落ちこぼれβの恋の諦め方

めろめろす

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第二部

第3話

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「ふーん、懐かれたねぇ。なんか意味深なことでも言ったんじゃないの、あんたが?まぁ、あいつなら意味深なことを言わなくても勝手に勘違いしそうだけどね。」

けっと言葉を吐いて三目君がまたビールを流し込む。

「教育係になったなんて凄いじゃないか。上からも認められている証拠だ。新入社員なんて仕事ができなくて当たり前なんだから、ミスをしても丁寧に教えてやれ。それが上司の仕事なんだから。」

「全く。相変わらず幸尚さんは優しすぎるんですよ。ああいうやつは優しい顔見せると、すぐにつけ上がるんですから。ちょっとぐらい厳しい方がいいんです。」

 くだを巻き始めた三目君を宥めるために、口に肉を放り込んでやった。そんな様子を見て瀬尾君は苦笑している。

「幸尚さんの言うとおりですね。あいつを仕事ができない人間だって決めつけるのは簡単だけど、それじゃあ小鳥遊を一人前にできない俺も無能ってことなんですよね。…営業部のホープに育ててみせますよ、俺が。…幸尚さんが俺にそうしてくれたように。」

 瀬尾君がにっこり笑って身体を寄せてくる。この半年間で、それが瀬尾君が褒めてもらいたい時にする合図だと言うことが分かった。そのサラサラの髪をサラリと撫でた後、ポンポンと頭を撫でてやった。いつもなら、それで離れていくはずなのに、何故だか今日は離れようとしない。むしろもっと身体を寄せてくる。

「あ、あの、瀬尾君?」

「…足りないです。こんなご褒美じゃ満足できないです。」

「へ?ひゃっ!」

体育座りをして酒を飲んでいたのだが、突然膝裏に腕を入れられて抱き上げられてしまった。手に持っていたグラスはナイスタイミングで三目君が受け取ってくれた。まるで示し合わせたようなタイミングで、怪しい。本当に怪しい。

「ちょっと、お前ら!絶対狙ってただろ!絶対に2人で話し合ってただろ、このタイミングを!」

「さーて何のことですかねぇ。まぁ、1つ言わせてもらうなら先週も先々週も『ちょっと風邪気味だから』とか何とか言ってさせてくれなかったからじゃないですかね?」

 三目君がビールを飲み干すと、ニヤリと笑って頬を撫でてくる。その指が頬から首元をすべり、胸元をかすめていく。ビクッと身体を震わせると、瀬尾君がクスリと笑った。

「お仕事を頑張ってる後輩2人に、もちろんご褒美くれますよね?」

にっこりと微笑む瀬尾君と三目君を止める術は全く持ち合わせていなかった。


「っ!」

 ベッドに優しく降ろされた後、瀬尾君と三目君はどちらも服を脱ぎ始める。どちらもパジャマ用に使っているシャツを脱ぎ捨て、半裸になる。2人のアスリートかと突っ込みたくなるような腹筋を見て、悔しさがこみ上げてくる。自分だって20代の頃は同じような身体だったのだ。現在もジムに通っていて、以前よりもお腹の脂肪は減ったものの、まだまだ2人には及ばない。まるで子供のようなぺったんこのお腹を見て羞恥心に襲われる。

「くそっ!俺だってぇ!」

 ジタバタと暴れてみるものの、三目君に「はいはい、どうどう」と動物のように宥められてしまう。そしてその間に瀬尾君がズボンを脱がしてきた。息の揃った連携プレーになす術もなく、下着姿に剥かれてしまう。

「久しぶりだからゆっくりしますね。また泣きじゃくられたらちょっと止まれなくなりそうですから。」

「ひゃっ!ちょ、そんなとこ!」

 三目君が足元の方へ寄ったかと思うと、右足に触れてくる。膝裏からふくらはぎ、足の指まで指でなぞったかと思うと、おもむろに足の親指を口に含んでしまった。汚い足を口に含まれて慌てて引こうとするが、三目君はがっちりと足を固定していて離してくれない。三目君の熱い舌が親指に絡みついてきて、ジュウっと卑猥な音を立てて吸い上げる。なんてことはない、自分の足だったはずなのに、この半年間ですっかり性感帯に改造されてしまった。改造した犯人は三目君。足フェチだと宣言してきた彼は徹底的に足を弄るようになってきたのだ。足の指を飴玉を舐めしゃぶるかのように虐めてくる。

「ひぃぃあっ…っふぅう!」

 足を舐められているだけなのに情けない。何とか嬌声を我慢しようとするが、三目君に気を取られていたうちに、瀬尾君が寄り添ってきて首元を吸われる。強く吸われて跡をつけられたかと思えば、すぐに別の場所にまた跡をつけてくる。跡をつけるたびに、その場所を舌でチロチロと舐めてくる。

「ひっ、ちょ、やめっ!」

「幸尚、舐めていい?」

 瀬尾君が顔を至近距離まで近づけてきて吐息に含ませて耳もとで囁く。何を舐めていいかと聞かれているかは明白。膝でグリグリとそれを刺激しながら聞いてきているからだ。拒否の言葉を吐こうとするも、口を開いた瞬間に瀬尾君の熱い舌が捻り込まれて言葉を紡げない。

「んっ…ふぅ…ふぁ!」

「2週間もお預けされたんです。いいですよね?…気が狂うほどよがらせてあげますから。」

 キスの後、耳元で低く囁かれて身体がびくびくと震える。下着を剥ぎ取られる。

「あは。幸尚さんも期待してるんじゃないの?ほら、すごく硬くなってるし、先っぽからダラダラ出てる。」

「っ!やっ!やだぁ!」

 三目君が楽し気に言う。彼はいつもこちらの羞恥心を煽るようなことを言ってくる。どうやら言葉責めと言うやつらしいが、本当に勘弁してほしい。思わず幼子のような口調になってしまうが、三目君は止めようとしない。

「やだじゃないでしょ?ほら、瀬尾におちんちんペロペロされて感じてる顔見せてよ。」

「幸尚さん、いっぱい感じてくださいね。」


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