このたび初恋詐欺にあいまして~憧れの先輩が義兄になりましたが、とんでもない毒兄でした~

久留茶

文字の大きさ
8 / 28
中学生編

8 体調不良の原因

しおりを挟む

    二学期が始まって数日後。
 
 その日千夜子は朝から何だか調子が悪かった。
 
 (身体が何だか重だるい……)
 
 午前中の授業は何とか受けることが出来た千夜子であったが、給食前にいよいよ貧血気味となり心配する純と理名に促され保健室へとやってきた。

「熱は37度ぴったり。風邪症状は無いようだけど、顔色が悪いみたいだから少し休んだら今日はもう帰りなさい。担任の先生とお家の人には連絡しておくから」
「はい、ありがとうございます」

 50代位の落ち着いた雰囲気の女性の保険医が労るように千夜子に家に帰るように勧め、千夜子も素直にその言葉に応じた。
 千夜子は割りと身体が丈夫な方で、このように保健室に世話になることは珍しく、夏休みからの環境の変化による疲労とストレスが溜まっていたのだろうかと千夜子は思った。
 
 保険医は再度千夜子をベッドに休ませると、担任に報告するため一旦保健室から姿を消した。

 一人保健室のベッドの上に取り残された千夜子は身体のだるさに目を閉じた。何もせず横になっていると徐々に下腹部に痛みを感じてきた。

 (あ、もしかしてこれって……)

 ガラリ――

 千夜子が休んでいると、唐突に保健室の扉が開かれた。保険医にしては乱暴な開け方に千夜子が思わず閉じていた目を開けた。
 そして、保健室に入ってきた意外な人物の姿を目にした千夜子は、思わず驚きの声を漏らした。

「藤森先輩……!? 」

 晃の姿に、横になっていた千夜子は慌ててベッドから上体を起こした。
 ベッドで休んでいた千夜子の姿を確認した晃は、心配するような素振りもなく千夜子に対して事務的な口調で容態を聞いてきた。

「具合悪いんだって? 」
「いや、……まぁ、はい。……あの、何で先輩がここに? 」

 晃の態度から、千夜子を心配するような様子は微塵も感じられず、千夜子は晃が何をしに保健室にきたのかを尋ねた。
 
「たまたま生徒会の用事で職員室にいたら、保険医が親父のクリニックにお前のこと連絡してるのが聞こえた」
「あ……」
「それで俺達のこと知ってるお前の担任が、わざわざ俺にもお前のこと報告しにきてくれて、何となく流れ的にここに来るしかなかったってわけ。あと、ついでに保険医からも伝言頼まれた。お前の母親、もう少ししたら迎え来るってさ」
「な、なるほど。よく分かりました。……とんだご迷惑をおかけしまして…… 」

 職員室からの流れで、不本意ながら保健室へとやって来た晃に対して、具合の悪い千夜子の方が何故だか謝罪の言葉を述べた。
 晃は千夜子の謝罪には答えず、千夜子の休むベッドの側までやって来ると、側に置いてあった椅子に無言のままドカリと腰を降ろした。
 
「え? 」

 用件を伝えたはずの晃が、千夜子の隣に居座る素振りを見せてきたので、思わず千夜子は戸惑いの声を上げた。

 (……き、気まずいな)

    自分を静かにじっと見つめる晃の視線に耐えきれなくなった千夜子は、内心の焦りを隠しつつ、遠慮がちに晃へ話し掛けた。

「あの、先輩? あと何か他に私に用事が……? 」 
「別に。わざわざここまで足を運んだんだし、もう少し苦しんでるお前の姿を見ていこうかと思って」
「ひぇ……」

 恐ろしいことをさらりと言ってのける晃に、千夜子は恐れおののいた。

 (やっぱり、この人悪魔か何かの生まれ変わりなんじゃ……。うん、きっとそうに違いない! )

、すっかり具合の悪さが吹き飛びました。もう苦しくも何ともないのでどうぞ教室にお戻り下さい! 」

 早く晃をこの場から追い返したくて、早口に千夜子が捲し立てる。

「あっそ」

 晃は千夜子の言葉を耳に流しながら、尚もじっと千夜子を見つめた。
 晃の目には千夜子の顔は未だに青ざめて見えた。
 具合が悪いながらも自分の前で強がる千夜子の態度に、晃は何故だか苛立ちを覚え、チッと舌打ちをした。

 (何で今舌打ちしたの!? )

 一層不機嫌さが増したような晃の様子に千夜子は大いに焦ったが、その直後――
 くらり、と再び千夜子は目眩に襲われ咄嗟に手で顔を覆った。

「――おい!? 」

 具合が悪化した千夜子の姿に反射的に晃は駆け寄ると、千夜子のか細い肩に手を添えた。

「す、すみません。何か目眩が……」
「いいから横になれよ。お前、顔真っ青だぞ」

 そう言うと、晃は千夜子を労るように優しくそっとベッドへと休ませた。

 目眩と同時にズキンズキンと下腹部の痛みが増していく。千夜子も晃に振り回されている余裕がなくなり、大人しく晃に言われるがままに横になる。
 痛みに歪む千夜子の目を覆うように晃の手がバンと乗せられた。

「な、何?」
「とにかく寝ろ」

 決して優しくはない物言いで晃が千夜子を寝かそうと無理矢理手で目を塞ぐ。恭とは違ってひんやりとする晃の手が今はほんのり微熱の千夜子には心地好い。いつしか千夜子はその手の熱に意識を移すとすーっと眠りに着いていた。


 * * *

 千夜子が眠っている間に多江が迎えに来てくれた。
 寝て起きたら大分貧血は良くなっていて、千夜子はそのまま多江と一緒に家に戻った。

 家に戻った千夜子はお手洗いに行くと、戻って来た際に微妙な表情で多江に告白した。

「……生理になったみたい」
「やっぱりそうか。そうだと思った。お赤飯炊こうか? 」
「絶対にやめて」

 初潮を迎えた娘に多江が冗談交じりにそう話す。
 最早家族は母と娘だけではないのだ。千夜子は速攻で多江の提案を拒否した。
 そんな嫌がる千夜子の様子に、「ふふ」と感慨深げ多江が優しく笑い声を漏らした。

「これからちゃこには身体の変化が色々と現れてくると思うから、何かあったらいつでも私に言ってね。今はお腹痛みはある? 明日の方が痛み辛いかもよ」
「お腹はちょっとまだ痛い。……生理痛ってこんななんだね。これが毎月来るのか。何だか怖いな」
「段々慣れてくるとは思うけど、無理はしないでね」
「うん」

 そんな会話をしていると、ふと千夜子は晃のことを思い出した。

「そう言えばお母さん来た時、お兄ちゃんはいた? 」
「晃君のこと? いなかったわよ?  晃君、ちゃこのこと心配で様子見に来てくれてたの? 」
「う、うん。そうみたい……」

『先生に言われて渋々来て、その腹いせに自分の苦しんでいる姿を見ていた』とは言えない千夜子は母親の誤解を訂正せずに頷いた。

「あんた達が仲良くしてくれていて本当に良かったわ。千夜子一人っ子だったし、兄妹は作ってやりたかったんだ」
「……そうなんだ」

 晃の外面の良さに騙されて二人の兄妹仲を疑わない母親に、千夜子は複雑な気持ちで曖昧な笑顔を浮かべた。


 * * *

 
「初潮が来たって? 」

 今夜は仕事を早退した多江がそのまま夕飯を作ってくれることになり、千夜子が授業の遅れを取り戻そうと自分の部屋で机に向かって勉強をしていると、ノックもなしに晃が部屋に入ってきた。
 
    デリカシーの欠片もない話を持ち出してきた晃に対し、千夜子はあんぐりと口を開け、顔を赤く染めると非難の目を向けた。
 晃はそんな千夜子の視線を無視すると、そのまま千夜子のベッドにどさりと腰を降ろした。
 最早思春期の千夜子への配慮は皆無な晃に、千夜子は倍になって返ってくる報復を恐れ、文句が言いたいところをぐっと堪えると、代わりに手にしていたシャーペンをぎゅっと強く握り締めた。
  
「どーりでお前ずっと乳臭いと思ってたんだ。マジで正真正銘お子様だったんだな」
「ちょっと、失礼じゃないですか? 」

 晃のあまりの言いように、堪えていた千夜子の怒りが再燃する。

「ま、でも今日で一歩大人の仲間入りした訳だろ。良かったじゃん、乳臭いお子様卒業出来て」
「だから言い方!! 」
「これで、恭もお前のこと女として見てくれるかもな」
「え? 何で神宮寺先輩の話に……? 」

 晃の口から次々に飛び出す予想外の内容に、千夜子は付いていくことが出来ずに眉根を寄せた。

「お前、この間の放課後、焼却炉で恭といちゃついてたろ? 」
「見てたんですか!?  いや、ていうか、いちゃついてなんてないし! 」
「じゃあ、何してた? 」
「先輩にいちいち言うことじゃない……」

 あの日の恭とのやり取りは正直千夜子にとっては心が痛んだ苦い記憶でもある。
 それはまさに今目の前にいる人物のせいであり、自分の傷をまたほじくり返すようなことは言いたくなかった。

「言えよ」

 しかし、そんな千夜子の気持ちを知らない晃は、執拗に恭とのやり取りを躍起になって聞いてきた。

「い、嫌です」

 強情な千夜子に焦れた晃はカッとなって、ベッドから立ち上がると、机の前に座っていた千夜子の腕を無理矢理引っ張りそのまま強引にベッドへと押し倒した。

「ひゃ! 」

 千夜子の中でいつかの光景が思い浮かび、軽い既視感を覚えた。

「お前、ついこの間迄俺に惚れてたんだよな?  それがもう恭に乗り換えかよ。 乳臭い女だと思ったらすげー尻軽で男好きのビッチだな」

 千夜子を腕の下に組み敷きながら、侮蔑と憎しみのこもった鋭い視線をぶつける晃に、千夜子はえも言われぬ恐怖を覚えたが、あまりにも理不尽過ぎる言われ様に、勇気を奮い起たせると千夜子は晃を睨み返しながら反論した。

「乗り換えてなんかいない! 神宮寺先輩は前に私が藤森先輩に贈った誕生日プレゼントを、藤森先輩から貰ったけど自分がそのまま貰っていいのかって、わざわざ私に確認に来てくれたんです。……藤森先輩、私のプレゼント神宮寺先輩にあげたんでしょ? 」

 千夜子の言葉に、千夜子の腕を押さえていた晃の手が身に覚えがあると肯定したように、ピクリと反応する。

「プレゼントすら受け取ってもらえない、義妹になっても奴隷扱い。いつも酷いこと言って、こんな風に一方的に力でねじ伏せられて。……こんなの家族じゃない。私、先輩の妹になんてなれないよっ……! 」 

 千夜子は晃の許しがたい言動と行為に、今迄溜まりに溜まっていた不満を全て晃へとぶちまけた。それでも晃は千夜子の腕を押さえたまま離れない。

 (――いい加減にして! )
 
 いよいよ千夜子の怒りが沸点まで到達する。
 千夜子は自由のきく足をバタつかせながら、思い付くままに晃へと悪態を吐いた。

「この毒兄! 鬼畜! 悪魔! もう、お腹痛いから離して! てか離せ! 」
「……恭が好きになった? 」

 そんな千夜子の怒り任せの幼稚な訴えをまるっと無視して、晃の目にスッと暗い影が落ちる。

「……そうじゃなくて、そんなこと言ってない。ついでに言うと前にも言ったけど、先輩には憧れていただけで、好きとかそんな恋愛感情は全然なくて……あ、そ、そうだ……っ!  」

 そう言って千夜子は何かを思い付いたように、押さえつけられている晃の腕から逃れようと、一層身体をバタつかせた。

「何だよ、暴れんな」
「ち、違う。見て欲しいものがあって……」
「見て欲しいもの? 」

 千夜子の言葉に、晃は訝しそうに手を緩めた。千夜子は素早く晃の腕から身体を捻って逃れると、本棚に沢山並んだ漫画本の一冊をさっと取り出し、晃の目の前にその漫画の表紙が見えるように掲げて見せた。

「この漫画の中の登場人物の一人。この表紙の人! 私の『推しキャラ』でヒロインが困っているといつも助けてくれている『ウィル』って名前の王子様キャラなの。すっごい格好良くて。ホラ、先輩にそっくりでしょ? 」
「は? 」

 突然少女漫画を取り出して勢い良く捲し立てる千夜子の姿に、晃が引き気味に顔をしかめる。

「中学校に入学して初めて先輩を見た時に、『ウィル』だ! ってビックリした。それからいつも先輩を目で追うようになって、勝手に私の中で現実の『ウィル』になってて……」
「…………」

 千夜子の話を晃が静かに聞いている。千夜子は言葉を続けた。

「勝手に先輩を『推し』にして、勝手に浮かれてファンになってごめんなさい。でも、もう自分がどんなに自分勝手で先輩に対して物凄く迷惑なことしたか分かったから。……だからもう、先輩に対する憧れの気持ちとかも全部消したから……」

 漫画本を大事そうに胸に抱えると、千夜子は晃を真正面から見つめて、感情が昂り、泣きそうになるのをぐっと堪えて懇願するように言葉を続けた。

「だからもう許して……」

 ドクリ――

 今にも泣き出しそうな千夜子に、晃の心が初めて音を立てて揺れた。
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団の異色男子 ジャスティン・レスターの意外なお話 矢代木の実(23歳) 借金地獄の元カレから身をひそめるため 友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ 今はネットカフェを放浪中 「もしかして、君って、家出少女??」 ある日、ビルの駐車場をうろついてたら 金髪のイケメンの外人さんに 声をかけられました 「寝るとこないないなら、俺ん家に来る? あ、俺は、ここの27階で働いてる ジャスティンって言うんだ」 「………あ、でも」 「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は… 女の子には興味はないから」

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

責任を取らなくていいので溺愛しないでください

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。 だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。 ※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。 ※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。

男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~

花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。  だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。  エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。  そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。 「やっと、あなたに復讐できる」 歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。  彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。 過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。 ※ムーンライトノベルにも掲載しております。

処理中です...