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連載
◆盛況でした
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~とあるお屋敷の側の茂みで~
「おい、周りの様子はどうだ?」
「はい、見張りらしき者は見当たりません」
「そうか。で、目的の物はあったか?」
「はい、あの小屋の中に入れているようです」
「見張りはいないようだな」
「では、今から行きますか」
「待て、どうやら先客のようだ」
「あ! 先を越されましたか。では、我々はどうしますか?」
「構わん。このまま様子見だ。あいつらが持っていくのなら、それを後から奪えばいいし。失敗したのなら、その同じ轍を踏まなければいいだけの話だ」
「しかし、一度襲撃があったのなら、警備は厳重になるのでは?」
「普通ならな。だが、今の状態で誰も見張りらしき者もいないんだぞ。よっぽど自信があるんだろうさ」
「なるほど、そう言われれば納得出来ます」
「ああ、今は奴らのすることを見せてもらおう」
~その先客の話~
「頭、またすんなりと侵入出来ましたね」
「まあ、辺境からのお客さんらしいからな。疑うことを知らない平和な街か村から来たんだろうな。俺らにとっちゃ仕事がしやすいがな。ぼちぼち家の連中も寝静まった頃だろ。行くか」
「へい、しかし、こんな楽な仕事で金もらうのも気がひけますやね」
「ほう、お前はアガリは辞退するんだな」
「そ、そんな~」
「なら、今はこのヤマをしっかりとこなそうじゃないか」
「「「へい!」」」
賊らしき数人が車の方に近付きドアを開けようとする。
『ガンガン』
いくら強く引っ張ってもロックされているドアが開くことはない。
「なにやってんだ! 早くしろ!」
「開かないんですよ!」
「開かない? まさか、鍵がかかっているのか?」
「そう、思って鍵穴らしき物を探したんですけどね。それらしき穴も物も見当たらないんですよ」
「チッしょうがねぇ。なら、このバイクってのだけでも持って行こうじゃねえか」
「「「へい」」」
「よし、お前は後ろ、お前は右、お前は左、俺は前を持つ。いいか、『いっせ~の、せ』であげるぞ。いいか?」
「「「「いっせ~の、せ……」」」」
「「「「ぷはぁ」」」」
「「「上がりません!」」」
「なんでだ!」
「「「分かりません』』』
「あ~もう、しょうがねえ。今日は止めだ。引き上げるぞ!」
「「「へい!」」」
~また、お屋敷の側の茂みで~
「おい、あいつら、なにも持たないで出ていくぞ」
「はい。どうやら、車のドアも開けられず。バイクも持ち上げられなかったみたいですね」
「そうみたいだな。車のドアはなにかで、施錠されているんだろうな。普通の錠前破りじゃダメだな」
「なら、窓を破りますか? それなら鍵は内側からでも開けられるでしょう」
「だが、家の中に音が聞かれるかもしれんぞ」
「な~に、出て来た不幸な奴には、その場で寝て貰えばいいんでさ。永遠に」
「お前、悪い奴だな」
「いえいえ、リーダーほどでは……」
「「くくく……」」
リーダーと手下がひとしきり笑い合った後にリーダーが発する。
「行くか」
「「「「はい」」」」
一味が車の側にやって来る。
「どれ」
リーダーと呼ばれた男が車のドアに手を掛けるが、びくともしない。
「ふう、どうやら本当に鍵が掛かっているようだな。それに鍵穴らしき物も見当たらない。しょうがないな。よし、予定通りガラスを割るか。やってくれ」
「「「「はい」」」」
リーダーらしき男が車から離れると手下連中が手に獲物を持って、車のフロントガラス、サイドガラス目掛けて振り下ろす。
『ガン』『ドン』と音はするが、ガラスが割れる音はしない。
リーダーが手下達に発破をかける。
「もっと、力を込めてやれよ!」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ、行くぞ。せ~の……」
「「「はい!」」」
『ガン』『ドン』と音が鳴るだけで、車自体には傷一つ付けられない。
