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第二章 動き出す何か
第三十一話 離別した理由
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まだ、両手で頭を庇う様に抱えているロリ駄女神をジッと見る。
「お前、なんで俺を勇者に仕立てた」
「え……な、なんのことかな?」
俺はまだ惚けるロリ駄女神をジト目で見詰める。
「惚けるなら、それでもいいが俺も黙ってお前の手の平の上で踊る気はないぞ」
「……一つ聞いてもいいかな」
「なんだ?」
「どうして、分かったか聞いてもいい?」
「どうしてって、お前が付けてくれたアシスタントのお陰だな」
「あ~そういうことか。あの子は嘘が付けないからね~」
「そのことは後でじっくり聞いてやる。とりあえず、俺の質問に答えろ」
「分かったから、ソレをしまってよ」
俺が手遊びでパンパンと左手を叩いていたハリセンを指差してロリ駄女神はしまえと言う。よほどイタかったのだろうか。
俺がハリセンを消すと、ロリ駄女神はホッと安堵した表情になる。
「じゃあ、話すけど怒らないって約束してくれる?」
「今更か?」
「じゃあ、話さない!」
「なら、いい。殴り続けるだけだ」
そう言って、俺はハリセンを再び出すとロリ駄女神は「ごめんなさい」と頭を床に擦りつける。
「話すんだな?」
「はい、正直に話します。でも……」
「でも?」
「怒らないでください! お願いします」
「……まずは話して見ろ」
「ハァ~分かったわよ。話すから、話している間はソレは使わないでよ」
「分かった」
「じゃあ、話すね。あのね……」
ロリ駄女神こと女神イーシュは俺が出した筵の上に正座すると静かに話し出した。
俺を異世界にと転生させたのは、確かにタロの願いあってのことだった。だけど、これをチャンスだとも思ったこと。
今の女神イースが事実上治めるこの世界で再び自分が治める為には信仰心を集める必要があった。この信仰心を集める為に俺に勇者として活躍してもらい、女神イーシュへの信仰心を集めようと思ったことを話した。
ここまでイーシュの話を聞いて俺は少し目眩がした。
「そもそもだが、なんでお前は女神イースに、その立場を取って代わられてしまったんだ?」
「……言わないとダメ?」
「まあ、大体の想像は付くし、お墨付きももらったが本人の口から聞かないとな」
俺はそう言ってハリセンを右手に持つとパンパンと音が鳴る程度に左手を叩く。
「嘘を言えばどうなるか……分かるよな?」
「め、女神である私を脅すのか!」
「その女神様が嘘を付くんだから、手に負えなくなっているんだろうが!」
「ぐぬぬ……」
「いいから、さっさと話せよ」
「わ、分かった……」
ロリ駄女神イーシュが話した内容は俺が前に想像した通りだった。
命を創造したが『本能』としての『生きる力』が不足していた。このため、地上は命で溢れはしたが、すぐにその命が消えていった。減った分はイーシュが創造していたが、その内にその単純作業に嫌気がさしたのか、命が消えてもイーシュはただ寝ているだけで地上の命に対し無頓着になった。
これに対し我慢出来なかったのが、イーシュの下で働いていた従属神の女神イースだった。
イーシュが管理しないのなら、自分が管理すると他の従属神に宣言することで、イーシュの立場を簒奪することになったのだが、当のイーシュは惰眠を貪り続けていたので、そういうことが起きているとは思ってもいなかったそうだ。
そして、久々に起きた時に気紛れに地上の様子を見ると、そこにはそれぞれの生き物の生存本能、種族保存の本能に従って生きている生物で溢れていた。だが、その生物達は『生きる』為に他の生物と争い喰らっていた。
最早、それはイーシュが創造した世界ではなく殺伐とした光景がそこら中で展開されていたのだ。
イーシュはかつて部下だった女神イースにどういうつもりなのかと問い詰めた。すると、女神イースは涼やかな顔で「何が悪いのか」と逆に問うてきた。
イーシュは私が望んだ世界ではないと言えば、女神イースは「ただ生きて死ぬだけの命になんの意味がある」と返す。
イーシュが争いは破滅への始まりだと言えば「競争こそ生きる本能を刺激する」と言う。
イーシュが争いは何も生まないと言えば「争いと争いの間の何もない時間に生き物達は幸福を実感するのです」と言う。
イーシュが争いがなければずっと幸福でいられるだろうと言えば「争いがあるからこそ、生きている実感が得られ幸福感が得られるのです」と言う。
イーシュがそんな幸福は間違っていると言えば「生き物が生きるためには食べる必要がある。種族を守る為には子孫を残す必要がある。子孫が幸福に生きられるようにするために環境を守る必要がある。その為に生き物は考え、相手を愛し敬い、増えていくのです」と言う。
イーシュがそのままでは生き物が増えすぎるのではないかと言えば「ですから、生物の本能として他の生き物を喰らうのです」と言う。
イーシュがならば喰らわれる立場の生き物は滅亡するではないかと言えば「そうならないように食物連鎖の輪を構築しました。これで特定種が滅亡することを防ぎます」と言う。
イーシュが地上で人同士で争っているのを見て、同じ種族で争っているではないかと言えば「そういう争いばかりにならないように共通の敵となる魔族を用意しました」と言う。
イーシュはこれ以上何を言っても女神イースの考えは変わらないと思った。それどころか、女神イースは増えすぎた人種を減らす為に魔王による侵攻を考えていた。
イーシュはそれは女神として逸脱しているのではと言えば「ですから、私の邪な部分を抽出して『邪神イリス』として魔王を配下に治めさせました」と言う。
イーシュはそこまで聞いて女神イースが支配している空間から逃げ出すと別の空間に引き籠もった。
