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青い王子と雨の王冠
帰国①
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「おいひい!おいひいですよ、ロミィさん!」
「うん、さすが城お抱えの料理人が作った料理だ。」
ロミィとハフィは大広間の長いテーブルの上に所狭しと並べられた料理を口に頬張っていた。
善雨と村雲が王となることが決まって、2人はとても忙しくなってしまった。黒い雨の事件があってから1週間たったが、ハフィは2人に全く会うことができないでいた。2人の顔を見ようとそれぞれの部屋を訪ねてみたものの、やれ政治の勉強で視察に行っているやら、即位するための準備で忙しいやらで顔を見ることもできなかったのだ。
そして、今日が潤国に滞在する最後の晩。明日にはロミィとともにエステレラに帰ることになっていた。
「…結局、善雨さんと村雲さんには会えませんでしたね。」
美味しい食事を楽しそうに食べながらもどこか寂しそうなハフィの表情を見て、ロミィはその頭を優しく撫でてやった。
「まぁ、王が2人なんて前代未聞だからね。天泣も元老院を黙らせるのにかなり苦戦しているみたいだ。でも善雨と村雲は頑張っているみたいだよ。この国のためにどんなことだって乗り越えると宣言して、協力して頑張っているみたいだ。立派な兄弟だよ。」
「そう…ですよね。」
俯いていたハフィは顔を上げて少しだけ微笑んだ。
「きっと2人なら立派な王様になると思います。善雨さんはとっても優しくて思いやりがあって水力もありますし、村雲さんは決断力があっていざっていう時はとってもかっこいいです!」
「うんうん、そうだね。だからハフィはこの晩餐会を楽しんだらいいんだ。なんたってこの国の最後の夜だからね。天泣が用意してくれた最高の食事だ。ミズリィのバターケーキには敵わないかもしれないけれど、この国で有名な水菓子とやらもあるらしいから一緒に食べようね。」
「はい!!」
ハフィはロミィとともに潤国最後の夜を思いっきり楽しむことにした。
「ふわぁ、食べすぎた…。」
ロミィとともに飲み食いを続けた結果、ハフィのお腹はぽこりと飛び出すほど膨らんでしまった。ロミィは「腹ごなしに散歩してくる」と言ってフラフラと外に出て行ったので、ハフィも自分の部屋に戻ることにした。食事を運んでくれたメイドたちから大広間はそのままにしておいていいと言われているが、なんとなく食器だけでも片付けようとハフィがお皿を重ねていた時。
バンッと大きな音がして、大広間の扉が開かれた。
「「ハフィ、いるか!!?」」
「きゃあ!」
突然の大声に驚き、ハフィが尻餅をつく。
「善雨さん、村雲さん?」
部屋に入ってきたのは、額に汗を流しながら荒い息を吐いている次期王の2人だった。
「うん、さすが城お抱えの料理人が作った料理だ。」
ロミィとハフィは大広間の長いテーブルの上に所狭しと並べられた料理を口に頬張っていた。
善雨と村雲が王となることが決まって、2人はとても忙しくなってしまった。黒い雨の事件があってから1週間たったが、ハフィは2人に全く会うことができないでいた。2人の顔を見ようとそれぞれの部屋を訪ねてみたものの、やれ政治の勉強で視察に行っているやら、即位するための準備で忙しいやらで顔を見ることもできなかったのだ。
そして、今日が潤国に滞在する最後の晩。明日にはロミィとともにエステレラに帰ることになっていた。
「…結局、善雨さんと村雲さんには会えませんでしたね。」
美味しい食事を楽しそうに食べながらもどこか寂しそうなハフィの表情を見て、ロミィはその頭を優しく撫でてやった。
「まぁ、王が2人なんて前代未聞だからね。天泣も元老院を黙らせるのにかなり苦戦しているみたいだ。でも善雨と村雲は頑張っているみたいだよ。この国のためにどんなことだって乗り越えると宣言して、協力して頑張っているみたいだ。立派な兄弟だよ。」
「そう…ですよね。」
俯いていたハフィは顔を上げて少しだけ微笑んだ。
「きっと2人なら立派な王様になると思います。善雨さんはとっても優しくて思いやりがあって水力もありますし、村雲さんは決断力があっていざっていう時はとってもかっこいいです!」
「うんうん、そうだね。だからハフィはこの晩餐会を楽しんだらいいんだ。なんたってこの国の最後の夜だからね。天泣が用意してくれた最高の食事だ。ミズリィのバターケーキには敵わないかもしれないけれど、この国で有名な水菓子とやらもあるらしいから一緒に食べようね。」
「はい!!」
ハフィはロミィとともに潤国最後の夜を思いっきり楽しむことにした。
「ふわぁ、食べすぎた…。」
ロミィとともに飲み食いを続けた結果、ハフィのお腹はぽこりと飛び出すほど膨らんでしまった。ロミィは「腹ごなしに散歩してくる」と言ってフラフラと外に出て行ったので、ハフィも自分の部屋に戻ることにした。食事を運んでくれたメイドたちから大広間はそのままにしておいていいと言われているが、なんとなく食器だけでも片付けようとハフィがお皿を重ねていた時。
バンッと大きな音がして、大広間の扉が開かれた。
「「ハフィ、いるか!!?」」
「きゃあ!」
突然の大声に驚き、ハフィが尻餅をつく。
「善雨さん、村雲さん?」
部屋に入ってきたのは、額に汗を流しながら荒い息を吐いている次期王の2人だった。
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