23 / 123
転生勇者と魔剣編
第二十二話 闇に染まる時(5)
しおりを挟む
「……!?」
出したレッド自身、驚愕した。無理もない。
眼前のおぞましい魔物と同じ、黒い靄がよりによって聖剣から飛び出してきたのだから。
――なんで……!
何故かつて魔王を討伐したという勇者の剣から、魔物が放つ闇が溢れ出すのか。レッドには想像すら不可能だ。
しかし、先ほど放った光と闇が混じった刃は、確かに放たれブルードラゴンを斬ることに成功した。残念ながら一瞬先に気付かれ、空へ逃げられたため左足一本斬るだけだったが、アレンは無事だったので一応成功とする。
――とりあえず制御出来てるなら問題ないか。
そう思うことにした。どの道、この剣の力が無ければブルードラゴンに勝つことは出来ない。
開き直ったレッドは、空中からこちらを睨みつけるブルードラゴンに対し、追撃として光と闇の刃を再び放った。
「うらぁっ! おらぁっ!」
空中へ飛び立った二色の斬撃は狙い通りブルードラゴンに襲い掛かるが、すばやく舞う敵を捉えられずに明後日の方へ行ってしまう。
「くそっ、飛ばれてちゃあっちの方に分があるか……」
レッドはそう吐き捨てた。今の状態では、勝つのは厳しい。
それに、仮に命中させたとして、普通に斬っただけではまた再生される可能性もあった。肉片一つ残さず、完全に消滅させる必要がある。斬るのとは別の殺し方を考えなければならない。
何より、一番の問題が他にあった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
先ほどから息が荒く、立っていることすら難しくなってきた。
思えば今日は夕方から大空洞でのビッグワーム、夜には走って村へ駆けつけ、そしてこのブルードラゴンである。アレンの支援魔術もとっくに切れている。疲れてて当然だ。
それ以上に、どうやらこの聖剣の状態は恐ろしく体力と魔力を消費するらしかった。展開しているだけでぐっと力を持っていかれる。時間的余裕は無さそうだ。
恐らく、次で最後になる。そう覚悟したレッドは、聖剣を空中で旋回しているブルードラゴンに向けて構えた。
ブルードラゴンもこちらの敵意を感じたらしい。しかし近づくのは危険と判断したのだろう、空に浮かんだまま、二つの口から紅蓮の炎を吹いた。
「――きたっ!!」
レッドは歓喜の叫びを上げた。こちらの誘いに乗ってくれた相手の愚かさに歓喜しながら。
ブルードラゴンの爆炎がレッドに当たる前に、レッドは聖剣の力を使い地面から強く跳ねた。白と黒の閃光をその身に纏って。
「ああああああああああああああああぁぁぁっ!!!」
光と闇の奔流は、双頭の竜が放った業火をも切り裂き、容易に飲み込んでいった。
そして聖剣は炎の壁を突き破り、ブルードラゴンの腹に深く突き刺さった。
二つの首がそれぞれ断末魔の如き悲鳴を上げる。レッドはその絶叫に応じることは無く、
「――爆ぜろ」
とだけ呟き、ぐいと剣をもう一つ強く差し込む。
その時、空中に浮かんでいたブルードラゴンの肉体から、白と黒の閃光が吹き出し、そして爆発した。
ブルードラゴンの身そのものに直接聖剣の刃を突き立て、その膨大な魔力で肉片一つ残らぬよう消し飛ばしたのだ。
「ざまあみろ……てんだ……」
勝った。勝利した。それは喜ばしい事だった。
しかし、勝利したレッド自身も吹き飛ばされ、地面に落ちていく。
――やべえ、どうしよう。
