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連載
◆衝撃でした
ドラゴさんが息を切らして、部屋の中へと入ってくる。
「今、店のヤツをあいつの所に行かせた。アイツのことだから、すぐにやってくるだろうから、話の続きは、しばらく待ってくれ」
ドラゴさんが息を切らしながら、そんなことを言い終えるとソファにぐったりと座る。
「アイツって、言うのはもしかして……」
「ああ、そうだ。マギーの……お前にとっては母親の親父だから、母方のじいさんってとこだな」
「ああ、そういうこと」
「お前、自分がどんだけぶっ飛んだことを言っているのか分かっているのか?」
「ドラゴよ。こいつはこういうヤツだ。今の内に慣れといた方がいいぞ。まだ、隠していることが山ほどあるからな。な、ケイン」
「ガンツさん、言い過ぎ!」
ドラゴさんの問いかけになぜかガンツさんが失礼な物言いで返す。
まあ、いいかと携帯電話を取り出し、父さんに繋ぐ。
「あ、父さん? 今? おじいさんの酒屋の部屋。うん、そう。で、父さんはまだお店? なら、兄さん達と家に帰ってもらえる? 無理? 大丈夫? ああ、分かった。なら、家に帰ったら折り返し連絡してね。は~い、分かった」
電話を切って、ドラゴさんを見ると口が大きく開いたままだった。
「ガンツさん、どうしたの?」
「どうしたもこうしたも、そんなもん、急に見せたらこうなるって分かりそうなもんだろうが!」
「そうかな?」
「ハァ~まあ、どっちみち分かることだろうが、順序ってもんがあるだろ」
「例えば?」
「例えば……う~ん、ないな」
「だよね~」
しばらくしてドラゴさんの意識が覚醒し、こっちを指差して、なにかを言おうとしたところで、部屋の扉が勢いよく開かれると、見たことがないおじさんが怒鳴りながら入ってくるが防音の魔道具のせいでなにを言っているのか分からない。
ドラゴさんがおじさんの腕を掴みソファに座らせるとやっと話が出来る様になる。
「で、ドラゴよ。娘絡みの急ぎの用と言うから来てみたが、いるのは子供と爺さんと犬だけじゃないか。娘は? マギーはどこにいるんだ?」
「まあ、落ち着け。ジュリアン」
「落ち着けだと! これが落ち着いていられるか! 娘のことだと言うから、急いで来たと言うのに」
「いいから、まずは、この子の話を聞いてくれ。この子の名はケイン。トミーとマギーの子だ」
「へ?」
「初めまして、ケインといいます。父さんの名はトミー、母さんの名はマギーと言います」
「な、何だと! 今、マギーと……マギーを母さんと言ったか?」
「だから、落ち着け。ほれ、ちゃんと座れ」
ジュリアンさんがソファから立ち上がりかけていたのをドラゴさんが抑える。
「ドラゴよ、お前はなぜ、そこまで落ち着いている! 場所が分かっているのなら、早く連れに行こうとは思わんのか!」
「いや、まだ場所は分かっとらん」
「なにやってんだ。ここに息子がいるんだから、聞き出せばいいじゃないか」
「だから、その前にジュリアンと一緒に聞いた方がいいと思って呼んだんじゃないか」
「そ、そうかスマン。ありがとうな」
「続きいいですか?」
「「ああ、頼む」」
「では……」
話の続きをと思ったが、携帯電話が着信を知らせてくる。多分父さんだろうな。受話ボタンを押して、電話に出る。
「もしもし、ケインです」
『ケインか。家に帰って、今リビングで母さんもサム達も一緒だ』
「じゃあ、そっちに行ってもいい?」
『ああ、親父達もいるんだろ。いいぞ、驚かせてやれ!』
「分かった。じゃ、一回切るね」
『ああ、待ってるぞ』
「お待たせしました」
電話を切って、ドラゴさん達を見ると、ドラゴさんはやれやれと言った感じで口を開けたままのジュリアンさんを見ている。
