54 / 56
第二部
第18話
しおりを挟む
「あれ?三目は?」
「…帰ったみたい。」
ペットボトルのお茶を2本買ってきた時宗が部屋に戻ってきた時には、すでに三目君は部屋から出た後だった。
「帰った…?体調でも悪かったんですか、あいつ?」
「…たぶん気を利かせてくれたんだと思う。」
「気を利かせるって…っ、!」
何かに気付いたらしい時宗が顔を赤くして顔を寄せてくる。
「え?ま、まさかそういうことですか、幸尚さん!」
「…そういう、こと、です。」
恥ずかしくて俯いてしまったが、すぐに時宗に顔を上げさせられてしまう。
「幸尚さん、俺、ほんとに、あなたが!」
「…好きだよ、時宗。君だけが好きだ。」
「っ!いいんですか?最後までしても。」
時宗が強く体を抱きしめてくる。バクバクと心臓が激しく動いている。そして時宗の激しい心臓の音も聞こえてきて笑ってしまった。
「俺を食べてよ、時宗。」
「その言葉、後悔しないでくださいよ?」
体に巻き付けていたシーツを乱暴に剥ぎ取られた。
「ひぃぃ…ん、あ、あふっ……そんな、とこ…やぁ!」
「んちゅ…幸尚さんは、βなんだから、しっかり解さないと怪我するんですよ。んむぅ!」
「やぁ!舌だめぇ!」
時宗の厚い舌がニュルっと中に入ってきたかと思うと、ジュポジュポと出し入れされる。足を閉じたくても時宗にでんぐり返しのように足を開かせれていて、身動きがとれない。快感に身を震わせていると、今度は舌で入口のひだを優しく舐められる。
「だめぇ!や、時宗!ダメだってばぁ!」
「ダメじゃない…。ヒクヒクして喜んでる。…可愛いよ、幸尚。」
「んんぅ!」
時宗の甘い言葉に体が蕩けてしまう。ペチャペチャと入り口を舐められ続け、幼子のように泣いてしまった。そうして数十分可愛がられた後、やっと時宗は顔を上げてくれた。
「んっ、柔らかくなったね。いい子。」
「んぅーー!」
いつもは子犬のように甘えてくるくせに、こんな時だけ雄になるのはずるい。鼓動がさらに早くなって、時宗を愛しく思う気持ちがどんどん大きくなっていく。
服を全て脱ぎ捨てた時宗が足の間に割り入ってくる。そしてゴムをつけたそれをピタリと柔らかくした入り口に当てた。
「入れるよ。」
「ん…うぁぁん!」
ズプズプと時宗のものが自分の中に埋まっていく。快感はあまりなく、強い違和感だけ感じられた。鋭い痛みに体が硬くなるのが分かったのか、時宗が動きを止めてくれた。
「すいません、痛いですよね?ゆっくりしますから。」
「うん…ひぃん!」
時宗のものがゆっくりと進んでいく。すると硬くなった陰茎の形を感じ取ることができて、その卑猥さに顔が赤らむ。そして、やっと全てが入り、時宗の腰が自分の尻にあたった。
「っ!…全部、入りました…!」
「っ、うれ、しい!」
ぽろっと涙が溢れた。βの自分でも彼を受け入れることができた。
「きもちぃ?」
「っく!今すぐにでもイきそうです。」
「ふふっ、ときむね、かわいい。」
「煽らないでください!」
「ひゃん!」
軽く腰を揺すられて悲鳴をあげてしまった。入れられたところが気持ちよくなってきたからだ。
「ん?気持ちよくなってきた?…って、少し濡れてません?」
「あ、あ、だ、だめ、なに、これ!やぁ!」
「くっ!ちょ、落ち着いて、幸尚!」
「やだぁ!何これ!変!へんだよぉ!」
「ゆきなおっ、!」
バチュンと腰を激しく叩きつけられる。その気持ちよさに自分の陰茎からピュルッと精液が飛び出した。
そして、時宗の体からとんでもなく甘い香りを感じる。まるでチョコレートのような香りが自分の体を甘く溶かして行く。そしてそれを嗅ぐ度に身体が変わっていくような気がするのだ。
「くそ、幸尚!Ωになってくれるんですか?俺だけの番いに!」
「あぁん!しゅき、しゅきぃ!ときむねぇ!」
バチュンバチュンと中を激しく穿たれて、まともに話すこともできない。
