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辞める団員 4 (完)
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「え、いつの間に取ったんですか」
助手席に乗り込みながら、フェリシアは聞いた。ミランが運転の練習をしていたなんて初耳だ。
「学校が終わったあととか、学校が休みの日、合間を見て王宮内で練習したんだよ。君を驚かせようと思ってね」
エルドゥ王国ではすでに免許を持っている者に運転を教えてもらい、それから試験を受けて免許をもらう。王宮の敷地は広いから、フェリシアの目に留まることもなかったんだろう。
ちなみにフェリシアは運転免許を持っていない。
「誰に教えてもらったんですか。リステアード殿下?」
「兄貴はすぐ茶々を入れて来るからダメだ。一応王太子で忙しいから僕と時間が合わないし。ちゃんと専属で教えてくれる人がいるんだよ」
免許を取ったばかりとは思えないスマートさで、ミランは車を発進させた。
もともと運動神経がいいミランだから、さほど苦労せずに試験に合格したに違いない……そう思わせる運転だった。
「さあ王宮を出た。護衛をまいて飛ばすぞ、フェリシア」
ミランが不敵に笑う。
「安全運転でお願いしますよ。それに護衛の方たちだって困るのでは」
「今日くらいいいさ。いつもいつも僕らのデートに後ろからくっ付いて来て……、僕の運転について来られるもんならついて来い!」
明らかにテンションが上がっているミラン。
もう何を言っても無駄だろう。
まあ、いざとなったら……ミラン殿下に何かあったら私が守ればいいし。
フェリシアは苦笑して座席に背中を預けた。
それよりどこへ連れて行ってくれるんだろう。
ついてからのお楽しみ?
と思っていたら、ミランが口を開いた。
「目的地を言っていなかったね。今日は〇〇の森の、△△の滝……」
えっ? △△の滝?
女子の間では有名なプロポーズスポットだ。日が沈むと同時に滝が七色に輝くという……。
フェリシアの胸は高鳴った。
もしかして今日の装いがいつものラフなパーカじゃなくて、落ち着いたジャケットスタイルなのもプ、プロポーズのため?
「――の近くにあるエルドゥパークだよ。今、期間限定で世界各国うまいもの市場をやっている。君が好きな辛い物もたくさんあるぞ、二人で食べつくそう!」
うまいもの市場!!
フェリシアは肩透かしを食らったことを微塵も見せない表情で問うた。
「そんな催しがあるんですね。楽しみです」
ミランは得意そうな横顔でウインクした。
「エルドゥ最大級の古書市も同時開催されているんだよ。二人で回ろう」
「本当ですか!」
フェリシアの胸は再度高鳴った。
「殿下、今日はいつもと違った装いなんですね。素敵です」
「ありがとう。君とはじめてのドライブデートだからね、相応しい服装をしなきゃと思ってね」
そうだった。ミラン殿下は形から入るタイプだった。
プロポーズは関係なかったらしい。
私一人で盛り上がって、私って一体……。
フェリシアは心の中で苦笑した。今朝、あの団員のことがあったから、意識しすぎだ。
彼のプロポーズは上手くいっただろうか。
♦♦♦
フェリシアとミランがエルドゥパークでうまいものをたらふく食べ、仲良く古書市を回っているあいだ、例の団員はめでたくプロポーズ成功し、後日彼女の方から手作りイヤリングをプレゼントされた。
――言葉通り魔法師団を辞め、故郷の町で結婚式を挙げ、妻となった女性と魔物退治に明け暮れるのは、もう少し先の話――。
辞める団員・終わり。
助手席に乗り込みながら、フェリシアは聞いた。ミランが運転の練習をしていたなんて初耳だ。
「学校が終わったあととか、学校が休みの日、合間を見て王宮内で練習したんだよ。君を驚かせようと思ってね」
エルドゥ王国ではすでに免許を持っている者に運転を教えてもらい、それから試験を受けて免許をもらう。王宮の敷地は広いから、フェリシアの目に留まることもなかったんだろう。
ちなみにフェリシアは運転免許を持っていない。
「誰に教えてもらったんですか。リステアード殿下?」
「兄貴はすぐ茶々を入れて来るからダメだ。一応王太子で忙しいから僕と時間が合わないし。ちゃんと専属で教えてくれる人がいるんだよ」
免許を取ったばかりとは思えないスマートさで、ミランは車を発進させた。
もともと運動神経がいいミランだから、さほど苦労せずに試験に合格したに違いない……そう思わせる運転だった。
「さあ王宮を出た。護衛をまいて飛ばすぞ、フェリシア」
ミランが不敵に笑う。
「安全運転でお願いしますよ。それに護衛の方たちだって困るのでは」
「今日くらいいいさ。いつもいつも僕らのデートに後ろからくっ付いて来て……、僕の運転について来られるもんならついて来い!」
明らかにテンションが上がっているミラン。
もう何を言っても無駄だろう。
まあ、いざとなったら……ミラン殿下に何かあったら私が守ればいいし。
フェリシアは苦笑して座席に背中を預けた。
それよりどこへ連れて行ってくれるんだろう。
ついてからのお楽しみ?
と思っていたら、ミランが口を開いた。
「目的地を言っていなかったね。今日は〇〇の森の、△△の滝……」
えっ? △△の滝?
女子の間では有名なプロポーズスポットだ。日が沈むと同時に滝が七色に輝くという……。
フェリシアの胸は高鳴った。
もしかして今日の装いがいつものラフなパーカじゃなくて、落ち着いたジャケットスタイルなのもプ、プロポーズのため?
「――の近くにあるエルドゥパークだよ。今、期間限定で世界各国うまいもの市場をやっている。君が好きな辛い物もたくさんあるぞ、二人で食べつくそう!」
うまいもの市場!!
フェリシアは肩透かしを食らったことを微塵も見せない表情で問うた。
「そんな催しがあるんですね。楽しみです」
ミランは得意そうな横顔でウインクした。
「エルドゥ最大級の古書市も同時開催されているんだよ。二人で回ろう」
「本当ですか!」
フェリシアの胸は再度高鳴った。
「殿下、今日はいつもと違った装いなんですね。素敵です」
「ありがとう。君とはじめてのドライブデートだからね、相応しい服装をしなきゃと思ってね」
そうだった。ミラン殿下は形から入るタイプだった。
プロポーズは関係なかったらしい。
私一人で盛り上がって、私って一体……。
フェリシアは心の中で苦笑した。今朝、あの団員のことがあったから、意識しすぎだ。
彼のプロポーズは上手くいっただろうか。
♦♦♦
フェリシアとミランがエルドゥパークでうまいものをたらふく食べ、仲良く古書市を回っているあいだ、例の団員はめでたくプロポーズ成功し、後日彼女の方から手作りイヤリングをプレゼントされた。
――言葉通り魔法師団を辞め、故郷の町で結婚式を挙げ、妻となった女性と魔物退治に明け暮れるのは、もう少し先の話――。
辞める団員・終わり。
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