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第2章 動きだした凶悪な者達
第42話 対岸の火事どころではなかった。
しおりを挟む第2世代管理者神フェイクの執務室空間では?
時間を少しさかのぼる。
フェイクが、救命ポットで眠りについてしまい、部下天使達は悲壮感漂う顔になっていた。
「ムリ! こんなに邪神が攻めてくるなんて想定外だよ! 結界が保ちません。」
「邪神バッタが、シールドブレイカーを使用しようとしています!」
「壊される前に、入れろ!」
「大変だよ!邪神イナゴも体当たりしてきている!」
「邪神ゴキブリ達も、動いて来ています!」
「レーダーには、邪神主神級の奴らで、いっぱいです!」
「勇者育成担当に緊急連絡を!
邪神郡が、大量に来ているすぐに戦えるように仕上げろ!」
「すぐには無理ですよ!」
「うるさい!このレーダーをみろ!
これを見てもまだ言えるか?」
「そんな事を、言われても!」
「こちら、勇者担当! 大変だ! 緊急事態用に用意をしていた緊急勇者再召喚が出来ない、繰り返す!
緊急勇者再召喚不可能!
緊急勇者再召喚不可能!」
「ざけんじゃねえぞ! すぐに、出来るようにしろ!」
「こちら、勇者育成担当!
なぜ、邪神を入れた!
すぐに追い返せ!
勇者が全滅してしまう!すぐに実行しろ以上!」
「おい!勇者担当!
てめぇの所の前の上司共からわけわからん命令が来たぞ!
しっかりと、教育しろよ!
すぐに、邪神を殲滅させろ!
すぐに伝えろ!
わかったな!
さもないと、フェイク様の
命を狙う者たちとして報告するぞ!
しっかりと働け!
あと、勇者増員はすでにフェイク様の許可を取ってある!
不可能は、許されない!
必ず実行!
実行の準備をしろ!
以上!」
「こちら、勇者担当!
地球世界との異次元パイプが
崩壊した模様!
原因不明!原因不明!
勇者再召喚不可能!
繰り返す!
勇者再召喚不可能!
そして、勇者達が保たないからシールドを張り直して、邪神を追い返せ!
聞こえているのか?
応答しろよ!
クソ!
今から、そちらに行く!」
その後、執務室空間では大乱闘が発生して、外の部署に助勢を得たフェイクワールドのシールド(結界)担当が勇者担当達を制圧して、勇者達に無理矢理邪神達を討伐させることを強行させる事に決定した。
しかし、異次元パイプが無いことには、フェイク自身でも勇者再召喚か不可能であるので外の部署も、頭を抱えることになってしまった。
「なぁ?恐らくこの世界にまだいるはずの前勇者達の魂に頭を下げて、助勢してもらわないと、もうこの世界を維持するのは無理じゃねーか?」
「奴らは、怒っている。
だが今からもし、蘇らせて助勢して勝ったとしたら、どうするのだ?
報酬は、元の時間の元の状態に戻せと要求されるぞ?」
「地球との時間の軸がズレる。」
「例え、過去の時間の地球に転移させたとしてら、あのツワモノ達は歴史を変えるだろうな。
外の神々が、黙っていない。」
「それに、過去に行かせての改変前提の転移は無理だ!
フェイク様が、言っていた。」
「どうするのだ?
シールドがこのままだと保たないぞ?」
「フェイクワールドを維持するか?
シールドを張り続けて破られ、この世界の崩壊をこの目で見るか選べ。」
黙り込む上級天使の面々。
そして勇者担当に全員が目を向ける。
「前勇者担当の責任をとれ!」
「全邪神討伐をさせろ!」
そして、ガス国王や宰相の中の部下天使に指令が出された。
「邪神討伐をしろ! これは要請ではなく、絶対実行命令である。
やれ!」
それだけ言われて、馬車に乗ってなんとかガス王都から脱走していたボロボロのガス国王達は、悲壮な顔しか出来なかった。
ガス国王の中の部下天使は、邪神バッタのバッターキックを食らって、瀕死の状態になっていた。
宰相の中の部下天使も、バッターパンチを食らって瀕死である。
馬車の後部から、勇者達が魔導マシンガンを一心不乱に乱射して、なんとか追いかけてくるバッタの迎撃をしているが、馬車の馬がとても保たない!
