30 / 81
第30話 ワッツ伯爵家
しおりを挟む
「きゃっ!」
リアは気付いたらイーリスの下敷きになっていた。
「リア、大丈夫か?」
イーリスはむくりと起き上がり、リアに手を伸ばした。
「あいたたた・・・」
イーリスのお尻の下敷きになった左腕をさすりつつ、リアは涙目になった。
「腕に内出血が出来てる。手、動かせる?」
イーリスに聞かれ、ひじから先を上げたり下げたりした。
そして次に、手のひらを握ったり、開いたりしてみた。
「うん。大丈夫。打ち身だけだと思う。」
イオも血相を変えて走ってきた。
「すまん。大丈夫か?」
本当に申し訳なさそうに、大きな身体を縮めているイオを見て、リアは笑った。
「大丈夫です。気にしないで下さい。近くで見ていた私も悪いんです。」
「イーリス。早めに冷やして湿布してあげなよ。」
イルに言われ、イーリスが頷いた。
「リア、私の部屋へ行こう。処置がすんだらお昼ご飯にしようか。」
イーリスの言葉に兄たちも頷いた。
「イオ兄さん。そんな落ち込まないで。ちょっと力んじゃっただけでしょう。兄さんたちも、着替えたら食堂集合ね。」
イーリスはしょんぼりしている兄に声をかけた。
イルがイオの肩をポンポン軽くたたいて連れて行くのを見て、リアたちもイーリスの部屋へと向かったのだった。
※
イーリスの部屋で汗を拭き、制服に着替えたあと、湿布をはって包帯を巻いてもらった。
「リア、髪の毛もぐちゃぐちゃだよ。結びなおした方がいい。」
イーリスに指摘され、リアは鏡を見た。
「ほんとだ。三つ編みは時間かかるし、イーリスみたいにポニーテールにしてみるわ。」
リアはブラシで髪をとかすと、高い位置で一つにくくり直した。
イーリスは鏡台の方へ行くと、青いリボンを取り出してきた。
「これ、誕生日にイル兄さんから貰ったんだけど、同じのが2本あるんだ。私はいつもこの髪型で、1本しか使わないから、こっちをリアにあげるよ。」
そう言って、リボンをポニーテールの上から結んでくれた。
「せっかくお兄さんにもらったものなのにいいの?」
「うん、大丈夫。友達とお揃いっていうのもいいかなって思ったんだ。」
「ありがとう!綺麗な色だね。」
「私の瞳の色に合わせたって言ってた。」
「そんな大切な物なのに、ありがとう。大事にするね。」
「どういたしまして。じゃあ、食堂に行こう。午後は兄さんたちの練習を見たらいい。もっと迫力があって面白いと思うよ。」
※
ワッツ家の食事風景は壮観だった。
とにかく量が多い。
リアは目の前に置かれた大量の肉料理を見ておののいた。
胃が破裂しそうな量だった。
これ、全部食べれるかな?
