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第3話。
しおりを挟むうとうと、給食を食べた後はお腹が膨れて目蓋が重くなる。
よだれが教科書を濡らす。
ぱこん、と白いチョークが頭に当たった。
くすくすというクラスメイトの笑い声で僕は目を覚ました。
「俺の授業中、寝るとかいい根性しているな。宮本」
国語の先生の声はあきれている。この先生は厳しくて怖い先生である。不良グループの先生に一目を置かれていて、生徒が暴れている!と助けを求められて駆けつける。
都会だと厄介な親や生徒がいて、ネットでどうのこうの騒ぎになる可能性があるけど、僕がすんでいるところは時間が止まっている。
田舎、であるのだ。
「すみません。」
「お前はすみません、って謝るがまた同じことを繰り返すよな。」
「すみません。」
ほかに謝る言葉が分からない。
頭を下げてボソボソという小さな声で謝った。
これが謝罪をちゃんと求めている人の神経を逆撫でさせる。イライラさせる。
緊張して声がうまく出ないだけなのに。
笑い声、笑い声、笑い声。
僕を馬鹿にする笑い声。
僕もみんなと面白いね、楽しいねって、一緒になって笑いたい。
でも、僕はいつも笑われる側の人間だ。
恥ずかしさと悔しさで赤くなる顔をうつむいて僕は唇をかみしめた。
いつも僕は下をむいている。僕の顔を分かる人間はこの世にいないんじゃないだろうか。
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