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第四章 ドンガ国
第七話 お祭り騒ぎしたい
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「……理由は?」
「兄上……」
「こちらへお願いします」とガイルさんを先頭に俺達が案内され通されたのは、多分だけど所謂『謁見の間』と思われる場所だ。
そして、そこへ通されるなり一段高い位置で豪華な椅子に座っているガイルさんと、そのガイルさんから睨み付けられているガイルさんの間で視線が交わされていたが、もし少年漫画であれば火花が飛び散っているに違いない。
今は壇上のガイルさん……多分、この人がガイルさんのお兄さんで王様なんだろうと思う。思うとしか言えないのは、まるで鏡写しのようにガイルさんが二人いるんだが、辛うじて壇上にいるのが王様でもあるお兄さんで、下にいるのがガイルさんなんだろうなとしか分からない。王様なら「国民は名札を付けるべし!」って号令出せないのかなとか考えてしまう。
で、ガイルさんのお兄さんでもある国王はガイルさんを見るなり「何しに帰って来た」と言い、ガイルさんはガイルさんで何も言わない。
「ガイルよ、殴り合いなら加勢しないでもないぞ」
「アオイよ。気持ちは嬉しいが今は大人しくしててくれ」
「そうだよ、アオイ。混戦になったらアオイはガイルさんの見分けがつかないよね」
「そんなことは……あるかもな」
「やっぱり……取り敢えず、この場はガイルさんにお任せして俺達は「行かせないぞ」……えぇ~」
ガイルさんと王様が睨み合っているとアオイが「喧嘩なら任せろ!」と突拍子もないことを言い出すから、俺は「どっちがガイルさんか分からないよね」と確認すれば、アオイは自身なさげにそうかもと言う。だから、俺もこんな争いには加担せずに大人しくしていようと、この場をガイルさんに丸投げしようと考えていたらガイルさんは俺の肩をガッシリと掴み「逃がさない」と言う。そして、やっと俺達のことに気付いたのか王様が俺達は何者だとガイルさんに問う。
「ガイルよ。その者達はなんだ? お前の手下か?」
「そんなんじゃない! こいつらは俺の仲間だ!」
「ふん! お前に仲間だと。そうか、仲間と一緒に俺を玉座から引き下ろすつもりか。ならば、保留になっていた試練を受けると言うのだな?」
「いや、そんなつもりは毛頭もない」
「そうか……これで俺も……ん? 今、試練は受けないと言ったのか?」
「ああ、そうだ。俺は、兄上の場所を横取りするつもりなど毛頭もない」
「……ガイルよ。聞き間違いじゃなければ、お前は試練を受けるつもりがないと言うのか?」
「兄上よ。俺はこの国を出る時にも言ったが、俺はその椅子にはなんの魅力も感じない。だから、試練を受けるつもりもないし、今更兄上の場所をどうこうしようという気持ちなどサラサラない」
「はぁ?」
「いや、ホントに興味無いし、兄上が頑張ってしていることに水を差すような真似はしたくない」
「……」
「兄上?」
「……ない」
「ん?」
「それだと国民が納得しない!」
「え?」
「お前はそれでいいかも知れない。だが、『鍛冶士として最上位の者が国を纏める』と言われて来て、今までそれを頑なに守って来た。なのにお前はそれをナシにするのか!」
「いや、兄上よ。そうは言うが、元から兄上しかいなかったと思えば難しい話ではないだろ。現に俺は、この国を出て随分経っている。そんな俺が今更兄上と競って王位に就こうとかおかしいだろ」
「俺が相手なら楽勝だと言うことか!」
「だから、そうじゃないって……コータ、どうにかならんか」
「いや、無理でしょ」
国王はガイルさんが仲間を連れて来たのなら、玉座を掛けた試練を受けるんだなとガイルさんに確認するが、ガイルさんはそんな気はないと一蹴する。だが、国王はそれだと国民が納得しないと憤慨するが肝心のガイルさんはそんなことはどうでもいいとどこか投げ遣りだ。だが、そんなガイルさんに国王がウザ絡みを止める気配がないため、ガイルさんも辟易し俺にどうにかならないかと言うが、そもそも俺は試練が何かということも分かっていないイチ部外者だ。そんな俺にどうしろと?
