転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆閃きました

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ガンツさんがにやついているが、無視して話しかける。
「ねえ、アンジェさんは保育所にいるの?」
「ああ、この時間ならそうじゃな。どうした?」
「いや、お昼のお礼とアンジェさんのセニアカーも収納出来る様にしとこうかなと思って。」
「いかん!それはいかん。やめるんじゃ。」
「え~どうしてさ。」
「…が…なる。」
「え?」
「今、アンジェにネタバラシするような真似をしたら、明日驚かすことが出来なくなる。」
「何それ。ちっさ!」
「何を言うか!ワシらみたいに長年連れ添った夫婦にはサプライズが必要なんじゃ!」
「ず~っと忘れていたくせに。」
「うっ、それはそうじゃが…」
「まあ、いいよ。じゃ明日会った時にするから。それならいいの?」
「ああ、すまん。それでお願いする。」
「じゃあ今日はどうしようかな。中途半端になっちゃったな。」
「そうじゃな。」
「あ、そう言えば漁港を放ったらかしだった。」
「何じゃ、連絡しとらんのか?」
「そうだね、何だかんだで忘れていた?」
「いや、ワシに聞かれても分からんぞ。」
「まあいっか。今から行ってみるね。」
「そうか、ならワシも付き合おう。」
「いいよ、じゃ行くね。」
ゲートを漁協ビルの三階に繋ぐ。

ドアを開け「こんちは~クレイグさんいる~」と声を掛けると奥の方から声がした。
「は~い、ここだ。」
「クレイグさん、久しぶり。どう進み具合は?」
「ケイン君、久しぶり。今はこんな感じだけど、どうかな?」
クレイグさんの差し出したタブレットを確認するとほぼ埋まっていた。
「へ~結構埋まったね。」
「ああ、あの二人が頑張ってくれているよ。それにこう何て言うか、段々と埋まっていくのを見てるだけでも楽しくなるし。」
「うんうん分かる。見てるだけでも楽しいよね。」
「おお、ケイン君は分かってくれるか。あの二人は全然分かってくれなくてな。」
「え~こんな楽しいのにね。」
「それはあいつらが実働部隊だからじゃないのか?」
「ガンツさん、こういうのは自分でやると楽しさは倍だから。」
「そういうもんか。」
「「そういうもん!」」

「それでクレイグさんは何してたの?何か書いてた見たいだけど。」
「ああ、これか?」

クレイグさんが見せてくれたのは、魚のスケッチだった。
「もしかして図鑑作ってた?」
「そうだ。二人が取ってきた魚がどの位置で取れたかを魚の姿図と一緒に記録しているんだ。」
「へえ、すごいね。クレイグさんに任せてよかったよ。」
「そう言ってもらえると嬉しいな。」
「でも、一匹ずつ描いていくんじゃ大変だね。」
「ああ、絵を描くのは好きだから私は苦に感じないがな。」
「ちょっと他の方法がないか考えてみるよ。」
「ふふふ、ありがとう。お願いする。」
「じゃあ、また何かあったら連絡してね。」
「ああ、海図が埋め終わったら連絡する。」
「うん、待ってるね。」
漁港ビルから工房に戻る。

「ケイン、ああは言ってたが、何か策はあるのか?」
「うん、ちょっと考えてみるよ。」
監視カメラで画像は撮れるけど、印刷が出来ないんだよな。
これさえクリア出来ればデジカメ擬きが出来るのに。
「うん?別に印刷しなくても画像さえ記録出来て名前を付けて保管出来ればいいんじゃね?」
「お、その顔は何か思い付いたようじゃの。」
「まあね、ちょっと試してみるかな。」

まずは監視カメラを動画モードから静止画モードに改造し写真として保存出来る様にする。
「これでカメラはよしと。次はタブレットだな。」

タブレットにカメラの保存フォルダを用意して、サムネイルで撮った写真を表示させるようにして通し番号で表示される写真の名称を変更出来る様にした。

「これでよし。ガンツさ~ん、こっち!」
「ん、何じゃ?」と振り返ったガンツさんを撮ってみる。
『パシャ』と音がして、タブレットに今撮った画像が表示される。
「何じゃワシか。」
「そう。で、このファイル名を『ガンツ』と、ほら!これでこの写真がガンツさんだと分かるでしょ?」
「おお、これはいいな。ワシにも作ってくれるんじゃろ?」
「いいよ。まずはクレイグさん達の分を作ってからね。」
「あいよ。」

「後は写真に…を追加する様にして。よし、これでいいかな。じゃ、ガンツさんカメラとタブレットはここに置いていくね。俺は漁協にもう一度寄るから。明日は遅れない様にね。」
「ああ、分かった。ありがとうな。」
「クレイグさ~ん、いる?」
「何だいケイン君忘れ物?」
「はい、約束の物。」
「約束?さっき話していた出来るかもって言ってたヤツ?」
「そう、じゃ使い方を説明するから、後の二人にも説明してね。」
「あ、ああ分かった。俺にも出来るかな。」
「大丈夫、大丈夫。ほら、いいかな。これがカメラで、このタブレットで撮った画像は見られるから。」
「これがカメラでこっちのタブレットは分かるな。」
「じゃ、カメラの使い方からね。まず持ち方はどうでもいいけど、このレンズ部分は塞がないように注意してね。で、このレンズを対象の被写体に向けてシャッターを押す。」
クレイグさんに向けてシャッターを押すと『パシャ』と音がしてタブレットにクレイグさんの顔が映される。
「こんな感じだけど、どう?使えそうかな。」
「うわぁケイン君、君はとんでもないな。」
「俺のことはいいから。で、使えそう?」
「ああ、とんでもないな。これは。」
「後はこの画像に名前を付けることが出来るんだ。例えばさっき撮った写真のここを触ると名前の変更が出来るんだ。最初は通し番号だけどこれが『クレイグ』とほらね。」
「おお、これがあれば魚の画像管理が楽になる。」
「でしょ。だけどね一つ難点があってね。」
「難点?これに?こんな便利なのに?」
「そう、画像を映すだけで紙への転写が出来ないんだ。」
「何だ、そんなことか。」
「そんなこと?」
「だって、このタブレットがあればいつでも見られるんだろ?それなら、これを見れば誰でも魚の画像を描くことが出来るんだから問題にならないよ。難点なんてとんでもない。」
「ありがとうクレイグさん、そう言う風に考えればよかったんだ。難しく考えすぎていたかな。」
「ケイン君らしくないね。ふふふ。」
「ああ、後この画像には位置情報も取り込めるようになっているから、こういう風に海図と合わせると、ほらこうやって地図上に表示されるから。どうかな。」
「え、この俺の写真が指す場所って、ここの建物になってる?」
「そう、そう言うこと。」
「『どうかな』って最高じゃないか!素晴らしい!是非二人に使ってもらわないと。」
「よかった。気に入ってもらえたみたいね。じゃ二人にもよろしく!」
「ああ、ありがとう!」
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