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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。3部 乱闘編 邪神vs フェイクROUND2と、乱闘に巻き込まれる者達。

第11話 何もかも石化させる邪神の襲撃!(フェイクの邪神宣言の前夜・ガス衝突暗黒地獄戦争)その7

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 新生ガス王国公都 マトの街

 その上空で繰り広げられる戦闘は、もはや(仮)管理者神見習い達の部下であるガス貴族軍達にも被害が降り注ぐ事態になっていた。

 (仮)管理者神見習い達の邪悪な雷に感電して貴族軍の兵士たちが動けなくなったのだ。
 もちろんガス貴族達も感電して動けない。
 ブレーダー王女の側近は、ガス王国達にハイポーションをぶっかけて、なんとか一命をとりとめてから、回復職達にヒールをかけさせるが、落雷に巻き込まれて回復職たちは行動不能。
 だが、近くに謎のスキルを発動させている勇者ゴン太の謎フィールド結界の中にいたので、側近たちは感電から免れていた。
 
 だが、本陣の天幕の外を見てゾットする。
 見える視界全ての兵士が、感電して倒れているのだ。
 ほぼ全滅したと言っても良い状態である。
 そして、気がつく。
 ここに極大火炎魔法を撃ち込まれたら、それでマトの街に侵攻するガス王国軍の第一波は全滅だと。

 まずい。
 上空を見上げるが、雷の嵐の中のカンターレに対する連絡の手段がない。

 ブレーダー王女の側近達は、倒れているガス王国達の側近を無視して、ガス国王と宰相と謎のスキル発動中のゴン太を連れて、第2侵攻軍のホビット全軍の後ろに移動することにした。

 なんとか、宰相の喉と口を回復させて、ホビット軍に回復するように命令をさせたのだ。

 ホビット軍の回復職にヒールをかけさせてやっと、心臓とかが正常に動き出すガス国王。
 しかし、身体の半分が炭化している。
 予断を許さない状態である。

 ブレーダー王女の側近達は後悔していた。
 まさか、冒険者カザトが強いと言っても、500万のガス防衛隊ですら、一瞬で殺しそうな殺陣を形成するような戦闘力があるとは、いくら邪神と戦ったとか、映像を見ても実感がなかったのだ。

 あの時、勇者召喚の時。
 ブレーダー王女が、カザトを生贄投棄して文句を言う勇者達に対する見せしめにしなければ、こんな事にならなかった。
 勇者ゴン太達に、自分達女性が狙われる日々もなかったのではないのか?

 だが、既に何かの歯車は回りだしてしまった後であった。


 黒き魔導師カンターレ
「(どうするべきか?このままカザト陥落を待つのか?しかし、あいつは私がやった事と同じことを、黒魔法ではなくて火魔法で雷を弾くと言うことをやっているよ。
 黒魔法や、空間魔法でやっている奴は過去にもいたけど、火魔法は初めてだね。
 しかも、火力はファイヤーボールを細長くして展開しているだけなので、そんなに魔力も消費していない。
 なんだい?あの戦闘経験値は?
 こいつは、どういった人生を歩んできたのだい?
 案外、アタイよりも濃くないか?
(仮)管理者神見習い共はフェイクと同じく、地球魔導怪獣大戦の強制終戦の当時の実際の敗戦国の王侯貴族達だから、根性も精神強度もド貧弱だ。
 いずれ、神気も仙気も魔力も尽きるだろう。
 動くとすれば、その後だ。)

 黒魔術奥義。黒気黒海魔神界接続開始。
 召喚魔法陣展開準備。
 魔力圧超負荷魔法陣展開。
 今のアタイなら出来る。
 やってやる。
 城の奥に禁書として封印された魔導書に記された黒魔術の奥義を超えた超絶極奥義を!」


カザト
「なんだ?空間が歪んだ?
 く!トワイライト達は、空間を固定されて動けないのか!
 封印拘束80を残して開放。
 リミットブレイク!
 開放した魔力の半分はトワイライト達に流す。耐えてくれ!」


(仮)管理者神見習い達

「クソ!こちらは全力で雷を落としているのだそ!なぜ奴に効かない!」

「攻撃を止めるな!止めた途端に反撃を食らうぞ!」

「ざけんな!この管理者神様に不可能はない!死ねーーー!」

「管理者神マイネに連絡を入れろ!不味いぞ!
 もうMPがない!」

 カンターレの予測通り、フェイクそっくりな他の(仮)管理者神見習い達も、フェイクに偉そうな事を言えるほど実は修行なんてしていなかったのだ。

 バラすと、彼、彼女達の管理者神レベルは2である。
 天界の標準的成長記録による、彼らの目標到達最低レベルは5000。
 標準的成長での平均レベルは15000
 最高記録は、管理者神卒業。

 失速していく攻撃力。
 カザトは、次の攻撃に備えて魔力を練っていく。

カザト
「なんだ?この寒気は?クソ!すぐに全開に出来るようにしたけど、今の俺の全開ははっきり言うとわからない。
 爆発するかもな。
 クソ!そんな事言ってられないほど寒気がするのが止まらない。
 
 リミッター全解除10分間限定指定。

 一応用意したけど、全く改善したとは思えないな。
 そうか、あのフェイクと同じ波動を出すカンターレ達の加勢はフェイクと同じく邪神か!
 それだけ邪神仲間がいるなら、邪神ゴキブリとかと戦闘しても勝てるのでは?」

 
 新生ガス王国最北防衛線ビオバールデル

邪神ゴベール
「よくも操ってくれたな!出てこいフロンダーパ!貴様ら許さんぞ!
 き!貴様!貴様はラグーダ!
 私を襲って無理矢理に結婚させておいて、飽きたからと外法の人体実験台にしやがったクソ皇子!
 ここであったのも200億年目(だったか?もう長すぎて忘れたわ。)!
 やっと見つけたぞ!
 貴様が私に埋め込んだ呪いで死ね!
 グラビティカース!」

 な!なんと!邪神ゴベールは管理者神見習いラグーダを忘れていなかった!

非道の当事者
(仮)管理者神見習いラグーダ
「グキャーーー!
 なんだこれは?
 う!重い!じゅ!重力の呪いだと!
 確かに、我が王家に伝わる秘伝の技。
 しかし、使える者がいなくて無用の長物となっていたのに、使えるようになったのか?
 止めろ、今なら許してやる!
 今すぐ止めろ!
 (ボキボキッボキ!背骨が折れる)
 ウガーーー!」

邪神ゴベール
「貴様ら全員死刑!」

「ふざけるな!」
「貴様が死刑だ!」

 邪神ゴベールと、(仮)管理者見習い達の乱戦が始まった。
 乱射される石化波動と石化光線。
 (仮)管理者神見習いから、発せられる黒い雷と、黒い光線。
 カザトが、ベクトル制御変換して邪神ゴベールに向かわせた別の黒い雷。
 
 その下の平原に転がるゴブリンとかが石化された物や、(仮)管理者神見習いの石像とか、(仮)管理者神見習いだった炭。
 近寄っただけで、命の保証はない空間が広がっていた。

 その乱戦で出来た隙に、空間の束縛からなんとかカザトの助力で抜け出したトワイライト達は、この戦場から抜け出す事に全力を尽す事にした。
 自爆用のエネルギーを気配遮断結界につぎ込んで、移動を始める。
 たが、それを邪魔する者がやってきた。
 ハイエルフの戦士ミストラルである。

戦士ミストラル
「我はハイエルフの戦士ミストラル。
 すまんが、我が孫の為に人質になってもらおう。
 例え邪神の下僕と言われても、儂にも守る者がある。」

トワイライト
「やはり、私の家族を殺した案内人のあなたが戦士ミストラルだったのですね。黒き裏切りの戦士ミストラル。
 私の父達は、あなたが前勇者達に本当に味方したのか懐疑的でした。
 懐疑的な者達を、あの狂った者達に実験体として売っていたのですね。
 よくも、私をあのクソ勇者達に売ってくれたな!」

戦士ミストラル
「全ては、部族存続の為。
 冒険者カザトには、働いてもらわねばならない。だから、人質になってもらう。
 降伏すれば、優待する。」

トワイライト
「外道となった部族は滅びる定め。
 敵対するなら、斬って道を切り開く。
 カザト様以外に仕えるつもりも、利用されるつもりもない。
 覚悟しろ!」

戦士ミストラル
「小娘が抜かしやがって!
 精霊よ!霧に隠して殺せ!
 キリングミスト!」

 ミストラルの放つ精霊魔法は、毒の霧であったがなぜか進む速度が遅い!
 
