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第1章 生き抜く事は大変!

第35話 皇主!すぐに駆けつける!

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   時を少し遡る。

 聖神皇国ではカザトのゴブリンキラーブートキャンプに、なんとか参加出来ないか実は検討していた。
 第5 副皇主と、聖女ファルミの姿が見えない!
 嫌な予感がする!
 皇主は、カザトの事を聞き出そうと、女子高生組と話していた。

 その時である!

 魔導珠が、映像と音声を受信した。

 第5 副皇主のヤツが使者?
 おいおい、許可してないぞ!

 そして聖女ファルミが、とんでもない事を言われて完封負けしていた。

 皇主
「どういうことだ!司祭達!すぐに調べなさい!
 そして、すぐに勇者帰還魔法陣が実在するかどうか、調べるのです!
 真贋鑑定で、嘘をついてません!
 つまり、彼は確信と証拠を持っている!」

大司祭
「皇主様! あのカザトという者、ひょっとすると前勇者達の中にいた、築石 風力左衛門の子孫では??」

皇主
「なんだってーーーーーーー!間違い無いのか?」

磯部 珠(いそべ りん)
「築石 風力左衛門さんは、この世界に、召喚されたの?
 え?そうなの?」

皇主
「知っているのかね?」

磯部 珠(いそべ りん)
「そうか!そのせいで、カザトの家は、100年以上も濡れ衣を着せられたのか!
 ハァ、どうしたらいいの?」

皇主は、知る。

 勇者召喚のせいで、不幸を未だに背負った子孫がいることを。
 そして、自分の不幸がこの世界のせいだとすでに知っているとしたら、あの怒りの対応は当たり前だ。

皇主
「鑑定結果は?」

大司祭
「ほとんど、文字化けです。
 はっきりしているのは運の項目でガス王国の鑑定初期値は、マイナス15000です。
 人間生存限界値を超えています。

 あと、その妙な称号がありまして、文字化けが無くなると全体が変わるという例がかなりありますが、その…
 無視できない、女神の文字が入る文字化けの称号があります。」

皇主
「(まずい、ものすごくまずい!彼がこの世界を邪悪なものと認識したら、大惨事になる気がするぞ!
 それでなくても、前勇者達を己のコマみたいに使った事で、とんでもない事になったというのに。)

 馬車を用意せよ!
(そうだ!あのクソどもをどこかに派遣しないと!)
 第1から第3副皇主は、ブラー王国の砦に派遣する!
 これは決定である!
 あのゴブリンの領域を調べて、この第5副皇主達のやらかした事を挽回しないといけない!
 先に、出発せよ!」

 第1第2第3副皇主
「「「ハハー(クソ!仕方ない!)」」」


皇主
「第6副皇主に、留守を預ける!
 わしは、今からブラー王国に自ら行き、この事態をこれ以上悪化しないようにしなければならない!
 第4副皇主は、あの男勇者達を見張れ!
 逃げ出すだろうと思うが、しっかりと見張れ!
 あと、女性組勇者達を頼む。ゴブリン達を減らしてくれ。」

 こうして、日頃から素行が悪過ぎる3人の副皇主達を、ゴブリン達のフィールド調査の為に派遣して、皇主自らも、ブラー王国に急行した!


□□

 その頃、ブラー王国王宮ではカザトが、ダンジョンからの土産物を献上して、ニセ聖剣を打ち直してみると、陛下に言っていた。

ブラー国王
「わかった。あと、これからどうするつもりだ?」

カザト
「神が降り立った地に、向かおうと思います。
 あそこは、フィールドダンジョンとなっている可能性があります。
 すぐには、見つからないでしょうが、古代召喚神殿の手がかりがないか、見てこようと思っております。
 あの聖女の言動だと、皇国内部にすら、隠していることがあると思いますので、聖剣を打ち直し次第目立たないように向かいます。」

  そんな事を話して鍛冶場でニセ聖剣を打ち直していたとき、トワイライトが精霊風魔法で研磨した、ダンジョンコアの欠片を持ってきた。
 
トワイライト
「確かに、宝玉の素材としては、文句なしのものですね。
 付与魔法で宝玉にするのですか?」

カザト
「うん、[自己修復]は付与しようと思っているのだけど、どうしよう?」

ブラー王国王女ミル姫
「失礼します!カザト様?あなた様は魔法を使えますよね?
 うちの付き人の司令官が鑑定で、把握してます。
 なぜ?隠すのですか?」

カザト
「(あ~そうだった!隠蔽する前に、この司令官は、知っていたよな。
 まぁいいか、バラさないように約束させるか。)
 付与魔法は、極力言わないようにしている。
 城壁を鑑定したらわかるだろうけど、[自己修復]しか使えなかった時はそれを付与しまくっていたから、それしか、付与できてないけど国防上宣伝するわけにはいかないだろ?
 だいたい、オレの付与魔法って魔導書とかの知識と、半分以上我流だから教えろって言われても、世界観が違うから、伝えにくいのだよな?
 その点、ミラージュは、苦労しているから教えるのが天才的だ。
 見習いたいよ。」