「きもちぃよぉ!ときむねぇ!しょこ、やら!きもちぃ!しんじゃう!」
お尻からドロドロと愛液が溢れ出てくる。
そうか。自分はΩになろうとしているのか。この男にΩに変えられようとしているのか。
(もういいか。)
「ときむねぇ!噛んで!噛んでよぉ!」
うなじを噛んで欲しくてたまらない。頭を上げて首を曝け出すと、時宗は苦しそうな表情で首を振った。
「なんで!なんでぇ!ばかぁ!ときむねのばかぁ!」
「っ、好き!好きだ幸尚!俺だけの!俺だけのものだ!!」
「ひゃああん!イク!イクからぁ!」
「っ!俺も!」
「ひぃぃぃ!」
俺と時宗はほぼ同時に果てる。
「ふぅあ…んん…!」
あまりの気持ち良さに思考が戻らず、ぼーっと時宗の顔を眺める。すると彼が曖昧に笑ってキスをしてきた。
「んっ…!」
「…ごめん、幸尚。本当にごめん。でも、俺はまだ…!」
何かを耐えるように強く体を抱きしめられる。だから安心させるように抱きしめ返してやった。
「幸尚、俺は…。」
「だいじょーぶ、だいじょうぶ。ん…ときむね……ちゃんと、待ってるから…おれ。」
「…愛してます、幸尚さん。」
その声を聞いて意識が落ちてしまった。
目が覚めた時、隣に時宗はいなかった。そして、それ以来、彼は自分の前から姿を消したのだった。
「…帰ったみたい。」
ペットボトルのお茶を2本買ってきた時宗が部屋に戻ってきた時には、すでに三目君は部屋から出た後だった。
「帰った…?体調でも悪かったんですか、あいつ?」
「…たぶん気を利かせてくれたんだと思う。」
「気を利かせるって…っ、!」
何かに気付いたらしい時宗が顔を赤くして顔を寄せてくる。
「え?ま、まさかそういうことですか、幸尚さん!」
「…そういう、こと、です。」
恥ずかしくて俯いてしまったが、すぐに時宗に顔を上げさせられてしまう。
「幸尚さん、俺、ほんとに、あなたが!」
「…好きだよ、時宗。君だけが好きだ。」
「っ!いいんですか?最後までしても。」
時宗が強く体を抱きしめてくる。バクバクと心臓が激しく動いている。そして時宗の激しい心臓の音も聞こえてきて笑ってしまった。
「俺を食べてよ、時宗。」
「その言葉、後悔しないでくださいよ?」
体に巻き付けていたシーツを乱暴に剥ぎ取られた。
「ひぃぃ…ん、あ、あふっ……そんな、とこ…やぁ!」
「んちゅ…幸尚さんは、βなんだから、しっかり解さないと怪我するんですよ。んむぅ!」
「やぁ!舌だめぇ!」
時宗の厚い舌がニュルっと中に入ってきたかと思うと、ジュポジュポと出し入れされる。足を閉じたくても時宗にでんぐり返しのように足を開かせれていて、身動きがとれない。快感に身を震わせていると、今度は舌で入口のひだを優しく舐められる。
「だめぇ!や、時宗!ダメだってばぁ!」
「ダメじゃない…。ヒクヒクして喜んでる。…可愛いよ、幸尚。」
「んんぅ!」
時宗の甘い言葉に体が蕩けてしまう。ペチャペチャと入り口を舐められ続け、幼子のように泣いてしまった。そうして数十分可愛がられた後、やっと時宗は顔を上げてくれた。
「んっ、柔らかくなったね。いい子。」
「んぅーー!」
いつもは子犬のように甘えてくるくせに、こんな時だけ雄になるのはずるい。鼓動がさらに早くなって、時宗を愛しく思う気持ちがどんどん大きくなっていく。
服を全て脱ぎ捨てた時宗が足の間に割り入ってくる。そしてゴムをつけたそれをピタリと柔らかくした入り口に当てた。
「入れるよ。」
「ん…うぁぁん!」
ズプズプと時宗のものが自分の中に埋まっていく。快感はあまりなく、強い違和感だけ感じられた。鋭い痛みに体が硬くなるのが分かったのか、時宗が動きを止めてくれた。
「すいません、痛いですよね?ゆっくりしますから。」
「うん…ひぃん!」