「え~父さん達の所へ案内するんで、ジュリアンさんを起こしてもらえますか?」
「分かった。ジュリアン、ほれ起きろ!」
「はっなんだ、さっきのは一体なんなんだ! おい、さっき誰と話していた!」
「誰って、父さんですけど?」
「あの男か~」
ジュリアンさんが激昂する。
「ドラゴさん、怒ってないって話じゃなかったんですか?」
「そうだったはずなんだけどな」
「まあ、いいです。お二人とも、今から父さん達の所へ案内しますが、気をしっかり保ってくださいね」
「「ん? どういうことだ?」」
「こういうことです」
言うが早いがゲートを家のリビングに繋ぐと、父さん達が立って出迎える。
「親父! 久しぶり!」
「お父さん、元気だった?」
ドラゴさんとジュリアンさんが、ゆっくりと俺の方を見る。
「どうしたんですか? ほら、早く向こうに行って下さい」
「ケイン、先に行くぞ。マサオ、お前も来い」
ガンツさんがお手本とばかりにマサオと一緒にゲートを潜って行く。
「親父、早くこっちへ」
「お父さんも」
「「あ、ああ」」
ようやく二人が、ゲートを潜ったので、俺も潜って閉じる。
家のリビングに連れて来られた二人はまだ、放心状態だったが、なんとかソファに座らせることが出来た。
「親父、ケインに話を聞いたときはまさかと思ったが、やっぱり親父だったんだな」
「トミー……そうだ! ケインだ。なんなんだ、あの子は」
「非道いな、仮にも親父の孫だぞ」
「そうかも知れないが、非常識すぎる!」
「そうだ! マギーもなんであんな子を」
「非道い! お父さんまでそんなことを言うの!」
「「だって……」」
「とにかく、俺とマギーはここで、子供達と元気にやっているから」
「子供達って、男ばっかり三人か」
「ふふん、俺は親父とは違うぜ。お袋は女の子が欲しいと願って、五人も産んだんだからな」
「なにが、俺と違うってんだ。まあ、三人しか子供がいないお前とは確かに違うがな」
「男ばっかりって、マギーなんで……」
「ふふふ、お義父様もお父さんも、誰が三人だけと言いました?」
「いや。言ってはいないな。だが、ここには三人だけだろ?」
「そうだぞ、マギー。三人しかいないじゃないか。しかも男ばかり」
「しょうがないな~ヘレンさん、連れてきても大丈夫かな?」
「短時間なら、いいぞ。ただ、そこの小汚いオヤジ共はキレイにしとけよケイン」
「汚いって失礼な婆さんだな」
「そうだぞ。私はこれでも「いいから、外から来たんだから、埃やなにかで汚れていてもおかしくはないだろ。文句は受け付けないよ、ほれケイン」……ぐっ」
「なんで、俺に言うかな~」
「つべこべ言わんとやれ」
ヘレンさんに名指しされ、祖父二人にクリーンを唱える。
「はい、終わり」
「「お前、今なにをした?」」
「なにって、『クリーン』じゃない」
「「魔法だと! 詠唱はどうした!」」
「なに言ってんの?」
「親父、落ち着けって。ケインはこうだから」
「そうよ、お父さんも見たんでしょ。今更よ、今更」
「トミー、お前なにを悟ってんだ?」
「そうだ、マギーお前もだよ」
「え~と、俺がなにか悪いことしたのかな?」
「「そうだ!」」
「「違う!」」
「え~と、どっち?」
「ケイン、お前はなにも間違っていないぞ。そのままでいいからな」
「そうよ、ケイン。あなたがしてきたことはなにも悪くないから」
「父さん、母さん」
『まあ、じいさん達が納得出来ないのもしょうがないよな』
「「……」」
『どうした、じいさん達。なにか珍しいもんでも見たか?』
「マサオ、なに普通に話してんのさ」
『なにって、もう家の中なんだしいいだろ』
「まあ、いいけど。自分でちゃんと説明してね」
『説明って誰にだよ?』
「そこで、マサオを不思議そうに見ているおじいさんにだよ」
『え~また俺が説明すんの。誰か代わってくれないの?』