そして、その空間に俺の魂を咥えたタロの魂が迷い込んできたそうだ。
「お前、なんで俺を勇者に仕立てた」
「え……な、なんのことかな?」
俺はまだ惚けるロリ駄女神をジト目で見詰める。
「惚けるなら、それでもいいが俺も黙ってお前の手の平の上で踊る気はないぞ」
「……一つ聞いてもいいかな」
「なんだ?」
「どうして、分かったか聞いてもいい?」
「どうしてって、お前が付けてくれたアシスタントのお陰だな」
「あ~そういうことか。あの子は嘘が付けないからね~」
「そのことは後でじっくり聞いてやる。とりあえず、俺の質問に答えろ」
「分かったから、ソレをしまってよ」
俺が手遊びでパンパンと左手を叩いていたハリセンを指差してロリ駄女神はしまえと言う。よほどイタかったのだろうか。
俺がハリセンを消すと、ロリ駄女神はホッと安堵した表情になる。
「じゃあ、話すけど怒らないって約束してくれる?」
「今更か?」
「じゃあ、話さない!」
「なら、いい。殴り続けるだけだ」
そう言って、俺はハリセンを再び出すとロリ駄女神は「ごめんなさい」と頭を床に擦りつける。
「話すんだな?」
「はい、正直に話します。でも……」
「でも?」
「怒らないでください! お願いします」
「……まずは話して見ろ」
「ハァ~分かったわよ。話すから、話している間はソレは使わないでよ」
「分かった」
「じゃあ、話すね。あのね……」
ロリ駄女神こと女神イーシュは俺が出した筵の上に正座すると静かに話し出した。
俺を異世界にと転生させたのは、確かにタロの願いあってのことだった。だけど、これをチャンスだとも思ったこと。
今の女神イースが事実上治めるこの世界で再び自分が治める為には信仰心を集める必要があった。この信仰心を集める為に俺に勇者として活躍してもらい、女神イーシュへの信仰心を集めようと思ったことを話した。
ここまでイーシュの話を聞いて俺は少し目眩がした。
「そもそもだが、なんでお前は女神イースに、その立場を取って代わられてしまったんだ?」
「……言わないとダメ?」
「まあ、大体の想像は付くし、お墨付きももらったが本人の口から聞かないとな」
俺はそう言ってハリセンを右手に持つとパンパンと音が鳴る程度に左手を叩く。
「嘘を言えばどうなるか……分かるよな?」
「め、女神である私を脅すのか!」
「その女神様が嘘を付くんだから、手に負えなくなっているんだろうが!」
「ぐぬぬ……」
「いいから、さっさと話せよ」
「わ、分かった……」
ロリ駄女神イーシュが話した内容は俺が前に想像した通りだった。
命を創造したが『本能』としての『生きる力』が不足していた。このため、地上は命で溢れはしたが、すぐにその命が消えていった。減った分はイーシュが創造していたが、その内にその単純作業に嫌気がさしたのか、命が消えてもイーシュはただ寝ているだけで地上の命に対し無頓着になった。
これに対し我慢出来なかったのが、イーシュの下で働いていた従属神の女神イースだった。
イーシュが管理しないのなら、自分が管理すると他の従属神に宣言することで、イーシュの立場を簒奪することになったのだが、当のイーシュは惰眠を貪り続けていたので、そういうことが起きているとは思ってもいなかったそうだ。
そして、久々に起きた時に気紛れに地上の様子を見ると、そこにはそれぞれの生き物の生存本能、種族保存の本能に従って生きている生物で溢れていた。だが、その生物達は『生きる』為に他の生物と争い喰らっていた。
最早、それはイーシュが創造した世界ではなく殺伐とした光景がそこら中で展開されていたのだ。
イーシュはかつて部下だった女神イースにどういうつもりなのかと問い詰めた。すると、女神イースは涼やかな顔で「何が悪いのか」と逆に問うてきた。
イーシュは私が望んだ世界ではないと言えば、女神イースは「ただ生きて死ぬだけの命になんの意味がある」と返す。
イーシュが争いは破滅への始まりだと言えば「競争こそ生きる本能を刺激する」と言う。
イーシュが争いは何も生まないと言えば「争いと争いの間の何もない時間に生き物達は幸福を実感するのです」と言う。
イーシュが争いがなければずっと幸福でいられるだろうと言えば「争いがあるからこそ、生きている実感が得られ幸福感が得られるのです」と言う。
イーシュがそんな幸福は間違っていると言えば「生き物が生きるためには食べる必要がある。種族を守る為には子孫を残す必要がある。子孫が幸福に生きられるようにするために環境を守る必要がある。その為に生き物は考え、相手を愛し敬い、増えていくのです」と言う。
イーシュがそのままでは生き物が増えすぎるのではないかと言えば「ですから、生物の本能として他の生き物を喰らうのです」と言う。
イーシュがならば喰らわれる立場の生き物は滅亡するではないかと言えば「そうならないように食物連鎖の輪を構築しました。これで特定種が滅亡することを防ぎます」と言う。
イーシュが地上で人同士で争っているのを見て、同じ種族で争っているではないかと言えば「そういう争いばかりにならないように共通の敵となる魔族を用意しました」と言う。
イーシュはこれ以上何を言っても女神イースの考えは変わらないと思った。それどころか、女神イースは増えすぎた人種を減らす為に魔王による侵攻を考えていた。
イーシュはそれは女神として逸脱しているのではと言えば「ですから、私の邪な部分を抽出して『邪神イリス』として魔王を配下に治めさせました」と言う。
イーシュはそこまで聞いて女神イースが支配している空間から逃げ出すと別の空間に引き籠もった。
そして、その空間に俺の魂を咥えたタロの魂が迷い込んできたそうだ。
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