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第2部      大地の勇者はかく戦えり

第4話

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大地の勇者である俺と、俺の仲間の旅は順調だと言っていい。

スレートもシャドウのやつも非常に旅慣れていたからだ。

とくにシャドウのやつは放浪生活が長かったのか、野宿をする手際が良く、食事も野宿で食べるものとは思えないほど美味しかった。

これはいい拾い物をした。

癪に障るが、俺はすなおにそう感じた。

しかも、旅の途中で出くわす魔物や野生の動物相手にも2人はひるまない。

もちろん戦闘においては俺のほうが強い。

しかし、ただ強いだけでは実戦で力を発揮できない、ということが2人を見て思い知らされた。

俺は、常に全力で敵を倒そうとする。

だが、それでは連戦になったとき、体力に配分を誤り、足手まといになる。

村での訓練では分からなかった。

実戦とは、相手がこちらの疲れを狙ってくる世界なのだ。

旅の初めのころは、シャドウに助けられる場面も多かった。

屈辱だが、仕方ない。

だが徐々に、シェーラの助言もあり、足を引っ張ることはなくなっていった。

ということで俺の旅、大地の勇者パウダー一行の旅はおおむね順調といえるだろう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ウェッジの村を出てから1ヶ月ほど。

俺たちは、フクシア神教国内のある町にたどり着いた。

そこにはエリューシオン教会があった。

聖処女神エリューシオンを信仰する教会で、温厚で慈悲深く、洗礼をうけた者は「聖女」となり、回復魔法を扱えることで知られている。

そして幸運なことに、その教会に在籍する聖女の一人が、俺たちの旅に同行してもいいと名乗り出てくれたのだ。

ありがたい話だ。

聖女というのは、戦闘能力を持たないことが多く、危険な旅に同行する者はほとんどいない。

その聖女の名は、ケイト。

回復魔法を使える彼女の加入で、俺たちの旅は格段に楽になった。

さらに、ケイトは重要な情報も持っていた。

魔王の側近についての情報をだ。

地図を広げ、指し示される場所。

「いよいよ、勇者としての使命を果たす時が来た」

俺の胸は高鳴っていた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

私の名はケイト。

フクシア神教国の領土内にあるエリューシオン教会に所属する聖女です。

聖女になるために、特別厳しい修行とか清廉潔白な人格が必要なわけではありません。

ただ、聖処女神エリューシオン様に認められれば、それでいいのです。

ある日、私は教会へ導かれ、洗礼を受け、聖女となりました。

回復魔法の力は強いほうらしく、教会や町の人々からも頼られていました。

すべて聖処女神エリューシオン様からのお告げで決められているそうです。

そんなある日、聖処女神エリューシオン様からお告げがありました。

「大地の勇者と同行せよ」

私は、喜んでそのお告げに従いました。

勇者パウダー様も、お仲間の方々も、親切にして下さっております。

ただ、一人だけ、気になる方がいました。

シャドウと名乗る、黒い鎧の剣士様です。

身体は深刻な損傷を負っており、魔力で無理やり動かしているようでした。
このままでは、寿命を縮めかねません。

現にどんどん生命力が弱っていっているように感じられるのです。

私は、回復魔法をかけましょうかと申し出ました。

ですが、

「不要だ。気遣いは感謝するが、この体は回復魔法では治らない」

「だから僕の体に関しては気にしないでほしい。すまない」

そう、静かに断られてしまいました。

事情があるのだと察し、私はそれ以上踏み込みませんでした。

ですが、このシャドウ様、戦闘ではとんでもなく強いのです。

私の目には、大地の勇者パウダー様よりも、戦い慣れているようにすら見えました。

それなのに、パウダー様は妙にシャドウ様に当たりが強い。

なぜ、あそこまで目の敵にするのでしょうか。

なんでも出来るシャドウ様に嫉妬しているからとか?

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