落ちるその一瞬、レッドは助かる方法が何も思いつかず困ってしまった。
何か魔術を使って身を守るとしても、先ほどの一撃で力を出し切ってしまい、もう指先一つ動かせそうにない。聖剣の加護も、今しがたあれだけ使ったので期待するのは難しいかもしれない。
まあ、なんとか打ち所が良ければ助かるかな……なとど希望的観測を抱くしかないと半分諦めの境地にいると、あっさり地面に辿り着いてしまった。
「……ん?」
しかし、いざ落ちてみると予想していた衝撃は一切なく、ふわりと浮くような感覚だけで痛みの類は少しも来なかった。
「あれ……?」
どうしたんだと思いロクに動かせなくなっている首を何とか回して辺りを窺うと、そこにはうつ伏せになりつつもこちらに手を伸ばしているラヴォワがいた。
必死の形相で伸ばしていた手も、こちらと目が合うとバタリと土の上に落ち、同時に浮いている感覚は消えレッドの体もちゃんと地面に落ちる。
どうやら、彼女が風系魔術でクッションを作ってくれていたようだ。
「無茶しやがって……いてててて!」
ホッと胸をなでおろすと、全身をつんざくような痛みがぶり返してきた。無茶し過ぎたのはこちらも一緒らしい。
「勇者様……大丈夫ですか……」
すると、向こうからアレンが這う這うの体でやってきた。アレン自身かなりボロボロの様子だが、なんとか無事らしい。
「ああ、すまん。まるで動けないんだ。ちょっとでいいから、動ける程度に回復してくれんか」
「わかりました……」
アレンが回復魔術をかけてくれる。少しずつ体に力が入ってくるのを感じていると、マータやロイの声も聞こえてきた。二人も無事らしい。
「……勇者様」
すると、アレンが回復魔術をかけつつ、レッドに尋ねてきた。
「なんだ?」
「さっきの……あれは、なんだったんです?」
そう、真剣な表情で聞いてくる。
恐らく、先ほどの聖剣が放った黒い靄と黒い閃光のことだろう。どうも見ていたらしい。
「――さあな。聖剣に聞いてくれ」
としか答えないと、アレンもそれ以上聞いては来なかった。
実際、聞かれても困る。レッド自身、何なのかさっぱり分からないのだ。
黒き靄。そして黒き閃光、闇の光としか表現できない何か。
あんなものは今回の旅は勿論、前回の旅でも見たことが無かった。
両方の旅で、ここまで苦戦した、あるいは死にかけた経験というのは無い。強いて言えばパーティ壊滅時の大怪我した時くらいだが、あの時は既に聖剣の力は弱体化しきっていたので参考にはならないだろう。
何故ブルードラゴンと、そしてかつて化け物と変異した自分と同じ黒い靄が聖剣から飛び出したのか? そもそもあれは同じものなのか? いくら考えても結論は出なかった。
第一、レッドは聖剣とは何かすら知らない。かつて魔王を滅ぼした伝説の勇者が使った剣、くらいはこの世界の子供でも知っていることだが、こうして手に持っていても具体的に材質も誰か作ったのかも、そしてその力がどのようにして湧き出るかも知らないし聞いてもいないのだ。
――結局、俺って何にも知らないんだな。
かつての自分を思い出す。無知で愚かで傲慢で、聖剣の力に溺れ偉ぶっていただけの子供に過ぎなかった前回の自分。あの頃からは、少しは変わったと思っていた。
しかし――実際のところは、何一つとして変わっていないのかもしれない。復讐だ真実を知るだなんて嘯いたところで、無知で愚かで、ただ聖剣の力を振るっているだけの今の自分が、前回の自分とどれだけ違いがあるのだろうか?