マサオが説明をぐずっていると、母さんが双子の妹を父さんと一緒に抱えて戻ってくる。
「え~今度はなに?」
口を開けて呆けているおじいさん二人を見て母さんが口にして、俺を見る。
「俺じゃないよ。マサオがちょっと」
『ごめん、我慢出来ずに話しちゃった』
「まあ、マサオだものね」
「それはいいが、どうする?」
「どうするって、起こすしかないでしょ。私がお父さんを起こすから、父さんはお義父様をお願いね」
「分かった。ほら、親父しっかりして。ほら、女の孫だぞ。ほら、おじいちゃんだよ~」
「お父さん、もうしっかりしなさいよ。ほら、お父さんの孫ですよ」
「「孫!」」
孫をその手に抱かされ、覚醒する二人のおじいさん。
二人とも腕の中の赤ん坊の顔を見ると、揃って顔がニヤける。
「「おじいちゃんですよ~」」
「「ん、真似すんな!」」
二人して、デレデレになったところで時間だよとヘレンさんから言われると父さん、母さんが双子をおじいさん達から受け取り、寝室へと戻る。
「女の子、女の子が……」
「なんだ、気持ち悪いな。ドラゴ、ほら顔が崩れているぞ。シャンとしろ」
「ジュリアン、女ばかりだったお前には分からんさ。アイツにも見せてやりたかったな……」
「え、ドラゴさん。アイツって、もういないの?」
「親父、そうなのか! いつの話だ!」
寝室から戻ってきた父さんがドラゴさんを問い詰める。
「待て待て、なんの話だ?」
「だって、ドラゴさんがアイツにも見せたかったって……」
「ああ、そう言ったな」
「なら、やっぱりお袋は……」
「だから、なんの話だ?」
「なんのって、親父がアイツにもって言うから、お袋のことだと思うだろう」
「ああ、確かに母さんのことだな」
「なら、やっぱり」
「だから、死なすなよ。今も元気で暮らしているから」
「なら、なんであんな言い方を」
「だって、この場にいないだろ? それで『アイツにも見せたかった』って、つい呟いただけだろうが」
「「紛らわしい」」
そこへリーサさん達が帰って来る。
「「「ただいま~」」」
「あ、リーサさんお帰り~」
「おや、客人だったか」
「ん? エルフの娘か珍しいな。だが、どうしてここに?」
「ああ、親父。彼女はリーサさんと言って、ケインの婚約者だ」
「リーサだ。店主殿が親父と呼ぶなら、ケインの祖父殿か。初めましてリーサという」
「ケインの……婚約者……だと?」
「ああ、そうだ」
「ケイン、お前は一体いくつなんだ?」
「ドラゴさん、いきなりだね。俺は七歳で、もうすぐ……あれ? 今日って確か……俺の誕生日じゃん!」
「そうか、ケインは今日が誕生日か。なら、八歳になったんだな」
『ケインは今日が誕生日なんだ。おめでとう!』
「ありがとう、マサオ」
「しかし、困ったな。なにも用意出来ていないぞ」
「そんなことはいいよ」
「そうはいかない! すぐに用意するから!」
「待って! リーサさん、本当に今日はいいから、後で俺達兄弟分まとめてやろうよ」
「いや、だが、ケインのだけは……」
「なら、リーサさんと俺だけで別ってことでいいじゃない。ね?」
「ケイン……」
「リーサさん……」
『ああ、悪いがここでまぐわうのはやめてくれよ』
「「マサオ……」」
不意に携帯電話の着信音が鳴り出す。
「あ、セバス様だ。ごめんね。ちょっと電話に出るね。もしもし」
『ケイン様、王都のお屋敷に着きました。馬車と冷蔵庫の手配をお願いします』
「分かりました。では、港の倉庫街に着いたら、また連絡してもらっていいですか?」
『港ですか。それはどちらの?』
「ああ、そうでした。小さい方です。ドワーフタウンが見える方の」
『分かりました。それでは後ほど』
「はい、また」
電話を切り、父さん達の方に向き直る。
「セバス様からの用事で、また王都に戻るね。じゃ、ドラゴさん達も一緒に行こうか」