「リーダー。どうやら、魔術的な障壁が張られているようです」
「なら、その魔道具を外すなり、壊すなり、やり方はあるだろうが!」
「ですが、その魔道具もどこにあるのか見当もつきません」
「まさか、魔道具も車の中にあるってのか……」
「リーダー。そういうことであれば、俺達には手が出せません。この魔道具を外す道具なり、人を連れて来ないと……」
「あ~止めだ止めだ。今日は中止だ! 引き上げるぞ!」
「「「「はい……」」」」
「な~に、しょぼくれてんだ。まだ、こいつらはここに留まっているんだから、チャンスはいくらでもあるってもんだ。他の連中も手も足も出なかったみたいだしな。獲物は俺達が必ずもらう!」
「「「「はい!」」」」
「よし、今日は酒飲んで、憂さ晴らしだ!」
「「「「はい!」」」」
~とあるお屋敷の一室で~
「これで、五組目ですか。思ったより多かったですね。おや? また来ましたか。ハァ~いつになったらベッドに入れるのでしょうね」
不幸な集団が車に手を掛け、セバスの頭の中で警報が鳴る。
「ブレスレットからの警報が鳴りましたね。これで呪いが付与出来たと。では、もう面倒なので、ここは『警報』で散らしましょう。『ポチッ』とな」
セバスがあるボタンを押すと、車のクラクションが突然鳴り響く。
驚いたのは、なんとか持ち出そうとしていた集団と、その様子を周りで見ていた他の集団だ。
突然、鳴り響くクラクションに耳を押さえながら、お屋敷から脱出していく。
「これで、当分は静かになるでしょう。多少、撃ち漏らしもあるみたいですが、今夜は勘弁してもらいましょう。では、休むとしますか。ファ~ァ。おっと、いけませんね。気が緩んでしまいましたか」
不幸な集団と、周りで息を潜めていたのもついでに立ち去ったのを確認するとベッドへ入るセバス。
「明日、というかもう今日ですね。どんな仕打ちが待っているのでしょうね。おっと、いけません。楽しいことを考えると眠れなくなってしまいます。後の楽しみとしておきましょう」
ベッドの上で目を瞑り、今から起こるであろう『祭り』に心を躍らせるセバスだった。
「おい、周りの様子はどうだ?」
「はい、見張りらしき者は見当たりません」
「そうか。で、目的の物はあったか?」
「はい、あの小屋の中に入れているようです」
「見張りはいないようだな」
「では、今から行きますか」
「待て、どうやら先客のようだ」
「あ! 先を越されましたか。では、我々はどうしますか?」
「構わん。このまま様子見だ。あいつらが持っていくのなら、それを後から奪えばいいし。失敗したのなら、その同じ轍を踏まなければいいだけの話だ」
「しかし、一度襲撃があったのなら、警備は厳重になるのでは?」
「普通ならな。だが、今の状態で誰も見張りらしき者もいないんだぞ。よっぽど自信があるんだろうさ」
「なるほど、そう言われれば納得出来ます」
「ああ、今は奴らのすることを見せてもらおう」
~その先客の話~
「頭、またすんなりと侵入出来ましたね」
「まあ、辺境からのお客さんらしいからな。疑うことを知らない平和な街か村から来たんだろうな。俺らにとっちゃ仕事がしやすいがな。ぼちぼち家の連中も寝静まった頃だろ。行くか」
「へい、しかし、こんな楽な仕事で金もらうのも気がひけますやね」
「ほう、お前はアガリは辞退するんだな」
「そ、そんな~」
「なら、今はこのヤマをしっかりとこなそうじゃないか」
「「「へい!」」」
賊らしき数人が車の方に近付きドアを開けようとする。
『ガンガン』
いくら強く引っ張ってもロックされているドアが開くことはない。
「なにやってんだ! 早くしろ!」
「開かないんですよ!」
「開かない? まさか、鍵がかかっているのか?」
「そう、思って鍵穴らしき物を探したんですけどね。それらしき穴も物も見当たらないんですよ」
「チッしょうがねぇ。なら、このバイクってのだけでも持って行こうじゃねえか」
「「「へい」」」
「よし、お前は後ろ、お前は右、お前は左、俺は前を持つ。いいか、『いっせ~の、せ』であげるぞ。いいか?」