司令官
「ひっ姫様! 本当です!
 城壁に付与魔法が付いてる!
 なんて贅沢な城壁に、知らぬ間になってしまったのか!」

 ミル姫ほ、それを聞いてビックリしていた。

カザト
「騎士団の武器にも、付与していっているよ。
 姫の装備にも全て付与している。
 それにな、俺の元の世界のラノベっていう学問(カザト的に、この世界で生き抜く為の知識なので、学問化している。)にな、魔力の切れた魔術師は、役立たずにならないように杖術じょうじゅつや、剣術を極めるようにと、勧める賢者の話があるんだよ。
 もともと、俺はジョブすら文字化けで不明だ!
 魔力も、使ってみたが トワイライト、ミラージュ、エルファーや、エルシーと、比較しても魔法職ではないような気がするが、かと言って戦闘職だという保証もない。
 何が得意なのか、わからない。
 なので、普通に剣で戦えるように心がけていると、言うだけなのだが?」

王女ミル姫
「ハハ、確かにそうですね。すいません、変な事を聞いて。」

 その時、大通りをヘロヘロな4頭馬車が、ヘロヘロの護衛に守られて城に向かって行くのを窓から見えた。

王女ミル姫
「アレは、皇主専用馬車!ハァ?いきなりですか。それも早すぎる!
 どうしましょう!
 この店は、ミラージュが維持して時々帰って来てくれるのですね!」

トワイライト
「ハイ、我らは探索するだけですから。こちらに帰ってきます。
 カザト様の家と認識してください。」

カザト
「まぁ、おいそれとすぐに、元の世界に戻れるなんて楽観していない。
 ここは、戻る拠点だと認識している。
 だが、厄介事の気配だな! あ!第2騎士団長だ!」

 姫と、第2騎士団長が話している。

 その間に、打ち直した(準に昇格)聖剣に宝玉を埋め込み、[自己修復]を付与する。
 そして、魔力をありったけ流す!
 ゆっくりとだが(準)聖剣となって、キラキラと光出して立派な剣となる。
 [風魔法]を付与した。
 これで、少しは魔力を流しているときに、軽くなる。

カザト
「これを!陛下に!
 打ち合わせ通り、今から出発する!」


王女ミル姫
「バスターソードよりも、少し重いですね!」

第2騎士団長
「確かに!ミドルソードなのに、重い!」

カザト
「刃の部分を、アダマンタイトで補強してある。
 なので、[半不壊]がついてる。
 あと、[風魔法]が付与してあるから魔力を流すと軽くなる。」

 そしてカザト達は、急いで王都を出発した。
 途中、ドワーフ国の馬車が王都に入っていったのを見た。
 乗り合い馬車だと、またスパイが来そうなので馬を買って移動する。

 エルフ3人娘と行動だ。ミラージュは、副団長就任の為に王都に残る。
 帰ってきてね、と何度も言われた。

 そして、カザト達は元第1聖なる試練のダンジョン後に向かう事にする。
 古い地図にこのダンジョンが描かれてあり、そこに神殿がいくつか描かれてあったからだ。
 一路、鉱山砦を目指す。




□□
 その頃、ブラー国王ほ、(準)聖剣を見て持って頷いていた。
 そして、最近戦闘に目覚めた王女ミル姫に託す。
 そして、休憩を終えた皇主が、やってきた。

 いきなり、謝りだす皇主!

 周りの護衛もフラフラだ。
 だが、会談が始まる。
 あの自称・使者の、正体が第5副皇主であり、処刑にしてもいいと言い出した皇主。

 そこに、ドワーフ国から使者が来た。

 カオスだ!

 しかし、ブラー国王はやはり国王!
 しっかりと状況整理して、落とし所を見つけて解決していく。
 カザトは、聖神皇国公認として決して使役しない。
 冒険者として、礼節ある態度で対応する事。

 第5副皇主は、街の教会からやり直し。
 聖女ファルミは、本人の希望を尊重してカザトの鍛冶屋のお手伝いに就任決定。
 子供を作る事を公認?する書類が作成させた。
(この世界では、女性だけてなく人口も極端に減少しているので、事実婚とかは認めてないが出家した?とか言われていても、許可証があれば、結婚生活出来る制度があり、かなり地球とは、男女間の結婚倫理観が違っている。)


 ドワーフ国の用事は、ブラー王国の鍛冶屋復活の話題からドワーフ国の皇太子様が、ドワーフ国王に無断で婚約破棄した事がバレた事での、ドワーフ国からの謝罪の国書と国交修復の要請と、ドワーフのキスカ姫のカザト視察の要請だった。

