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「これ、よかったら飲んで。あったかいものを飲むとほっとするんだよね、俺はだけど」
琉聖は自動販売機に行くとほうじ茶のHOTを硬貨を入れて迷いない指の動きで購入ボタンを押した。
「……ありがとうございます」
素直にお礼を言って受け取る。両手で持つとじんわりと熱が伝わって手のひらがあったかくなる。
一口、飲むとほうじ茶の昔ながらの人々から愛されてきた味が広がる。
若者なのに、モテモテなのに、人気者なのに、迷いなくほうじ茶を選ぶのが面白い。
百花は笑った。そして、琉聖を勝手に想像して嫌煙していた自分が恥ずかしくなってうつむいた。
スポットライトを浴びて、歓声をあげる彼が所属するバンドのファンたちに愛される熱気を作り出している人間。
でも、今はお兄ちゃんのお友達の琉聖君だ。
「ごめんなさい。電話番号登録してなかったの」
「なんで?ってきいてもいい?」
責めるような声ではなくて、優しく気持ちを問うような声。いいんだよ、と許している声だ。
琉聖は自動販売機に行くとほうじ茶のHOTを硬貨を入れて迷いない指の動きで購入ボタンを押した。
「……ありがとうございます」
素直にお礼を言って受け取る。両手で持つとじんわりと熱が伝わって手のひらがあったかくなる。
一口、飲むとほうじ茶の昔ながらの人々から愛されてきた味が広がる。
若者なのに、モテモテなのに、人気者なのに、迷いなくほうじ茶を選ぶのが面白い。
百花は笑った。そして、琉聖を勝手に想像して嫌煙していた自分が恥ずかしくなってうつむいた。
スポットライトを浴びて、歓声をあげる彼が所属するバンドのファンたちに愛される熱気を作り出している人間。
でも、今はお兄ちゃんのお友達の琉聖君だ。
「ごめんなさい。電話番号登録してなかったの」
「なんで?ってきいてもいい?」
責めるような声ではなくて、優しく気持ちを問うような声。いいんだよ、と許している声だ。
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