時宗のものがゆっくりと進んでいく。すると硬くなった陰茎の形を感じ取ることができて、その卑猥さに顔が赤らむ。そして、やっと全てが入り、時宗の腰が自分の尻にあたった。
「っ!…全部、入りました…!」
「っ、うれ、しい!」
ぽろっと涙が溢れた。βの自分でも彼を受け入れることができた。
「きもちぃ?」
「っく!今すぐにでもイきそうです。」
「ふふっ、ときむね、かわいい。」
「煽らないでください!」
「ひゃん!」
軽く腰を揺すられて悲鳴をあげてしまった。入れられたところが気持ちよくなってきたからだ。
「ん?気持ちよくなってきた?…って、少し濡れてません?」
「あ、あ、だ、だめ、なに、これ!やぁ!」
「くっ!ちょ、落ち着いて、幸尚!」
「やだぁ!何これ!変!へんだよぉ!」
「ゆきなおっ、!」
バチュンと腰を激しく叩きつけられる。その気持ちよさに自分の陰茎からピュルッと精液が飛び出した。
そして、時宗の体からとんでもなく甘い香りを感じる。まるでチョコレートのような香りが自分の体を甘く溶かして行く。そしてそれを嗅ぐ度に身体が変わっていくような気がするのだ。
「くそ、幸尚!Ωになってくれるんですか?俺だけの番いに!」
「あぁん!しゅき、しゅきぃ!ときむねぇ!」
バチュンバチュンと中を激しく穿たれて、まともに話すこともできない。
「きもちぃよぉ!ときむねぇ!しょこ、やら!きもちぃ!しんじゃう!」
お尻からドロドロと愛液が溢れ出てくる。
そうか。自分はΩになろうとしているのか。この男にΩに変えられようとしているのか。
(もういいか。)
「ときむねぇ!噛んで!噛んでよぉ!」
うなじを噛んで欲しくてたまらない。頭を上げて首を曝け出すと、時宗は苦しそうな表情で首を振った。
「なんで!なんでぇ!ばかぁ!ときむねのばかぁ!」
「っ、好き!好きだ幸尚!俺だけの!俺だけのものだ!!」
「ひゃああん!イク!イクからぁ!」
「っ!俺も!」
「ひぃぃぃ!」
俺と時宗はほぼ同時に果てる。
「ふぅあ…んん…!」
あまりの気持ち良さに思考が戻らず、ぼーっと時宗の顔を眺める。すると彼が曖昧に笑ってキスをしてきた。
「んっ…!」
「…ごめん、幸尚。本当にごめん。でも、俺はまだ…!」
何かを耐えるように強く体を抱きしめられる。だから安心させるように抱きしめ返してやった。
「幸尚、俺は…。」
「だいじょーぶ、だいじょうぶ。ん…ときむね……ちゃんと、待ってるから…おれ。」
「…愛してます、幸尚さん。」
その声を聞いて意識が落ちてしまった。
目が覚めた時、隣に時宗はいなかった。そして、それ以来、彼は自分の前から姿を消したのだった。
2
あなたにおすすめの小説
fall~獣のような男がぼくに歓びを教える
乃木のき
BL
お前は俺だけのものだ__結婚し穏やかな家庭を気づいてきた瑞生だが、元恋人の禄朗と再会してしまう。ダメなのに逢いたい。逢ってしまえばあなたに狂ってしまうだけなのに。
強く結ばれていたはずなのに小さなほころびが2人を引き離し、抗うように惹きつけ合う。
濃厚な情愛の行く先は地獄なのか天国なのか。
※エブリスタで連載していた作品です
変異型Ωは鉄壁の貞操
田中 乃那加
BL
変異型――それは初めての性行為相手によってバースが決まってしまう突然変異種のこと。
男子大学生の金城 奏汰(かなしろ かなた)は変異型。
もしαに抱かれたら【Ω】に、βやΩを抱けば【β】に定着する。
奏汰はαが大嫌い、そして絶対にΩにはなりたくない。夢はもちろん、βの可愛いカノジョをつくり幸せな家庭を築くこと。
だから護身術を身につけ、さらに防犯グッズを持ち歩いていた。
ある日の歓楽街にて、β女性にからんでいたタチの悪い酔っ払いを次から次へとやっつける。
それを見た高校生、名張 龍也(なばり たつや)に一目惚れされることに。
当然突っぱねる奏汰と引かない龍也。
抱かれたくない男は貞操を守りきり、βのカノジョが出来るのか!?