こんな調子で大業なこと考えるなんて馬鹿げている――などと自嘲気味に笑っていると、回復魔術の効果かだいぶ体が動くようになっていた。ゆっくりと起き上がる。
「もういい。もう大丈夫だ、アレン」
「え、でももう少し――」
「必要ない。お前もだいぶ疲れたろ。で――生存者は?」
レッドがそう尋ねると、暗い顔をして俯いてしまった。聞かなくても分かるというものだ。
「――今、マータさんとロイさんが捜索してくれていますが……」
「感知魔術には引っかからなかった、か」
「……はい」
そうか、とだけ答えておいた。アレンとラヴォワの感知で見つからなかったとすれば、ほぼ望み薄と言ったいいだろう。
「まあ一応捜索するか。村から逃げた奴もいるかもしれんし。それと同盟国にも報告する必要があるかな……」
そう言いながら立ち上がると、辺りを見回す。いつの間にか朝になっており、太陽が村を照らしてくれていた。
村の様子は、酷いものだった。どの家も焼けるか崩れていて、無事なものは一つもない。ところどころから血と肉の焼ける不快な匂いまで漂ってくる。まさに地獄のような凄惨な有様だ。
「――一応捜索が終わったら、回復を待って報告へ行こう。一番最寄りの村か砦に行って同盟国軍に後始末はさせればいい。帝国には――同盟国の方から伝えさせればいいか。そこまでやる義理はあるまい。――それと」
ちらりと、俯いたままのアレンを見やる。あまりにも衝撃的な事が続いてしまった一日に、心の整理が出来てないようで、悲しそうな顔で虚空を見つめきりである。
「――休暇取ろう。流石に疲れちまった」
「休暇? いいのそんなもの取って」
マータが聞いてくる。五か国からの命を受けて、世界中の魔物を討伐する義務を背負った勇者パーティ。各地で被害が拡大している現状休暇なんて容易に取れるものではない、のだが。
「構わんよ。連中とて俺らに無理させて死なれる方が問題だろうし。別に一月二月寄越せって訳じゃないよ。どっかの保養地で休むくらいは許してくれるだろ」
最悪、今回面倒事を押し付けてきたマガラニとレムリーに要求すればいい。そう付け加えてレッドは自分も捜索に参加し始めた。
その後ろ姿を、アレンが恐ろしいものを見るような目で見つめていることに、最後までレッドは気付かなかった。
出したレッド自身、驚愕した。無理もない。
眼前のおぞましい魔物と同じ、黒い靄がよりによって聖剣から飛び出してきたのだから。
――なんで……!
何故かつて魔王を討伐したという勇者の剣から、魔物が放つ闇が溢れ出すのか。レッドには想像すら不可能だ。
しかし、先ほど放った光と闇が混じった刃は、確かに放たれブルードラゴンを斬ることに成功した。残念ながら一瞬先に気付かれ、空へ逃げられたため左足一本斬るだけだったが、アレンは無事だったので一応成功とする。
――とりあえず制御出来てるなら問題ないか。
そう思うことにした。どの道、この剣の力が無ければブルードラゴンに勝つことは出来ない。
開き直ったレッドは、空中からこちらを睨みつけるブルードラゴンに対し、追撃として光と闇の刃を再び放った。
「うらぁっ! おらぁっ!」
空中へ飛び立った二色の斬撃は狙い通りブルードラゴンに襲い掛かるが、すばやく舞う敵を捉えられずに明後日の方へ行ってしまう。
「くそっ、飛ばれてちゃあっちの方に分があるか……」
レッドはそう吐き捨てた。今の状態では、勝つのは厳しい。
それに、仮に命中させたとして、普通に斬っただけではまた再生される可能性もあった。肉片一つ残さず、完全に消滅させる必要がある。斬るのとは別の殺し方を考えなければならない。
何より、一番の問題が他にあった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
先ほどから息が荒く、立っていることすら難しくなってきた。
