに非難がましい視線を向けるが、ファニアは「おかげで前髪は無事だったでしょう?」とどこ吹く風だった。
「ちっ!おい、リィル!さっさとそいつらを殺せ!ファニアとアリアネスは殺殺さず捕えろ!」
「…綺麗なままでアリアネスたちを捕えるのは難しいかと。」
「命があるなら多少傷が付いてもいい。」
「御意。」
バライカの言葉にリィルがニヤリと笑って剣を抜く。
「お前は最初から気に入らないんだよ、アリアネス。女ってのはなぁ、男にかしずいておけばいいんだ。特にお前みたいな美人な女はな。じゃじゃ馬のように剣を振り回して騎士の真似事か?オルドネアではお姫様扱いで騎士になれたのかもしれないが、我がマゴテリアではそうはいかないぞ?分かったらさっさと剣を置いてその体で俺を籠絡してみろ。」
「…あぁ、なんということを。」
セレーナが天を仰ぐ。
「…大丈夫か、あいつは?」
兵士を殴り倒していたキウラが顔をしかめてリィルを見る。
「ひぃー!またあの惨劇が!」
ロヴェルは真っ青になって震えている。
「なんの話だ?」
アルフォンソはキウラに斬りかかろうとしていた兵士を蹴り倒してくびをかしげる。
「やっちまえよ、子猫ちゃん。」
ラシードがニヤリと笑う。
「おっーほっほっほっ!雑魚が何かほざいておりますわね!いいでしょう!私が直々に教育して差し上げますわ!」
腰に手を当てて胸を張ったアリアネスが高らかに宣言したのだった。
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