およばれでご馳走してもらったのに、ご飯残すのって失礼だよね・・・
目の前の肉を悩まし気にじっと見つめていると、隣に座ったイオが話しかけてきた。
「リア、食えるだけでいいぞ。残した分は俺が食ってやる。」
「ほんとですか?ありがとうございます。」
リアはパッと笑顔になってイオの方を見た。
うぐっ
リアを見て顔を赤くしているイオに、家族全員が同じことを考えた。
イオ兄さん、うちで一番でかくて厳ついくせに、昔から小さくて可愛いものが好きだったからなあ。
イルは肉を頬張りながら、興味津々に次兄とリアのやり取りを見ていたのだった。
リアは気付いたらイーリスの下敷きになっていた。
「リア、大丈夫か?」
イーリスはむくりと起き上がり、リアに手を伸ばした。
「あいたたた・・・」
イーリスのお尻の下敷きになった左腕をさすりつつ、リアは涙目になった。
「腕に内出血が出来てる。手、動かせる?」
イーリスに聞かれ、ひじから先を上げたり下げたりした。
そして次に、手のひらを握ったり、開いたりしてみた。
「うん。大丈夫。打ち身だけだと思う。」
イオも血相を変えて走ってきた。
「すまん。大丈夫か?」
本当に申し訳なさそうに、大きな身体を縮めているイオを見て、リアは笑った。
「大丈夫です。気にしないで下さい。近くで見ていた私も悪いんです。」
「イーリス。早めに冷やして湿布してあげなよ。」
イルに言われ、イーリスが頷いた。
「リア、私の部屋へ行こう。処置がすんだらお昼ご飯にしようか。」
イーリスの言葉に兄たちも頷いた。
「イオ兄さん。そんな落ち込まないで。ちょっと力んじゃっただけでしょう。兄さんたちも、着替えたら食堂集合ね。」
イーリスはしょんぼりしている兄に声をかけた。
イルがイオの肩をポンポン軽くたたいて連れて行くのを見て、リアたちもイーリスの部屋へと向かったのだった。
※
イーリスの部屋で汗を拭き、制服に着替えたあと、湿布をはって包帯を巻いてもらった。
「リア、髪の毛もぐちゃぐちゃだよ。結びなおした方がいい。」
イーリスに指摘され、リアは鏡を見た。
「ほんとだ。三つ編みは時間かかるし、イーリスみたいにポニーテールにしてみるわ。」
リアはブラシで髪をとかすと、高い位置で一つにくくり直した。
イーリスは鏡台の方へ行くと、青いリボンを取り出してきた。
「これ、誕生日にイル兄さんから貰ったんだけど、同じのが2本あるんだ。私はいつもこの髪型で、1本しか使わないから、こっちをリアにあげるよ。」
そう言って、リボンをポニーテールの上から結んでくれた。
「せっかくお兄さんにもらったものなのにいいの?」
「うん、大丈夫。友達とお揃いっていうのもいいかなって思ったんだ。」
「ありがとう!綺麗な色だね。」
「私の瞳の色に合わせたって言ってた。」
「そんな大切な物なのに、ありがとう。大事にするね。」
「どういたしまして。じゃあ、食堂に行こう。午後は兄さんたちの練習を見たらいい。もっと迫力があって面白いと思うよ。」
※
ワッツ家の食事風景は壮観だった。
とにかく量が多い。
リアは目の前に置かれた大量の肉料理を見ておののいた。
胃が破裂しそうな量だった。
これ、全部食べれるかな?
およばれでご馳走してもらったのに、ご飯残すのって失礼だよね・・・
目の前の肉を悩まし気にじっと見つめていると、隣に座ったイオが話しかけてきた。
「リア、食えるだけでいいぞ。残した分は俺が食ってやる。」
「ほんとですか?ありがとうございます。」
リアはパッと笑顔になってイオの方を見た。
うぐっ
リアを見て顔を赤くしているイオに、家族全員が同じことを考えた。
イオ兄さん、うちで一番でかくて厳ついくせに、昔から小さくて可愛いものが好きだったからなあ。
イルは肉を頬張りながら、興味津々に次兄とリアのやり取りを見ていたのだった。
2
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ベルガー子爵領結婚騒動記
文月黒
恋愛
その日、王都より遠く離れたベルガー子爵領は、俄かに浮き足立っていた。
何せ、ついに領民一同が待ち望んでいたベルガー子爵の結婚相手がやって来るのだ。
ちょっとだけ(当領比)特殊な領地の強面領主に嫁いで来たのは、王都の男爵家の末娘・マリア。
だが、花嫁は領主であるベルンハルトの顔を見るなり泣き出してしまった。
最悪な顔合わせをしてしまったベルンハルトとマリア。
慌てるベルンハルトの腹心の部下ヴォルフとマリアの侍女ローザ。
果たしてベルガー子爵領で彼らは幸せを掴めるのか。
ハピエン確定のサクッと読めるギャグ寄り恋愛ものです。
【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる