異世界勇者召喚失敗か？

第6章 日本防衛戦開始

第152話［幕間］逃げる者は犯人仲間の元に逃げる。

第152話［幕間］逃げる者は犯人仲間の元に逃げる。

　東京第27区から、（わざと）逃がされた女がいた。
　果蓮　杉名（かれん　すきな）。
　すぐに通っていた高校にタクシーを走らせる。

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「急げ！通行人なんてはねて、轢き殺せ！こちらの用事の方が、重要なのよ！」

　もう、この言動だけで分かるとんでも殺人鬼思考。
　いかに、頭領1の組織がとんでもないワルだという事がにじみ出てくる。

　ブーー！と警笛を鳴らす対向車に、後部座席の窓を開けて、パン！パン！と（ベレッタ）自動小銃を撃ち込むこの女。
　そして、乱射してトラックも無理やり停止させるこの女。

　大縁　増田（おおべ　ますた）が、（クソ女）！といっていたが、まさしくクソである。

　では、高校に何の為に行くのか？
　この女には、自分には切り札があると思っていた。

　それ（切り札）を使うつもりだ。
　頭領1は？
　あ～、すでに捕まったよ。そう…、なぜこれまでの美少女の仮面を脱いでまで、拳銃を乱射して高校に向かっているのか？
　ほぼ全滅したから。

　他の共犯者の一族はどうしているのか。
　自分の部下の陰陽師達に足止めさせて、逃げたしたのだが自分も必死に逃げたので、知らない。

　まさか、萌音野　彩花（もねの　さいか）の奴、すでに何の策を打ったのか知らないが、あそこまで余裕だとは…。

　キキー！とタクシーが止まる。検問だ！
　一族（と組織）の身分証を見せて突破する。
　急がないと！ヤツが追いかけてくる！
　その前に、切り札を使ってオオベを操って、私の為に戦わせねば！

　見えた！高校だ！
　しかし、すでにテレビ中継車とかで包囲されていた。
　マシンガンをバックパックから出して乱射する。
　
果蓮　杉名（かれん　すきな）
「気持ちいい～！」

　この殺人鬼め！と心で悪態をつくタクシードライバーだが、こいつも殺人鬼の［裏切り者］組のヤツらの一員だ。
　
　そのまま、校門の半壊していた門を破壊してタクシーは、学校に乗り込む。

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「おら！どけ！雑魚ども！」
　マシンガンのマガジンを取り替えて乱射しながら、目的の教室に向かうと（切り札）はいた。

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「おい！立て！行くぞ！」

　この女子高生だよ！こいつ！名前は知らん。だがマークはしていた。
　中学時代に時々こいつが、オオベがスマホ動画で出てくるのをよく見ていたから、一族にオオベ殺しをするための道具として見つけ出して、この学校に入れておいたのだ。

　さぁ、役に立つ時が来たのよ！
　あのオオベがニヤけていたから、こいつにゾッコンだと確証がある。
　他の共犯者の［裏切り者］達の末裔だという事もわかっているから、これを見せれば終わり！

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「これを見ろ！そして読みなさい。
　わかったわね、コレは指令よ！邪魔するヤツはすぐに処刑！」
　この少女の名はタクマというらしい。変ななまえだが、知るか！すぐに連れて行って、人質にしてオオベを操って、私が［裏切り者］だという汚名を消し去って、魔王討伐の立役者のなるのよ！
　
　廊下に出ると、教師どもが消火器ぶっかけて来た！
　このクソゴミどもが！撃ったら爆発した。
　なんとか、伏せてやり過ごす。
　ち！　粉塵爆発か？わからん。
　この少女も無理やり伏せさせたから、鼻血が出ていたが急がせる。

　クソ！バックパックからサブマシンガンを出して、乱射して突破するしか無い。我が覇道を邪魔するな！

　タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ！

　サブマシンガンを撃って、教室や廊下を血で赤く染めながら、なんとか外に出ると機動隊と自衛隊がいた。
　すぐに身分証を出す！

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「作戦、アンチ国家崩壊ケースその1だ。
　こいつで、オオベを操作する。急げ！早く、官邸に私とこいつを運べ！」

　ドン！　カラン！　ドン！　カラン！
　シュー！　シュー！

　機動隊が、催涙弾を撃ってきた。
　クソ！目が！　まさかコイツラ私の手柄を横取りするつもりだな。
　すぐに、移動を始めるしかないのだ。
　しかし、その時目に飛び込んで来たのは、毒ガスマスクを着た少女？

　あ、そう言えば、やけにおとなしいと思っていたが…。
　そして、その時に両腕が動かなくなった。
　斬られた？
　
タクマ
「お姉さん？僕の任務を良くも邪魔してくれな！」

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「何を言っている！オオベを操らないと、この世界は終わりだ！　」

タクマ
「僕の任務は、ゆぴるの暗殺によってオオベを自殺に追い込むことだった。」

果蓮　杉名（かれん　すきな）
「は？　お前の任務は、お前にゾッコンのなオオベを操ること！人質のフリして涙をを流して、我々の為に魔王を討伐させること！
　このグズが！オオベを殺してどうする？クズ！」

タクマ
「クズは、お前！　わたしの、いや、オレの任務は、オオベがファンになっていたアイドルの
ユピるを殺すこと！
　それが頭領2と頭領3と頭領4の合意内容。
　そして、封印を弱めるのが任務だったの！それを良くも邪魔してくれたな！
　まぁ、魔王様は復活された。変な騒ぎが起きたから、逃げられないじゃないか！
　死ね！」

　グサリ！　と、短剣が果蓮　杉名（かれん　すきな）の心臓に刺さるが、止まってしまう。
　ステータスの恩恵だ。一応鍛錬をしていたから、短剣は途中で止まってしまった。

　その会話も、全てテレビもネットの中継に、ガンマイクで拾われて、全世界に流れてしまった。

　催涙弾の煙が晴れた頃、［裏切り者］組の２人の額に咲く血の花。
　スナイパーによって銃殺された女装の暗殺者タクマ。

　しかし、額で潰れた弾丸を取って逃げる果蓮　杉名（かれん　すきな）！まだ生きていた。
　だが、そこに対戦車ロケット弾が飛んでくる。

　すぐに逃げ出した果蓮　杉名（かれん　すきな）は、オオベがファンだったのがユピるだった新事実に怒りながら、ユピるの所属していた、芸能事務所に向かうことになった。