「もう行くのか。折角息子や孫に会えたと言うのに」
「そうだぞ。私も……」
「ああ、もう、じゃあはい」
携帯電話を二人に渡す。
「サム兄さんはドラゴさんに使い方を教えて。クリス兄さんはジュリアンさんにお願い」
「「分かった」」
「じゃ、俺はデューク様のお屋敷を先に済ませて来るから、その間にお願いね」
ゲートをお屋敷のお庭に繋ぐと厩舎へと向かう。
「あの子はなんなんだ。色んな魔法を無詠唱で使いこなして」
「それにこんな魔道具をホイホイと簡単に渡すなんて」
「親父、ケインは魔法の才能があるみたいなんだ」
「それに魔道具もね。これはケインが作ったのよ。使ってみれば便利さが分かるわ」
「魔道具か。そういや、俺が算盤を使っていたら、アイツが魔導計算機をくれたことがあってな」
「ああ、それ! 両方ともケインが作った物だよ」
クリス兄さんがドラゴさんにそう説明する。
「私も最近になって、ドワーフタウンという所から『ファスナー』という金具が付けられた洋服が回ってきて驚いたことがあったな。それ以来の衝撃だ」
「お父さん、それもあの子よ」
「はあ? マギー、お前なにを言っているのか分かっているのか?」
「その話なら、本当じゃよ。なんせファスナーはドワーフタウンのワシの工房で作っているからの」
「「はあ?」」
「今、店のヤツをあいつの所に行かせた。アイツのことだから、すぐにやってくるだろうから、話の続きは、しばらく待ってくれ」
ドラゴさんが息を切らしながら、そんなことを言い終えるとソファにぐったりと座る。
「アイツって、言うのはもしかして……」
「ああ、そうだ。マギーの……お前にとっては母親の親父だから、母方のじいさんってとこだな」
「ああ、そういうこと」
「お前、自分がどんだけぶっ飛んだことを言っているのか分かっているのか?」
「ドラゴよ。こいつはこういうヤツだ。今の内に慣れといた方がいいぞ。まだ、隠していることが山ほどあるからな。な、ケイン」
「ガンツさん、言い過ぎ!」
ドラゴさんの問いかけになぜかガンツさんが失礼な物言いで返す。
まあ、いいかと携帯電話を取り出し、父さんに繋ぐ。
「あ、父さん? 今? おじいさんの酒屋の部屋。うん、そう。で、父さんはまだお店? なら、兄さん達と家に帰ってもらえる? 無理? 大丈夫? ああ、分かった。なら、家に帰ったら折り返し連絡してね。は~い、分かった」
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「ガンツさん、どうしたの?」
「どうしたもこうしたも、そんなもん、急に見せたらこうなるって分かりそうなもんだろうが!」
「そうかな?」
「ハァ~まあ、どっちみち分かることだろうが、順序ってもんがあるだろ」
「例えば?」
「例えば……う~ん、ないな」
「だよね~」
しばらくしてドラゴさんの意識が覚醒し、こっちを指差して、なにかを言おうとしたところで、部屋の扉が勢いよく開かれると、見たことがないおじさんが怒鳴りながら入ってくるが防音の魔道具のせいでなにを言っているのか分からない。
ドラゴさんがおじさんの腕を掴みソファに座らせるとやっと話が出来る様になる。
「で、ドラゴよ。娘絡みの急ぎの用と言うから来てみたが、いるのは子供と爺さんと犬だけじゃないか。娘は? マギーはどこにいるんだ?」
「まあ、落ち着け。ジュリアン」
「落ち着けだと! これが落ち着いていられるか! 娘のことだと言うから、急いで来たと言うのに」
「いいから、まずは、この子の話を聞いてくれ。この子の名はケイン。トミーとマギーの子だ」
「へ?」
「初めまして、ケインといいます。父さんの名はトミー、母さんの名はマギーと言います」
「な、何だと! 今、マギーと……マギーを母さんと言ったか?」
