[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。 第2部 復讐の邪神vs フェイクROUND1

第14話 下界戦その2 自ら神託を出した事で起こす失敗

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 王女達は、ベイントス公国の国境を超えてドワーフ王国に、入らないとカザトのアジトに行くことは出来ないと知ってはいた。

 フェイクとして、分体でありスパイの前グランド王国のエルフの最長老フェーリアの記憶で割り出したカザトのアジトの場所だったが、カザト襲撃失敗後の情報はないに等しい。
 
 フェイクが作り出したダンジョンの側に、いつまでもいるわけではないはずなので、[実はいるのだが(笑)]まずはドワーフ王国の女王を襲って、トスカか、キスカの身体を乗っ取ろうと考えていたのだが、この偽カザトパーティーは、今はC級パーティーでありなんと、指名依頼を受けてのマトの外街の冒険者ギルドへの移動だったのだ。
 そんな事は、この王女達も乗っ取った時にカザート達の記憶を、見ていればわかったのに王女達の超高レベルのプライドが邪魔をして確認していなかった。
 もちろん国境は、通れない。
 冒険者ギルドからの呼び出しがあって、マトの外街に帰るしかなかった。

王女GH(フェイク)
「誰だ!冒険者に邪神と戦闘させるために、指名依頼をさせたやつは!」
→邪神討伐の神託を降ろしたフェイク、つまりあなた達です!

 王女達は、自分の怒りに対して自分にツッコミを入れる形になってしまって黙り込んだ。

 冒険者ギルドの仮説集合所に誘導される、偽カザトパーティ[チームカザート]。
 王女達は、乗っ取っている事を悟られないようにするために黙ってついていくしかない。

 作戦参謀役の冒険者ギルド職員は、[チームカザート]の異変に気がついた。
 全員の手甲(手の鎧部分)が赤のマークに変わっている。
 それは、[チームカザート]に異変が有ったサインだった。
 元々[チームカザート]ガス王都支部がカザトの身代わりに保護した、ギルド公認の偽カザトパーティーで、たくさんの冒険者達の先輩に育てられたパーティーでもあった。
 そして、後にカザト本人の公認もあってカザトが彼・彼女達専用のレベル100まで使える専用武具を作ったのである。
 その武具中の機能に、状態異常を知らせるサインがある。
 
 冒険者ギルド職員は、すぐに鑑定スキル持ちにチームカザートを鑑定させる。
 しかし、鑑定レベル50でも分からなかったのだが、不審な点があった。
 チームカザートは、公認の言わゆるパロディパーティの面もあるので、レベルを皆知っていたのだ。

冒険者ギルドパーティ記錄管理課職員
「おかしい!確かにおかしい!おい!鑑定のプロを読んでこい!」

 しかし、呼ばれたプロでもなかなか看破出来なかった。
 だが、別の不審な点が出てきた。
 全員の性別が(女性)と出てきたのだ。

(仮)グランドマスター・バッカーは、本部職員バレス(二重スパイ部下天使)から、報告を受けていたので、考える。
「まず、たった26時間でレベル20から、平均120まで爆上がりしたことだ。カザトでも初期一日にゴブリン斬りまくっても、そんなに爆上がりしていない。
 まぁ最近は、それ以上の上がっているかもしれないが、それが起こるとカザトはまず身体がついていかないから、倒れる。
 そう考えると、やはり平気な面をしているのはおかしい。
 もう一つは、性別が女性か。
 そして、カザトが奴らの為につけた手甲のサインだな。
 間違いない。時系列から考えるとフェイクの分体に乗っ取られてしまったか。」

王女GとH(フェイク分体)
「ねぇ?先程から修練場に誘導されているけど、どういうことなのよ!」

王女K(フェイク分体)
「ヤバイ奴を乗っ取ってしまったかもね?」

王女M(フェイク分体)
「え?罰として、ゴブリンキング部隊討伐隊に入れって、どういう事?」

 チームカザートは、攻め寄せるゴブリンキングのみの絶望的な軍団を相手にする事にされてしまった。
 コレは、チームカザート=フェイク分体だとわかったのでフェイクに、この乗りで邪神軍団と戦わせようと言う事になったのだ。

 冷静に考えたら、さっさとチームカザートから抜け出て他の奴に乗り移るのが良策なのだが、そんな考えに至る前にゴブリンキング軍団がやって来た。

バッカー
「来たぞ!チームカザート出陣!見せてやれ冒険者ギルドの隠し玉の強さを!」

王女N(フェイク分体)
「え?隠し玉?まさか単なる偽カザトパーティじゃなくて、第2カザトパーティーとして育成されていたパーティーだったの?こいつら!」

王女I(フェイク分体)
「だから、身体レベルが20にしては精神力が強かったのか!
 どうするのよ?ゴブリンキングぶっ壊す?それとも逃げる?」

王女M(フェイク分体)
「はっきりと言うと、経験値が欲しい。こいつらの精神力の強さを考えると、側近のハイエルフ達は難敵よ!今は力をつけるべき!」

王女GとH(フェイク分体)
「稽古以外、身体を動かすなんて嫌だけど久しぶりに殺るか!」


 戦い出したチームカザートを見ていた冒険者達には、チームカザートを乗っ取ったフェイクの分体達の会話がただ漏れで呆れ返る。
 
王女M(フェイク分体)
「ハイドロクラッシャー!」
 フェイク世界とは違う魔法体型で攻撃を始めるチームカザート。
 ゴブリンキング達の部下ゴブリン達が、ザコの如く砕かれていくのをみた。

王女I(フェイク分体)
「焼いてあげるわ!パイロキネシス範囲固定!発動!」

 ギャーーーーーー!
 ゴブリンキングが焼かれて叫び踊る。
 地獄絵図である。
 しかし、ゴブリンキング100万の軍団が押し寄せて来るのには、まだ火力が足りない。

 そして、チームカザートの魔力も尽きた。
王女I
「何よ!すぐに魔力が尽きたじゃない!」

 そりゃ~強火力魔法を20も乱発したら、素体というか乗っ取った身体のレベルが20なのだから、魔力が枯渇するのは当たり前だ。

 すでに、マナポーションも全て飲み干した。
 しかし、ゴブリンキングの残りは5万。
バッカーが、スタミナポーションを飲みながら、アックスを振り回して大暴れしていていたり、A級パーティー達が後先考えずにフルパワーで戦っているからこそ、ここまで減らした。

 皆、カザト達に鍛えられていたので、死亡者は今のところ0なのだが、やはり限界がくる。
 ゴブリンキング軍団の第二陣が迫ってきたが、途中の平原で陣を敷いた。
 ゴブリンキング軍団の第一陣が、第二陣に向かって退却するのを合図に、冒険者ギルド軍も引く事になる。

 フェイク分体達の乗っ取った、チームカザートは疲労困憊状態でなぜか教会に運び込まれたのだ。
 出てきたのは、黒き魔導師カンターレが乗っ取った元聖女統括のフェルべーと、その妹のカザトに合流したい聖女ファルミだった。

大司教
「罪人元聖女フェルべーよ!あなたにカザト様に良い報告を出せる任務を、あなたの派閥の長が皇主様に頼んで、融通してもらいました。
 そして、妹の聖女ファルミよ!失敗続きなのを、ここで断ち切り挽回しなさい。

 任務は、この冒険者パーティー[チームカザート]に取り憑いた、邪神の分体を見事除霊して討伐することです。わかりましたね。」

 王女G~Pは、真っ青になる。
 なぜバレた~とか、口に出してしまっているのだ。

カンターレ本体(聖女フェルべー体)
「(こいつら、何を考えてやがる。アタイはこの身体に入って、牢屋でこいつらの騒動をやり過ごす事にしたのに、よりにもよってクソ王女様達を、取り除いて討伐しろだって?
 正体は、ばれてないみたいだが不味いな。)

 わかりました。大司教様。心遣いありがとうございます。ムチの使用の許可をもらえますか?」

聖女ファルミ
「お姉様が、ムチを使う?本物の大悪霊のときしか使った事が無かったのに。」

カンターレ本体(聖女フェルべー体)
「大悪霊の中の大悪霊よ!この邪悪な気配は、ものすごく強敵です。決して奴らの言葉に惑わされてはいけません。隙を見せると乗っ取られます。」

大司教
「わ、わかった。すぐに用意させよう。」

 こうして、フェイク分体の王女達はカンターレの本体が乗っ取った聖女フェルべーによって、大悪霊しての除霊・討伐をされる事になったのです。


 ゴキゴキ!
 チュ~!

 あれ?そんな動きも、邪神にどうも監査されていたようですね。

つづく
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