「「「「いっせ~の、せ……」」」」
「「「「ぷはぁ」」」」
「「「上がりません!」」」
「なんでだ!」
「「「分かりません』』』
「あ~もう、しょうがねえ。今日は止めだ。引き上げるぞ!」
「「「へい!」」」
~また、お屋敷の側の茂みで~
「おい、あいつら、なにも持たないで出ていくぞ」
「はい。どうやら、車のドアも開けられず。バイクも持ち上げられなかったみたいですね」
「そうみたいだな。車のドアはなにかで、施錠されているんだろうな。普通の錠前破りじゃダメだな」
「なら、窓を破りますか? それなら鍵は内側からでも開けられるでしょう」
「だが、家の中に音が聞かれるかもしれんぞ」
「な~に、出て来た不幸な奴には、その場で寝て貰えばいいんでさ。永遠に」
「お前、悪い奴だな」
「いえいえ、リーダーほどでは……」
「「くくく……」」
リーダーと手下がひとしきり笑い合った後にリーダーが発する。
「行くか」
「「「「はい」」」」
一味が車の側にやって来る。
「どれ」
リーダーと呼ばれた男が車のドアに手を掛けるが、びくともしない。
「ふう、どうやら本当に鍵が掛かっているようだな。それに鍵穴らしき物も見当たらない。しょうがないな。よし、予定通りガラスを割るか。やってくれ」
「「「「はい」」」」
リーダーらしき男が車から離れると手下連中が手に獲物を持って、車のフロントガラス、サイドガラス目掛けて振り下ろす。
『ガン』『ドン』と音はするが、ガラスが割れる音はしない。
リーダーが手下達に発破をかける。
「もっと、力を込めてやれよ!」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ、行くぞ。せ~の……」
「「「はい!」」」
『ガン』『ドン』と音が鳴るだけで、車自体には傷一つ付けられない。
「リーダー。どうやら、魔術的な障壁が張られているようです」
「なら、その魔道具を外すなり、壊すなり、やり方はあるだろうが!」
「ですが、その魔道具もどこにあるのか見当もつきません」
「まさか、魔道具も車の中にあるってのか……」
「リーダー。そういうことであれば、俺達には手が出せません。この魔道具を外す道具なり、人を連れて来ないと……」
「あ~止めだ止めだ。今日は中止だ! 引き上げるぞ!」
「「「「はい……」」」」
「な~に、しょぼくれてんだ。まだ、こいつらはここに留まっているんだから、チャンスはいくらでもあるってもんだ。他の連中も手も足も出なかったみたいだしな。獲物は俺達が必ずもらう!」
「「「「はい!」」」」
「よし、今日は酒飲んで、憂さ晴らしだ!」
「「「「はい!」」」」
~とあるお屋敷の一室で~
「これで、五組目ですか。思ったより多かったですね。おや? また来ましたか。ハァ~いつになったらベッドに入れるのでしょうね」
不幸な集団が車に手を掛け、セバスの頭の中で警報が鳴る。
「ブレスレットからの警報が鳴りましたね。これで呪いが付与出来たと。では、もう面倒なので、ここは『警報』で散らしましょう。『ポチッ』とな」
セバスがあるボタンを押すと、車のクラクションが突然鳴り響く。
驚いたのは、なんとか持ち出そうとしていた集団と、その様子を周りで見ていた他の集団だ。
突然、鳴り響くクラクションに耳を押さえながら、お屋敷から脱出していく。
「これで、当分は静かになるでしょう。多少、撃ち漏らしもあるみたいですが、今夜は勘弁してもらいましょう。では、休むとしますか。ファ~ァ。おっと、いけませんね。気が緩んでしまいましたか」
不幸な集団と、周りで息を潜めていたのもついでに立ち去ったのを確認するとベッドへ入るセバス。
「明日、というかもう今日ですね。どんな仕打ちが待っているのでしょうね。おっと、いけません。楽しいことを考えると眠れなくなってしまいます。後の楽しみとしておきましょう」
ベッドの上で目を瞑り、今から起こるであろう『祭り』に心を躍らせるセバスだった。
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