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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。第1部 洗い出して出てくるもの。

第13話 カザトが講習を受けているときでも、邪神たちには立ち向かう準備が進んでいた。

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 カザトが、講習を受けている時、勇者達は…


 勇者ゴン太(オークキング)は、一応一つの村分の人員を邪神オークのもとに送ったあと、逃げた街の者達を追いかけたのだった。

 しかし、向かったのはどうも遠い王都扱いのマトの街の方角だ。

 途中に補給できる街が無いのだが、馬なら強行で、行ける。

 ゴン太は、その途中で村を見つけた!

そうだ!
 人を集めないといけないのだから、この村も襲わないと!

 勇者ゴン太は、村に近づく。

 門番がいた。
 また、争う事になるのか?
と、身構えたが…
すんなり、村に入れた勇者ゴン太は村の宿にすぐに入った。

勇者ゴン太(オークキング)
「あっれ~?
村長は、腰が低い対応なので…
まぁ、普通この対応で当たり前なのだけど、なんだがこれまで、勇者として奴隷扱いされていたから、変に疑ってしまうな。

さてと、ステータス!

お!村人拉致・捕縛と、街の執行官も捕縛!
街の兵隊と、馬も兵隊分かくほできたから、イビルポイントが、150入っているな!

これを、ステータスポイント代わりに、割り振るのか?

スキル…え?軍隊召喚?
邪神オーク様の承認で自分のいるところを起点にオーク軍団を召喚できる?

必要なイビルポイントは、150か。
よし!これだ!
ステータスなんて、上げるよりも捕獲優先だ!」







なんて、勇者ゴン太が村で休んでいた頃…

ガス国王と宰相は、黒焦げになって草むらによこたわっていた。

まず、中の部下天使の分離は部下天使の抵抗にあって失敗。

そして、一応、邪神ゴキブリ軍団降臨のために使われて、黒焦げになる。

そう!
既に邪神ゴキブリ兄弟達が、多数降臨していた。

すぐに、近隣の村は占領されていき邪神ゴキブリの手先になっていった。

ガス国王
「あ…う……うううう。
くっ、なぜ?助けない…。」

宰相
「クソ…、エルフどもめ!完全に裏切りやがった。クソ!なんとかして、逃げてやる!」


二人は、忙しい邪神達の隙をついて、匍匐前進(ほふくぜんしん)で森の中の木の根本にあった小さな洞穴に、なんとか入って行った。


ガス国王
「この洞穴には、生命反応が無いな。」

宰相
「よかったよ。隠れるのにうってつけだったな。

こうなったら、ラッドの兄貴に連絡して救援を待つか?」

ガス国王
「助けに来るのか?
完全に、俺たちを恨んでいるだろう?」

宰相
「この体たらくだと、逆恨みだ!とは言えないな。

 なぁ?弟よ?
 お前?どう思う?」
(ガス国王は、宰相の弟)

ガス国王
「なにが?」

宰相
「軍隊だよ!うちの王国の正規兵だよ!
てっきり、このグランド王国にいるのかと望みをもっていたが、ここにもいなかった。

500万もいたのに軍事予算は消えて、人までこんなに早く消えるか?

おかしくないか?
冒険者カザトが、この世界を調べるが如く周辺各国を回っていたから、それを追跡するようにスパイに調べさせ、自分たちでも見て聞いて探してきたが痕跡すら発見できなかった。」

ガス国王
「あぁ…それは、俺も気がついていた。
500万も兵がいたのだ!
一つの国をつぶせるが、建てることもできる。

だが…、残党兵がいない。
近衛部隊だけしか、確認できていない。
それも、引退兵ぐらいだ。」

宰相
「いったい、500万の正規兵はどこに消えた?

俺は、一枚も解雇届けなんて、認めていない。
どういう事だ?」






その頃…
同じような疑問を持つ二人の一番上の兄である、ラッド国王がエルフの最長老フィーリアと、エルフ戦士のレイダーに、聞いていた。

エルフ戦士・レイダー
「他国の事は、知りません。」

ラッド国王
「いや、よく知っているよね?
禁断の禁呪!勇者召喚した後、ガス国王正規兵500万の行方不明。

それに禁呪の主軸として関わった、二人の高位エルフ族が、知らないと言ったとしても誰も信じないよ!

レイダー卿!あなたはガス王都にいた残留思念があった。
グランド王国の国王も。
証拠は既に揃っている。

あのアホ共(ガス国王と、宰相)は、実はね~、あまりにも金の使い方が下手なのは、兄弟の中でも有名なのだよ!

一国を建てる数の兵士に資金が、行方不明。

他の禁呪勇者召喚の関係者は死亡らしい。
さて?
そろそろ話してもらいたい。

そうだな!
いいだろう!
冒険者カザト殿の仲介をしてやろう。

もちろん!軍団の行方と資金の行方の情報が、第1段階目の条件だがな!」

エルフの戦士レイダー(元王女)
「知らん!アレは、神託によって呼ばれて力を貸しただけだった。
知らん!」

ラッド国王
「そんな訳がないだろう!
軍隊の所在!
それは、魔王・邪神達と戦うのに直結する事!