運命の相手 〜 確率は100 if story 〜
春夏
BL
【完結しました】
『確率は100』の if story です。
本編は現代日本で知り合った2人が異世界でイチャラブする話ですが、こちらは2人が異世界に行かなかったら…の話です。Rには※つけます(5章以降)。「確率」とは違う2人の関係をお楽しみいただけたら嬉しいです。
俺は完璧な君の唯一の欠点
一寸光陰
BL
進藤海斗は完璧だ。端正な顔立ち、優秀な頭脳、抜群の運動神経。皆から好かれ、敬わられている彼は性格も真っ直ぐだ。
そんな彼にも、唯一の欠点がある。
それは、平凡な俺に依存している事。
平凡な受けがスパダリ攻めに囲われて逃げられなくなっちゃうお話です。
〔完結済〕この腕が届く距離
麻路なぎ
BL
気まぐれに未来が見える代わりに眠くなってしまう能力を持つ俺、戸上朱里は、クラスメイトであるアルファ、夏目飛衣(とい)をその能力で助けたことから、少しずつ彼に囲い込まれてしまう。
アルファとかベータとか、俺には関係ないと思っていたのに。
なぜか夏目は、俺に執着を見せるようになる。
※ムーンライトノベルズなどに載せているものの改稿版になります。
ふたりがくっつくまで時間がかかります。
聖獣は黒髪の青年に愛を誓う
午後野つばな
BL
稀覯本店で働くセスは、孤独な日々を送っていた。
ある日、鳥に襲われていた仔犬を助け、アシュリーと名づける。
だが、アシュリーただの犬ではなく、稀少とされる獣人の子どもだった。
全身で自分への愛情を表現するアシュリーとの日々は、灰色だったセスの日々を変える。
やがてトーマスと名乗る旅人の出現をきっかけに、アシュリーは美しい青年の姿へと変化するが……。
たしかなこと
大波小波
BL
白洲 沙穂(しらす さほ)は、カフェでアルバイトをする平凡なオメガだ。
ある日カフェに現れたアルファ男性・源 真輝(みなもと まさき)が体調不良を訴えた。
彼を介抱し見送った沙穂だったが、再び現れた真輝が大富豪だと知る。
そんな彼が言うことには。
「すでに私たちは、恋人同士なのだから」
僕なんかすぐに飽きるよね、と考えていた沙穂だったが、やがて二人は深い愛情で結ばれてゆく……。
百戦錬磨は好きすぎて押せない
紗々
BL
なんと!HOTランキングに載せていただいておりました!!(12/18現在23位)ありがとうございます~!!*******超大手企業で働くエリート営業マンの相良響(28)。ある取引先の会社との食事会で出会った、自分の好みドンピシャの可愛い男の子(22)に心を奪われる。上手いこといつものように落として可愛がってやろうと思っていたのに…………序盤で大失態をしてしまい、相手に怯えられ、嫌われる寸前に。どうにか謝りまくって友人関係を続けることには成功するものの、それ以来ビビり倒して全然押せなくなってしまった……!*******百戦錬磨の超イケメンモテ男が純粋で鈍感な男の子にメロメロになって翻弄され悶えまくる話が書きたくて書きました。いろんな胸キュンシーンを詰め込んでいく……つもりではありますが、ラブラブになるまでにはちょっと時間がかかります。※80000字ぐらいの予定でとりあえず短編としていましたが、後日談を含めると100000字超えそうなので長編に変更いたします。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる