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第2章 動きだした凶悪な者達
第36話 王権って何だ?
しおりを挟む邪神ゴキブリの三男ゴキリを討伐してカザト達は、ゴブリン帝国の城に突入していた。
邪神ゴキブリの魔石は、やはりゴキブリを思わせる茶色メインの直径約10メートルのデカいものだったのだが、やはりゴキブリのモノは女性陣に人気は無かった(笑)
さて、ゴブリン帝国の城に入ったのはいいが、とても魔王とか住んでいるような壮厳な感じがない。
ゴキブリが荒らした後って感じなのだ。
だが、綿密に調べるカザト達。
なにを探しているか?
この世界がゴブリンだらけになった、なにかの原因があると思っていた。
元々、前勇者の頃は記憶映像でもスライムとか、コウモリとかまぁ、RPGゲームに、出てくる定番の者は形が違ってもいたのだ!
それが、ほぼゴブリンだけになってしまったこの世界!
カザトは、ゴブリンのクローン装置があるのではないか?
またはゴブリンに変質してしまう、なにかの細菌兵器でもあるのではないかと見ていた。
この世界では、細菌兵器ではなく、[病気利用呪い兵器]と呼んでいるみたいだな。
実は、[病気利用呪い兵器]説を冒険者ギルドや神聖皇国は、有力視していた。
神聖皇国のやらかした元副皇主達の悪い事例があったので、今回の派手に焼いて行く作戦も「ゴキブリは消毒だーーーーーー!」なんて言ってはいたが、細菌を焼却殺菌するつもりでカザトは、今回は火魔法を乱発していた。
はっきりと言うと環境破壊とか考えず、炎での殺菌最優先だった。
仮名(ゴブリン菌)が繁殖能力をさらに上げた、仮名(ゴキブリン菌)なんかになってしまったら、この世界の人類は滅亡すると流石に震えたからである。
そして見つけた。
第2世代管理者神フェイクの部下天使との、取引魔法契約書である。
ゴブリン帝国の封印された、真のスーパーエンペラーを開放して奴隷魔法契約で縛り、邪神国1号と共同でゴブリン増産をさせるものだった。
真ゴブリンスーパーエンペラーは、対価として邪神ゴブリンの封印石をもらったらしい。
マーベルの顔が、オークよりも怖くなって行く!
メーベルさん? ニコニコ顔ですけど、怖いよ~!
そして、このゴブリン帝国の城は、かつてあった人間の城だと判明した。
御伽話に出てくる城らしい。
そしてこの城の資料の複製が始まった。
ゴブリン帝国の国境とかには結界を、張ることにした。
ベイントス公国とドワーフ王国に焼却消毒中だと連絡する。
複製を作るのは、冒険者ギルド本部が最近信用ならないから、そのための保険であった。
徹底的に資料を探っていく。
そのあと、邪神国1号にも突入した!
邪神国1号は…
全ての地域が魔力嵐となっていて、スパイ・パーティー[ラビットダンス]を送り出した村の奴らも、ゴブリン帝国の辺境に逃げ込んでいた。
つまり!邪神国1号の城は、今は空っぽなのだ!
嵐をくぐり抜けて、城からすべての資料を回収したカザト達は、邪神国1号の奴らが邪神国とゴブリン帝国に戻らないように結界を張ってから、ドワーフ王国に移動した。
もちろんゴブリン帝国も封鎖!
ゴブリン帝国の城も結界で封鎖した。
ドワーフ王国
王城執務室ではトスカとキスカが、溜まった国政の仕事をする。
その傍ら、カザト達は資料を分析していた。
どうも、ゴブリンの血液をビーカーに入れてかき回して?
血球と、分離した透明な血液を注射することによって、コウモリをゴブリンに変えた実験の結果をフェイクの部下天使に報告したときから、本格的にゴブリン増殖計画が進んだらしい。
部下天使が、地球から遠心分離機と注射器を持ってきて、それを使って[ゴブリン増殖剤注射]を量産し始めたみたいだな。
邪神国1号のペットがゴブリンになり、ペットが全滅するとスライムやコボルトやオークなどを、見つけ次第片っ端からゴブリンに変えていったらしい。
そして、カザトは電機製品の電力とか、消耗品の注射器なんかどこから持ってきた?と、思っていたら注射器の製造機械をそのまま旧式デーゼル発電機ごと、持ってきたらしい。
プラスチックの原料もタンカーごと!
部品も製造機械ごと、持ってきたみたいだな。
あー!
思い出した!
ある都市の巨大重油タンクが火事を起こしたけど、何故かタンク一つ行方不明ってニュースを昔、見たぞ!
