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そして誰もいなくなった? 3
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♦♦♦
「――で? フェリクス・ブライトナーは新たなファンを獲得したわけだ? さすが魔法師団団長だね」
夜の魔法師団団長室。
いつものようにやって来たミランが、からかうように笑う。
「フェリシアも、大分アイドル師団が板について来たじゃないか。団長に任命されたころは、魔法師団の活動にとまどっていたみたいだけど」
あのあと、三十代貴族女性はすっかり大人しくなり、みんなとまた合流して、十二人のお茶会は大成功に終わったのだった。
「君、貴族女性と二人っきりになって、何をしたんだ?」
ミランはフェリシアの隣に座って、彼女の顔をのぞき込みながら言った。明らかに面白がっている顔である。
フェリシアは澄まして答えた。
「別に、優しく宥めただけですよ」
「へえ? お茶会に参加した他の団員から聞いてるよ? 貴族女性はもう君に夢中だったって。〇〇のことなんて、忘れてたって……まさか、キスとかした?」
「していません。そういうのはナシっていう決まりでしょ。優しくするだけじゃなくて、多少強気で強引なところを見せただけですよ。私は冷静キャラですから、そういう一面を見せるとギャップ萌え、というのが発生するらしいんです」
「ギャップか。女性はそういうのにときめくんだ?」
「女性に限ったことじゃないと思いますけど……」
「……」
「……」
「……」
「……ミラン殿下?」
「……」
「どうしたんですか、急に真面目な顔して黙って」
「どう? 寡黙な僕はギャップ萌えか?」
「そういうんじゃないです」
「うーん、難しいな」
「それより、行方不明の団員の件ですよ。結局、まだ五人とも見つかっていません。連絡もなしです」
フェリシアは手にしていたティーカップに目を落とした。
「仕事を放り出して、五人が一斉に行方不明なんて、初めてのことです。……私、団員たちに厳しくしすぎたのかな……」
リステアードの何気ない言葉は、フェリシアの心に鋭く突き刺さっていた。そんなことはない、と思おうとしても、フェリシアは不安だった。
ミランはうなだれる恋人に驚いて、急いで開いている方のフェリシアの手を取った。
「君は一生懸命やってたじゃないか。パワハラやモラハラもない。マネージャーの僕が知ってるよ」
「うん。でも……」
ミランはフェリシアを抱き寄せた。
「弱気になるなよ。僕がついてる」
「ちょ、殿下、紅茶が零れちゃいます」
そう言いながらもフェリシアは抵抗せず、ミランに体を預けた。ミランはフェリシアの頬を、優しくなで、その唇に、口づけようと……。
そのとき、魔法通話が鳴った。
「なんだよ、いいところなのに!」
文句を言うミラン。魔法通話は団員からだった。酔っているようで、呂律がおかしい。
『大変れす、だんちょー、団員三名が、突然、消えまひたあ』
「き、消えた?」
そんな、五人も見つかっていないのに、さらに三人?
フェリシアはミランを振り返った。
「殿下、事態はもしかしたら深刻かもしれません」
「――で? フェリクス・ブライトナーは新たなファンを獲得したわけだ? さすが魔法師団団長だね」
夜の魔法師団団長室。
いつものようにやって来たミランが、からかうように笑う。
「フェリシアも、大分アイドル師団が板について来たじゃないか。団長に任命されたころは、魔法師団の活動にとまどっていたみたいだけど」
あのあと、三十代貴族女性はすっかり大人しくなり、みんなとまた合流して、十二人のお茶会は大成功に終わったのだった。
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ミランはフェリシアの隣に座って、彼女の顔をのぞき込みながら言った。明らかに面白がっている顔である。
フェリシアは澄まして答えた。
「別に、優しく宥めただけですよ」
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「していません。そういうのはナシっていう決まりでしょ。優しくするだけじゃなくて、多少強気で強引なところを見せただけですよ。私は冷静キャラですから、そういう一面を見せるとギャップ萌え、というのが発生するらしいんです」
「ギャップか。女性はそういうのにときめくんだ?」
「女性に限ったことじゃないと思いますけど……」
「……」
「……」
「……」
「……ミラン殿下?」
「……」
「どうしたんですか、急に真面目な顔して黙って」
「どう? 寡黙な僕はギャップ萌えか?」
「そういうんじゃないです」
「うーん、難しいな」
「それより、行方不明の団員の件ですよ。結局、まだ五人とも見つかっていません。連絡もなしです」
フェリシアは手にしていたティーカップに目を落とした。
「仕事を放り出して、五人が一斉に行方不明なんて、初めてのことです。……私、団員たちに厳しくしすぎたのかな……」
リステアードの何気ない言葉は、フェリシアの心に鋭く突き刺さっていた。そんなことはない、と思おうとしても、フェリシアは不安だった。
ミランはうなだれる恋人に驚いて、急いで開いている方のフェリシアの手を取った。
「君は一生懸命やってたじゃないか。パワハラやモラハラもない。マネージャーの僕が知ってるよ」
「うん。でも……」
ミランはフェリシアを抱き寄せた。
「弱気になるなよ。僕がついてる」
「ちょ、殿下、紅茶が零れちゃいます」
そう言いながらもフェリシアは抵抗せず、ミランに体を預けた。ミランはフェリシアの頬を、優しくなで、その唇に、口づけようと……。
そのとき、魔法通話が鳴った。
「なんだよ、いいところなのに!」
文句を言うミラン。魔法通話は団員からだった。酔っているようで、呂律がおかしい。
『大変れす、だんちょー、団員三名が、突然、消えまひたあ』
「き、消えた?」
そんな、五人も見つかっていないのに、さらに三人?
フェリシアはミランを振り返った。
「殿下、事態はもしかしたら深刻かもしれません」
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