よって、このことを知っていて話さないのは、ワールドルールに違反する!

あなた達が言わないのなら、邪神・魔王の討伐を阻害する働き、または裏切りとみなして冒険者カザトの紹介依頼も、ワールドルール違反として破棄する!」

バリン!

何かが、割れる音がする。
ワールドルールで縛られたラッド国王の束縛が壊れたのだ。

目を丸くして、驚愕する最長老フィーリア!

ワールドルールを使って、自分の思い通りにうまくいくと信じて疑わなかったのが、壊れたからだ。

なぜ?
(→カザトが、わからないようにワールドルールのエルフ優遇や、フェイク優遇の条項を少し変えた為。)


新生ガス王国・宰相
「ラッド国王陛下に、論破されて目を覚まして我らの最低限の要望を聞いて実行するべし!」

なんて、ワールドに縛られていいた宰相が、仕返しに最長老達に言う。

ラッド国王
「最長老フィーリア殿?
何を、驚かれているのか?
当たり前の事だと思うがな?

なるほど…。
最長老フィーリア殿も、関与したのか。

読めたぞ?
グランド王国の奥にある、あの商売中心の国に奴隷として売りつけたか!」


エルフ最長老フィーリア
「ち!違う!
勇者達を!勇者達を!召喚したあと、苦しんで国家運営するのは当たり前だから、兵達を…

しまった!」

ラッド国王
「白状したな!邪神の使いフィーリア!レイダー!そのもの達をひっ捕らえよ!」

エルフ最長老フィーリア
「クソ!全てはフェイク様の御命令であるぞ!
レイダー!殺れ!」

エルフ最強戦士レイダー
「死ねや!コラァ!」

ガイン!
レイダーの剣を受け止めたのは、王太子となった次男!

そして、5男がレイダーに斬りつけると見せかけて、最長老フィーリアに斬りつけようとして…

ガン!

なんと、皇主に頭を叩かれて気を失ったフィーリアは倒れる。

皇主
「わしを、ワールドルールで縛って封印できたと思っていたな。

それどころか、わしの存在すら忘れていただろう。やれやれ。」


ドス!
エルフ最強戦士・レイダーの腹を叩いて気絶させたのは、なんと世界樹の(仮)大精霊だった。

世界樹の(仮)大精霊
「済まない。
ハァ…。
プラントバインド!
これで、二人のエルフとしての能力も封印した。

ラッド国王。
聞いてほしい。
今、カザト殿の言う通りに、前勇者達を生きかけらせて元の世界の元の時間に送り込むと、恐らく、この世界は火の海になる。

理屈は、簡単だ!
前勇者を、管理者神フェイクが勇者召喚した為に、その子孫の冒険者カザトは代々、ひどい目にあってしまった。

これは、管理者神フェイクの重大なる罪である。

これは、間違いない。

だが…、今!そのカザトのご先祖を蘇らせて、勇者召喚された時間に戻すとしよう!

魔王を倒した、実力で恐らく冒険者カザトの家に、冤罪をかけた元の世界の勢力は皆殺しになる。

つまり、あの今のクソ勇者達も生まれないという歴史改変が起こる。

カザトが、生まれるかはわからない。

もし、生まれて来て勇者召喚されたとしても…
例え新たな本人(カザト)はその過程を知らなくても、遺言などで伝えられて恐らくはじめから、この世界危機脱出には協力はしてくれないだろうな。

そうなると?
どうする?
冒険者カザトは、いなかった!事と同じ事と同じ結果になる。
なら、誰が歴代最強の魔王に匹敵していたゴブリンエンペラーと邪神蜘蛛の合体した、魔神を倒せる?

いないぞ!
そんなやつ、いないぞ!

つまり、この世界は蹂躙されるだろう!
邪神が攻め込んでくる時期は変えられない!

邪神が、攻め込んでくるのは前勇者達の歴史改変には関係ないからな。

新たに、勇者召喚をしたとしてもカザトが来てあの勇者ゴン太達が来た。

勇者ゴン太達レベルのゲスしか来ない可能性の方が、数の結果論的に高いと考えるしか無いぞ!

なぁ?
ラッド国王と、皇主よ!

前勇者達を復活させて、
負け確定!
火の海になる未来確定!
滅亡確定の未来が99.9%の賭け事をするのか?
それよりも今を、乗り切るしかないのだぞ!
賭けるのは、この世界の全ての人の命だぞ!」


ラッド国王
「管理者神を名乗る以上、基礎的な資格として全知全能であるだろうから、心配することは無い。
責任なら、管理者神フェイク様が取ればいい!
と、言うのがカザト殿の結論だ。

カザト殿の世界では、タイムパラドックスとか言われている、時間を遡って過去に関与した場合の影響の議論も、少しはされているらしい。

だがな、全知全能の管理者神を名乗るなら…
タイムパラドックスなんてこと事も、片手間に解決出来て当たり前だと言うのが、カザト殿の考えた末の結論らしい。

それを、解決出来ない能力しかないのだったら、勇者召喚する資格すらない。

まして、力を奪って勇者達にタダ働きをさせて、要らなくなったらポイッと廃棄?そして、諦めろって論理は、まさに悪そのもの!

