私の履歴書

アップルギャング

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貧乏

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秋には赤とんぼやオニヤンマが、いっぱい隣の空き地に飛んだり止まったり。
すすきが斜めにお辞儀するくらい止まってて、繋がってるトンボも飛んでたりしてた。
トンボを何匹も取っていたら網に頭が入って引っぱったら、頭が取れて白い糸みたいなのが伸びた。
落ち葉が庭に毎日沢山降ってくるから、その落ち葉を拾って並べたり、お皿にしたりもした。ほうきやクマデで、お掃除はほとんど毎日させられてた、だって母は玄関に少しでも砂があるのを嫌がったから。ホウキではいたら、水を流してピッカピカにする。
大人になって知ったけど、風水っていうのでは玄関を綺麗にするとお金か入りやすいとかあるけど、いつも家は貧乏だったよ。
父も借金残して、女と疾走したし、ずーっと貧乏だったよ。
でも、その代わりみんな健康だった。
それでいいって母は言ってたから。
裏に小川があって木の橋から、笹の葉の船を作って弟と競争した。
弟は、水に濡れても平気だし、年中半袖半ズボンだった。
母が冬に、洋服を探すのが大変だったみたい。 
男の子って甘えっ子だから、学校から帰って来て母が家に居なかったら、大声で泣いて近所中を歩き回る、大抵伊藤さんちに居るんだけど。
いない時は大変だった。
夜も寝るときは、タオルで出来たぬいぐるみが無いと寝られないしさ、うちの弟だけかな?男の子はみんなそう?
まあ、それも小学校までの話で中学校はいくつかの小学校が集まって、友達も変わって。
夜中におまわりさんから電話が来て、母は「うちの子は、二階で寝てます!」ガチャッって黒電話を切ったら、2階はもぬけの殻。
もう1度電話がなって、いませんでしたと…母は、泣いてて、車もなにもないから、おまわりさんに行きも帰りまで送ってもらって、そんなこんなで、友達と、バイク盗んで走ってたって。
変われば変わるものよね。
強くなって良かったけど、ちょっと違うかもと思った。
母が、仕事でいないしお父さんもいないから、母がいない時は、弟たちのたまり場だった。
中学校は、まだ、自転車だから可愛い。それに入ってくる時も、帰るときも「おじゃましま~す」
「お邪魔しました~!」と元気よく挨拶してくれる子ばっかりで、不良って呼ばれてる子達って、意外ときちっとしてるんだよね。
靴もきちんと揃えたり。
中学校くらいが、男の子は1番心と身体のバランスが難しくて、大人になったらわかるんだけど、その頃はツッパルしかないんだね~。
もちろん、不良でツッパル子、勉強でツッパル子、スポーツでツッパル子、それぞれだけど、自分でもわからない、誰にも打ち明けられない、心の悩みや葛藤の、ぶつける所を、探してたり、
彷徨ったりしてるんだよ。
その頃にしか出来ない感情のぶつかり合いを、一人で探し始める時期に、自分の心に試されてるんだね。
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