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第73話 トルドー公爵 side 生徒会メンバー
ヘンドリックは、その日クラスの日直当番に当たっていた。
日直は、その日の最後にクラス日誌を職員室に提出しないといけないのだ。
職員室に入り、部屋の奥の方で日誌を片付けていると教頭先生の声が聞こえてきた。
「ああ、アーロン・・・」
アーロン?リアちゃんか?
ヘンドリックがチラッと後ろを見ると、教頭先生と見慣れない男性とリアが3人でしゃべっていた。
気になって耳をこらして会話を拾ってみた。
ルーファスに内緒でリアちゃんを公爵邸に連れて行くなんてまずいだろう。
公爵は厳しい血統主義者で、今はリアの素性を知らないはずだ。
そうこうしているうちに、リアは使者の男性に強引に職員室から連れ出されていった。
嫌な予感がして、ヘンドリックは生徒会室へと走った。
部屋に入ると、ルーファスとジークフェルドが2人で座って雑談をしているところだった。
「どうしたんだ?ヘンドリック。おまえがそんなに慌てるなんてめずらし・・・」
ジークフェルドに話しかけられたが、ヘンドリックはそれを途中で遮り、今職員室で見聞きしたことを伝えた。
2人は血相を変え立ち上がった。
「昨日、父上の様子がおかしかったので、今日殿下方に相談しようと思ってたんです。まさか、こんなに早く動くとは・・・」
ルーファスは青ざめている。
「とりあえず、俺たちは公爵邸に行こう。ヘンドリックはここに残って、クリスが来たら事情を説明してくれ。」
ジークフェルドに指示され、ヘンドリックは頷いた。
「わかりました。リアちゃんを助けてあげて下さい。」
馬車の停車場へ行くと、ちょうど帰りの生徒たちでごった返していた。
「よし、俺の馬車で行くぞ。」
王族の馬車は特別に別の停車場にとめられているのだ。
2人でジークフェルドの馬車に乗り込み、公爵邸へと向かった。
「父上が職場の部下から学院での噂を聞いたらしく、内密に調査していたようなのです。」
ルーファスがうなだれている。
リアに悪い虫がつかないようにルーファスがガードしていたのだが、それが変な形で公爵まで伝わってしまったというわけだ。
「公爵はリアの素性を知らないだろう?」
「はい。」
「じゃあ、今日は十中八九リアを締め上げるつもりなんだろうな。」
ジークフェルドが厳しい表情をうかべた。
「・・・はい。」
ルーファスは力なく同意した。
公爵邸に着くと、停車場の端の方に馬車を停めさせた。
「とりあえず、ルーファス。おまえが父親を説得してリアを助けてこい。俺はここで待ってるから、リアを連れ出してきたら学院に連れて帰る。」
ジークフェルドの言葉にルーファスは頷き、馬車を降り屋敷の中へと入って行った。
ジークフェルドが屋敷の入り口を見つめながら待っていると、程なく男性に連れられたリアが出てきた。
目を腫らし、ポロポロと泣いている。
くそ、ルーファスとすれ違ったのか・・・。
リアは入口の真正面に停められた馬車に乗せられ、そして声をかける間もなくすぐにその馬車が動き出した。
一緒の馬車に乗って、早く慰めてやりたいと思ったが、それは学院に帰ってからでもいいだろう。
ジークフェルドは御者に声をかけた。
「あの馬車を追いかけてくれ。」
しかし、学院へまっすぐ帰ると思われた公爵家の馬車は、全然違う場所へと進んで行った。
「あの馬車は、いったいどこに向かってるんだ?」
ジークフェルドはつぶやいた。
日直は、その日の最後にクラス日誌を職員室に提出しないといけないのだ。
職員室に入り、部屋の奥の方で日誌を片付けていると教頭先生の声が聞こえてきた。
「ああ、アーロン・・・」
アーロン?リアちゃんか?
ヘンドリックがチラッと後ろを見ると、教頭先生と見慣れない男性とリアが3人でしゃべっていた。
気になって耳をこらして会話を拾ってみた。
ルーファスに内緒でリアちゃんを公爵邸に連れて行くなんてまずいだろう。
公爵は厳しい血統主義者で、今はリアの素性を知らないはずだ。
そうこうしているうちに、リアは使者の男性に強引に職員室から連れ出されていった。
嫌な予感がして、ヘンドリックは生徒会室へと走った。
部屋に入ると、ルーファスとジークフェルドが2人で座って雑談をしているところだった。
「どうしたんだ?ヘンドリック。おまえがそんなに慌てるなんてめずらし・・・」
ジークフェルドに話しかけられたが、ヘンドリックはそれを途中で遮り、今職員室で見聞きしたことを伝えた。
2人は血相を変え立ち上がった。
「昨日、父上の様子がおかしかったので、今日殿下方に相談しようと思ってたんです。まさか、こんなに早く動くとは・・・」
ルーファスは青ざめている。
「とりあえず、俺たちは公爵邸に行こう。ヘンドリックはここに残って、クリスが来たら事情を説明してくれ。」
ジークフェルドに指示され、ヘンドリックは頷いた。
「わかりました。リアちゃんを助けてあげて下さい。」
馬車の停車場へ行くと、ちょうど帰りの生徒たちでごった返していた。
「よし、俺の馬車で行くぞ。」
王族の馬車は特別に別の停車場にとめられているのだ。
2人でジークフェルドの馬車に乗り込み、公爵邸へと向かった。
「父上が職場の部下から学院での噂を聞いたらしく、内密に調査していたようなのです。」
ルーファスがうなだれている。
リアに悪い虫がつかないようにルーファスがガードしていたのだが、それが変な形で公爵まで伝わってしまったというわけだ。
「公爵はリアの素性を知らないだろう?」
「はい。」
「じゃあ、今日は十中八九リアを締め上げるつもりなんだろうな。」
ジークフェルドが厳しい表情をうかべた。
「・・・はい。」
ルーファスは力なく同意した。
公爵邸に着くと、停車場の端の方に馬車を停めさせた。
「とりあえず、ルーファス。おまえが父親を説得してリアを助けてこい。俺はここで待ってるから、リアを連れ出してきたら学院に連れて帰る。」
ジークフェルドの言葉にルーファスは頷き、馬車を降り屋敷の中へと入って行った。
ジークフェルドが屋敷の入り口を見つめながら待っていると、程なく男性に連れられたリアが出てきた。
目を腫らし、ポロポロと泣いている。
くそ、ルーファスとすれ違ったのか・・・。
リアは入口の真正面に停められた馬車に乗せられ、そして声をかける間もなくすぐにその馬車が動き出した。
一緒の馬車に乗って、早く慰めてやりたいと思ったが、それは学院に帰ってからでもいいだろう。
ジークフェルドは御者に声をかけた。
「あの馬車を追いかけてくれ。」
しかし、学院へまっすぐ帰ると思われた公爵家の馬車は、全然違う場所へと進んで行った。
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ジークフェルドはつぶやいた。
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