落ちこぼれβの恋の諦め方

めろめろす

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第二部

第18話

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「あれ?三目は?」

「…帰ったみたい。」

 ペットボトルのお茶を2本買ってきた時宗が部屋に戻ってきた時には、すでに三目君は部屋から出た後だった。

「帰った…?体調でも悪かったんですか、あいつ?」

「…たぶん気を利かせてくれたんだと思う。」

「気を利かせるって…っ、!」

 何かに気付いたらしい時宗が顔を赤くして顔を寄せてくる。

「え?ま、まさかそういうことですか、幸尚さん!」

「…そういう、こと、です。」

 恥ずかしくて俯いてしまったが、すぐに時宗に顔を上げさせられてしまう。

「幸尚さん、俺、ほんとに、あなたが!」

「…好きだよ、時宗。君だけが好きだ。」

「っ!いいんですか?最後までしても。」

 時宗が強く体を抱きしめてくる。バクバクと心臓が激しく動いている。そして時宗の激しい心臓の音も聞こえてきて笑ってしまった。




「俺を食べてよ、時宗。」

「その言葉、後悔しないでくださいよ?」

 体に巻き付けていたシーツを乱暴に剥ぎ取られた。







「ひぃぃ…ん、あ、あふっ……そんな、とこ…やぁ!」

「んちゅ…幸尚さんは、βなんだから、しっかり解さないと怪我するんですよ。んむぅ!」

「やぁ!舌だめぇ!」

 時宗の厚い舌がニュルっと中に入ってきたかと思うと、ジュポジュポと出し入れされる。足を閉じたくても時宗にでんぐり返しのように足を開かせれていて、身動きがとれない。快感に身を震わせていると、今度は舌で入口のひだを優しく舐められる。

「だめぇ!や、時宗!ダメだってばぁ!」

「ダメじゃない…。ヒクヒクして喜んでる。…可愛いよ、幸尚。」

「んんぅ!」

 時宗の甘い言葉に体が蕩けてしまう。ペチャペチャと入り口を舐められ続け、幼子のように泣いてしまった。そうして数十分可愛がられた後、やっと時宗は顔を上げてくれた。

「んっ、柔らかくなったね。いい子。」

「んぅーー!」

 いつもは子犬のように甘えてくるくせに、こんな時だけ雄になるのはずるい。鼓動がさらに早くなって、時宗を愛しく思う気持ちがどんどん大きくなっていく。

 服を全て脱ぎ捨てた時宗が足の間に割り入ってくる。そしてゴムをつけたそれをピタリと柔らかくした入り口に当てた。


「入れるよ。」

「ん…うぁぁん!」

 ズプズプと時宗のものが自分の中に埋まっていく。快感はあまりなく、強い違和感だけ感じられた。鋭い痛みに体が硬くなるのが分かったのか、時宗が動きを止めてくれた。

「すいません、痛いですよね?ゆっくりしますから。」

「うん…ひぃん!」

 時宗のものがゆっくりと進んでいく。すると硬くなった陰茎の形を感じ取ることができて、その卑猥さに顔が赤らむ。そして、やっと全てが入り、時宗の腰が自分の尻にあたった。

「っ!…全部、入りました…!」

「っ、うれ、しい!」

 ぽろっと涙が溢れた。βの自分でも彼を受け入れることができた。

「きもちぃ?」

「っく!今すぐにでもイきそうです。」

「ふふっ、ときむね、かわいい。」

「煽らないでください!」

「ひゃん!」

 軽く腰を揺すられて悲鳴をあげてしまった。入れられたところが気持ちよくなってきたからだ。

「ん?気持ちよくなってきた?…って、少し濡れてません?」

「あ、あ、だ、だめ、なに、これ!やぁ!」

「くっ!ちょ、落ち着いて、幸尚!」

「やだぁ!何これ!変!へんだよぉ!」

「ゆきなおっ、!」

 バチュンと腰を激しく叩きつけられる。その気持ちよさに自分の陰茎からピュルッと精液が飛び出した。
 そして、時宗の体からとんでもなく甘い香りを感じる。まるでチョコレートのような香りが自分の体を甘く溶かして行く。そしてそれを嗅ぐ度に身体が変わっていくような気がするのだ。

「くそ、幸尚!Ωになってくれるんですか?俺だけの番いに!」

「あぁん!しゅき、しゅきぃ!ときむねぇ!」

 バチュンバチュンと中を激しく穿たれて、まともに話すこともできない。

「きもちぃよぉ!ときむねぇ!しょこ、やら!きもちぃ!しんじゃう!」

 お尻からドロドロと愛液が溢れ出てくる。

 そうか。自分はΩになろうとしているのか。この男にΩに変えられようとしているのか。

(もういいか。)

「ときむねぇ!噛んで!噛んでよぉ!」

 うなじを噛んで欲しくてたまらない。頭を上げて首を曝け出すと、時宗は苦しそうな表情で首を振った。

「なんで!なんでぇ!ばかぁ!ときむねのばかぁ!」

「っ、好き!好きだ幸尚!俺だけの!俺だけのものだ!!」


「ひゃああん!イク!イクからぁ!」

「っ!俺も!」

「ひぃぃぃ!」

 俺と時宗はほぼ同時に果てる。

「ふぅあ…んん…!」

 あまりの気持ち良さに思考が戻らず、ぼーっと時宗の顔を眺める。すると彼が曖昧に笑ってキスをしてきた。

「んっ…!」

「…ごめん、幸尚。本当にごめん。でも、俺はまだ…!」

 何かを耐えるように強く体を抱きしめられる。だから安心させるように抱きしめ返してやった。

「幸尚、俺は…。」


「だいじょーぶ、だいじょうぶ。ん…ときむね……ちゃんと、待ってるから…おれ。」







「…愛してます、幸尚さん。」

 その声を聞いて意識が落ちてしまった。






 目が覚めた時、隣に時宗はいなかった。そして、それ以来、彼は自分の前から姿を消したのだった。
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