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第5章 ついに始まった本当の戦い。
第50話 ガス国王再誕?知るか!こちらは忙しいんだよ!4
しおりを挟む少年は、その日からある船を作り出していた。
この村に来て20ヶ月目だ。
制作4ヶ月くらい。
宇宙航海に耐えられる宇宙艦を、ロボット達の助力を得て少年は作っていた。
義姉たちは、流れてくる難民の対応などで忙しくしている。
おかしい。
あの難民はおかしい。
なぜ、ここに村があると知っているのだ?
誰かが、意図的に情報を集める為に人を流している?
宇宙艦を、見えないように作る。
一応出来た。
そして、少年はあるエンジンを作りその宇宙艦に取り付けようとしていた。
あるエンジンにあるエネルギー発生機構。
それは、この世界にはある黒い炎が出る事象がある。
その黒い炎は、ある異世界から次元を超えて吹き出てきたもの。
そう、悪人の魂が焼かれる世界、地獄からの吹き出した炎。
その炎災害を逆手に、炎をエネルギーにしてパワープラント(エネルギー源)にしてしまおうとする、地獄炉である。
そして、そのパワーを使った次元高圧圧縮移動転移(スーパーワープ)エンジンだ。
そして、エンジンは既にできている。
だが、地獄炉だけはまだできていない。
地獄炉の理論は、間違って無いはずなのだが、何故か採取出来る炎は聖なる炎なのだ。
困ったな。
それが、少年の悩み。
急がないといけない。
巨人族(ギガンテス)達の動きが、おかしい。
巨人族(ギガンテス)は、他の異世界が衝突した時にこの世界にやって来た人種らしい。
しかし、内部分裂を起こしていた。
巨人族(ギガンテス)たちは、姿形はプレーンと呼ばれる少年達とほぼ同じなのだが、サイズが違う。
少年達プレーンは、大人平均身長180~150センチに対して、巨人族(ギガンテス)は、平均身長5メートル位である。
デカいのだ!
そして姿は同じだが、DNA配置や数も違う。
その巨人族(ギガンテス)は、滅びに瀕していた。
脳の容量がデカイので、プレーン人種よりも能力は高い。
だが、消費する食料が多い。
だから、巨人族の中に存続の為に、科学的改造を施して身体をミニチュア化した者達が出て来た。
小巨人族である。
その人種はある程度、成長すると成長を止めてそれ以上身体を大きくしないようにする。
大人達は、デカイ身体に薬剤を投入して、身体を縮めたらしい。
今、テレビで演説している[完璧な王女]様と言われている、どこかの王女は少年と同い年か、1つ違いなはずなのに20代の身体である。
何が、完璧な王女様だよ!と、欠陥品として捨てられた少年は、この王女の胡散臭さに辟易としていた。
その感覚は、村の者達全員が持っていた。
基本巨人族は、プレーン人種とは違い成長と、学習能力が高く5歳でプレーン人種の大学院卒業までの学習を終えてしまう。
そして、肉体年齢6歳の時に、プレーン人種の精神年齢30歳と同じになる。
理由は簡単だ。
生れてすぐに、大量の食料を消費する巨人族は、荒野の獣やモンスターに取って大きな、自分で判断がまだできない、逃げるのが遅い獲物なのだ。
だから、赤ん坊のハイハイ時間は2週間。
1歳児で、既に熊を狩れないと餓死する。
そんな環境に対応したから、プレーン人種とはかなり違った生態になったと言うのが、学者の出した答えだ。
そして、その自らの身体を改造した小巨人族が、同類の巨人族国家群(フロントバーレ諸国連合)と戦争して勝ったらしい。
そして、大国家の実権を掌握したのが[完璧な王女]らしい。
なんでも、不可能だと結論づけられていた事を成し遂げた結果、その力で同類の巨人族達との内紛を全て制圧したとのこと。
他の異世界組の国家連合もヤバイ。
自身を改造して、戦力アップなんて平気で言っている。
しかも、その国家担当の管理者神達が大幅に関与しているだと?!
無茶苦茶だ!と心で叫ぶ少年。
カザトも、そう思う。
はて?どこかで、似たような名前を聞いたことがあるような?
だが、そんなに情報を整理する時間なんてなかった。
10のデカイ国家連合が、大陸間魔導弾道ミサイルと、怪物と名付けられたバイオモービルスーツという改造細胞と特殊合金で作った戦闘ロボットを使う2大国家群に滅ぼされたのだ。
その滅ぼされた国々を吸収して、でかくなる宗教国家など、もう無茶苦茶だ。
なんとか生き残る選択肢を見つけるために、村長や、副村長の兄貴(義兄)は東奔西走している。
少年と、義姉・義兄達は相談して少年の作った未完成の宇宙艦を今の村の残存人口300人のうち、250人を使って試運転して村の設備や財産を月面基地へ運ぶ事にした。
少年と義姉妹達は村に残る事にした。
かなりの量の資料など、取り扱い注意のモノが多く、運んでいる時に襲われた事を想定しての決定だった。
副村長と少年が作っていた、宇宙移動要塞の部品とクリスタル演算機以外、全て無理矢理詰め込んで、宇宙艦は出航したのだ。
最後の別れではないはずなのにながれる涙。
少年の中にいるカザトも、嫌な予感しかなかった。
しかし嫌な予感とは、この世界全てにかかっており、この世界のどこにも安全な所なんてないので、当たり前と言えば当たり前なのだった。
村にルーフォ工房国家連合という、ドワーフの国から遣いがやって来た。
何かを確認しようと、村の中に入り込もうとする。
おかしい。
内容は、講話会議に出席するかどうかということだ。
出席しなかったらのデメリットを言うドワーフの遣い。
副村長代理の義姉が、まだ議論中だと言って、なんとか帰らせる。
嫌な予感しかしない。
そして、村長ポプランと副村長の兄(義兄)が帰ってきた。
かなりの勢力が、講話会議に出席すると言う事を決めているという。
この村はどうするか?
義姉達と相談して、義兄達は月面基地に村の9割の資材や財産を運んでいるというと、ホッとする村長。
やはり、おかしいと村長も思っていたらしい。
最後に残ったのが、副村長のアニイと作っていた移動要塞の部品だったのを、みんなで笑った。
議論して、講話会議に出席して時間稼ぎをすると言う村長。
講話会議の次の日に、村に戻ってきた宇宙艦に部品を載せて村そのものを引っ越しすることにした。
だが、その後の村の生活がある。
製造技術面でドワーフの協力がいる。
なので副村長の兄貴(義兄)はドワーフの国家連合に向かうことになった。
技術者の派遣を頼む事になる。
こうして、村移転は進んで行った。
だが、この後急展開があった。
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