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「思い出した。自分はこいつに殺された。追放したこの男に。聖剣も、勇者の名も、何もかも奪われて殺されたんだ……!」  アトール王国公爵家の息子として何不自由なく暮らしていたレッド・H・カーティス。  彼は聖剣に選ばれた伝説の勇者として、古より蘇った魔王討伐の旅に向かうこととなる。  しかし、そのパーティメンバーの中に亜人の少年、アレン・ヴァルドが入った時、彼は全てを思い出した。  自分はこれから彼を差別、迫害し――そして一年後、追放する。  そしてその半年後に、追放した彼に聖剣も何もかも奪われて、殺されるのだと。  未来を変えるべく彼は奔走し、その結果確かに未来は変わった。  全てに裏切られ、もう一度聖剣も勇者の名も何もかも奪われて、破滅するという未来に。  絶望した彼に、世界を救う聖剣と光の鎧ではなく、世界を喰らう魔剣と闇の鎧がもたらされる。  自分を裏切ったあらゆる者への復讐のため、彼は漆黒の剣を手にすることを選んだ。  ――今はまだ、誰も知らない。  その戦いが、聖剣とこの歪んだ世界全てを喰らう怪物の、伝説の序章でしかないということを
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文字数 536,975 最終更新日 2022.10.02 登録日 2022.03.16
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