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◆祭りが開催されました
~お屋敷にて~
「セバスよ。昨夜と言うか夜中に大きな音が鳴ったようだが、なにかあったのか?」
「いえ、旦那様。賊を追い払うための警報が鳴っただけでございます」
「そうか、賊がな……って、なにかがあってるじゃねえか! なぜ、起こさない!」
「もう、終わった後でしたので。報告は朝からでも問題ないと判断しました」
「そこは、俺を呼ぼうよ~なに解決しちゃってるのさ」
「いえ、解決ではなく、賊が全て逃げましたので」
「なら、それこそ問題じゃねえか! なにをのんびりしてんだ! 早く衛兵に連絡しないとダメだろうが!」
「いえ、ちゃんと呪いの付与は確認出来ましたので、問題はないと判断しました」
「呪いってえと、ケインが言ってた例のアレか?」
「はい、昼前には見られると思います。出かけますか?」
「面白そうじゃねえか。よし、そうとなれば、朝飯食って準備万端で待機だな。で、ケインはどこに行けばいいと?」
「確か、人通りの多い場所を目指して、罪を告白しながら移動するそうなので、もし見かけたら後をついていくように家人に指示しております」
「そうか、ならここで連絡を待てばいいんだな」
「はい」
「ねえ、あなた。さっきからなにを言っているのか私達にはさっぱりなのですが」
「ああ、アリー達には言ってなかったな。ショーンお前は聞いていたんだから、説明出来るだろ。頼んだ」
「「ショーン、どういうこと?」
「ショーンおにいさま?」
デュークがそう言うと、それを聞いたアリー、エリーマリーがショーンを問い詰める。
「話す! 話しますから、離れて!」
「もう、どうしてショーンだけなの!」
「そうね、ショーンは腐っても今の所は正当な後継者なのだから、一緒に聞いていたのでしょうね」
どこか不満顔なエリーに母親であるアリーが言って聞かせる。
「なら、おかあさまのおなかのこはどうなるの?」
「あら、マリーはどうしたの?」
「だって、おかあさまのおなかのなかにはいるんでしょ?」
突然、マリーが意味不明なことを口走る。
アリーは身に覚えがあるが、だがまだそれが顕著に現れるのはもっと先のはずだと思い、マリーを少し問い詰める形となった。
「……マリー、あなたはなにを言っているんですか?」
「え~なんでマリーがおこられるの? わけわかんない!」
「マリー、私は怒ってないのよ。ただ、あなたが私のお腹の中にいるって言うから」
「だって、いるんだから! しょうがないじゃん! マリーのせいじゃないもん」
「そうね、誰と言えばあなたですわね」
「待て! アリー、それが本当だとして、それがなぜ俺のせいになるんだ。どちらかと言えば、お前がむりや「あなた! それをこの子達の前で言いますか!」……だから、お前が」
「もう、いいです。マリーごめんなさいね。怒っている訳じゃないのよ」
アリーがデュークとの会話を打ち切って、マリーと向かい会う。
「ねえ、マリー。お願いだから聞かせて。どうして、私のお腹の中にいると思ったの?」
「だって、おかあさまのおなかのなかに、もうひとつのまりょくをかんじたから。だからあかちゃんがいるとおもったの」
「そう、それで男の子か女の子か、どっちかは分かる?」
「それはわからない。まだまりょくしかかんじないから」
「そう、ありがとうね。あなた! すぐにお医者様を呼んでください」
「わ、分かった。セバス、頼む」
「はい、すぐに」
セバスが少し慌てながら、部屋の外へと小走りに駆けて行く。
「ねえ、もう話はいいのかな? 聞かなくてもいいの?」
「ショーン! お母様の話を聞いてなかったの? 私達の兄弟が出来たのよ。そっちの方が大事に決まっているでしょ! あなたの話は後よ、あと」
「そんな~折角……」
「ショーン、すまんな」
「父上……」
部屋の隅で小さくなる男達だった。
~お昼前のある家で~
「は~昨夜は仕事も中途半端だったな~どうすっかな~」
ベッドから下りて、洗面台で顔を洗い、口を濯ぎ、トイレへ向かいとモーニング・ルーティンをこなしながら、テーブルに着きお茶を飲む。
