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第1章 生き抜く事は大変!

第38話 ガス王家速報2 !王家の凱旋(予定)

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   時は、第35話後半ぐらいの頃…

 ガス王国臨時亡命政府は、二手に別れて行動することになった。

 神聖皇国が非難されてもやはりガス王族は、神聖皇国と対立するわけにはいかないので、国王と宰相と勇者女性組を残して、王女とガス公爵と勇者男性組はガス王国に帰還する事になった。

 しかし、ここで問題が発生する。
 王都に、出迎えて歓待するように手紙を出しておいたのだが、帰ってきた返事は各王都のギルドマスター連名で拒否する内容だった。
 ガス旧王城を、根城にしたゴブリンエンペラーを討伐して、国を統治する資格が有ることを実力で示し、そして、しばらく奪還したガス旧王城で都市政治をして、統治能力が有ることを示してから王都の独立化を解除するという事であった。

 それを、その日の新聞の第一面で発表されてしまった。
 しかし、すでに王女達はガス王国に入ってしまっている。
 そして、各領主からの使者は来るが、援軍は来ていない。

 先王のいるラッド公爵領からは、
「先に、責任を持って旧王城を開放して先王の血を引く本物のガス王族であると証明してから、援軍要請をしろ!」
と、手紙の返事が来た。
 そして、その内容を公開されたのだ!
 それに習って、各領主達も証明されてから、軍を動かす!
なんて言い出した!

 ガス公爵が、ラッド公爵に手紙の内容を取消すようにラッド公爵領に行ったが、先王にぶん殴られて帰ってきた。
 しかたなく、ブラ王国付近のペリ侯爵家に向う事になった。
 ペリ侯爵家は、我らガス王族派である。
 あの「ゴミ」(カザトのこと)をブラー王国の砦の冒険者ギルトマスターの弱みを握っているので、すぐに連れてこれると豪語して、嫡男をすぐに出発させた。

 なんでも新任のギルトマスターの病気の母親が、この領にいるらしいので簡単に言うことをきかせる事が出来ると言う。

ガス侯爵
「ギルトマスターが、言うことを聞いてもカザトが、言うことを聞くとは限らんぞ?
 報酬は?
 奴は、実力はあるが我らに怒りを持っている。
 どうする?」

軍務大臣
「王女を報酬にしましょう!金なんて、二の次!
 まずは、この世界に来たときの不幸の原因を引き渡して怒りを鎮める!」

ガス王国第1王女ブレーダー・ド・ガス
「ふざけるな!「ゴミ」だと言って私を騙した勇者達に、責任を取ってもらう!
 私は、悪くない!
 勇者隊!ゴブリンですよ!
 出陣しろ!」

生徒会長・勇者
「嫌だー! ヒィー来るなー!」


「王女様!
 ペリ侯爵の治める領都が見えました!
 すぐに逃げ込みましょう!」

ガス侯爵
「でかした!勇者隊!ゴブリンぐらい
 全滅させろ!
 それでも、貴様ら勇者か!」

 そうして、王女一行が領都の入口の大門に来たときであった。
 突然!空に見たことが無い不思議な魔法陣?らしきものが突然現れる!

生徒会長・勇者
「何だ?日本語?敵は焼き?敵は焼き尽くせ?」

ガス王国第1王女ブレーダー・ド・ガス
「え?読めるのですか?
 なにの魔法陣なのですか?」


その時である。

「焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫

敵は、ぶっ殺して!焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫焼きだ♫」

 なんて、低い声でデスメタルバンドが、歌うような声が上空から降るように、呪いをかけるように、聞こえてきた。
 カザトが、[エクスプロージョン]の設定を遠距離型と、短距離型に分けたときに遠距離型の特徴は、
*魔法陣を上空に映し出す
*呪文を自動詠唱
なのだが、呪文が録音されるとはカザト本人も知らず、カザトの歌うネット配信でプチブレイクしていた(デス焼の歌)が呪文として入力されていたのである。

ピカ!

 領都の上空で何か光ったと思ったとき
 ドーーーン!
 衝撃と音が同時に王女一行を襲う!

ガス王国第1王女ブレーダー・ド・ガス
「うわーーーーーーー!」

 王女一行は、吹き飛ばされていった。
 ペリ侯爵の小規模な城は全壊!
 ただボー然と立つペリ侯爵本人。
 
 かなり後に嫡男逮捕と、どうも、そのせいで城が吹き飛んだ事を理解したペリ侯爵は、砦支部出張所の冒険者ギルトマスターガロンの母親を人質にする方針を取りやめ、王女派から、距離を取ることになった。

□□

 その頃、神聖皇国の勇者女子組は、バスターソード(軽)を持つものが10人いた。

磯部 珠(いそべ りん)
「やっと、バスターソード(普通)を、持てた!
 あ!大司祭さま、第3エリアまで、開放出来ました。
 ただ、ゴブリンの解体がはかどってません。」

