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第一章 ナッツ
第十四羽、ぴんぽーん、と。
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何とかお客人を招き入れられるようなギリギリ最低ラインの部屋になった。ふう、と同時に額の汗を手の甲で拭いた。
「さあさあ、ナッツさん、お茶でも一杯」
「あう、かかちてない」
ミリルは冷蔵庫から冷たい麦茶をグラスに注いだ。キンキンに冷えた麦茶を仲良く啜る。部屋を掃除して前より何だか親子の絆が更に深まったような気がする。ぴんぽーん、と来客を知らせるインターホンが鳴った。ミリルはスッと竹刀を持ち立ち上がる。
「……」
ドアを開ける。一瞬、堅物サラリーマンの姿が見えた。なんだ、セールスマンかと思い残りの麦茶を啜った時、ミリルの怒鳴り声が部屋に響いた。
「どの面下げて来やがった!出ていけ!馬鹿野郎!」
「ミリルさん、落ち着いて下さい!」
あれ?さっきの乙女のような顔はどうした?ナッツは丸い目を更に丸めてその地獄画図のような光景を呆然と見つめた。
ミリルの竹刀を通勤鞄で受け止めるサラリーマン戦士。
ぐぐぐ、とミリルは力を入れる。元スケバンらしく、竹刀がよく似合っていた。鉄パイプではないところから見れば、一応命まで取るつもりはないらしい。
「さあさあ、ナッツさん、お茶でも一杯」
「あう、かかちてない」
ミリルは冷蔵庫から冷たい麦茶をグラスに注いだ。キンキンに冷えた麦茶を仲良く啜る。部屋を掃除して前より何だか親子の絆が更に深まったような気がする。ぴんぽーん、と来客を知らせるインターホンが鳴った。ミリルはスッと竹刀を持ち立ち上がる。
「……」
ドアを開ける。一瞬、堅物サラリーマンの姿が見えた。なんだ、セールスマンかと思い残りの麦茶を啜った時、ミリルの怒鳴り声が部屋に響いた。
「どの面下げて来やがった!出ていけ!馬鹿野郎!」
「ミリルさん、落ち着いて下さい!」
あれ?さっきの乙女のような顔はどうした?ナッツは丸い目を更に丸めてその地獄画図のような光景を呆然と見つめた。
ミリルの竹刀を通勤鞄で受け止めるサラリーマン戦士。
ぐぐぐ、とミリルは力を入れる。元スケバンらしく、竹刀がよく似合っていた。鉄パイプではないところから見れば、一応命まで取るつもりはないらしい。
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