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「あの3人のこと知ってたのか?」
横抱きで運ばれながら聞いた。
優しいコルムは歩けよとは言わない。なんなら何も言わずに抱き上げてくれた。
気が抜けて脱力しまくりのオレはもう歩ける気がしないのでとても助かる。コルムの首に腕を回し体を密着させ絶対に降りないぞと意思表示をした。
「個人的に知っていたわけじゃないが、問題を起こしそうな生徒の顔と名前を一致させていた」
・・・そんなことってある?
「・・・痛いか?」
「顔、ひどい?」
「片側だけ顔が倍になってる」
「倍かあ」
確かに張られた側だけ目を開けられないな。ちょっと鏡で見てみたい。
「俺のせいだ。ごめんな」
「謝るなよ。コルムは待ってろって言ったのに、オレが勝手に寮に戻ろうとしたから。こんなことが起きるなんて誰も想像できないことだし。それに見た目ほど痛くないんだ。痛いっていうより熱い、かな」
「ごめんな・・・。色々、焦った」
「え?」
「騎士科に入ってから、先輩や同級生からの妬みややっかみなんかが多くて、それがベイラに向かないかそればかり心配していて。だけど、ベイラから話を聞いて、やっと他にも目を向けないと、って思った。その、俺とのことを勘違いされて・・・」
ああ、あのちょくちょく放課後に校舎裏に呼び出されてたヤツね。
コルムが訥々と話すには、さらにそこにオレ狙いの奴らもいて(いやいや、いないから)、つまり、敵は全方向にいると認識し、全て炙り出して身の回りをすっきりさせようと考えた。
それで自分があちこちで好きな人がいると吹聴して回ったと、そういうことらしい。
な、なんて脳筋な。
だが、確かに釣れたので馬鹿に出来ない策だとも言える。
「大分いいとこ処理できたと思っていたのに・・・」
「え、もしかしてこんなこと他にもあったの?」
「まあまあ。でも、妬み関係はやっぱり手荒に解決するしかなかったけど、その、俺を好きだと言ってくれてる子たちは話し合いで解決できた。問題はベイラを狙っている奴らだ。なかなか尻尾を出さなくて」
「コルムコルム、それはね、尻尾を出さないんじゃなくて、そんな奴らそもそもいないんだよ」
「は?」
「もー!は?じゃなくて、い・な・い、の!」
ぽかんとした顔でオレを見るな。変なとこで心配性なんだから。
「・・・俺だけが知る秘密の場所に閉じ込めておけたら安心なんだが」
至近距離でオレを見つめ、ため息をつくコルム。
オレの発言を全然信じてない。
「なんでそんなにオレを好きなんだよ」
あ。思わず小っ恥ずかしいことを言ってしまった。内心ワタワタしているとコルムが薄く苦笑した。
「・・・さあ。好きなもんは好きなんだからしょうがない。それに、俺にはベイラと両思いの未来しか見えないんだ」
「・・・。」
はい脳筋です。思い込みの激しい脳筋です。だから赤くなるなオレ。ひー!瞳がとっても澄んでいるー。イケメンー。鎮まれオレの顔面の熱!
「青春だな。続きは後にしてとりあえず傷を見せてくれ」
医務室のドアが開き、養護のキリエ先生が顔を出した。
き、聞かれていた、だと。泣ける。
確かにオレたちは少し前に医務室のドアの前に到着していた。
なぜ話に夢中になってしまっていたんだオレ。泣ける。
ベッドにそっと降ろされたオレを見た先生は眉間にしわを寄せ、コルムを廊下に出した。
「詳しいことはわからんが大変だったな。傷は顔だけか?他に痛むところはあるか?肛門はどうだ?」
「こ、肛門・・・。いえ!顔だけ、顔だけ、顔だけです!」
「そうか、ベルトは外されていないから下半身は無事だったか」
「は、はい。無事です!」
真剣な先生の顔を見て、本当にやばかったんだと認識を改めた。
その後、飛んでしまったボタンがわりにピンで開いていたシャツを閉じてもらい、左頬全体に湿布を貼られ夕食後に飲む薬を処方された。
「怖かったな。残念だけど、危険なこともあるのが現実だ。これを機会に自分の身を守ることも考えてみるのもいいかもな」
オレは先生の言葉に大きく頷きお礼を言い、医務室を後にした。
「ああ、今日はシャワーはやめとけよー」
ドアを閉めようとした時、中から声を掛けられた。
「夜、熱が出るかもしれないからな」
「・・・はい」
舐められた耳が気持ち悪くて洗いたくて仕方ないのだが。
廊下で待っていてくれたコルムが壁から身を起こしながら眉をひそめた。
「熱が出る、ってどういうことだ?他にも傷が?」
「な、ないよっ。念のためってことだろ」
先ほどの“肛門”というえげつない単語が頭を過ぎりどもってしまう。
「ベイラ?」
「わ、バカ!抱き上げるな!もう一人で歩ける!ほら行こう。夕食の前に着替えたい」
コルムの後ろにまわり、背中を押す。心配性の相手は疲れるよ。
結局、夕食はコルムがシャワー帰りに2人分持ってきてくれて、一緒に部屋で食べた。その後薬も飲んだ。
だけどその晩、キリエ先生の言った通り、オレは熱を出した。
横抱きで運ばれながら聞いた。
優しいコルムは歩けよとは言わない。なんなら何も言わずに抱き上げてくれた。
気が抜けて脱力しまくりのオレはもう歩ける気がしないのでとても助かる。コルムの首に腕を回し体を密着させ絶対に降りないぞと意思表示をした。
「個人的に知っていたわけじゃないが、問題を起こしそうな生徒の顔と名前を一致させていた」
・・・そんなことってある?