思えば今日は夕方から大空洞でのビッグワーム、夜には走って村へ駆けつけ、そしてこのブルードラゴンである。アレンの支援魔術もとっくに切れている。疲れてて当然だ。
それ以上に、どうやらこの聖剣の状態は恐ろしく体力と魔力を消費するらしかった。展開しているだけでぐっと力を持っていかれる。時間的余裕は無さそうだ。
恐らく、次で最後になる。そう覚悟したレッドは、聖剣を空中で旋回しているブルードラゴンに向けて構えた。
ブルードラゴンもこちらの敵意を感じたらしい。しかし近づくのは危険と判断したのだろう、空に浮かんだまま、二つの口から紅蓮の炎を吹いた。
「――きたっ!!」
レッドは歓喜の叫びを上げた。こちらの誘いに乗ってくれた相手の愚かさに歓喜しながら。
ブルードラゴンの爆炎がレッドに当たる前に、レッドは聖剣の力を使い地面から強く跳ねた。白と黒の閃光をその身に纏って。
「ああああああああああああああああぁぁぁっ!!!」
光と闇の奔流は、双頭の竜が放った業火をも切り裂き、容易に飲み込んでいった。
そして聖剣は炎の壁を突き破り、ブルードラゴンの腹に深く突き刺さった。
二つの首がそれぞれ断末魔の如き悲鳴を上げる。レッドはその絶叫に応じることは無く、
「――爆ぜろ」
とだけ呟き、ぐいと剣をもう一つ強く差し込む。
その時、空中に浮かんでいたブルードラゴンの肉体から、白と黒の閃光が吹き出し、そして爆発した。
ブルードラゴンの身そのものに直接聖剣の刃を突き立て、その膨大な魔力で肉片一つ残らぬよう消し飛ばしたのだ。
「ざまあみろ……てんだ……」
勝った。勝利した。それは喜ばしい事だった。
しかし、勝利したレッド自身も吹き飛ばされ、地面に落ちていく。
――やべえ、どうしよう。
落ちるその一瞬、レッドは助かる方法が何も思いつかず困ってしまった。
何か魔術を使って身を守るとしても、先ほどの一撃で力を出し切ってしまい、もう指先一つ動かせそうにない。聖剣の加護も、今しがたあれだけ使ったので期待するのは難しいかもしれない。
まあ、なんとか打ち所が良ければ助かるかな……なとど希望的観測を抱くしかないと半分諦めの境地にいると、あっさり地面に辿り着いてしまった。
「……ん?」
しかし、いざ落ちてみると予想していた衝撃は一切なく、ふわりと浮くような感覚だけで痛みの類は少しも来なかった。
「あれ……?」
どうしたんだと思いロクに動かせなくなっている首を何とか回して辺りを窺うと、そこにはうつ伏せになりつつもこちらに手を伸ばしているラヴォワがいた。
必死の形相で伸ばしていた手も、こちらと目が合うとバタリと土の上に落ち、同時に浮いている感覚は消えレッドの体もちゃんと地面に落ちる。
どうやら、彼女が風系魔術でクッションを作ってくれていたようだ。
「無茶しやがって……いてててて!」
ホッと胸をなでおろすと、全身をつんざくような痛みがぶり返してきた。無茶し過ぎたのはこちらも一緒らしい。
「勇者様……大丈夫ですか……」
すると、向こうからアレンが這う這うの体でやってきた。アレン自身かなりボロボロの様子だが、なんとか無事らしい。
「ああ、すまん。まるで動けないんだ。ちょっとでいいから、動ける程度に回復してくれんか」
「わかりました……」
アレンが回復魔術をかけてくれる。少しずつ体に力が入ってくるのを感じていると、マータやロイの声も聞こえてきた。二人も無事らしい。
「……勇者様」
すると、アレンが回復魔術をかけつつ、レッドに尋ねてきた。
「なんだ?」
「さっきの……あれは、なんだったんです?」
そう、真剣な表情で聞いてくる。
恐らく、先ほどの聖剣が放った黒い靄と黒い閃光のことだろう。どうも見ていたらしい。
「――さあな。聖剣に聞いてくれ」
としか答えないと、アレンもそれ以上聞いては来なかった。
