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第43話 文化祭
今日は待ちに待った文化祭の日だ。
リアは学年の出し物である演劇に出演する予定だ。
主役のイーリスは騎士姫という内容がお気に召したのかノリノリで参加していた。
一方、リアは生徒会もあり、練習が万全ではないので不安でいっぱいだ。
「うー。ドキドキする・・・。」
劇の練習はずっと教室だったし、舞台での予行の日は生徒会の仕事で参加できず、リアだけぶっつけ本番なのだ。
「リア、笑顔、笑顔。表情が硬いわ。」
メイク担当のスージーにお化粧をしてもらうリアに、シンシアが声をかけてきた。
彼女は脚本係、兼舞台監督だ。
「エミーリア姫の出番はほとんど姉のイリス王女と一緒だから、観客の方は一切見ないで、イリス王女の方を見ていたらいいのよ。イーリス本人は好きでしょう。その気持ちを込めて彼女を見るの。」
普段おっとりしたシンシアだが、こと自分の趣味の世界には妥協しないし、なかなか厳しいのだ。
「はい・・・。」
リアは逆らわず、頷いた。
でも、たしかにそうね。
客さんを見ると緊張しちゃうから、イーリスだけ見とこう!
メイクが終わると、スージーが感嘆の声をあげた。
「リア、あなた。メガネを取ったらすごく可愛いのね。メイクしてこの衣装を着たら本当にどこかの国のお姫様って感じよ。」
「ありがとう・・・。」
リアは照れて赤くなった。
今日は幼いお姫様の役なので、レースがたくさん付いたフワフワのピンクのドレスを着て、メガネを外し、髪の毛も下ろしてゆるく巻いてもらっているのだ。
シンシアも満足そうだ。
「よし。エミーリア姫は完璧ね。もうすぐ出番よ。」
※
1年生の演劇が始まる少し前、すでに客席は大勢の観客で埋め尽くされていた。
そして、生徒会の面々も、みなリアを見ようと席を陣取っていた。
「リアちゃん、幼いお姫様役らしいですよ。」
ヘンドリックの言葉にジークフェルドが噴き出した。
「幼いってのが、リアらしいな。」
「あの騎士家系のイーリス嬢が主役の騎士姫だそうです。剣舞もあって、すごくカッコいいんですってリアちゃんが言ってました。」
「剣舞か、それは楽しみだな。」
「あ、もうすぐ舞台が始まるよ。」
クリスの言葉にジークフェルドとヘンドリックは口をつぐみ、舞台の方へと視線を向けた。
1年生の創作劇
『騎士姫と最愛の妹姫』の上演開始である。
リアは学年の出し物である演劇に出演する予定だ。
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彼女は脚本係、兼舞台監督だ。
「エミーリア姫の出番はほとんど姉のイリス王女と一緒だから、観客の方は一切見ないで、イリス王女の方を見ていたらいいのよ。イーリス本人は好きでしょう。その気持ちを込めて彼女を見るの。」
普段おっとりしたシンシアだが、こと自分の趣味の世界には妥協しないし、なかなか厳しいのだ。
「はい・・・。」
リアは逆らわず、頷いた。
でも、たしかにそうね。
客さんを見ると緊張しちゃうから、イーリスだけ見とこう!
メイクが終わると、スージーが感嘆の声をあげた。
「リア、あなた。メガネを取ったらすごく可愛いのね。メイクしてこの衣装を着たら本当にどこかの国のお姫様って感じよ。」
「ありがとう・・・。」
リアは照れて赤くなった。
今日は幼いお姫様の役なので、レースがたくさん付いたフワフワのピンクのドレスを着て、メガネを外し、髪の毛も下ろしてゆるく巻いてもらっているのだ。
シンシアも満足そうだ。
「よし。エミーリア姫は完璧ね。もうすぐ出番よ。」
※
1年生の演劇が始まる少し前、すでに客席は大勢の観客で埋め尽くされていた。
そして、生徒会の面々も、みなリアを見ようと席を陣取っていた。
「リアちゃん、幼いお姫様役らしいですよ。」
ヘンドリックの言葉にジークフェルドが噴き出した。
「幼いってのが、リアらしいな。」
「あの騎士家系のイーリス嬢が主役の騎士姫だそうです。剣舞もあって、すごくカッコいいんですってリアちゃんが言ってました。」
「剣舞か、それは楽しみだな。」
「あ、もうすぐ舞台が始まるよ。」
クリスの言葉にジークフェルドとヘンドリックは口をつぐみ、舞台の方へと視線を向けた。
1年生の創作劇
『騎士姫と最愛の妹姫』の上演開始である。
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