「・・・痛いか?」
「顔、ひどい?」
「片側だけ顔が倍になってる」
「倍かあ」
確かに張られた側だけ目を開けられないな。ちょっと鏡で見てみたい。
「俺のせいだ。ごめんな」
「謝るなよ。コルムは待ってろって言ったのに、オレが勝手に寮に戻ろうとしたから。こんなことが起きるなんて誰も想像できないことだし。それに見た目ほど痛くないんだ。痛いっていうより熱い、かな」
「ごめんな・・・。色々、焦った」
「え?」
「騎士科に入ってから、先輩や同級生からの妬みややっかみなんかが多くて、それがベイラに向かないかそればかり心配していて。だけど、ベイラから話を聞いて、やっと他にも目を向けないと、って思った。その、俺とのことを勘違いされて・・・」
ああ、あのちょくちょく放課後に校舎裏に呼び出されてたヤツね。
コルムが訥々と話すには、さらにそこにオレ狙いの奴らもいて(いやいや、いないから)、つまり、敵は全方向にいると認識し、全て炙り出して身の回りをすっきりさせようと考えた。
それで自分があちこちで好きな人がいると吹聴して回ったと、そういうことらしい。
な、なんて脳筋な。
だが、確かに釣れたので馬鹿に出来ない策だとも言える。
「大分いいとこ処理できたと思っていたのに・・・」
「え、もしかしてこんなこと他にもあったの?」
「まあまあ。でも、妬み関係はやっぱり手荒に解決するしかなかったけど、その、俺を好きだと言ってくれてる子たちは話し合いで解決できた。問題はベイラを狙っている奴らだ。なかなか尻尾を出さなくて」
「コルムコルム、それはね、尻尾を出さないんじゃなくて、そんな奴らそもそもいないんだよ」
「は?」
「もー!は?じゃなくて、い・な・い、の!」
ぽかんとした顔でオレを見るな。変なとこで心配性なんだから。
「・・・俺だけが知る秘密の場所に閉じ込めておけたら安心なんだが」
至近距離でオレを見つめ、ため息をつくコルム。
オレの発言を全然信じてない。
「なんでそんなにオレを好きなんだよ」
あ。思わず小っ恥ずかしいことを言ってしまった。内心ワタワタしているとコルムが薄く苦笑した。
「・・・さあ。好きなもんは好きなんだからしょうがない。それに、俺にはベイラと両思いの未来しか見えないんだ」
「・・・。」
はい脳筋です。思い込みの激しい脳筋です。だから赤くなるなオレ。ひー!瞳がとっても澄んでいるー。イケメンー。鎮まれオレの顔面の熱!
「青春だな。続きは後にしてとりあえず傷を見せてくれ」
医務室のドアが開き、養護のキリエ先生が顔を出した。
き、聞かれていた、だと。泣ける。
確かにオレたちは少し前に医務室のドアの前に到着していた。
なぜ話に夢中になってしまっていたんだオレ。泣ける。
ベッドにそっと降ろされたオレを見た先生は眉間にしわを寄せ、コルムを廊下に出した。
「詳しいことはわからんが大変だったな。傷は顔だけか?他に痛むところはあるか?肛門はどうだ?」
「こ、肛門・・・。いえ!顔だけ、顔だけ、顔だけです!」
「そうか、ベルトは外されていないから下半身は無事だったか」
「は、はい。無事です!」
真剣な先生の顔を見て、本当にやばかったんだと認識を改めた。
その後、飛んでしまったボタンがわりにピンで開いていたシャツを閉じてもらい、左頬全体に湿布を貼られ夕食後に飲む薬を処方された。
「怖かったな。残念だけど、危険なこともあるのが現実だ。これを機会に自分の身を守ることも考えてみるのもいいかもな」
オレは先生の言葉に大きく頷きお礼を言い、医務室を後にした。
「ああ、今日はシャワーはやめとけよー」
ドアを閉めようとした時、中から声を掛けられた。
「夜、熱が出るかもしれないからな」
「・・・はい」
舐められた耳が気持ち悪くて洗いたくて仕方ないのだが。
廊下で待っていてくれたコルムが壁から身を起こしながら眉をひそめた。
「熱が出る、ってどういうことだ?他にも傷が?」
「な、ないよっ。念のためってことだろ」
先ほどの“肛門”というえげつない単語が頭を過ぎりどもってしまう。
「ベイラ?」
「わ、バカ!抱き上げるな!もう一人で歩ける!ほら行こう。夕食の前に着替えたい」
コルムの後ろにまわり、背中を押す。心配性の相手は疲れるよ。
結局、夕食はコルムがシャワー帰りに2人分持ってきてくれて、一緒に部屋で食べた。その後薬も飲んだ。
だけどその晩、キリエ先生の言った通り、オレは熱を出した。
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