「だから、落ち着け。ほれ、ちゃんと座れ」
ジュリアンさんがソファから立ち上がりかけていたのをドラゴさんが抑える。
「ドラゴよ、お前はなぜ、そこまで落ち着いている! 場所が分かっているのなら、早く連れに行こうとは思わんのか!」
「いや、まだ場所は分かっとらん」
「なにやってんだ。ここに息子がいるんだから、聞き出せばいいじゃないか」
「だから、その前にジュリアンと一緒に聞いた方がいいと思って呼んだんじゃないか」
「そ、そうかスマン。ありがとうな」
「続きいいですか?」
「「ああ、頼む」」
「では……」
話の続きをと思ったが、携帯電話が着信を知らせてくる。多分父さんだろうな。受話ボタンを押して、電話に出る。
「もしもし、ケインです」
『ケインか。家に帰って、今リビングで母さんもサム達も一緒だ』
「じゃあ、そっちに行ってもいい?」
『ああ、親父達もいるんだろ。いいぞ、驚かせてやれ!』
「分かった。じゃ、一回切るね」
『ああ、待ってるぞ』
「お待たせしました」
電話を切って、ドラゴさん達を見ると、ドラゴさんはやれやれと言った感じで口を開けたままのジュリアンさんを見ている。
「え~父さん達の所へ案内するんで、ジュリアンさんを起こしてもらえますか?」
「分かった。ジュリアン、ほれ起きろ!」
「はっなんだ、さっきのは一体なんなんだ! おい、さっき誰と話していた!」
「誰って、父さんですけど?」
「あの男か~」
ジュリアンさんが激昂する。
「ドラゴさん、怒ってないって話じゃなかったんですか?」
「そうだったはずなんだけどな」
「まあ、いいです。お二人とも、今から父さん達の所へ案内しますが、気をしっかり保ってくださいね」
「「ん? どういうことだ?」」
「こういうことです」
言うが早いがゲートを家のリビングに繋ぐと、父さん達が立って出迎える。
「親父! 久しぶり!」
「お父さん、元気だった?」
ドラゴさんとジュリアンさんが、ゆっくりと俺の方を見る。
「どうしたんですか? ほら、早く向こうに行って下さい」
「ケイン、先に行くぞ。マサオ、お前も来い」
ガンツさんがお手本とばかりにマサオと一緒にゲートを潜って行く。
「親父、早くこっちへ」
「お父さんも」
「「あ、ああ」」
ようやく二人が、ゲートを潜ったので、俺も潜って閉じる。
家のリビングに連れて来られた二人はまだ、放心状態だったが、なんとかソファに座らせることが出来た。
「親父、ケインに話を聞いたときはまさかと思ったが、やっぱり親父だったんだな」
「トミー……そうだ! ケインだ。なんなんだ、あの子は」
「非道いな、仮にも親父の孫だぞ」
「そうかも知れないが、非常識すぎる!」
「そうだ! マギーもなんであんな子を」
「非道い! お父さんまでそんなことを言うの!」
「「だって……」」
「とにかく、俺とマギーはここで、子供達と元気にやっているから」
「子供達って、男ばっかり三人か」
「ふふん、俺は親父とは違うぜ。お袋は女の子が欲しいと願って、五人も産んだんだからな」
「なにが、俺と違うってんだ。まあ、三人しか子供がいないお前とは確かに違うがな」
「男ばっかりって、マギーなんで……」
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「いや。言ってはいないな。だが、ここには三人だけだろ?」
「そうだぞ、マギー。三人しかいないじゃないか。しかも男ばかり」
「しょうがないな~ヘレンさん、連れてきても大丈夫かな?」
「短時間なら、いいぞ。ただ、そこの小汚いオヤジ共はキレイにしとけよケイン」
「汚いって失礼な婆さんだな」
「そうだぞ。私はこれでも「いいから、外から来たんだから、埃やなにかで汚れていてもおかしくはないだろ。文句は受け付けないよ、ほれケイン」……ぐっ」
「なんで、俺に言うかな~」
「つべこべ言わんとやれ」
ヘレンさんに名指しされ、祖父二人にクリーンを唱える。
「はい、終わり」
「「お前、今なにをした?」」
「なにって、『クリーン』じゃない」
「「魔法だと! 詠唱はどうした!」」
「なに言ってんの?」
「親父、落ち着けって。ケインはこうだから」
「そうよ、お父さんも見たんでしょ。今更よ、今更」
「トミー、お前なにを悟ってんだ?」
「そうだ、マギーお前もだよ」
「え~と、俺がなにか悪いことしたのかな?」
「「そうだ!」」
「「違う!」」
「え~と、どっち?」
「ケイン、お前はなにも間違っていないぞ。そのままでいいからな」
「そうよ、ケイン。あなたがしてきたことはなにも悪くないから」
「父さん、母さん」
『まあ、じいさん達が納得出来ないのもしょうがないよな』
「「……」」
『どうした、じいさん達。なにか珍しいもんでも見たか?』
「マサオ、なに普通に話してんのさ」
『なにって、もう家の中なんだしいいだろ』
「まあ、いいけど。自分でちゃんと説明してね」
『説明って誰にだよ?』
「そこで、マサオを不思議そうに見ているおじいさんにだよ」
『え~また俺が説明すんの。誰か代わってくれないの?』
マサオが説明をぐずっていると、母さんが双子の妹を父さんと一緒に抱えて戻ってくる。
「え~今度はなに?」
口を開けて呆けているおじいさん二人を見て母さんが口にして、俺を見る。
「俺じゃないよ。マサオがちょっと」
『ごめん、我慢出来ずに話しちゃった』
「まあ、マサオだものね」
「それはいいが、どうする?」
「どうするって、起こすしかないでしょ。私がお父さんを起こすから、父さんはお義父様をお願いね」
「分かった。ほら、親父しっかりして。ほら、女の孫だぞ。ほら、おじいちゃんだよ~」
「お父さん、もうしっかりしなさいよ。ほら、お父さんの孫ですよ」
「「孫!」」
孫をその手に抱かされ、覚醒する二人のおじいさん。
二人とも腕の中の赤ん坊の顔を見ると、揃って顔がニヤける。
「「おじいちゃんですよ~」」
「「ん、真似すんな!」」
二人して、デレデレになったところで時間だよとヘレンさんから言われると父さん、母さんが双子をおじいさん達から受け取り、寝室へと戻る。
「女の子、女の子が……」
「なんだ、気持ち悪いな。ドラゴ、ほら顔が崩れているぞ。シャンとしろ」
「ジュリアン、女ばかりだったお前には分からんさ。アイツにも見せてやりたかったな……」
「え、ドラゴさん。アイツって、もういないの?」
「親父、そうなのか! いつの話だ!」
寝室から戻ってきた父さんがドラゴさんを問い詰める。
「待て待て、なんの話だ?」
「だって、ドラゴさんがアイツにも見せたかったって……」
「ああ、そう言ったな」
「なら、やっぱりお袋は……」
「だから、なんの話だ?」
「なんのって、親父がアイツにもって言うから、お袋のことだと思うだろう」
「ああ、確かに母さんのことだな」
「なら、やっぱり」
「だから、死なすなよ。今も元気で暮らしているから」
「なら、なんであんな言い方を」
「だって、この場にいないだろ? それで『アイツにも見せたかった』って、つい呟いただけだろうが」
「「紛らわしい」」
そこへリーサさん達が帰って来る。
「「「ただいま~」」」
「あ、リーサさんお帰り~」
「おや、客人だったか」
「ん? エルフの娘か珍しいな。だが、どうしてここに?」
「ああ、親父。彼女はリーサさんと言って、ケインの婚約者だ」
「リーサだ。店主殿が親父と呼ぶなら、ケインの祖父殿か。初めましてリーサという」
「ケインの……婚約者……だと?」
「ああ、そうだ」
「ケイン、お前は一体いくつなんだ?」
「ドラゴさん、いきなりだね。俺は七歳で、もうすぐ……あれ? 今日って確か……俺の誕生日じゃん!」
