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第5章 ついに始まった本当の戦い。
第11話 腹が立つ結果と、むかつくから一針(いっし)報いる。
しおりを挟むガス国王の注射祭りの後の次の日。
なんと、神聖皇国に神託が降りた。
そして、他の王国にも降りた。
ドワーフ王国にも。
ラッド国王
「よいな、司祭!神託は無かった!」
司祭
「そ!そんな!無理ですよ!
ものすごく気持ちは、よくわかります。
ですが、これまでの事を考えると、おそらくですが、神聖皇国や、帝国とかにも言う事を聞くまで神託の嵐ですよ!」
冒険者ギルド グランドマスター バッカー
「困ったよな。
戦力を増やせって言うけどな。
ブレーダー王女は、前に部下天使降臨の時にゴブリンエンペラーと戦って、ボコボコにされた例がある。
例えジョブ勇者に目覚めたとしても、敵う相手なのか?」
カザト(頬に平手打ちを食らった状態)
「注射乱発反対!
俺が保たん。
トワイライト達に、人体改造反対だと言われた。
増産は無理だな。」
ラッド国王は、トワイライト達を呼んで1つもだけ作ってくれと言った。
トワイライト
「陛下!だめですよ!
まぁ、あの先王はおそらく天然の勇者候補だったのでは?という内容の身体のデーターが、魔導師団長様の記録から出たので、順当なのかもしれませんが、人体改造は不幸しか産みませんよ。」
魔導師団長
「その~、私も知らなかったのですが、元々ガス先王のデーターが勇者の基本なら、ラッド国王の身体よりも、ガス国王は90%勇者寄りです。
元々ガス先王が、無理矢理スキル王紋を取り付けた身体だと判明した今、ガス国王のスキル王紋ですら、天然ではなくて無理矢理付与されたものの可能性があります。
つまりですね、ガス国王は既に改造された人間である可能性が、ガス老公爵の話から出てきました。
ガス老公爵の身体を昨日から調べていますが、兄弟の先王とはかなり違いすぎます。
父親、母親が同じなのに違うのです。
特に臓器の大きさが違います。
ガス国王、ガス先王の身体は、王紋スキルの身体というよりも、勇者のスキルに耐えられる身体だということです。
メリー様とナタリー様の身体のことは、カザト様から聞きましたが、臓器は全てバランスよく配置されてました。
ガス国王と先王のデーターだけ違うのですよ。」
ラッド国王
「つまりだな、時々暴走するような挙動を弟のガス国王がするのは改造されたからであり、本来の勇者に戻せば治るかもしれないということだ。
もう、暴走させて戦争なんて起こさせたくないんだ。」
ラッド国王が言いたいこと。
ジョブが、国王なのだが現実の身体は勇者用であり、そのねじれがガス国王の暴走の素なのではということ。
もしかしたら、ジョブ勇者にすれば身体とジョブが一致して、素に戻るかもしれないとという考え。
それを聞いて、カザトやトワイライト達は1つだけ増産することにした。
そして、各国から悪魔祓いの儀式の中止と、ガス宰相とガス貴族の釈放の要請書を持った大使が殺到する。
ラッド国王は、苦々しく中止を発表。
公開牢屋は、湧いた。
だが、その日からカザトの工房では忙しくなる。
[魔王討伐の首輪]の製造である。
首輪は嫌なので、指輪とかも作った。
人を縛るのは、基本的嫌いなカザト。
トワイライト達も、ため息を吐きながら作るカザトの好物を作りながら手伝う。
カザト
「あの生徒会長(勇者ゴン太)め、何を企んでやがる。」
メーベル達は、その事は任せてくれないかとカザトに言う。
しぶしぶ、任せてカザトは[魔王討伐の首輪]を作ることに専念した。
カザト
「そうか…。
あれ?
性欲なんていらないよな?
アレ?
どこかでこの考え方を、どこかで…。
どこだったかな?
はて、懐かしいような。
まぁいいか。
快楽エネルギーを全て戦闘に回させて…。
あと、人を痛めつける事がガス貴族の癖だから、これの過剰エネルギーを戦闘に回す。」
その時であった。
最近、無かったアナウンスが!