 なぜか、逆ギレした皇太子が同伴していて、右斜め上すぎ目線でブラー王国王女ミル姫に、
 「オイ!仕方ないから婚約し直してやる!」
なんて言って、ブチ切れたミル姫と決闘になり(準)聖剣で、皇太子の証の剣をスパッと斬ったのは、かなり有名な話になった。
(ドワーフ国は、剣を鍛冶で作れて当たり前!剣を作れないと皇太子に成れない!そして、その剣が不出来だと皇太子失格とされる。
 返り咲くには、他の皇太子候補の剣を斬れる剣を自分の手で1から作らないといけない。)

 立会人が、皇主 ブラー国王 ドワーフのキスカ姫だったので、余計有名な話になった。
 うなだれるドワーフ国皇太子。
 皇太子失格決定である。

 そして、会談は使者ではなくキスカ姫がすることになった。
 ドワーフ国ですら、武器がなくなってしまったらしい。
 (準)聖剣を見たキスカ姫は、カザトの事を聞いて、カザトの鍛冶場で剣を打つ事になった。
 なんとか、政治の場で決闘をやらかした皇太子の事の挽回と、鍛冶師を引き上げてしまい各国との国交回復が急務なキスカ姫の英断である。

 これにはブラー国王も、拒絶するわけにはいかなかった。
 ドワーフプリンセスが、鍛冶場を使って鍛冶をする国なんてもう、伝説の世界の話である。
 合意書と、決闘見届け書と、ボケーとする元皇太子をすぐにドワーフ国に送り、ミラージュと元聖女ファルミと、
キスカ姫が留守番となった。

 そんな、とんでもない事態になっているとは知らないで、カザト達は砦に向かっていた。


□□
カザト
「ヘックション!アレ?風邪かな?寒気がするぞ?」

 トワイライト達が、精霊から何かを聞いて目を丸くしている。
 砦に入った。 砦に冒険者ギルド出張所ができており、コブリン討伐が行われていた。
 砦のカザトの作業場は、カザトのものなのでそのまま使う。
 冒険者ギルトに、これまでの儲けを使って地図の製作を依頼した。

冒険者ギルト出張所 受付嬢
「カザトさん、依頼しなくてもこちらで作りますのに!」

 だけど、ソロの斥候のジョブ持ちがどう見ても不景気だ!

カザト
「いや、いつも世話になっているのとそれに、この砦での投資だよ!」

 報酬に、ミスリルダガー製作をつけると、申込みが殺到した!
 危険だと、判断したら即撤退!を守ってもらう条件と古代遺跡などを、見て確認するだけでもクエスト成功だとする条件で斥候達は、出発した。
 そして、1週間後彼らの持ち帰った情報は、各国が驚愕し補助金を出す位とんでもない情報を持ち帰る事になる。

 カザトは、ミスリルダガーを量産していた!
 もちろん[自己修復]の付与つき!

 狙いは、第1聖なる試練のダンジョンの少し奥にあったとされる巨大神殿。
 森からは、見えなかった。
 そして、そこから旧神殿道を進んで行くと、到達するらしい[神が降り立った地]である。

トワイライト
「何か、冒険者ギルトで聖神皇国を首になりかけの副皇主様達が、護衛を雇ってゴブリン達の境界線に行こうとしているみたいですよ~。」

エルシー
「それで、カザト様と接触しようとしているみたいなのですが…」

エルファー
「どうも、ゴブリン臭いのです!カザト様?一度確認して下さい。」
 
 カザトは、え~?って感じで冒険者ギルトへ向かったが途中、ガス王都冒険者ギルトの知り合いに会い、同じ相談を受ける。

はて?

 こっそりと仮面を被って出張所に入ると、酒場にいた。

え?
Σ(ㅇㅁㅇ;;)

 臭うぞ! 
 マジだ!
(仮)ギルトマスターに呼ばれる。

 なんと!ガス王都の受付嬢マーベルだった!
 正式なギルトマスターが来るまで(仮)で、現場を仕切っているらしい。

 そして、今のガス王都の状態を聞く。
 ガス王族が帰還するからとか、跡を継ぐ侯爵家がそちらに行くからとか第一王女の婚約者確定の子爵が行くからとかで、歓待せよと手紙が何回か来たが王都各ギルト会で否決されたらしい。
 そして、なんと帝国がガス王都ギルド会儀の後ろ盾になった?
 なんでも皇帝の使いの皇太子が、会いたがっていると聞く。
 トワイライトの村を街に昇格復興して、皇帝の謝罪と帝国民としての認可にんかをしているらしい。
 いろいろ聞く。
 そして、カザトの狙いを言うとその神殿話は絵本で有名らしいのだ。

 黄金で出来た神殿だと!

 へ~!
 そしてやはり…あのゴブリン臭い副皇主達を、見張る事になった。






















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