男装魔法師団団長は第三王子に脅され「惚れ薬」を作らされる

コーヒーブレイク

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両思い 13

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 どきどきしながら、そっとミランの方を窺うと、ミランは嬉しそうな顔を真っ赤にして、フェリシアに抱きついて来た。

「うん、うん! フェリシア殿! そうするよ、フェリシアフェリシアフェリシア」

 二人してソファに倒れ込むような形になってしまった。
 フェリシアに覆いかぶさるように抱きつくミランは、なかなか彼女を離そうとしない。

 この展開は、まさか……。

 フェリシアの心臓は跳ね上がった。

「だ、ダメです。ミラン殿下。ここは団長室ですよ、こんなところで……だ、ダメです」

 公私混同! ダメ、絶対!! 

「そうだね、こんなところじゃだめだ。フェリシア殿、君の私室に行こう」

 わ、わわわわわ私の部屋!?

「あの、その、ミラン殿下、私、まだ心の準備が……」

「フェリシア殿、今日は魔力を僕のためにたくさん使って疲れただろう? ティータイムに付き合ってくれてありがとう。今日はもう早めに休んだ方がいい」 

「……え」

 体をフェリシアからぱっと離すと、ミランは無邪気な笑顔で言った。

「ソファなんかで寝たら、風邪を引くよ」

「あ、はい」

「? どうかした? 心の準備って?」

「何でもありません! お気遣いありがとうございます!」

「うん、ゆっくりおやすみ。それとさ、今度二人の休みが重なったら」

 ミランは改まった態度で、もじもじしだした。

「デート、しよう。護衛は何人か、くっついてきちゃうけど、フェリシアとして、僕とデートしてほしい」

 子供っぽさを引っ込めた、真剣な顔で、フェリシアを見つめた。

「はい、ご一緒します。フェリシアとして」

 フェリシアが微笑むと、ミランも照れるように笑った。少し笑い合ったあと、二人は静かに、ゆっくりと、唇を重ねた。




 ――エルドゥ王国魔法師団は今日も国のPRのため、忙しく活動している。

 狸型魔物……子狸はすっかりフェリシアに懐き、団員からは「ポン助」の名で親しまれている。
「人間に化ける」魔法も、今ではすっかり使いこなせるようになり、パフォーマンスで大活躍だ。
 なぜかミランに化けるときだけは、福笑いみたいな顔になってしまうが。

 魔法師団に入りたかったイケメン男は、その後釈放され、移動販売クレープ屋を再開した。
 魔法師団入りは諦めたが、そのイケメンっぷりで、たくさんの女性客を獲得し、またクレープも美味しいので、王宮が発行する「月刊・王都グルメ」にとりあげられるまでになった。


 エルドゥ王国は少し寒い時期から、少し暖かい時期に入ろうとしていた。

 小さな公園では、子供たちが「魔法師団ごっこ」をして遊んでいる。

「来たな! 魔物め! 魔法師団が相手だ!」

「フェリクスペシャル・ラ・アターック!!」

「ずるいぞ、今度は僕がフェリクス団長をやるんだ」

「この前の魔法動画でも、団長格好よかったよね。ママがファンなんだ」

 そんな子供たちの傍ら、ベンチに並んでクレープを食べている、一組の恋人同士がいた。

 男性の方はライトブラウンの髪をなびかせ、明るく元気にしゃべっている。よく見れば、端正な顔立ちに、どこか高貴な雰囲気を読み取れるかもしれない。
 女性の方はロングワンピースを着こなす、長身の美人だ。編み上げられた長い金の髪が美しい。物静かな様子で、男性の話を微笑みながら聞いている。

 暖かな日差しの中寄り添う二人は、とても幸せそうで、お似合いの恋人同士だった。




 両思い       おわり。
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感想 6

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みんなの感想(6件)

おゆう
2022.02.25 おゆう

おっ、サブタイトルに両想いが(笑)。ついに?😳。

2022.02.26 コーヒーブレイク

いつも感想ありがとうございます。

お待たせしました、ついに、なります(笑)。

解除
おゆう
2022.01.31 おゆう

あれ、女とバレてない?😂。えー?(笑)。

2022.02.01 コーヒーブレイク

感想ありがとうございます。本編56話でミランには女だとバレてます。魔法師団の団員は、女だと知ってる人もいれば、知らない団員もいる(主に新しく入った人)、という設定になってます。

解除
おゆう
2021.12.06 おゆう

惚れ薬使ったら軟弱者どころかクズに落ちますけどね( ̄▽ ̄;)。

2021.12.07 コーヒーブレイク

ご高覧ありがとうございます。ミランはクズになりかけてます(笑)惚れ薬使ったら、幸せには一生なれないでしょう。

解除

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