「さて、雇い主への報告書も書かないとな、気が進まないけど……」
テーブルの上で真っ白な紙と向かい合い、必死で言い訳を考えていると、不意に意識が朦朧とする。
「やめろ……俺は……なにを言おうとしているんだ」
男が見えないなにかと格闘するように頭を抱えながら「やめろ!やめてくれ!」と宙に向かって連呼する。
誰に言っているのかは分からない。それは部屋の中はさっきから呻いている、この男一人だけなのだから。
やがて、視線は定まらないまま、どこか宙を見つめたまま、ふらりと家の外へと出る。
そして、なにかを呟きながら、どこかへ向かって歩き出す。
「私は……様に言われて、シャルディーア辺境伯の車を運び出す様に指示されました。私は……」
どうやら、男は罪の内容を告白しながら歩いてどこかを目指しているように思える。
それと同時刻に同じ様になにかを呟きながら、ふらふらと歩く集団があちらこちらで目撃されるが、どうやら、その集団はそれぞれ別の場所で発生したが同じ方向を目指している様だった。
~また、お屋敷にて~
「セバス様、家人からの報告がありました。どうやら、個々の集団が中央広場を目指している様です」
「そうですか。では、衛兵に連絡をお願い出来ますか」
「それが、既に衛兵は動いており、告白している内容毎に集団をまとめている様です」
「おや、王様の方でも、早速動いてくれた様ですね。では、旦那様、こちらも参りましょうか」
「見たいが、ちょっと怖いな。皆んなして、俺の家を襲ったと言ってるんだろ」
「おそらくは……」
「もう、王が動いているのなら、こっちは手を出さずに呼び出しが来るまで待ってればいいんじゃねえか」
「それもそうですね。では、私はアリー様の診察の準備を進めさせますので」
「ああ、そうしてくれ。まさか、マリーにバレるとはな」
「おそらくですが、ケイン様の魔法の授業の成果だと」
「あ~そういや、魔力の流れとか言ってたな」
~中央広場にて~
「また、来たぞ。今度は誰だ?」
「私はヨレゴ男爵様に……」
「お~い、こいつはヨレゴ男爵だ。どこの列だ?」
「それは新顔です。新しく列を作るので、『仕分け待ち』の列に並べて下さい」
「分かったよ。ったく」
衛兵が罪を告白している男の両手、両足に縄を掛けると『仕分け待ち』の列に連れていく。
「またですか?」
「またかどうかは知らないが、『ヨレゴ男爵』の名前を口にしている」
「『ヨレゴ男爵』ですね。あ~まだありませんね。分かりました。では、こちらでお預かりしますので」
「ああ、よろしくな」
衛兵は男を受付に引き渡すと、また罪を告白しながら歩いている男に目を付け捕縛の用意をする。
「今度はいる奴にしてくれよ」
「私はドーラ侯爵様に……」
「今度は侯爵かよ。勘弁してくれよ……お~い、ドーラ侯爵の列はあるか?」
「ああ、それならあっちだ」
「ありがとうな。ほら、いくぞ」
男を連行しながら、横目に見るとまだ目が虚な集団がこっちを目指して来るのが見えた。
「もう、勘弁してくれよ~」
~王城にて~
「何だか広場が騒がしいらしいな」
「ええ、罪の告白大会の場とかしているようで、屋台も出てますし、ブックメーカーも出てきて単勝、複式、三連単までのオッズも出しているとか」
「ほ~盛り上がっている訳か」
「はい。それと名前が上がった貴族はもちろんですが他の貴族も、この王都からは出られないように各貴族には監視を付けております」
「そうか、今のところ誰が一番多いんだ?」
「そうですね、今は『ドーラ侯爵』でしょうか」
「ほう、アイツか。そつなく政務をこなす奴と思っていたが暗躍する部分もあった様じゃの」
「その様ですね。また、この祭りを見に来た連中の中にも急に罪を告白するのも現れたりするそうで、衛兵からは忙しすぎると不満も聞こえております」
「人手が足りんのなら、そこら中の人材を使えば良かろう。ただ、呆けている連中なら事務方でも相手出来るじゃろ」
「はっでは、その様に」
「ああ、しかし、思ったより後片付けが大変そうじゃな。デュークよ、礼はたっぷりとしてやるからな。待ってろよ」
「セバスよ。昨夜と言うか夜中に大きな音が鳴ったようだが、なにかあったのか?」
「いえ、旦那様。賊を追い払うための警報が鳴っただけでございます」
「そうか、賊がな……って、なにかがあってるじゃねえか! なぜ、起こさない!」
「もう、終わった後でしたので。報告は朝からでも問題ないと判断しました」
「そこは、俺を呼ぼうよ~なに解決しちゃってるのさ」
「いえ、解決ではなく、賊が全て逃げましたので」
「なら、それこそ問題じゃねえか! なにをのんびりしてんだ! 早く衛兵に連絡しないとダメだろうが!」
「いえ、ちゃんと呪いの付与は確認出来ましたので、問題はないと判断しました」
「呪いってえと、ケインが言ってた例のアレか?」
「はい、昼前には見られると思います。出かけますか?」
「面白そうじゃねえか。よし、そうとなれば、朝飯食って準備万端で待機だな。で、ケインはどこに行けばいいと?」
「確か、人通りの多い場所を目指して、罪を告白しながら移動するそうなので、もし見かけたら後をついていくように家人に指示しております」
「そうか、ならここで連絡を待てばいいんだな」
「はい」
「ねえ、あなた。さっきからなにを言っているのか私達にはさっぱりなのですが」
「ああ、アリー達には言ってなかったな。ショーンお前は聞いていたんだから、説明出来るだろ。頼んだ」
「「ショーン、どういうこと?」
「ショーンおにいさま?」
デュークがそう言うと、それを聞いたアリー、エリーマリーがショーンを問い詰める。
「話す! 話しますから、離れて!」
「もう、どうしてショーンだけなの!」
「そうね、ショーンは腐っても今の所は正当な後継者なのだから、一緒に聞いていたのでしょうね」
どこか不満顔なエリーに母親であるアリーが言って聞かせる。
「なら、おかあさまのおなかのこはどうなるの?」
「あら、マリーはどうしたの?」
「だって、おかあさまのおなかのなかにはいるんでしょ?」
突然、マリーが意味不明なことを口走る。
アリーは身に覚えがあるが、だがまだそれが顕著に現れるのはもっと先のはずだと思い、マリーを少し問い詰める形となった。
「……マリー、あなたはなにを言っているんですか?」
「え~なんでマリーがおこられるの? わけわかんない!」
「マリー、私は怒ってないのよ。ただ、あなたが私のお腹の中にいるって言うから」
「だって、いるんだから! しょうがないじゃん! マリーのせいじゃないもん」
「そうね、誰と言えばあなたですわね」
「待て! アリー、それが本当だとして、それがなぜ俺のせいになるんだ。どちらかと言えば、お前がむりや「あなた! それをこの子達の前で言いますか!」……だから、お前が」
「もう、いいです。マリーごめんなさいね。怒っている訳じゃないのよ」
アリーがデュークとの会話を打ち切って、マリーと向かい会う。
「ねえ、マリー。お願いだから聞かせて。どうして、私のお腹の中にいると思ったの?」
「だって、おかあさまのおなかのなかに、もうひとつのまりょくをかんじたから。だからあかちゃんがいるとおもったの」
「そう、それで男の子か女の子か、どっちかは分かる?」
「それはわからない。まだまりょくしかかんじないから」
「そう、ありがとうね。あなた! すぐにお医者様を呼んでください」
「わ、分かった。セバス、頼む」
「はい、すぐに」
セバスが少し慌てながら、部屋の外へと小走りに駆けて行く。
「ねえ、もう話はいいのかな? 聞かなくてもいいの?」
「ショーン! お母様の話を聞いてなかったの? 私達の兄弟が出来たのよ。そっちの方が大事に決まっているでしょ! あなたの話は後よ、あと」
「そんな~折角……」
「ショーン、すまんな」
「父上……」
部屋の隅で小さくなる男達だった。
~お昼前のある家で~
「は~昨夜は仕事も中途半端だったな~どうすっかな~」
ベッドから下りて、洗面台で顔を洗い、口を濯ぎ、トイレへ向かいとモーニング・ルーティンをこなしながら、テーブルに着きお茶を飲む。
「さて、雇い主への報告書も書かないとな、気が進まないけど……」