もって、あと一時間がいいところだ。
3つの馬車を、国王と宰相とブレーダー王女が馬にヒールをかけながら、全速力でラッド公王が治める地域に向かっている。
馬車の屋根の上に立ってガス先王が、上級火魔法を何回か撃ってブラック軍隊バッタを焼くが、数が多くて無理だ!
ドワーフ国の隣国 リーンゴ王国
ガス国王との国境警備隊の観測部は、観測塔の魔導望遠観測班から、ガス国王が何かとんでもない量のモンスターを、引き連れてこの国境に接近しているとして、すぐに警戒態勢と援軍をリーンゴ王国の王城に要請した。
つい最近の、各国会議から邪神たちがやって来ていると警告を受けていた国王たちだが、危機感を持っていたのは
政権中枢では、王太子だけであった。
国王なんて、カザトを無理矢理召喚させればいいとか、まだ言っていたのである。
いくら、もう冒険者ギルドであっても無理だと言っても、王太子の言葉に耳を貸さないでハーレム館に行く国王。
リーンゴ王国 ハーレム館の大風呂プールにて女性たちを両手にしている国王と、風呂プールサイドで鎧を着た状態で抗議する王太子の姿があった。
リーンゴ国王
「うるさいぞ! 何が、モンスターの大軍だ!
いいか!砦の兵だけでさっさと討伐しろ!
国軍ではできないのなら、冒険者カザトを呼び出せ!
報酬は出さずにな!
わかったら、さっさといけ!」
王太子
「父上!冒険者カザトの召喚は無理だと、冒険者ギルドのグランドマスターすら公言しました。
無理は無理なのです。
まだ、わからないのですか!
国が危険に貧しているのに国軍を動かす事を、なぜ禁止するのですか?」
リーンゴ国王
「貴様は、引き算すら出来ないクズか!
いいか!
国軍を使えば、経費がかかる!
金がかかるのだよ!
わかっているのか!
そうなると、この暮らしは崩壊する!
お前も、栄えある王族ならそんな計算ぐらいしろ!
そして、冒険者に命令して早く討伐しろ!
冒険者が、王族の言うことを当たり前に聞くようにわからせるのも、王族としてのやらねばならない事だと、まだわからないのか!
いいか!
お前の替えなんて、いくらでもいるんだ!
出来ないという事は禁止する!
やれ!それだけだ!
さもないと、こいつらの産んだ子供を跡継ぎにするだけだ!
わかったら、さっさといけ!」
王太子は、手紙を国王が入る大風呂の横に置いて黙って退室した。
そして、外に出た王太子。
王太子
「お前ら…」
王太子の周りには国軍の名だたる戦士達がいた。
戦士団長
「王太子陛下、本当に辞められるのですか?」
王太子
「今、辞表を置いてきた。」
戦士団長
「我々も、先程辞表を出しました。
宰相殿は、私の拳が事故で当たってしまってお休み中なので、連名で書いた我々の辞表を置いて置きました。」
王太子
「行くか! 早いほうがいい!」
その夜、リーンゴ王国の国軍戦士団100師団の内90師団が、辞表を出して出国した。
出国するときに、ブラックバッタ軍団と砦で戦闘になったが、見事出国に成功する。
その時の混乱に乗じてガス国王と宰相達は、リーンゴ王国に入り込む事になった。
リーンゴ王国の中枢部は、まだ王太子と9割以上の戦士が消えたことを知らない。
しかし、バッタ人間達によって無人となった、国境砦は占領されてしまい翌朝に合わせて侵攻作戦が開始されるなんて、全く思ってもいなかった。
リーンゴ国王
「モンスターなんて、ガス王国の問題だから知らん!ムニャムニャ…。
王太子の奴も、クビにして、ムニャムニャ…。」
リーンゴ国王陛下は、寝ていた。
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