つまり、勇者達に泣き寝入りを強要するのが、いかに正義だ!とか、命がかかっている!とか言って正当化しようとするのも、また悪ということになる。

だからこそ、前勇者達は管理者神フェイクさまは、悪を進める事しかしなかったから邪神と判断した。

まぁ、つまり俺等がどういう歴史の調整するかなんて、議論をすることも無い。

問題は、世界樹の(仮)大精霊様?
あなたの態度だ!
そんな、態度を取られて、誰が命をかけて戦ってくれるというのか?

この世界が危機?
違う世界の人に言っても無駄だろうが!
人情に訴えて魔王討伐を、押し付ける?

はっきりと言うと、あの勇者ゴン太達を見ていて間違っているとみなすしか無いよな?

なぜ?異世界の者を無理矢理この世界に連れ込んで討伐を押し付ける?

この世界の者にも勇者の資格が元々あるものが、いたはずだ!」


世界樹の(仮)大精霊
「これだから、王としての教育を受けていない者に説明をするのは困るのだ。

(魔王ホイホイ)という計画があって、さっさと管理者神フェイクに昇進してもらって、この世界の本当の平和を得るために、勇者召喚するのだろうが!」

ラッド国王
「そんな事、みんな冒険者カザト殿にバレているよ!」

皇主
「バレていましたよ!
その上で、最低限必要だとして今の旧ゴブリン王国の討伐などに行かれましたからな。

雨が降って、カザト殿の言っている意味がよくわかるからこそ、あなた様に質問させてもらいます。

では?
前勇者達の帰還なしで、どうやって冒険者カザト殿が、動くに足りる説得なり出来ると思いか?

運の数値はマイナス15000!
マイナス100で、国家崩壊なのに…
どれだけの不幸を、管理者神フェイクは冒険者カザトに背負わせた!

まさか、この期に及んで、そこに転がっている2人をカザトと、仲良くさせたらすべて解決なんて、考えていたとかではないでしょうね!」


世界樹の(仮)大精霊は、論破されて言葉を失った。

まぁ、逆ギレしてワールドルールを駆使して、ラッド国王と皇主に言うことを聞かそうとした、エルフ最長老フィーリアたちが悪かったのだが、どうしようもない。

皇主
「あなた方は、やり過ぎた。
前副皇主のバカの始末も…、奴らをゴブリンにしたのはあなたか?

奴らの体液跡から、世界樹の樹液というエルフの最長老だけしか得ることが出来ないと言われた物がでてきている。
最長老が、指示したのか?
それとも、世界樹を世話するあなたの指示か?
ということになる。

この時点で、どちらともカザト殿の従者となっている、二人のエルフの家族の殺害と、二人の誘拐に重大な関与をしたのも明白だ。」

世界樹の(仮)大精霊
「ち!違う!
あのエキスは…
あのことは…フェイク様の指示だときいている。」

ラッド国王
「ハァ、私が聞いていても、納得出来ない説明で、カザト殿を説得するなんで絶望的に無理ですな。」

世界樹の(仮)大精霊
「では、この状況をどう打開しろというのだ!
邪神討伐をカザトにさせるしかないのだぞ!」

皇主
「世界樹の(仮)大精霊様?
まだ、カザト殿を使役出来ると思いか?」

ラッド国王
「無理でしょうな!
では…なぜ?邪神たちが集まってきたのか?
お忘れですか?」

皇主
「毎日、祈祷して祈りを捧げ、記録をしっかりと検証しております。

経典にも、書かれておひますな!
(類は友を呼ぶ!)と!

お忘れですか?!」

ラッド国王
「俺は、お前たちの奴隷になんてならない!
命令できると、思っていると言うことは、俺よりも力が有ると自分たちで思っている証拠なのだから、自分たちで邪神を討伐しろ!!

カザト殿の伝言ですぞ!

フハハハハハハハハハハ!」

世界樹の(仮)大精霊
「え? く!…」 


実は、カザトが自分の予想を超えた怒りを持っている事を知らない世界樹の(仮)大精霊は、まだ、飽きられずになんとかカザトを使役出来ると思って、作戦を立てるために精霊の館(城)の横の世界樹のある方角に帰っていった。

その後、エルフの最長老と最強戦士の二人は、新生ガス王国特戦隊に、よってベイントス公国のカザトが作ったアダマンタイト製の魔法封印機能付きの牢屋に運ばれた。

牢番は、ベイントス公国に住むエルフである。


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