タンカー行方不明事件もあったような?
犯人は、部下天使だったのか!
眉間にしわを寄せて発表用の原稿を書いていると、冒険者ギルドの王室用の通信珠が光っていた。
○○
キスカ副女王が対応する。
(カザト達が、帰還したことはまだ発表されていない。)
映し出されたのは、ポベー帝国の国境地帯の街であった。
まずはじめに皇帝が、キスカにカザト達が帰って来てもガス元国王に、かかわらなくて良いと言い出した。
その発言に、抗議するガス元国王!
そして、冒険者ギルドグランドマスター?
なんでも、ゴブリン帝国がガス王国内に引っ越してきたので、討伐しろとのことだと~!
キスカ副女王
(女王様モード)
「ホ~! まさか、妾の伴侶を顎でこき使うつもりかえ?」
冒険者ギルドグランドマスターは、冷や汗をかきながら冒険者カザト→カザト様に呼び方を変更する。
キスカ副女王様の采配で、カザト派遣を阻止された冒険者ギルドグランドマスター。
しかし、全く悲観していなかった。
ゴブリン帝国からの送られてきた資料に、ゴブリン製造方法が書いてあって、しかも冒険者ギルド内の邪神国1号のスパイリストを手に入れたというと、すぐに食いついた。
途中から、神聖皇国も入ってグランド王国とかも参加をしてきた。
いつの間にか各国が参加して国際会議になってしまったが、言い争うというよりも、邪神国1号の状態とゴブリン帝国の状態を聞きたかったみたいだな~。
邪神ゴキブリ討伐影響が出てきて、ゴキブリ化していたゴブリンが普通のゴブリン形態に戻ったと、各国から報告されていたけど、どこの国も「カザトが、帰ってきたら我が国に派遣してくれ~」なんて、言いだす始末。
自分の国で、戦力を養成しろとキスカ達は言うが、なかなか諦めない様子である。
そして、ガス元国王達とカザト優先権なんて、存在すらしていないモノを巡って言い争い出した。
しかし、状況は悪化する。
グランド王国の国王(副長老)が部下からの速報を聞いて、悲鳴を上げた。
斥候からの報告らしいが、滅びた旧ゲルー王国の外の城に、邪神が現れたと報告が来たらしい。
ガス元国王が、国王命令だ!
カザトを呼び返して討伐させろ!とか喚いていたけど、もう国王じゃないじゃないか!
しかし、フェイクのワールドルールに一番力を持つものが王権を持つ、と書いてあるらしい。
え?
あ~!
なるほどね。
ここは、異世界だったな。
そういうルールだとしたら…
力を持てば、国王なのか…
そういうものなのか…
まぁ、地球でも誰かの命令を聞いて動く人達の総戦力がでかいから、国家が成り立っている訳で、その誰かの命令を全員きかなくなったら、その誰かの権力は無くなったとみなされる。
このフェイクワールドでは、力をつけ放題だから地球国家レベルの力を、個人でつける事が出来る。
あれ?って事は、まだ国王を自称しているガス元国王は、自分が俺よりも強いって言っているのだよな?
俺に命令出来ると思っているからそうだよな?
そのことを、キスカに言うと会議は動いた!
キスカ副女王
(女王様モード)
「あらあら! ガス元国王様のたくましいこと!
うちの、伴侶をこき使おうとすると言うことは、ガス元国王様の方が強いとおっしゃられていると言う事ですわね~♪
なら!この問題は解決ですわ~♬
邪神オークも、呼び出された新たな邪神も、邪神ゴブリンも、ガス元国王が勇者を率いて討伐出来ると言う事ですから、うちの伴侶はいらないですわね♬
国内の邪神ゴブリン討伐なども、すぐにされたらよろしいかと~♪」
静まり返る会議。
とある国が、勇者に対応させろと言って、それで会議は終わったよ。
帝国では、やっと身体は膨らんだがまだ重体の勇者達に、睨まれているガス元国王。
ブレーダー元王女や元宰相までも、元国王を睨んでいた。
元宰相(勇者育成担当上級天使)
「お前~! なんて事をしてくれたのだ!」
ガス元国王の側近
「ただいま、戻りました! 大変です!ガス王都や各国に勇者達のレベルダウンの噂が、広まってました。
原因が、第2世代管理者神フェイクが勇者達から搾取したと言うものです!
もう、手の打ちようが無い状態です。」
嘘ではなかったので元宰相も黙るしかなかった。
その3日後、無理矢理回復させられた勇者達は、無理矢理出陣させられたのだった。
応援ありがとうございます!
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