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辞める団員 3
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不意を突かれた言葉に、フェリシアは団員をまじまじと見た。
「辞める……そうか、分かった。急な話だけれど、そういうことなら仕方がない」
「あれ、引き止めてくれないんですね。形だけでも」
団員はおどけるように言う。「俺は団長と違って人気ランキングトップ5入りしてないもんな~」
「そういうわけじゃない。私は……引き止めないよ。君の新たな出発だもの。って、まだプロポーズもしていないのに、気が早くないか」
フェリシアは気づけばなんとなく「フェリクス」の口調になっていた。
「それもそうですね、あはは」
きっと、団員の話や態度から見るに、プロポーズはほぼ成功確定なんだろう。彼女もそれを待っている……。
フェリシアの口元が自然と緩む。
「彼女、俺が魔法師団に入るって言ったとき、おめでとうって言ってくれたけど、なんだか寂しそうだったんです。きっと俺が遠くの存在になってしまうと思ったんじゃないですかね。だから、故郷に帰って、魔力を生かして彼女の仕事を助けて、安心させてやりたいんです。彼女も魔力持ちだけど、野生の魔物退治は大変ですからね」
団員は大人びた表情をした。しっかりと地に足を付けている人間の顔だ、とフェリシアは思った。
彼はまだ若い。王宮の花形職「魔法師団」としてもっともっと活躍できるはずだ。
なのに、それよりも彼女を選ぶ。辺境の町で働くことを選ぶ。
「とりあえず、プロポーズしないと始まりませんからね。断られて、この話はなかったことになったら笑って下さい。じゃあ、団長、待ち合わせ場所で彼女が待ってますので、お先に! 一緒に探してくれてどうもありがとうございました!」
団員は敬礼をして去って行った。希望にあふれたその背中を見つめていると、フェリシアまでなんとなく嬉しい気持ちになる。
プロポーズかあ……。
フェリシアの愛しい恋人との待ち合わせ時間ももうすぐだ。
今日はどこに二人で出かけるか、決めていない。
ミランが「内緒だ」と言ったからだ。
どこに連れて行ってくれるんだろう。
フェリシアはロングスカートの裾を整え(団員の探し物に付き合ったため、しわくちゃだ)外へと急いだ。
「フェリシア」
外に出ると、ミランが待っていた。
いつもより大人っぽい服装と、髪型をしている。
いつもの変装を兼ねたカジュアルファッションじゃない。どうしたんだろう。
「お待たせして申し訳ありません、ミラン殿下」
「いや、僕も今来たところだよ。さあ、乗って」
「え?」
ミランの横に、一台の車が止まっていた。エルドゥ王国に一般的に普及している魔力で動く乗用車だ。
ミランは恭しく助手席のドアを開けた。
「フェリシア、僕は運転免許を取ったんだ。今日はドライブしよう!」
「辞める……そうか、分かった。急な話だけれど、そういうことなら仕方がない」
「あれ、引き止めてくれないんですね。形だけでも」
団員はおどけるように言う。「俺は団長と違って人気ランキングトップ5入りしてないもんな~」
「そういうわけじゃない。私は……引き止めないよ。君の新たな出発だもの。って、まだプロポーズもしていないのに、気が早くないか」
フェリシアは気づけばなんとなく「フェリクス」の口調になっていた。
「それもそうですね、あはは」
きっと、団員の話や態度から見るに、プロポーズはほぼ成功確定なんだろう。彼女もそれを待っている……。
フェリシアの口元が自然と緩む。
「彼女、俺が魔法師団に入るって言ったとき、おめでとうって言ってくれたけど、なんだか寂しそうだったんです。きっと俺が遠くの存在になってしまうと思ったんじゃないですかね。だから、故郷に帰って、魔力を生かして彼女の仕事を助けて、安心させてやりたいんです。彼女も魔力持ちだけど、野生の魔物退治は大変ですからね」
団員は大人びた表情をした。しっかりと地に足を付けている人間の顔だ、とフェリシアは思った。
彼はまだ若い。王宮の花形職「魔法師団」としてもっともっと活躍できるはずだ。
なのに、それよりも彼女を選ぶ。辺境の町で働くことを選ぶ。
「とりあえず、プロポーズしないと始まりませんからね。断られて、この話はなかったことになったら笑って下さい。じゃあ、団長、待ち合わせ場所で彼女が待ってますので、お先に! 一緒に探してくれてどうもありがとうございました!」
団員は敬礼をして去って行った。希望にあふれたその背中を見つめていると、フェリシアまでなんとなく嬉しい気持ちになる。
プロポーズかあ……。
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今日はどこに二人で出かけるか、決めていない。
ミランが「内緒だ」と言ったからだ。
どこに連れて行ってくれるんだろう。
フェリシアはロングスカートの裾を整え(団員の探し物に付き合ったため、しわくちゃだ)外へと急いだ。
「フェリシア」
外に出ると、ミランが待っていた。
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「お待たせして申し訳ありません、ミラン殿下」
「いや、僕も今来たところだよ。さあ、乗って」
「え?」
ミランの横に、一台の車が止まっていた。エルドゥ王国に一般的に普及している魔力で動く乗用車だ。
ミランは恭しく助手席のドアを開けた。
「フェリシア、僕は運転免許を取ったんだ。今日はドライブしよう!」
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