ナタリー
「ポイズンイレイザー!」
 ナタリーの対毒ブレス用の毒分解魔法の波動がミストラルの精霊魔法をかき消してしまう。

メリー
「ライトニングボルト!」
 カザトの力を借りて、放電するメリーの影に隠れてミラージュが極大火炎魔法を用意していた。

ミラージュ
「プロミネンススピア!」

戦士ミストラル
「く!貴様ら!なぜわからん!フェイク様をさっさと昇進させれば全て解決するのだ!」

ドーン!

 ミラージュのカザトの力を借りた一撃は、戦士ミストラルの行動をしばる。

戦士ミストラル
「く!なぜだ!精霊よ!アンチマジックシールドの出力が弱いぞ!なぜだ!なぜ我を助けぬ。」

トワイライト
「フローズンキューブ!」
エルシー
「フローズンキューブ!」
エルファー
「フローズンキューブ!」

 トワイライト達のコンバインド攻撃が、戦士ミストラルを襲う。
 ブロック状の冷気の塊が戦士ミストラルを囲むように出現する。
 
戦士ミストラル
「う!な ん だ こ れ は。」

 戦士ミストラルの精霊にも、邪神を助けるようには働かないように要請して、気温急低下を起こしてミストラルの行動を鈍足化する。

 そして、すぐにトワイライト達は高速移動の態勢に入った。

戦士ミストラル
「く!この痴れ者共が!」

 ミストラルが、魔力を開放して斬り込んできたが、それと同時にミストラルもトワイライト達も、浮く。
 そう、浮くのだ。
 その上空では、(仮)管理者神見習いラグーダが、人間時代にゴベールを実験台にして身体に刻み込んだ魔法陣から発した【重力の呪い】であるグラビティカルカースに砕かれて飲み込まれて、光り輝く小さな玉になろうとしていた。
 
 そして、その小さな玉に空気が吸い寄せられていき、他の(仮)管理者神見習い達が三人ほど引き込まれて、くっついている。

 そして、トワイライト達が精霊眼で見ると何かの光を地球で言う所の北極と南極から吹き出しているのが見えた。





 その模様は、カザトにもトワイライト達を通じて見えていた。

カザト
「くっつく玉?
 いや、玉に吸い寄せている?
 あれ?
 何か虫眼鏡みたいに回りの風景が歪んでないか?」

 ふと、カザトの頭に浮かんだのは、ブラックホールの次にヤバイ、恒星が超新星爆発を起こした後に出来る星。

 中性子星

 そう!中性子!
 放射線で、ヤバイヤバイヤバイ中性子!
 核兵器の変種である中性子爆弾にも使われておりコンクリートや鉛などの防壁を貫通して人を殺す兵器にも使われる中性子!
 
 冷や汗がどっと出るカザト。

 フェイクのヤローは本当に碌でもない事しかしない。
 戦士ミストラルだと?
 やはり、先祖がフェイクのスパイではないかと怪しんでいたが、当たったか。
 人懐っこい対応をするハイエルフだったが、どうもカザトの先祖達が地球に帰ろうとする行動を邪魔していたからな。

 そして、トワイライトの村を勇者ゴン太達に襲わせた案内人だったのか!
 
カチッ!

 最近聞かなかった、妙な音が頭の中に聴こえてくる。
 そして、カザトは前勇者達の関係者だとして遠慮することなんてないと、認識した。

 段々とカンターレの増援達の火力が弱まってきた。
 だが、嫌な予感は膨れ上がっている。
 冷や汗が止まらない。
 しかし、そこでカザトが逃げるなんて選択肢をへし折る事が起こっていたのを目撃する。

 地上で、勇者ゴン太が素っ裸で新生ガス王国の女騎士に襲いかかって、迎撃されている場面だ。
 あいつ!
 完全復活したのか?
 なんて再生能力だ!
 身体が光っているから、何かのスキルなのだが、こんな時でも略奪かよ!

 鑑定で、勇者ゴン太を動かしているスキルの名前が100以上浮かぶ。

 なんだ?あのスキルは?
 前に遠隔簡易鑑定した時には無かったぞ?
 だが、鑑定感触だとかなり前、この世界に召喚される前のよりもかなり前?
 あ!スキルの横にいつ得たスキルなのかの記録が見える。

 なんだあれは?

 つづく
 
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