実際、聞かれても困る。レッド自身、何なのかさっぱり分からないのだ。
黒き靄。そして黒き閃光、闇の光としか表現できない何か。
あんなものは今回の旅は勿論、前回の旅でも見たことが無かった。
両方の旅で、ここまで苦戦した、あるいは死にかけた経験というのは無い。強いて言えばパーティ壊滅時の大怪我した時くらいだが、あの時は既に聖剣の力は弱体化しきっていたので参考にはならないだろう。
何故ブルードラゴンと、そしてかつて化け物と変異した自分と同じ黒い靄が聖剣から飛び出したのか? そもそもあれは同じものなのか? いくら考えても結論は出なかった。
第一、レッドは聖剣とは何かすら知らない。かつて魔王を滅ぼした伝説の勇者が使った剣、くらいはこの世界の子供でも知っていることだが、こうして手に持っていても具体的に材質も誰か作ったのかも、そしてその力がどのようにして湧き出るかも知らないし聞いてもいないのだ。
――結局、俺って何にも知らないんだな。
かつての自分を思い出す。無知で愚かで傲慢で、聖剣の力に溺れ偉ぶっていただけの子供に過ぎなかった前回の自分。あの頃からは、少しは変わったと思っていた。
しかし――実際のところは、何一つとして変わっていないのかもしれない。復讐だ真実を知るだなんて嘯いたところで、無知で愚かで、ただ聖剣の力を振るっているだけの今の自分が、前回の自分とどれだけ違いがあるのだろうか?
こんな調子で大業なこと考えるなんて馬鹿げている――などと自嘲気味に笑っていると、回復魔術の効果かだいぶ体が動くようになっていた。ゆっくりと起き上がる。
「もういい。もう大丈夫だ、アレン」
「え、でももう少し――」
「必要ない。お前もだいぶ疲れたろ。で――生存者は?」
レッドがそう尋ねると、暗い顔をして俯いてしまった。聞かなくても分かるというものだ。
「――今、マータさんとロイさんが捜索してくれていますが……」
「感知魔術には引っかからなかった、か」
「……はい」
そうか、とだけ答えておいた。アレンとラヴォワの感知で見つからなかったとすれば、ほぼ望み薄と言ったいいだろう。
「まあ一応捜索するか。村から逃げた奴もいるかもしれんし。それと同盟国にも報告する必要があるかな……」
そう言いながら立ち上がると、辺りを見回す。いつの間にか朝になっており、太陽が村を照らしてくれていた。
村の様子は、酷いものだった。どの家も焼けるか崩れていて、無事なものは一つもない。ところどころから血と肉の焼ける不快な匂いまで漂ってくる。まさに地獄のような凄惨な有様だ。
「――一応捜索が終わったら、回復を待って報告へ行こう。一番最寄りの村か砦に行って同盟国軍に後始末はさせればいい。帝国には――同盟国の方から伝えさせればいいか。そこまでやる義理はあるまい。――それと」
ちらりと、俯いたままのアレンを見やる。あまりにも衝撃的な事が続いてしまった一日に、心の整理が出来てないようで、悲しそうな顔で虚空を見つめきりである。
「――休暇取ろう。流石に疲れちまった」
「休暇? いいのそんなもの取って」
マータが聞いてくる。五か国からの命を受けて、世界中の魔物を討伐する義務を背負った勇者パーティ。各地で被害が拡大している現状休暇なんて容易に取れるものではない、のだが。
「構わんよ。連中とて俺らに無理させて死なれる方が問題だろうし。別に一月二月寄越せって訳じゃないよ。どっかの保養地で休むくらいは許してくれるだろ」
最悪、今回面倒事を押し付けてきたマガラニとレムリーに要求すればいい。そう付け加えてレッドは自分も捜索に参加し始めた。
その後ろ姿を、アレンが恐ろしいものを見るような目で見つめていることに、最後までレッドは気付かなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる