381 / 468
連載
◆誰かいました
しおりを挟む
「言ってなかったか?」
「ああ、聞いてないぞ」
「そうか。これはな『飛行機』だ」
「え?」
「だから、飛行機の一種だ。ちなみにこれはジェットエンジン搭載のワシ専用機で『ホーク号』だ」
「ちょ、待てよ。ヒコウキ?」
「ああ、そうだ。そして今ワシ達がいるのはさっきの格納庫の五百メートル上空だ」
「あ? まさか。人を揶揄うのもいい加減にしろよ。ちょっと上に上がっただけだろ。どこから、五百メートルなんて」
「まあ、信じられないのはしょうがないな。正面だけ見ているんじゃ実感もないだろうからな。それじゃ、そこのモニターを見てろ」
「モニター? これのことか?」
「ああ、いいか。ちゃんと見てろよ」
イーガンに操縦席の間にあるモニターを見るように言うと、ガンツは機体底部のカメラの映像をモニターに映し出す。
「え? なんだこれ?」
「なんだはないだろ。さっきまでいた格納庫じゃないか」
「え? でも、そんな高く上がった様な気はしなかったぞ。せいぜい、この間のフリーフォールくらいだと思っていたんだけど……」
「お前な……お前も五百メートルと復唱しただろうが!」
「そうだけど、それは親父のノリに合わせただけと言うか……親父が病んでいるのなら、付き合わないといけないと思って……」
「ハァ~まだワシをチュウニビョウ扱いするのか。まあいい」
『プルル……プルル……』
「誰だ? こんな時に」
イーガンに可愛そうな人扱いされたガンツが呆れているところに携帯電話が鳴り出したので、受話ボタンを押し電話に出る。
「もしもし……なんだケインか」
『ケインか……じゃないでしょ。いつまでそこにいるの? 結構、目立つから早く上昇しなよ』
「ん? ワシはこの高さで行こうと思っていたんだが、ダメか?」
『ダメでしょ! その機体はエンジン音がうるさいんだから、もっと上に行かないとダメだよ。一万メートルくらいまで上がったら』
「やっぱり、そこまで上がらないとダメか?」
『ダメでしょ? それにそこまで上がれば下からじゃ視認も難しくなるし、音もそれほど気にならないだろうか最高速まで出せるんじゃない?』
「む、そうか。それもそうだな。よし、じゃあそうするか。イーガン、高度一万メートルまで上昇だ!」
「え?」
「え? じゃない。復唱!」
「は、はい。高度一万メートルまで上昇!」
「ケイン、ありがとうな」
『どういたしまして。頑張ってね!』
「ああ」
ケインとの通話を終えると機体はぐんぐん上がって行く。
「うわぁ、もうあんな小さくなって……それにこれは雲なのか?」
「下ばかり見てないでちゃんと計器を確認せんか!」
「あ、ゴメン」
ガンツに注意され、高度計を確認すると一万メートル近くまで上がっていた。
「そろそろいいじゃろ」
「はい」
イーガンがレバーの位置を中立に戻し機体を安定させる。
「それで、親父よ。ここからどこを目指すんだ?」
「そうだな。ここからじゃ他の里の位置関係が曖昧だな。一度、ドワーフの里まで行くか」
「分かった。で、どうやって?」
「それはな……」
ガンツが中央のモニターを操作すると自機の位置が三角マークで表示され、直線がドワーフの里の位置まで伸びている。
「なんだよ、コレ……」
「便利だろ。ケインが言うにはナビと言うらしい。この線から外れないように飛んで行けば、ドワーフの里に着くぞ」
「へぇ。これでねえ……」
「ほら、感心してないで行くぞ。出来れば今日中に回りたいんだからな」
「今日中って……」
「ほら、そんなことより、機体をドワーフの里の方向に向けるんだ」
「え? どうやって?」
「ん? まだ教えてなかったか。よし! じゃあ、今からワシがやることを見て覚えろ」
「わ、分かった」
「よし、行くぞ。右方向旋回!」
「右方向旋回!」
ガンツのすることを確認しながら、イーガンも同じ様に操縦桿を操作する。
「よし、これで位置は大体あったな。じゃあ、ここからが本番だ。いいか?」
「いいけど、何をするんだ?」
「何って、まだ進んでいないだろうが」
「あ、そうか。ただ上昇しただけだった」
「そういうことだ。ここからはお前がしろ。いいな?」
「あ、ああ。分かった!」
「じゃ、前進じゃ。スロットル全開!」
「え? あ、ああ。スロットル全開!」
『ドン!』と音を残して、ホーク号が勢いよく飛んでいく。
「お、親父……」
「気絶するなよ。お! もうすぐ着くぞ。スロットルを緩めるんだ」
「わ、分かった……」
体にのしかかるGに抵抗しながらなんとかスロットルを緩め、巡航速度を徐々に落とす。
「ほら、ドワーフの里が見えて来たぞ」
「えぇ~いくらなんでも……本当だ……十分も経っていないように感じるけど」
「転移ゲートでササッと来るのもいいが、やはり飛行機での空の旅もいいなぁ」
「それで、ここからはどうするんだ?」
「どうするって……ん? イーガン、下に誰かいるな」
「え? あ、本当だ。見た目はドワーフで間違いないみたいだけど、ここからじゃ分からないな」
「なら、降りてみるしかないか」
「分かった」
「よし、着陸!」
「着陸!」
イーガンがレバーを押し込み、ゆっくりと地表を目指して下降していく。
「ああ、聞いてないぞ」
「そうか。これはな『飛行機』だ」
「え?」
「だから、飛行機の一種だ。ちなみにこれはジェットエンジン搭載のワシ専用機で『ホーク号』だ」
「ちょ、待てよ。ヒコウキ?」
「ああ、そうだ。そして今ワシ達がいるのはさっきの格納庫の五百メートル上空だ」
「あ? まさか。人を揶揄うのもいい加減にしろよ。ちょっと上に上がっただけだろ。どこから、五百メートルなんて」
「まあ、信じられないのはしょうがないな。正面だけ見ているんじゃ実感もないだろうからな。それじゃ、そこのモニターを見てろ」
「モニター? これのことか?」
「ああ、いいか。ちゃんと見てろよ」
イーガンに操縦席の間にあるモニターを見るように言うと、ガンツは機体底部のカメラの映像をモニターに映し出す。
「え? なんだこれ?」
「なんだはないだろ。さっきまでいた格納庫じゃないか」
「え? でも、そんな高く上がった様な気はしなかったぞ。せいぜい、この間のフリーフォールくらいだと思っていたんだけど……」
「お前な……お前も五百メートルと復唱しただろうが!」
「そうだけど、それは親父のノリに合わせただけと言うか……親父が病んでいるのなら、付き合わないといけないと思って……」
「ハァ~まだワシをチュウニビョウ扱いするのか。まあいい」
『プルル……プルル……』
「誰だ? こんな時に」
イーガンに可愛そうな人扱いされたガンツが呆れているところに携帯電話が鳴り出したので、受話ボタンを押し電話に出る。
「もしもし……なんだケインか」
『ケインか……じゃないでしょ。いつまでそこにいるの? 結構、目立つから早く上昇しなよ』
「ん? ワシはこの高さで行こうと思っていたんだが、ダメか?」
『ダメでしょ! その機体はエンジン音がうるさいんだから、もっと上に行かないとダメだよ。一万メートルくらいまで上がったら』
「やっぱり、そこまで上がらないとダメか?」
『ダメでしょ? それにそこまで上がれば下からじゃ視認も難しくなるし、音もそれほど気にならないだろうか最高速まで出せるんじゃない?』
「む、そうか。それもそうだな。よし、じゃあそうするか。イーガン、高度一万メートルまで上昇だ!」
「え?」
「え? じゃない。復唱!」
「は、はい。高度一万メートルまで上昇!」
「ケイン、ありがとうな」
『どういたしまして。頑張ってね!』
「ああ」
ケインとの通話を終えると機体はぐんぐん上がって行く。
「うわぁ、もうあんな小さくなって……それにこれは雲なのか?」
「下ばかり見てないでちゃんと計器を確認せんか!」
「あ、ゴメン」
ガンツに注意され、高度計を確認すると一万メートル近くまで上がっていた。
「そろそろいいじゃろ」
「はい」
イーガンがレバーの位置を中立に戻し機体を安定させる。
「それで、親父よ。ここからどこを目指すんだ?」
「そうだな。ここからじゃ他の里の位置関係が曖昧だな。一度、ドワーフの里まで行くか」
「分かった。で、どうやって?」
「それはな……」
ガンツが中央のモニターを操作すると自機の位置が三角マークで表示され、直線がドワーフの里の位置まで伸びている。
「なんだよ、コレ……」
「便利だろ。ケインが言うにはナビと言うらしい。この線から外れないように飛んで行けば、ドワーフの里に着くぞ」
「へぇ。これでねえ……」
「ほら、感心してないで行くぞ。出来れば今日中に回りたいんだからな」
「今日中って……」
「ほら、そんなことより、機体をドワーフの里の方向に向けるんだ」
「え? どうやって?」
「ん? まだ教えてなかったか。よし! じゃあ、今からワシがやることを見て覚えろ」
「わ、分かった」
「よし、行くぞ。右方向旋回!」
「右方向旋回!」
ガンツのすることを確認しながら、イーガンも同じ様に操縦桿を操作する。
「よし、これで位置は大体あったな。じゃあ、ここからが本番だ。いいか?」
「いいけど、何をするんだ?」
「何って、まだ進んでいないだろうが」
「あ、そうか。ただ上昇しただけだった」
「そういうことだ。ここからはお前がしろ。いいな?」
「あ、ああ。分かった!」
「じゃ、前進じゃ。スロットル全開!」
「え? あ、ああ。スロットル全開!」
『ドン!』と音を残して、ホーク号が勢いよく飛んでいく。
「お、親父……」
「気絶するなよ。お! もうすぐ着くぞ。スロットルを緩めるんだ」
「わ、分かった……」
体にのしかかるGに抵抗しながらなんとかスロットルを緩め、巡航速度を徐々に落とす。
「ほら、ドワーフの里が見えて来たぞ」
「えぇ~いくらなんでも……本当だ……十分も経っていないように感じるけど」
「転移ゲートでササッと来るのもいいが、やはり飛行機での空の旅もいいなぁ」
「それで、ここからはどうするんだ?」
「どうするって……ん? イーガン、下に誰かいるな」
「え? あ、本当だ。見た目はドワーフで間違いないみたいだけど、ここからじゃ分からないな」
「なら、降りてみるしかないか」
「分かった」
「よし、着陸!」
「着陸!」
イーガンがレバーを押し込み、ゆっくりと地表を目指して下降していく。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。