「そうか、ケインは今日が誕生日か。なら、八歳になったんだな」
『ケインは今日が誕生日なんだ。おめでとう!』
「ありがとう、マサオ」
「しかし、困ったな。なにも用意出来ていないぞ」
「そんなことはいいよ」
「そうはいかない! すぐに用意するから!」
「待って! リーサさん、本当に今日はいいから、後で俺達兄弟分まとめてやろうよ」
「いや、だが、ケインのだけは……」
「なら、リーサさんと俺だけで別ってことでいいじゃない。ね?」
「ケイン……」
「リーサさん……」
『ああ、悪いがここでまぐわうのはやめてくれよ』
「「マサオ……」」
不意に携帯電話の着信音が鳴り出す。
「あ、セバス様だ。ごめんね。ちょっと電話に出るね。もしもし」
『ケイン様、王都のお屋敷に着きました。馬車と冷蔵庫の手配をお願いします』
「分かりました。では、港の倉庫街に着いたら、また連絡してもらっていいですか?」
『港ですか。それはどちらの?』
「ああ、そうでした。小さい方です。ドワーフタウンが見える方の」
『分かりました。それでは後ほど』
「はい、また」
電話を切り、父さん達の方に向き直る。
「セバス様からの用事で、また王都に戻るね。じゃ、ドラゴさん達も一緒に行こうか」
「もう行くのか。折角息子や孫に会えたと言うのに」
「そうだぞ。私も……」
「ああ、もう、じゃあはい」
携帯電話を二人に渡す。
「サム兄さんはドラゴさんに使い方を教えて。クリス兄さんはジュリアンさんにお願い」
「「分かった」」
「じゃ、俺はデューク様のお屋敷を先に済ませて来るから、その間にお願いね」
ゲートをお屋敷のお庭に繋ぐと厩舎へと向かう。
「あの子はなんなんだ。色んな魔法を無詠唱で使いこなして」
「それにこんな魔道具をホイホイと簡単に渡すなんて」
「親父、ケインは魔法の才能があるみたいなんだ」
「それに魔道具もね。これはケインが作ったのよ。使ってみれば便利さが分かるわ」
「魔道具か。そういや、俺が算盤を使っていたら、アイツが魔導計算機をくれたことがあってな」
「ああ、それ! 両方ともケインが作った物だよ」
クリス兄さんがドラゴさんにそう説明する。
「私も最近になって、ドワーフタウンという所から『ファスナー』という金具が付けられた洋服が回ってきて驚いたことがあったな。それ以来の衝撃だ」
「お父さん、それもあの子よ」
「はあ? マギー、お前なにを言っているのか分かっているのか?」
「その話なら、本当じゃよ。なんせファスナーはドワーフタウンのワシの工房で作っているからの」
「「はあ?」」
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周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
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大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ロール転生 ~異世界行ったらのんびりする
華翔誠異世界転生、それは人に役割を求める。
勇者だったり聖女だったり。
若者や異世界転生に夢を求める者は、役割を求めるだろう。
しかし社会に疲れた大人たちは、そうでもない。
何事もなくのんびり過ごしたいと思う者もいる。
これは社会の歯車になり若干女性に苦手意識を持っていた中年男性が異世界転生をする物語。
※第6回次世代ファンタジーカップ終了までお読みいただきありがとうございました。
続きは別コンテスト等での展開を検討しています。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。