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そして誰もいなくなった? 5
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次の日も、また次の日も、そのまた次の日も、団員は忽然と姿を消し、とうとう三日後には魔法師団団員はフェリクスを入れて十二人になってしまった。
もともとの人数が四十八人だから、四分の一になってしまった計算だ。
さすがにまずいと、王宮内には緊急事態令がしかれ、魔法師団の活動は一時停止された。
国民には「魔法師団内に風邪が大流行したので、自粛中」と嘘の発表がされた。
「このままじゃ、数日中に魔法師団は誰もいなくなるな」
「申し訳ありません、リステアード殿下」
リステアードの執務室で、リステアードとフェリクスは、今後の対応を考えていた。
「フェリシア君、君は三日前、団員が消えるところに居合わせたそうだね」
「はい。悲鳴が聞こえて……急いで駆けつけたんですけど、もう誰もいませんでした。あ、そういえば」
「ん?」
「そのとき一緒だったミラン殿下が『ズルズルと何かが床を這うような音を聞いた』と仰ってました」
「床を這うような音……王宮内に大蛇でもいるのかな」
リステアードは執務机に座ったまま、腕を組んだ。フェリクスはその正面に、いつもどおり毅然と立っている。
少し間があったあと、フェリクスは、遠慮がちに気がついたことを言った。
「リステアード殿下。まだ被害にあっていない団員は、みなほとんど夜遊びをしない団員たちなんです。ちゃんと消灯時間を守って、夜中に王宮を出歩いたりしないものが、助かっています。もしかしたら、夜中に王宮内を魔物が徘徊しているのかも」
「なるほど……夜中か。だけど夜間警備をしている兵士は被害に遭っていないしなあ。なぜ、魔法師団だけなんだろうな」
うーん、と唸るリステアードとフェリクス。
「王太子殿下、私が、今日の夜中、王宮内を巡回します」
考えた末、フェリクスは、リステアードにそう提案した。
「行方不明になっているのは夜中に行動している魔法師団団員……。それなら、私が囮になれば、正体が突き止められるはずです」
「危険だよ、フェリシア君。君にそこまでさせられないよ」
リステアードが執務机から立ち上がり、真剣な顔つきで言った。
「リステアード王太子殿下、やらせて下さい。大丈夫、自分にあらかじめバリアの魔法を張っておきますから」
このまま指をくわえて団員が減っていくのを見ているわけにはいかない。
私は団長だ。
団員たちを守らなければならない。
リステアードは渋い顔ををしていたが、最後には「危ないと感じたら、すぐに逃げるんだよ」と念を押して、許可してくれた。
とはいえ、最終的な決定権は国王にある。
リステアードはすみやかに国王にこの作戦を提案した。
基本穏やかで、柔和な表情をしていることが多い国王は、めずらしく国王らしいキリっとした顔をして、
「エルドゥ王国のピンチだ。フェリクス・ブライトナーに任せよう」
と、厳かに言った。
今や「魔法師団」はエルドゥ王国のPRに欠かせない存在となっている。
「魔法師団がひとりもいなくなったらまずいよう」
と、父親の顔に書いてあるのを、息子であるリステアードは見逃さなかった。
ともあれ、今日の夜中、フェリクスは団員消失の謎を探るため、王宮を一人で巡回することになった。
夜間警備の兵士以外は誰も部屋から出ないように国王命令が出され、王宮内の施設等も今日は早じまいだ。
そして夕刻。
貴族学校から帰ってくるなりその作戦を知ったミランは、団長室に飛ぶようにやって来て、即座に反対した。
「なんだよそれ! 何で君がひとりで囮にならなきゃいけないんだ。何かあったらどうする!!」
もともとの人数が四十八人だから、四分の一になってしまった計算だ。
さすがにまずいと、王宮内には緊急事態令がしかれ、魔法師団の活動は一時停止された。
国民には「魔法師団内に風邪が大流行したので、自粛中」と嘘の発表がされた。
「このままじゃ、数日中に魔法師団は誰もいなくなるな」
「申し訳ありません、リステアード殿下」
リステアードの執務室で、リステアードとフェリクスは、今後の対応を考えていた。
「フェリシア君、君は三日前、団員が消えるところに居合わせたそうだね」
「はい。悲鳴が聞こえて……急いで駆けつけたんですけど、もう誰もいませんでした。あ、そういえば」
「ん?」
「そのとき一緒だったミラン殿下が『ズルズルと何かが床を這うような音を聞いた』と仰ってました」
「床を這うような音……王宮内に大蛇でもいるのかな」
リステアードは執務机に座ったまま、腕を組んだ。フェリクスはその正面に、いつもどおり毅然と立っている。
少し間があったあと、フェリクスは、遠慮がちに気がついたことを言った。
「リステアード殿下。まだ被害にあっていない団員は、みなほとんど夜遊びをしない団員たちなんです。ちゃんと消灯時間を守って、夜中に王宮を出歩いたりしないものが、助かっています。もしかしたら、夜中に王宮内を魔物が徘徊しているのかも」
「なるほど……夜中か。だけど夜間警備をしている兵士は被害に遭っていないしなあ。なぜ、魔法師団だけなんだろうな」
うーん、と唸るリステアードとフェリクス。
「王太子殿下、私が、今日の夜中、王宮内を巡回します」
考えた末、フェリクスは、リステアードにそう提案した。
「行方不明になっているのは夜中に行動している魔法師団団員……。それなら、私が囮になれば、正体が突き止められるはずです」
「危険だよ、フェリシア君。君にそこまでさせられないよ」
リステアードが執務机から立ち上がり、真剣な顔つきで言った。
「リステアード王太子殿下、やらせて下さい。大丈夫、自分にあらかじめバリアの魔法を張っておきますから」
このまま指をくわえて団員が減っていくのを見ているわけにはいかない。
私は団長だ。
団員たちを守らなければならない。
リステアードは渋い顔ををしていたが、最後には「危ないと感じたら、すぐに逃げるんだよ」と念を押して、許可してくれた。
とはいえ、最終的な決定権は国王にある。
リステアードはすみやかに国王にこの作戦を提案した。
基本穏やかで、柔和な表情をしていることが多い国王は、めずらしく国王らしいキリっとした顔をして、
「エルドゥ王国のピンチだ。フェリクス・ブライトナーに任せよう」
と、厳かに言った。
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と、父親の顔に書いてあるのを、息子であるリステアードは見逃さなかった。
ともあれ、今日の夜中、フェリクスは団員消失の謎を探るため、王宮を一人で巡回することになった。
夜間警備の兵士以外は誰も部屋から出ないように国王命令が出され、王宮内の施設等も今日は早じまいだ。
そして夕刻。
貴族学校から帰ってくるなりその作戦を知ったミランは、団長室に飛ぶようにやって来て、即座に反対した。
「なんだよそれ! 何で君がひとりで囮にならなきゃいけないんだ。何かあったらどうする!!」
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