大司祭
「え? もう第3エリア開放?
 良かった!これで食料輸送問題が一つ解決した!
 そうだ!女性組に知らせないといけません。
 カザトさんの事です。」

 そして、ゴブリンキラーブートキャンプや、聖女ファルミの失敗が伝えられ神殿群の事も聞かされる。

 映像をみる、珠達。
 「ねぇ?あのかわいい金髪の娘、エルフなの?」

 「え?あいつってもてたの?」

 「うわ!あの紫のゴブリンを一撃で殺った?
 これが、1番新しい映像? 
 前に戦った時の映像よりも強くなってない?」

 しかし、皇主が帰ってきて聖女ファルミと、聖女メーベルが来たときに勇者女性組がまた騒ぎ出した。

「ねぇ、珠?あの二人カザトさんと付き合う許可が、皇主様から出たらしいよ?
 どうするのよ?
 美人だし! スタイル良さそうだから彼女ポスト、やばくない?」

 それを聞いた、ガス王家宰相は顔を、真っ青にした。

ガス王家宰相(実はガス国王の兄弟)
「女性組の中に…
 カザトと仲がいいものがいる?
 マズイ!女性組に婚約申込みは禁止しないと!」

 宰相達は、王女達が出発した後最近カザトの先祖達のことを聞き国王と、共に震えていたのだ。
 国王は、前勇者達と女神いや邪神達との戦争で、邪神側(女神側)の敗北とその事で引き起こされた事を昔、散々教えられた事を思い出したのだ!

 国王は、女性組の保護を決めた。
 そして、宰相と相談して王女抜きで、存在を隠していた秘蔵の、末の娘(出家した事にしていた)に連絡を取る事にした。
 確か冒険者をしてきたはずだ。
 もう何年も会っていない。
 いや…もともと会っていない。
 あの王女ブレーダーが危険視して殺そうとするかもしれないからだ。
 やっと、自分と、自分の娘ブレーダー王女がしでかした事に気がついた国王!

皇主
「やっと気がついたか!」

ガス国王
「だが、あのブレーダーの頭の上にまだある(タンコブ)に残る神気!
 ブレーダーが、受けた神託は、嘘ではないと思われます。
 だから、その女神様が何を考えているか正直わからなくなってきた。
 神託だと、聞いてこれまで舞い上がっていたが、よく考えるとゴブリンエンペラーが現れたときも全く、神託もなかった。
 どうなっているのか?」

皇主
「確かに、アレは本物だった。
 はぁ、わからん事だらけだ!
 なに?
 カザト殿は、すでに第1神殿を突破?
 情報封鎖された理由が、わかった?
 空間魔法か!
 く!
 え?
 まだ戦闘が続いていると思われる?
(たら~、冷や汗が流れる)」
 
 そこに、珠達がやってきたのでカザトの今の状況を言う。

ガス国王
「すまない! こんな事になるとは!
 わしも、まさかだが操られとったかもしれん。
 なんとかしないと。」

宰相
「あの~カザトさんの彼女候補さんは、いったい、え?全員?」

皇主
「だが、カザト殿のブートキャンプを見てもわかる通り、実力をつけないとゴブリン共に殺される現実がある。
 君達を死なせたくはない。」

女性勇者組
「「「わかりました。」」」

宰相
「それに、今思うと、君達を勇者召喚したときの魔力の源となった、ダンジョンコアなんてもともと、うちの宝物庫になかったはずだ。
 それに、5人の王女が生贄になったと記録にあるのだが、国王の子供は三人なのだ!
 クソ王太子とクソ第一王女ブレーダー王女と、そして、冒険者をやっている娘ヒーラー・ナタリーなのだ。
 おかしい事だらけだ!」


「実在しない、娘?」

ガス国王
「実は、昨日から神聖皇国のガス王国洗礼名リストを見せてもらっている。
 だが記憶と、違うんだ。
 記憶では、君達を呼ぶ3ヶ月前から、いきなり……その宰相とは名字が違うが兄弟なのだが、俺たちに似てない子供が増えているのだ。
 そして、その5人の洗礼記録はなかった。」

宰相
「それで、王女達をガス王国にやって、俺達は、皇主に叱られた時から目が覚めた感覚で調べだしたのだ。
 その、恥ずかしい話だが、我が国には、もともと勇者召喚出来るレベルの魔導師なんていないのだ!
 だけど、出来ている。」

皇主
「それに、今カザト殿の直面している問題の空間魔法!
 勇者召喚は、召喚だと言っているが召喚魔法だけではなくて、ものすごい高レベルの空間魔法を使えないとだめなのが記録でわかっている。
 空間魔法の使い手が、ほとんどいなくなったのにどうやって勇者召喚したのか私は、不思議でならなかったので帝国に、言われたときに引き取ったのだ。