「ピコリン♫ [スキル勇者]を付与する事が出来るようになりました。)
あーーーーーーーーー!
その日、カザトの工房からカザトの叫び声がマトの街に響いたのであった。
そして、一週間後
余裕シャクシャクのガス国王と、クソムカついているラッド国王との、ガス貴族とガス宰相の引き渡し式典が行われた。
もちろん各国の要人も出席している。
カザトは、警備兵に紛れ込んでいた。
イケメンのA級冒険者が、カザトそっくりの姿ですわっている。
決して、カザトだと誰も言わない。
鑑定拒絶のネックレスも、装着している。
この冒険者は、カザトの弟子を自称しており、報酬もカザトが打ったミスリルの大剣を約束されていたから、ノリノリである。
引き渡し条件 特殊条約の締結式典が行われた。
ラッド国王
「これに違反したら、即、邪神の手下として討伐する。
ガス貴族達の存在意義は、元々勇者のサポートであり勇者になることに異議は存在しないとする。
また、本人達は罪人と理解すること。
そして、本人達はこれより貴族であるが、貴族の権限の行使を禁止する。
勇者・戦士として活動する事。
既に冒険者ギルドにて、全員、勇者・戦士として登録済みである。
なお、ガス国王も勇者・戦士として戦うこと。
国政をすることを禁止する。」
ガス国王
「(誰が守るか!クソば~か!へへへへへ~。
隙をみて、今からこの国を飲み込んで殺るよ!そんな悔しそうな顔も、お わ り だ!)
邪神との戦いの前に、貴様が死ねーーーー!」
ガス国王が、抜剣して斬りかかる。
だが、それは叶わなかった。
ドサッ!
筋肉モリモリの抜剣した、ブレーダー王女が、ナタリーに肩を外されて両脚を折られて、頭を手のひらで抑えられて、持たれていた。
手の握力で頭蓋骨を折られたブレーダー王女。
ナタリー
「捨てられ私よりも戦闘力がないのに、よくも殺そうと襲ってきましたね。
(ボキ!ボキボキボキ!)
大丈夫よ!
動けないように、肩も腰もおってあげる。」
ブレーダー王女
「う!あ!」
そして、勇者ゴン太は、か弱そうな姿のメリーに全身に拳の弾幕を食らって、ノックアウトされていた。
聖騎士のメリー
「では、性犯罪防止ルールに則って、この儀式に使うはずだった、着火グリスを服の上から塗りますよ!
着火!」
勇者ゴン太
「ギャーー!」
下半身が火事になった勇者ゴン太は、暴れる回る。
そして、式典の中央では、ガス先王はカザトに無力化されて、兵士に引き渡された。
剣をラッドの嫡男に斬られ、刃の無くなった剣を握る腕や脚を、鎖で束縛されたガス国王が、信じられないと言う顔でラッド国王を見る。
ラッド国王
「さぁ、その狂った性格の素を正そうか。
これが、お前たち弟に処方する薬だ。」
ブスリ!
ガス国王にカザトが作った[勇者ジョブ封印解除薬 ガス国王専用 濃縮50倍]を打ち込んだ瞬間であった。
これは、各国の同意の下ガス宰相達の釈放条約の条件でもあった。
それを反故にしようとした、ガス国王の目論見は砂のように崩れたのであった。
カザトは、ゴーレム馬車にガス貴族達を詰め込んで、最後にガス国王とブレーダー王女に勇者ゴン太を乗せる。
そして、ガス王都にガス国王達は送られていった。
なお、裏から闇討ちしようとした、ホビットの大軍とガス防衛隊達は、トワイライト達と、エルフメイド隊によって、巨大麻痺魔法陣の力によって無力化されて収監された。
釈放は、ガス貴族と宰相達だけでホビット族は除外である。
そして、夜、各国の大使達の打ち上げが終わった後で、カザトはなんとも言えない顔で寝たのであった。
執務室では上手く行ったと、細く笑むフェイクがいたが、とんでもない失敗をしたことを、まだ気がついてなかったのだが。
応援ありがとうございます!
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