リーフクエスト 

どら焼き

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14.領都ベラボーでは。3(主人公お休み)

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14.領都ベラボーでは。3(主人公お休み)


 クソ!早く見つけろ!早く!早く!

 怒鳴るのは、辺境伯ベラボー!
 [死出のダンジョン]が、攻略された!
 Sランクダンジョンの最下層には、王国の宝物庫にあったという、全ての状態異常を治して病に消すと言われるフルポーションなるものがあるという伝説がある。

 昔、隣の王国の国王が、不治の病にかかったすごい美女な妃の為に、SSランクのハンターパーティーに依頼して、このニャチム王国の王都の近くのSランクダンジョンを攻略させた事もある。
 まさに、このニャチム王国に対して煽り・挑発・牽制と実益をかね備えた一撃だったのだが、そのSランクのダンジョンを攻略した者が現れたのだ!

 絶対に配下にして、ダンジョンのお宝で病に倒れた国王に献上して、このクソド貧乏で隣国とずっと戦争が絶えない辺境から脱出してやる!

 配下にして、ダンジョンを攻略させてレアスキルを身につけて病の国王を治すことで、ランクアップして公爵になるのだ!
 全く!いくら領民を増やさせても、すぐに隣国との戦闘で死ぬから、いっこうに人口も増えない!

 やっとやってきたチャンスだ!
 部下に領地間の砦も閉鎖させた。

 だが、辺境伯にとって凶報も入ってきた。

 なに!第3王子がこの領都に来ているだと!
 そんな話は聞いていないぞ!
 なに?前に確かに報告した?ワシが聞いていないだけだと!
 オイ!今、失礼な事を言ったソイツを牢屋に入れろ!

 そ、それよりも!第3王子の王位継承争奪戦に、ワシに献上されるはずのフルポーションを使われたらまずい!ワシの辺境脱出計画が台無しだ!
 王位なんて知るか!ワシのこの領からの脱出が先だ!

 そして、血眼になって領軍はギルドマスターと攻略したハンターパーティーを探し出した。


 だが、ここで事態が動いた!
 震源地は、領都の昼から営業しているハンター向けの酒場だった。

 あ~ん?[死出のダンジョン]?
 あれ?最近、話題になったな?
 あ~、確かに話題になったぞ。
 攻略? そうだ!ガリズだ!
 ギルドマスターが、ランクアップの試験クエストに指定したとかだったかな?

 あれ?攻略されたの?マジ?
 あんなクソ生意気なガキのガリのやつが攻略していたのか?
 攻略されたのは本当なのか。
 ギルドマスターが、攻略のクエストを出していたらしいが、受付とガリの奴らが揉めていたぞ!

 伝言ゲームの如く、内容が真実と変わってしまった内容とごちゃ混ぜになって、発信された。

 そして、2日後。

 縛られたガリ、ゲリ、ボヘ、トトのガリズの面々とギルドマスターが第3王子ルテケザフ・ド・ニャチムの前にいた。

第3王子ルテケザフ・ド・ニャチム
「私が何を言いたいか、わかっているな。ダンジョンから出たポーションを出せ!
 さもないと殺す。一歩でも宿から出てみろ?
 王都からの殺し屋が、お前達を狙っているぞ。
 領軍に入って、一生こき使われるか?
 嫌だろ? 早く出せ!
 国王になったら、近衛騎士に取り立ててやる。
 王都ギルドマスターにもしてやろう。」

 とんでもない事になったぞ!
 ガリ達は、真っ青だ。ガリ達はギルドマスターに約束と違うと言ったが、無視された。
 その様子を見て、何かおかしいと思っていた王子達のもとにやってきたのは、ベラボー辺境伯自身。

 ガリ達の拠点のパーティーハウスとか、入院していた救護院も捜索されて、洗いざらいゲロさせられたガリ達は、取り調べてボコボコにされていた。

 ギルドマスターは、ずっと知らない知らないとしか言わない。
 辺境伯も、どうもおかしいと判断した。
 だが、それ以上の危機がこの領都にやってきているとの知らせのハト便がやってきたのだ。

 第3王子にポーションを手に入れさせてたまるか!
 王位を狙う、第1王女と第2王子がそれぞれ騎士団長を務める近衛第2、近衛第3騎士団を派遣したのだ。

 [死出のダンジョン]を攻略したSランクハンターパーティーと、そこから出たはずのお宝ポーションを巡って、これまで全く注目されていなかったベラボー領都に軍が集結しようとしていた。

 しかも、隣国にも噂はすでに知られてしまっており、スパイ商人も続々と入って来ていたのだ。

 

 
 
 

 
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