でも、ガイルさんはこのままじゃ話を進めることが出来ないため、困っている。ガイルさんと国王の問題が片付かないとカリナの車を作るどころか作業場所すら怪しくなりそうだ。なので、俺は少し意地悪な質問をしてみる。
「そもそもな話なんだけど、なんで鍛冶士としての能力が王様の椅子に直結するの? 統治能力と鍛冶士としての実務能力は別物でしょ?」
「「……」」
「いや、なんで二人とも黙るのさ」
「兄上は知っているのか?」
「知らん。ガイルはどうなんだ?」
「俺に聞くなよ」
「「……」」
俺が率直な質問を二人にすると二人は互いに「知っているか?」と確認するが、二人とも頭の上に『???』が一杯浮かんでいる。
「要は二人とも真相は知らないんだね」
「そうだな。兄上が知らないことを俺が知っている訳がない」
「……確かにそこの小僧がいう様に真相を知っているかと言われれば、俺も何も聞かされていない」
「と、言うことは纏めるとなんとなく形骸化している伝承だということなのかな」
「そうだな。『理由は分からないが昔からやっていることだから』っていうことだな」
「兄上がそうなら、俺が知っているハズもない。兄上よ、そんな試練に意味があると思うか?」
「……だが、そうは言ってもだな。試練自体が国民の祭りとして定着しているのも事実だ」
「ってことはガイルさんが試練を蹴ったことでこの国の人達は決まりかけていたお祭りをドタキャンされたことで怒っているということなの?」
「簡単に言えば、そうなるのか。だが、俺がこの国を出たのはもう五十年も前のことだぞ。なのに「待っているんだよ」……えぇ~」
「兄上……」
「こちらへお願いします」とガイルさんを先頭に俺達が案内され通されたのは、多分だけど所謂『謁見の間』と思われる場所だ。
そして、そこへ通されるなり一段高い位置で豪華な椅子に座っているガイルさんと、そのガイルさんから睨み付けられているガイルさんの間で視線が交わされていたが、もし少年漫画であれば火花が飛び散っているに違いない。
今は壇上のガイルさん……多分、この人がガイルさんのお兄さんで王様なんだろうと思う。思うとしか言えないのは、まるで鏡写しのようにガイルさんが二人いるんだが、辛うじて壇上にいるのが王様でもあるお兄さんで、下にいるのがガイルさんなんだろうなとしか分からない。王様なら「国民は名札を付けるべし!」って号令出せないのかなとか考えてしまう。
で、ガイルさんのお兄さんでもある国王はガイルさんを見るなり「何しに帰って来た」と言い、ガイルさんはガイルさんで何も言わない。
「ガイルよ、殴り合いなら加勢しないでもないぞ」
「アオイよ。気持ちは嬉しいが今は大人しくしててくれ」
「そうだよ、アオイ。混戦になったらアオイはガイルさんの見分けがつかないよね」
「そんなことは……あるかもな」
「やっぱり……取り敢えず、この場はガイルさんにお任せして俺達は「行かせないぞ」……えぇ~」
ガイルさんと王様が睨み合っているとアオイが「喧嘩なら任せろ!」と突拍子もないことを言い出すから、俺は「どっちがガイルさんか分からないよね」と確認すれば、アオイは自身なさげにそうかもと言う。だから、俺もこんな争いには加担せずに大人しくしていようと、この場をガイルさんに丸投げしようと考えていたらガイルさんは俺の肩をガッシリと掴み「逃がさない」と言う。そして、やっと俺達のことに気付いたのか王様が俺達は何者だとガイルさんに問う。
「ガイルよ。その者達はなんだ? お前の手下か?」
「そんなんじゃない! こいつらは俺の仲間だ!」
「ふん! お前に仲間だと。そうか、仲間と一緒に俺を玉座から引き下ろすつもりか。ならば、保留になっていた試練を受けると言うのだな?」
「いや、そんなつもりは毛頭もない」
「そうか……これで俺も……ん? 今、試練は受けないと言ったのか?」
「ああ、そうだ。俺は、兄上の場所を横取りするつもりなど毛頭もない」
「……ガイルよ。聞き間違いじゃなければ、お前は試練を受けるつもりがないと言うのか?」
「兄上よ。俺はこの国を出る時にも言ったが、俺はその椅子にはなんの魅力も感じない。だから、試練を受けるつもりもないし、今更兄上の場所をどうこうしようという気持ちなどサラサラない」
「はぁ?」
「いや、ホントに興味無いし、兄上が頑張ってしていることに水を差すような真似はしたくない」
「……」
「兄上?」
「……ない」
「ん?」
「それだと国民が納得しない!」
「え?」
「お前はそれでいいかも知れない。だが、『鍛冶士として最上位の者が国を纏める』と言われて来て、今までそれを頑なに守って来た。なのにお前はそれをナシにするのか!」
「いや、兄上よ。そうは言うが、元から兄上しかいなかったと思えば難しい話ではないだろ。現に俺は、この国を出て随分経っている。そんな俺が今更兄上と競って王位に就こうとかおかしいだろ」
「俺が相手なら楽勝だと言うことか!」
「だから、そうじゃないって……コータ、どうにかならんか」
「いや、無理でしょ」
国王はガイルさんが仲間を連れて来たのなら、玉座を掛けた試練を受けるんだなとガイルさんに確認するが、ガイルさんはそんな気はないと一蹴する。だが、国王はそれだと国民が納得しないと憤慨するが肝心のガイルさんはそんなことはどうでもいいとどこか投げ遣りだ。だが、そんなガイルさんに国王がウザ絡みを止める気配がないため、ガイルさんも辟易し俺にどうにかならないかと言うが、そもそも俺は試練が何かということも分かっていないイチ部外者だ。そんな俺にどうしろと?
でも、ガイルさんはこのままじゃ話を進めることが出来ないため、困っている。ガイルさんと国王の問題が片付かないとカリナの車を作るどころか作業場所すら怪しくなりそうだ。なので、俺は少し意地悪な質問をしてみる。
「そもそもな話なんだけど、なんで鍛冶士としての能力が王様の椅子に直結するの? 統治能力と鍛冶士としての実務能力は別物でしょ?」
「「……」」
「いや、なんで二人とも黙るのさ」
「兄上は知っているのか?」
「知らん。ガイルはどうなんだ?」
「俺に聞くなよ」
「「……」」
俺が率直な質問を二人にすると二人は互いに「知っているか?」と確認するが、二人とも頭の上に『???』が一杯浮かんでいる。
「要は二人とも真相は知らないんだね」
「そうだな。兄上が知らないことを俺が知っている訳がない」
「……確かにそこの小僧がいう様に真相を知っているかと言われれば、俺も何も聞かされていない」
「と、言うことは纏めるとなんとなく形骸化している伝承だということなのかな」
「そうだな。『理由は分からないが昔からやっていることだから』っていうことだな」
「兄上がそうなら、俺が知っているハズもない。兄上よ、そんな試練に意味があると思うか?」
「……だが、そうは言ってもだな。試練自体が国民の祭りとして定着しているのも事実だ」
「ってことはガイルさんが試練を蹴ったことでこの国の人達は決まりかけていたお祭りをドタキャンされたことで怒っているということなの?」
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