 今、我らに出来る事は、レベルを上げる事とカザト殿の落ち着ける場所を作ることだ!」

 その時、勇者女性組が国王達と皇主と相談して、何か決めたようだがそれは後の話で…。



□□

 その頃、ガス王都では一人の女性が、冒険者ギルトマスター室にいた。
 ヒーラーのナタリーである。

 カザトは、もはや完治不能と、診断された彼女の膝を伝説のエクストラヒールで治したのだ!
 ナタリーは、それから火がついたようにまず槍術を覚えて、3日はゴブリンを討伐していき、2日は治療院でヒーラーのバイト、1日は教会でヒーラーのボランティア、1日は休憩をやっていた。

 そして遂にスキルが[ヒール]から[神聖魔法]へとスキルアップした。
 最近、冒険者ギルトで映像で放映されたゴブリンキラーブートキャンプ!
 これは、ゴブリンの斬り方から教えていて、ゴブリン討伐のスペシャル番組であった。

 そしてカザトを、映像で発見すると、まず、ゴブリンの倒し方からゴブリン討伐の忌避感の克服法などをよく見て実践して、ナタリーは遂にゴブリン恐怖症を克服する!
 これまで、カザトに会いたい一心でかなり無理をしてレベルアップの為に、ゴブリンを倒していたのが、嘘のように楽にゴブリンを討伐し始める。

 そしてナタリーは、遂にレベル10と15の壁と言われるものを越えた!

 今のレベルは25!
 最近は、教会のボランティア以外ずっとゴブリンを倒していた。
 そして、旅の資金も貯まった。
 ソロの冒険者ランクはC級+に上がった。
(C級パーティーに対してソロで戦えると認定された状態。戦闘力だけでは、ランクアップは出来ずいろいろな知識と最低在籍期間の制約がある。)

 ある日、冒険者ギルトに、いくとギルトマスターに呼ばれていると言う。
 呼ばれて、マスター室に行くと前に所属していたB級パーティーメンバーがいた。
(パーティーレベルではB級であり、個人個人の力が全員B級!というわけではないのが実情である。)

「ワタシヲ ミステテ ニゲタヤツラダ」

 いつの間にか、そうナタリーの口からこの言葉が出ていた。

ガス王都冒険者ギルトマスター 
バッカー
「(そういう事だったのか!こいつら、ナタリーの殺気に縮こまってやがる。
 あっそうだ!マーベルが言っていたな。よし!これで行こう!)

 オイ!
 お前ら、これでわかったな!他のパーティに頼んで邪魔するのはもうやめろ!
 この子がいて、お前たちはB級をなんとかやっていたがもうだめだ!
 全滅する前に、C級から、いや、D級からやり直せ!
 これが、嘘報告をしたお前たちに 出せる温情だ!」

元B級パーティ
「「「「
   (ガタガタガタ)はい。
           」」」」


 そして、ギルトマスターと二人になる。

ギルトマスター バッカー
「前のパーティーは、克服出来そうか?カザトを追いかけるのだろう?
 なら、苦手はできるだけ克服してからがいいからな。」

ヒーラー ナタリー
「まぁ、そういうことにしておきますよ。
 克服と言うよりも、殺意が出てしまいましたけどね。」

 そこに、やってきたのは聖騎士・メリーだった。

ギルトマスター バッカー
「君達に、手紙が来ている。おそらく、今の状況だと中身がわかる。
 呼び出しだろうな。
 二人がカザトの所に逃げるか?
 それとも、親の手伝いか?
 どちらかだな。」

 その言葉に顔を見合わせる二人。

聖騎士・メリー
「あなたも、カザトさんに助けられたの?」

ヒーラー ナタリー
「はい。あ!確か腕をやられた!」

聖騎士・メリー
「あのときか!実は、私の父は宰相でな、わたしは先祖返りの戦闘狂なのかもしれないと判断されて冒険者にしかなれなかった。」

ヒーラー メアリー
「私の父は、わかりません。
 送ってくるのは、汚い手紙だけ。
 それも、少し前に途切れました。

 今頃来たということは、ギルトマスターは何かご存知なのですか?」

ギルトマスター バッカー
「え?知らなかったのか!
 そうか、
 そこまで情報封鎖していたのか!
 困ったな~」

聖騎士・メリー
「他人のような気がしないのですが。はて?」

ヒーラー メアリー
「私もです。まぁ手紙を見ましょう。」

 そして知る!
 メアリーは、ガス国王の末娘だと。

ヒーラー メアリー
「私!あのキチガイ王女の妹だったのですか!
 お姉さんはメリーさんのほうがイイ!」

聖騎士・メリー
「うん!私もそうしたい!
 二人でカザトさんのお嫁さんになろう!」

ヒーラー メアリー
「はい! 」

 こうして、ガス国王達の思惑とは違って、独自にカザトの所に向う二人であった。

 ギルトマスター バッカーは二人の為にしばらく、このことは隠蔽することにしたのだ。










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