テーブルの上で真っ白な紙と向かい合い、必死で言い訳を考えていると、不意に意識が朦朧とする。
「やめろ……俺は……なにを言おうとしているんだ」
男が見えないなにかと格闘するように頭を抱えながら「やめろ!やめてくれ!」と宙に向かって連呼する。
誰に言っているのかは分からない。それは部屋の中はさっきから呻いている、この男一人だけなのだから。
やがて、視線は定まらないまま、どこか宙を見つめたまま、ふらりと家の外へと出る。
そして、なにかを呟きながら、どこかへ向かって歩き出す。
「私は……様に言われて、シャルディーア辺境伯の車を運び出す様に指示されました。私は……」
どうやら、男は罪の内容を告白しながら歩いてどこかを目指しているように思える。
それと同時刻に同じ様になにかを呟きながら、ふらふらと歩く集団があちらこちらで目撃されるが、どうやら、その集団はそれぞれ別の場所で発生したが同じ方向を目指している様だった。
~また、お屋敷にて~
「セバス様、家人からの報告がありました。どうやら、個々の集団が中央広場を目指している様です」
「そうですか。では、衛兵に連絡をお願い出来ますか」
「それが、既に衛兵は動いており、告白している内容毎に集団をまとめている様です」
「おや、王様の方でも、早速動いてくれた様ですね。では、旦那様、こちらも参りましょうか」
「見たいが、ちょっと怖いな。皆んなして、俺の家を襲ったと言ってるんだろ」
「おそらくは……」
「もう、王が動いているのなら、こっちは手を出さずに呼び出しが来るまで待ってればいいんじゃねえか」
「それもそうですね。では、私はアリー様の診察の準備を進めさせますので」
「ああ、そうしてくれ。まさか、マリーにバレるとはな」
「おそらくですが、ケイン様の魔法の授業の成果だと」
「あ~そういや、魔力の流れとか言ってたな」
~中央広場にて~
「また、来たぞ。今度は誰だ?」
「私はヨレゴ男爵様に……」
「お~い、こいつはヨレゴ男爵だ。どこの列だ?」
「それは新顔です。新しく列を作るので、『仕分け待ち』の列に並べて下さい」
「分かったよ。ったく」
衛兵が罪を告白している男の両手、両足に縄を掛けると『仕分け待ち』の列に連れていく。
「またですか?」
「またかどうかは知らないが、『ヨレゴ男爵』の名前を口にしている」
「『ヨレゴ男爵』ですね。あ~まだありませんね。分かりました。では、こちらでお預かりしますので」
「ああ、よろしくな」
衛兵は男を受付に引き渡すと、また罪を告白しながら歩いている男に目を付け捕縛の用意をする。
「今度はいる奴にしてくれよ」
「私はドーラ侯爵様に……」
「今度は侯爵かよ。勘弁してくれよ……お~い、ドーラ侯爵の列はあるか?」
「ああ、それならあっちだ」
「ありがとうな。ほら、いくぞ」
男を連行しながら、横目に見るとまだ目が虚な集団がこっちを目指して来るのが見えた。
「もう、勘弁してくれよ~」
~王城にて~
「何だか広場が騒がしいらしいな」
「ええ、罪の告白大会の場とかしているようで、屋台も出てますし、ブックメーカーも出てきて単勝、複式、三連単までのオッズも出しているとか」
「ほ~盛り上がっている訳か」
「はい。それと名前が上がった貴族はもちろんですが他の貴族も、この王都からは出られないように各貴族には監視を付けております」
「そうか、今のところ誰が一番多いんだ?」
「そうですね、今は『ドーラ侯爵』でしょうか」
「ほう、アイツか。そつなく政務をこなす奴と思っていたが暗躍する部分もあった様じゃの」
「その様ですね。また、この祭りを見に来た連中の中にも急に罪を告白するのも現れたりするそうで、衛兵からは忙しすぎると不満も聞こえております」
「人手が足りんのなら、そこら中の人材を使えば良かろう。ただ、呆けている連中なら事務方でも相手出来るじゃろ」
「はっでは、その様に」
「ああ、しかし、思ったより後片付けが大変そうじゃな。デュークよ、礼はたっぷりとしてやるからな。待ってろよ」
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。