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アリシア
第11話
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「スパイの処刑?」
「あぁ。明日、城の中庭で行われるらしい。マゴテリアの機密情報を盗み出し、オルドネアに売っていたそうだ。そのせいで多くの兵士が命を落とした。」
仕事から帰ってきたリィルの外套を受け取りながら、アリシアは悲しそうに顔を顰めた。
婚約パーティーの日。アリシアは覚えていないが、疲れと緊張からか会場で倒れてしまったらしい。目が覚めるとリィルの屋敷のベッドで寝ていた。ベッドのそばにはリィルがいてくれて、アリシアが目を覚ましたことをとても喜んでくれた。アリシアがパーティーの後半のことを何も覚えていないことを告げると、リィルがなぜだかほっとしたように笑ったことを覚えている。
そして、パーティーから1週間たった今日。スパイの処刑についてリィルから話をされたのだった。
「かなりの極悪人らしくてな。人数を集めて大々的に処刑を行うそうだ。そうすればオルドネアにも情報がいってダメージを与えられるかもしれないからな。ついては、アリシアにも同席してほしいとミリアンネ王女から依頼があった。」
「私が…?」
まさかの申し出に、アリシアが目を丸くする。リィルは表情を動かさないまま頷いた。
「あぁ。俺はこの国の騎士団長として出席する。君は俺の未来の妻として同席してほしい。…君の存在を多くの人に知ってもらう良い機会にもなるからな。」
「でも、私は…。」
処刑などという惨たらしいものを見ないといけないと考えると体が震える。戦いや血に全く縁のないアリシアは処刑を想像しただけで、気分が悪くなって倒れてしまいそうだ。
「…ミリアンネ様にお断りできないのかしら。」
アリシアの言葉に、リィルがピクリと眉を上げる。それに気付かず、アリシアは話を続ける。
「私、嫌だわ。そんな惨たらしいものは見たくないもの。だって戦いは男の人の領域でしょう?私がいたってきっとご迷惑になるだけだわ。そんな恐ろしいものを見たら倒れてしまうもの。」
アリシアがプルプルと震えながらリィルに懇願する。そんな弱々しいアリシアの姿をリィルは黙って見下ろしていた。「ねぇ、お願い。」と甘えた声で言いながら擦り寄ってくるアリシアを見て、リィルの瞳に一瞬だけ嘲りの感情が現れる。しかし、それはすぐに笑顔に取り繕われてしまった。
「そうか、分かったよ。一応ミリアンネ様に伝えてみる。けれどそれでもダメだったら一緒に来てくれるね?大丈夫、何があっても俺が君を守るよ。」
「…分かったわ。」
これ以上はリィルも引いてくれないだろうと判断して、アリシアは渋々頷いたのだった。
「あぁ。明日、城の中庭で行われるらしい。マゴテリアの機密情報を盗み出し、オルドネアに売っていたそうだ。そのせいで多くの兵士が命を落とした。」
仕事から帰ってきたリィルの外套を受け取りながら、アリシアは悲しそうに顔を顰めた。
婚約パーティーの日。アリシアは覚えていないが、疲れと緊張からか会場で倒れてしまったらしい。目が覚めるとリィルの屋敷のベッドで寝ていた。ベッドのそばにはリィルがいてくれて、アリシアが目を覚ましたことをとても喜んでくれた。アリシアがパーティーの後半のことを何も覚えていないことを告げると、リィルがなぜだかほっとしたように笑ったことを覚えている。
そして、パーティーから1週間たった今日。スパイの処刑についてリィルから話をされたのだった。
「かなりの極悪人らしくてな。人数を集めて大々的に処刑を行うそうだ。そうすればオルドネアにも情報がいってダメージを与えられるかもしれないからな。ついては、アリシアにも同席してほしいとミリアンネ王女から依頼があった。」
「私が…?」
まさかの申し出に、アリシアが目を丸くする。リィルは表情を動かさないまま頷いた。
「あぁ。俺はこの国の騎士団長として出席する。君は俺の未来の妻として同席してほしい。…君の存在を多くの人に知ってもらう良い機会にもなるからな。」
「でも、私は…。」
処刑などという惨たらしいものを見ないといけないと考えると体が震える。戦いや血に全く縁のないアリシアは処刑を想像しただけで、気分が悪くなって倒れてしまいそうだ。
「…ミリアンネ様にお断りできないのかしら。」
アリシアの言葉に、リィルがピクリと眉を上げる。それに気付かず、アリシアは話を続ける。
「私、嫌だわ。そんな惨たらしいものは見たくないもの。だって戦いは男の人の領域でしょう?私がいたってきっとご迷惑になるだけだわ。そんな恐ろしいものを見たら倒れてしまうもの。」
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「そうか、分かったよ。一応ミリアンネ様に伝えてみる。けれどそれでもダメだったら一緒に来てくれるね?大丈夫、何があっても俺が君を守るよ。」
「…分かったわ。」
これ以上はリィルも引いてくれないだろうと判断して、アリシアは渋々頷いたのだった。
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